Back Numbers : No.2~What else ?



【サバイビング・ピカソ】を10倍楽しく見る方法

映画【サバイビング・ピカソ】をより楽しむために、ピカソについてちょっとだけ解説をしてみました。

  1. ピカソをめぐる7人の女たち

    ピカソ研究本をひもとくと、この人たちの名前は必ず出てきます。勿論、他にも恋人はいたとのことですし、寝ただけの相手なら数知れず、ということですが……。
    (ちなみに【サバイビング・ピカソ】には、後半の5人の女性が出てきます。)

    • フェルナンド・オリビエ……主に売れないビンボー画家時代の恋人。後にピカソとの同棲時代の回想録を著し、ピカソの不興を買う。
    • マルセル・デュプレ(エヴァ)……主にキュビズム時代のミューズ。若くして病死し、ピカソを深く嘆かせる。
    • オルガ・コクロヴァ……元ロシア・バレエ団のダンサーにしてピカソの最初の妻。長男パウロを出産。社交界の華やかな生活を好み、後にピカソとの溝が深まる。
    • マリー・テレーズ・ワルテル……ピカソがナンパした時はまだ17歳の少女だった ! 官能的な肉体で、ピカソに多くの霊感を与える。長女マヤを出産。
    • ドラ・マール……「ゲルニカ」の製作過程を記録した写真家、または「泣く女」のモデルとして有名。繊細すぎる感受性故に、ピカソとの交際で神経を病む。
    • フランソワーズ・ジロー……画家にしてピカソに自ら背を向け去っていったただ一人の女。次男クロードと次女パロマ(宝飾デザイナーとして有名)をもうける。
    • ジャクリーヌ・ロック……ピカソの二番目にして最後の妻。ピカソが死ぬまで献身的に尽くし、後、自殺した。

  2. ピカソの作品時代区分について(ごく大雑把に)

    ピカソは1881年にスペインで生まれ、後に画家として成功するためにフランスに移りました。ピカソも初期の頃はフツーの絵を描いていました(有名な「青の時代」「バラ色の時代」というのは、実は若い頃のほんの2~3年の時期に過ぎません)が、1907年に「アヴィニョンの娘たち」という破壊的な絵を描いて、その後の20世紀美術史をひっくり返してしまいます。その後キュビズムの時代に入り、古典主義へのゆり戻しの時代も経ながら、1925年頃(マリー・テレーズとつき合い始める前後)以降は、よりシュールな画風に近づいていき、独自の画風に磨きを掛けていきます。この後、1937年に「ゲルニカ」を描いたのを一つのピークとして、油ののった製作活動を続けます。が、フランソワーズが彼の元を離れた1953年頃以降から1973年の死去までの間の作品には、残念ながら見るべきものは少ないとされています。

  3. 参考文献など

    とりあえずこの2つはスグレモノだと思います。他にも勿論たくさんの本があるのですが、参考文献のリストを無くしてしまったので……。

    • 『ピカソ 偽りの伝説』(上・下)A・S・ハフィントン著/草思社刊……【サバイビング・ピカソ】の原作本。あまたのピカソ研究本の中でも、ピカソ礼賛に終わっていなかったところが画期的だった一冊。この本を読んで初めて、それまでの本でフランソワーズ・ジローが何故、大体悪役として描かれていたのかが分かった(ということで映画化されたんだろうなぁ)。
    • 『PABLO PICASSO : A RETROSPECTIVE』ニューヨーク近代美術館刊……1980年のMOMAでのピカソの回顧展の時に作られた画集。これだけ主要作品がほとんど網羅され、作品年代別に整理されて詳しい解説が加えられているものは他に見たことがない(英語だけど)。は最初大学の図書館で見つけたのだけれど、運がよければどこかで御覧になってみて下さい。(多分、MOMAではまだ売ってるんじゃないかと思う。)
お星様の【ピカソ】の欄へもどる
よもやま話のページへもどる


FFつれづれ日記

FFVII、ついに出ましたね~。は、普段なら絶対に出来ない早起きを無理矢理して、朝イチでコンビニまで買いに出掛けたバカもんです(その後無論仕事に行きましたので、1/31に有給を取っていたというの会社の人には負けます)。はあきれ顔で見ていましたが、それでも、朝食を取りつつ観賞したオープニング・シーンでは「おおぉ」と声を上げていました。(ちなみに、このシーンの容量だけで既にVIを越えているのだそうな。)
これから何カ月かは絶対にファイナル・ファンタジーの話題をたくさん書きたくなるに決まっているので、コーナーを別に作ってみました。しかし、これはホントに単なる個人的な偏愛手記以上のものにはならないと思いますし、インターネットやパソ通上ではもっといろいろとお詳しい方々による虎の穴のようなページがいくつもあることと思いますので、このページに関して言えば、本当、読む必要のない代物だと思います。(だったら何で書くんじゃい。)すみません。

さて、今回はまだ内容に踏み込めるほどやっていないので、とりあえずのさわりだけ。今回のVIIについての情報をいろいろ聞いていて思うのは、今までよりも格段に“映画”を意識していることですね。オープニングもそうですが、ゲームの解説などを読んでいてもしょっちゅう“映画のような”という言葉が出てきます。3D空間を自分で操作するキャラで動き回るというのは、正に“インタラクティブ・ムービー”の一歩手前と言えるのでしょうか !? 何もそんなに映画凝りしなくても、とも思いましたが、あの手塚治虫氏だって映画の手法からは影響を受けたっていうし(その上に今の日本漫画界の隆盛が築かれた訳ですね)、実際のゲームの画面を見てみれば、やはり納得してしまいます。
スクウェア社でフルCG映画を作る計画があるという話をどこかで聞きましたし、今後の夢は ? とのインタビューに「ハリウッドに取って代わること」などと答えているのも目にしたことがあります。今の日本のどこに、そんな大言壮語を吐いてみせる組織があるというのでしょう……怖しい……でももっと怖しいことに、この人達は多分本気です。つまり、単なる夢物語として大口を叩いているのではなくて、どうしたら現実的にそれを実現させることができるのか、ということを虎視眈々と考えているふしがどうも見受けられるのです。しかし、ソニーも日本製のゲーム機もこれだけ世界に進出し、ジャパメーションも注目を集めている昨今、もしかして、確かに勝算はある、かも ? 知れない ? 「ハリウッドに取って代わる」なんてことがもし本当に実現できたりなんかしたらそれこそ、こんなにも夢のない現代日本に於ける超ハイパーなファンタジーとなりうる、と申せましょう。彼等の見ている地平線は、どうやらずーっとずーっと遥かの向こう側にある、ような気がします。
ちなみに今回のFFVIIは、制作費が30億円かかっているとのこと。ゲーム業界としては超破格なのかもしれませんが、これからの戦略への布石ということを考えたら、決して高い値段ではないのかもしれません……しかし30億……日本映画だと下手すると30本、ちょっといいやつでも10本、うんと張り込んだやつでも3本は撮れるな(ちなみにハリウッドだと、普通かちょい安めのが1本というところ ? )。この数字は一体何を物語っているのでしょうね ? ……全く。


ご意見・ご感想はこちらまで


もとのページへもどる   もくじのページへもどる