ピニオンバルブの交換
下記も併せて御参照ください.
- フロントをリフトアップしてウマを掛けます.
BXはサイドブレーキが前に効くため、後輪に輪留めをしたほうが安全です.
サブフレーム後側からのアプローチですので、ウマは少し高めに掛けます.
車高を最低位置とし、プレッシャーレギュレーターのブリードスクリューを緩めて油圧を抜きます.
- 先にサクション/リターンホースのユニットをリザーバータンクから外しておきます.
ステアリング回りの油圧系を外すと持続的にLHMが重力で汲み出され、いつまでも漏れますので、これを防ぐ工夫です.
- ステアリング・コラム下のカバーを外し、ステアリングシャフト中継部にあるクランプボルトを緩めます.
- ステアリングシャフトがフロアを貫通する部のブーツを外して引き上げます.
奥にステアリング・カップリングが見えます.
カップリングを取り外します.
(作業についてはこちらを御覧ください.)
- ピニオンバルブとパワーシリンダーを繋ぐ2本の配管(↓ ↓)を外します.
この配管は接合部にゴムのオイルシールを持たず、フランジで圧着される構造です.高トルクですので、フレアナット・レンチを使用します(12mm).
- ボンネット側から、バルブ上側にある2本の配管を外します.
細い方の管はマカロニシールを使っています(4.5mm).太いほうはフランジタイプです(12mm).
- 配管が外れたら、ピニオンバルブをステアリング・ラックに止めている2本のボルト(6mmヘキサゴン)を外します.通常はこれで上に抜けますが、外れない時はラック下側にある菱形プレート(○)の固定ボルトを緩めてやります(5-6mm浮く程度).
中には、ラックギヤを持ち上げてピニオンギヤと圧着させるためのサポート及びスプリングが入っています.
- 組み付けは逆の手順ですが、新しいバルブをラックに組み付ける際、モリブデングリスを中に入れてやります.取り出したピニオンギヤに付着している分の3倍程度入れてやれば良いと思います.
- 取り付け後はエンジンを掛け、作動と漏れ、LHMの量を確認し終了します.
今回の作業は野口さんに車両提供をしていただきました.
慎んで感謝の意を表します.
(C) M. Kato, Y. Narabayashi