www.bx.citroen.org
Steering System Pinion Valve Exchange
Tech Guide

ピニオンバルブの交換

下記も併せて御参照ください.

  1. フロントをリフトアップしてウマを掛けます.
    BXはサイドブレーキが前に効くため、後輪に輪留めをしたほうが安全です.
    サブフレーム後側からのアプローチですので、ウマは少し高めに掛けます.
    車高を最低位置とし、プレッシャーレギュレーターのブリードスクリューを緩めて油圧を抜きます.

  2. 先にサクション/リターンホースのユニットをリザーバータンクから外しておきます.

    ステアリング回りの油圧系を外すと持続的にLHMが重力で汲み出され、いつまでも漏れますので、これを防ぐ工夫です.

  3. ステアリング・コラム下のカバーを外し、ステアリングシャフト中継部にあるクランプボルトを緩めます.

  4. ステアリングシャフトがフロアを貫通する部のブーツを外して引き上げます.
    奥にステアリング・カップリングが見えます.

    カップリングを取り外します.
    (作業についてはこちらを御覧ください.)

  5. ピニオンバルブとパワーシリンダーを繋ぐ2本の配管(↓ ↓)を外します.

    この配管は接合部にゴムのオイルシールを持たず、フランジで圧着される構造です.高トルクですので、フレアナット・レンチを使用します(12mm).

  6. ボンネット側から、バルブ上側にある2本の配管を外します.

    細い方の管はマカロニシールを使っています(4.5mm).太いほうはフランジタイプです(12mm).

  7. 配管が外れたら、ピニオンバルブをステアリング・ラックに止めている2本のボルト(6mmヘキサゴン)を外します.通常はこれで上に抜けますが、外れない時はラック下側にある菱形プレート()の固定ボルトを緩めてやります(5-6mm浮く程度).

    中には、ラックギヤを持ち上げてピニオンギヤと圧着させるためのサポート及びスプリングが入っています.

  8. 組み付けは逆の手順ですが、新しいバルブをラックに組み付ける際、モリブデングリスを中に入れてやります.取り出したピニオンギヤに付着している分の3倍程度入れてやれば良いと思います.

  9. 取り付け後はエンジンを掛け、作動と漏れ、LHMの量を確認し終了します.


今回の作業は野口さんに車両提供をしていただきました.
慎んで感謝の意を表します.


(C) M. Kato, Y. Narabayashi

www.bx.citroen.org