部屋の壁:

昨夜は隣の部屋の若いお嬢さんたちのにぎやかな声で2時過ぎまで眠れませんでした。ちょっとうとうとすると目がさめ、気が付くと父と母も眠れないようでした。しばらくは我慢していたのですが、父と母が余り寝不足になるのもかわいそうなので、思い切って部屋を訪ねて静かにしてくれるように頼もうとしました。私の部屋のドアを開けよたとき「じゃ、おやすみなさい」という声が聞こえたので、そっとドアを閉めてベッドに戻りました。しばらくして隣の部屋も静かになり、父と母も眠りについたようでした。彼女たちはこの部屋の壁がそんなに薄いとは気がついていないのでしょう、この調子では今夜も同じことになりそうな気がします。フロントに頼んで話をしてもらおうかと思ったのですが、思い切ってお手紙を書きました。

――隣の部屋のものですが、部屋の壁が薄いことに気がついていないのではないかということと、昨夜は2時過ぎの「おやすみなさい」の声まで眠れなかったこと、明朝は7時前には出発しなければならないので、10時以降は小さな声で話して欲しい――とお願いしました。1日遊んで夕方部屋に帰ると――壁がそんなに薄いとは気が付かなかった、旅の開放感からつい遅く帰ったり大きな声で騒いだりした。今夜は静かにするのでゆっくり休んでください――という返事が入っていました。彼女たちとしても楽しいた旅に水をさされた気分だったでしょうに、気もちのいい返事をいただいて爽やかな気分になりました。

トロリーバス:

ワイキキ周辺の足としてトロリーバスがありますが、何かと便利に毎日利用しています。パンフレットに停留所が載っているのですが、どうもよくわかりません。まず基本的に一方通行で、たとえば一つとなりの停留所まで行くにも反対方向に乗ってぐるっと回ってこなくてはならないことを飲み込むまで時間がかかりました。次にこのトロリーの運転手さんは誰もみな非常に愛想がいいのです。特に観光用の赤いトロリーは走る距離が長く、沿線のガイドもしてくれます。しかも日本語でです。この日本語は、とても上手な人もいるのですが、英語のガイドの跡にサービスで付け足してくれる日本語などはほとんど聞き取ることができません。それでも陽気に説明してくれます。すごい人はワンマンショーとばかりに、ハワイアンソングも歌ってくれます。

で、で、みな陽気なのはいいのですが、ついでに誰もものすごい運転をしてくれます。観光用のトロリーは、木製のベンチが車の外側を向いてついています。シートはすべって安定が悪いのですが、それに加えて急ブレーキ急発進、急ハンドルと3拍子そろっています。最初に乗ったときはその人だけかと思ったのですが、2日目の運転手さんも、途中で代わった人も、帰りに乗った時の運転さんもみーーんな乱暴な運転をします。7年前にきたときの一番記憶に残っていることは、ハワイの人は誰もゆったりと落ち着いた運転をすると驚いたことでした。あれ以来折に触れてはそのことを思い出し、自分も真似をしようと心がけることもあるほどです。あれは私の勝手な思い込みだったのでしょうか......。

今日の帰りに乗った黄色のショッピング用のトロリーは日本のバスと同じシートで、運転もそう乱暴ではありませんでした。

5人できている:

昨日の夕方ですが、「4人できているんじゃないよ!」強い調子の言葉に振り返りました。私と母の間位の年齢の女性が前を行く人に向かって「5人できているのを忘れないでね!」といっています。前を行くのはその人の息子さんの家族でしょうか、奥さんと、中学生くらいのお嬢さん2人合計4人です。あとの女性は少し送れて足早に前の4人を追いかけています。この様子を部屋に帰って母に話すと「お嫁さんはお母さんの手を引くくらいにしてあげないとね、こういうところへ来たら」と言います。私はこの様子を見たときに、同じことでももう少しかわいらしく言えばみなも気持ち良く待ってくれるだろうにと思ったのです。

母は娘2人がいるだけで男の子は持たなかったので、「ヨメ、シュウトメ」の苦労は経験ないはずです。でも、こういう場合にはシュウトメの見方をし、私はしっかりヨメさんの見方をしています。もしかすると、私は時には母のヨメさんとしての役割も果たさなくてはならないのかしらと思った次第です。


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