サイクリストの聖地

「サンタ・マドンナ・デル・ギザッロ教会」へ行こう!

Santuario Madonna del Ghisallo

  
 

  


そもそもその教会は何処にあるのか?

お国はイタリア。そう、ヨーロッパ大陸のあのロング・ブーツそっくりの形をしたイタリアにあります。 そのイタリアの北の方(ミラノよりもまだ更に北/ほとんどスイスとの国境付近)にコモ湖という「人」という字に似ている湖があります。 コモの街からバスを乗り継いで約1時間半ぐらいのところにあるマグレーリオ(Magreglio)のギザッロ峠(754m)にこの "Santuario Madonna del Ghisallo" はひっそりと建っています。 教会をゆっくり訪れるのであればこのコモ湖畔にあるその名も「コモ(Como)」という街を拠点にするのが良いかと思います。
(ミラノからの日帰りも不可能ではありませんが、駆け足の旅になってしまいそうですからね。)
 


何故「サイクリストの聖地」なのか?

私もその理由はよく知りません。
1949年にその当時のローマ法王に、この教会に祀られている聖女が正式に「サイクリストの守護聖人」と 認定されたそうなのですが、じゃー何故この教会が?と聞かれると困るのです。なんせ私は新米サイクリストですし、 ロードレーサでもありませんのでその辺の事情はは知りません。イタリアのロードレース(ジロ・ディ・イタリアと呼ばれてます)の通過地点にも なっているらしいですし、ワールドカップのコースにも入っているらしいのですが、ぜ〜んぶ人から教えてもらった話なので「・・・らしい」としか言えないのです。
どなたか「実はね・・・」をご存知の方は是非!教えてください。
 


どーして行きたかったのか?

単なる好奇心です。存在を知ったのは、何年か前にCycleSports誌に紹介されていた記事を読んだからです。「へぇー自転車の国イタリアにはこんなものまであるのだねぇ」ととても興味をそそられました。
まぁ、ここ数年自転車のとりこになっているのも事実です。それに想像してみてください。 一般的に教会というところはイエス・キリストやマリアさまが厳かに祀られているところ。実際に知り合いとの間で、 「夏休みどこへ行くの?」「イタリア」「イタリアのどの辺?」「自転車会」「へぇー自転車の会へねぇ」 ・・・こんな会話が何度繰り返されたことか。そんな印象しかなかった教会の内部にですよ、自転車競技の歴代チャンピオンたちが献納した自転車が飾られていて、 参拝者(クリスチャンではない場合は見学者?)は中を自由に眺めることができるのです。

教会に近づくにつれ、沿道はウェアに身を包んだサイクリスト達であふれかえるそうです。 (私が行った時は時期が悪かったせいか、残念ながらあふれかえってはいませんでしたが、何人かのサイクリストはみかけました。) そうやって辿りついた峠の教会の中に、古い自転車やサイクリスト達のサイクルウェアが飾られているなんて考えただけでワクワクしませんか?
少なくとも私はワクワクしたわけです。
 


どーやって行くのか?

・・・まず、最寄の空港から飛行機に乗ってイタリアまで・・・ (ってそんなこと言われんでもわかるっちゅうネン。)  失礼。とにかく、私の説明はコモ(Como)から始まりますので、自力でこの街に辿りついてください。ちなみにミラノからは国鉄と私鉄が コモに向かって走っていて、私のお勧めは私鉄で行く方法です。(ミラノの北駅〜コモ北駅まで約1時間。1時間に2本程度走っています。)
 

無事にコモにたどり着いたら、まず最初に必ずツーリスト・インフォメーションで情報を再確認してください。 私がウソを書いている場合もありますし、情報が変わっている可能性があります。インフォメーションへ行けば地図は手に入りますし、 少々分厚いバスの時刻表(私がもらったものには "Rigionel Lombardia" と書かれています)ももらえます。空いていて窓口の人とゆっくり話せそうだったら 「ギザッロ教会に行きたいんですが」と心細そうに相談すると、きっと地図やら時刻表を出してきてくれます。
(インフォメーションはカヴール広場のメトロポールスイスというホテルの南隣にあります。)
以下私が2001年11月のとある土曜日(季節的には冬期=閑散期)に行った時のアプローチです。
この時は時期のせいかバスの本数が極端に少なく、教会からコモに帰る為の丁度良いバスがなかったので 途中列車を乗り継いでエルバ(Erba)を経由しましたが、アッソ(Asso)→コモ直通のバス(C49)も走ってはおりました。
(この列車では Comoに直接は戻れないようです。)
BUSの横に書いてある(C30)等は路線番号です。
BUS(C30) Como(dep.08:45)
Bellagio(arr.09:55) Bellagioに約2時間滞在
BUS(C36) Bellagio(dep.12:00)
Ghisallo santuario(arr.12:27) Ghisalloに約1時間滞在
BUS(C36) Ghisallo santuario(dep.13:40)
Asso(arr.14:00)  
TRAIN Asso(dep14:30)
Erba(arr.14:42)  
BUS(C40) Erba(dep.14:51)
Como(arr.15:25)  

こんな知らんところの地名と時間をズラズラ書かれてもイメージがわきませんよね?そんな方は 地図をご覧になってください。多少はルートのイメージがつかめると思います。見ていただいたらわかりますように、 コモの街からぐるーっと一周して帰ってくるような感じでした。上に書きましたバスはもちろん反対方向にも走っておりますので、 時刻表とニラメッコしてじっくりルートを組んでください。バス会社は2社(SPTとFNM)あるようで、区域を分担して走っております。ちなみに、時刻表 はイタリア語で書かれており、色々とチンプンカンプンな「但し書」が書かれています。以下、ご参考までに。
Feriale = 平日
Festivo = 日曜日・祝祭日
Scol = 学校のある日(イタリアでは土曜日は学校があるそうです)
私がもらった時刻表は FerialeFestivoは別々に記載がありましたし、多くのバスには Scolと書かれていましたので注意して見てください。 

