さて、しばらくはガイドの受け売りでハワイ島の案内をしましょう。
ハワイ島:
ハワイ島はハワイ諸島の3分の2を占める最大の島で、中央には4000メートル級の山が2つそびえています。北側にあるのがマウナ・ケア、南はマウナ・ロアといいます。マウナは山でケアは白、ロアは広いという意味です。マウナ・ケアは死火山、マウナ・ロアは活火山で10年前にも爆発しています。今回の目的のキラウエア火山は、山とは言っても標高1200メートルほどの丘陵地帯で、今でもあちこちで噴煙を上げています。現在は、道路からは見ることができない場所が噴火していて、ヘリコプタにのって見に行くことができます。高い山があるおかげで、この島の東側と西側の気候は大きく異なっています。北から東海岸を経て南側まではほとんど毎日スコールがあり、豊かな緑に恵まれています。東側のヒロ周辺では数年前まではさとうきびを中心とした農業が盛んだったのですが、今ではマカダミアナッツ畑や、バナナの畑などの作物に変わっています。 キラウエア火山の噴火口→ |
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反対に西側の中央部はほとんど雨が降らない砂漠地帯です。ここで使う水は東側から持ってきていて、北西部のコハラコーストにあるヒルトン・ワイコロア・ビレッジは砂漠に砂を運んで緑を植え、ゴルフ場を作ったとかで、グリーンフィーは100ドル以上だそうです。反対側のヒロにあるゴルフ場は6ドルでプレイできるのですから、どれほどお金をかけたゴルフコースかわかります。また、私たちが泊まったコナ・サーフ・リゾートは流れ出た溶岩の上に建っていて、庭園の木々は植樹したものだそうです。そんなわけで、西側は砂漠地帯に作られたリゾート地で、経済は観光だけで成り立っています。
東側には水道の設備はなく、各家庭で毎日夕方に降る雨をためて使っています。2度濾過をして使うので、家庭によっては飲み水にも使うようですが、そうでない家は飲み水だけは水道設備のあるところまでポリ容器を持ってとりに行っているようです。風が強いので風力発電も行っているということです。 |
ハワイの動植物:
ハワイには冬だというのに色鮮やかな花がたくさん咲いています。ハワイ州の花は黄色いハイビスカス、ハワイ島の花はレフアです。レフアは真っ赤な花で、火山の溶岩が流れたあとに一番最初に芽吹く木に咲きます。この花には同じように真っ赤な小さな鳥「ハワイロヒ」が蜜を吸いに来ます。
ハワイの植物の約80%は島の外から入ってきたもので、島にもともとあったのは数少ないということです。今では島の主要産物となっているマカダミアナッツや、マンゴー、パパイヤ、バナナ、パイナップル、コーヒーなどはすべて近年になってほかから入ってきたものです。ユーカリもオーストラリアから入ってきました。動物も元から島にいたものは少なく、カ、ハエなどはキャプテンクックがハワイ諸島を発見した約200年前頃に島に移り住んできたものです。ほかにも馬、牛、羊、やぎ、ねずみ、マングースなどさまざまな動物がこの200年くらいの間に増えてきたのです。マングースは、増えたねずみに困り果てたカメハメハ大王が、100年前にオーストラリアで蛇を食うのをみて持ち帰ったものです。ところがマングースとねずみは夜行性と昼行性で、活動時間が異なるために出会うことがないのでどちらも増えつづけてもっと困ったことになっているということです。ハワイにはまっすぐに育つ木がないので、島内の電信柱はオレゴン州やワシントン州から運んできたものを使っています。
島の西側に自生しているサボテンは、もともとはパーカー牧場で働くメキシコ人の牧童たちがテキーラを作るために植えたものだそうです。このパーカー牧場は世界1大きくて、広さは東京都の1.5倍もあり、オアフ島より大きいのです。ここでは主に肉牛を飼っていて、現在は7万頭いるというのですが、道路を走ってみた限りでは実感が湧きません。現在の所有者は6代目で、初代のパーカーさんは3代目のカメハメハ大王の娘と結婚して広い土地をもらったということです。この他にもジェームススチュアートが持っていた牧場や、ジュリーアンドリュースが持っていた世界で一番大きなマカダミアナッツ農園などもありました。このマカダミアナッツは通常1エーカー(1200坪)に100本植えます。1本の木で300ドルの収穫があって、大きな農園は5000エーカーあるから......とガイドさんは言ってあとの計算は家に帰ってどうぞといいます。このマカダミアナッツの収穫にはトラックの前部にかさを広げたようなものをつけ、それで木をぐるっと囲んで木をゆすります。このように収穫にはあまり人手をかけなくてもすむようになっているそうです。
それから、ハワイではランの栽培も盛んで、私たちはアカツカという日本人がランを栽培・販売しているところで美しいランを堪能しました。
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