サスペンションの適正化
「ソフトかつフラットでスムースな足回り」は、ハイドロ・シトロエン乗りの
多くに共通する願望のひとつです.
BXでは走行とともに劣化して、乗り心地に大きく影響する弱点がいくつかあります.
- 走行性能と乗り心地に影響するポイント
- サスペンション・スフェア
- フロント・サスペンションシリンダー
- リヤ・アームベアリング
- 車高
- フロントストラット・アッパーマウント
- ロア・アームブッシュ
- スウィベルのロアボールジョイント
- タイロッドエンド・ボールジョイント
- スタビライザーブッシュ
- サブフレームマウントブッシュ
その他エンジン・トランスミッション・ドライブシャフトからくる振動および
タイヤの特性、椅子のへたりやボディーの軋み(笑)なども直接間接乗り心地
に影響してきますが本稿では触れません.
このように羅列すると全部なのですが、特に重要なのが1.〜4.の項目です.
5.以下の項目は直進性など、ジオメトリーにも影響を与え得る部品です.
乗り心地に不満を感じた時には、まず1.〜4.までの項目のチェックを
さらなる追求を考える場合は5.以下をチェックしてみて下さい.
1.-4.各部の劣化による症状
- フロントストラット
他車種にはないBX特有の弱点です.
サスシリンダーのトップベアリング磨耗が原因です.
一般的な寿命は5-6万キロ
- フロントの突き上げの増加
- 走行時や車高上下時の異音
- エンジン停止後もフロントが引っ掛かって車高が落ちない、etc
- リヤアームベアリング
ハイドロシトロエン特有の弱点です.
アームのピボット部にあるベアリングの劣化・破損が原因です.
一般的な寿命は7万キロ
- リヤの突き上げの増加
- 走行時や車高上下時の異音
- リヤタイヤのネガティブキャンバー
- エンジン停止後もリヤが引っ掛かって車高が落ちない、etc
- サスペンション・スフェア
スフェア内部の窒素ガスが自然に抜ける事が原因です.
バネレートが増加します.
一般的な寿命は4万キロ
- 乗り心地が硬い.突き上げが強い.
- ストロークの減少
- ピッチング
- 車高
何故か自然に狂っている事があります.
車高が安定しない場合は調整不良だけでなく、ハイトコレクターや
コントロールリンク、シリンダーシール、リヤではブレーキバルブの
故障も疑う必要があります.
- 高すぎる場合:バネレートの増加により硬くなる
- 低すぎる場合:バンプラバーに強く当り、底着き感を伴う
(C) Y. Narabayashi