それと、バスの切符は乗り換え毎に購入しなければならないようです。コモではバス・ターミナルに売り場がありましたし、 Erbaでは列車の駅の売店で売られていました。売り場のないようなところ(Ghisalloのように)はバスの中で直接支払います。料金は情けないことに忘れてしまったのですが、 日本円で200円〜400円程度だったと思います。


そうそう、肝心なこと
私はバスでしか行けないかのように書いておりますが、もちろん!この行程を自転車で行くことは可能です。 というよりはむしろ、自転車で行くべきでしょう(きっぱり)。 コモから往復で80kmぐらいじゃないかと思います。コモからベラージョまでの湖畔沿いの道の景色は抜群だと思います。 (道が狭いので車とのすれ違いがちょっと怖いかも知れませんが。) ベラージョからギザッロ峠までの登りはキツイ(私には、ね)と思います。何人か見かけたサイクリスト達も この坂を立ち漕ぎして登っていました。

このコモからの往復の行程を、名古屋のカトーサイクルのカトー社長は自転車で行かれたそうです。それも驚くなかれ、 BD−1(タイヤが18inchの折りたたみ自転車)で!

写真etc


教会の中で・・・

教会の開館時間・曜日については確固たる情報がありません。私が行った土曜日は開いておりました。 カトーさんは月曜日に行かれたそうですが、これも開いていたそうです。CycleSports誌には「日曜日しか中に入れない」とありますが、そんなことはなようです。 誰かが何時かにやって来て鍵を開け、また誰かが何時かにやってきて閉める。その「誰か」が風邪を引いて寝込んでしまったり、用事ができて遠くに出掛けてしまって 居ない時は閉まったまんまなのかな?・・・そんな印象を受けました。

中はとてもこじんまりとしています。 私が行った時は教会の係り(門番?)の人は誰もいませんでした。雑誌やインターネットで見た通り、自転車や古めかしいレサージャージや細々としたものが所狭し、と飾られていました。 お守り(だと思います)のカードが2種類売られています。(新しいタイプのお守りも登場しているらしい。) 絵葉書も10種類程度売られています。但しこれらは全て自動販売機で売られていましたので小銭がなければ買うことができませんでした。お守りは確か、Lire500だったかな。絵はがきは Lire200 と Lire300 ぐらいだったかな。アレ?2002年からは Euro しか使えなくなるんですよね。どうなるのだろう、ここの自動販売機。ガラスのショーケースの中にグシャグシャと物が陳列されていました。それが売り物か飾ってあるだけなのかは不明です。後で紹介するJochaousさんという方は日曜日に行かれたのですが、その時は人が居て机を出して販売されていたそうです。曜日によって違いがあるのかも知れませんね。
 


喉が渇いたら・・・

教会の少し先に小さなBarがありました。(少なくとも11月の中旬は開店してました。)
季節が良ければ外で、寒ければ中で飲んだり軽食を食べたりすることができます。
 


最後に・・・

2001年、期待しないでふと誘ってみた友人が「一緒に行ってもいーよー!」と言ってくれました。 三回転半ジャンプで大喜びです。だって、自転車に興味がある人でもそうそう行きたいとまでは思わないであろうイタリアの、 それもかなり辺鄙なところにある教会に付き合ってくれるわけですからね。

行けると決まったら即!「インターネットでホイホイと検索して・・・」と 安易な気持ちで情報収集を開始しました。が・・・ない!ないのです、情報が。googleやら YAHOO!やらで検索しても日本語のサイトで出てくるのは Jochaousさんの「Jochaousのギザッロ教会のページ」 だけだったのです。(「ギザッロ教会へ行くぞ!」と決められた方は絶対にここを訪問すべし。全ての情報が揃っております。)  後は「自転車で行った」(英語) 「ローラースケートで行った」(英語) 「めずらしい教会の紹介」(イタリア語) 「自転車博物館建設!」(イタリア語)等々 役には立つんだか立たないんだかよくわからんサイトばかり。正直私はJochaousさんのHPがあったからこそ行こう!と決心がつきましたし、メールでも大変お世話になりました。

そこで、私みたいに「ふと」行きたくなった人のために...とこのHPを作ることしました。行ってみたいな、と思っておられる方にとって少しでも参考になれば幸いです。

それと、このHPを書きながら、いったい私はある程度自転車を知っている人に向かって書いているのか、 それともスキーのページから運良く(運悪く?)ここに辿り着いた人に向かって書いているのか悩みました。よって、自転車にあまり興味のない人でも少しは 理解してもらえるように書いたつもりのですが、結果的に中途半端になってしまいましたね。

ちなみに、この教会の敷地内に「自転車博物館」ができるそうです。2000年9月開館予定。2001年11月。 確かにどでかいクレーンはありましたが(写真撮影に邪魔なことったらありゃしない)、何処を見ても建物の土台すらありませんでした。しかし小さな教会の中にはもう飾るスペースはありませんし、献納される品々は増えるばかり。博物館の建設に期待したいものです。

またいつの日か完成した博物館を見学に、今度は自転車で再訪する日を愉しみにしています。
 

 
・・・Buon Viaggio!
  
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