Keisuke Hara - [Diary]
2000/09版 その3

[前日へ続く]

2000/09/21 (Thurs.)


2000/09/22 (Fri.)

昨日今日と雑務の中、四つの講義と演習一つをこなす。 登録者数100人近かった確率現象論は、 毎回レポート提出、採点は厳しい、 ルベーク積分と関数解析を履修していることが望ましい、 などという「オドシ」がよく効いたらしく、 実際は10人弱くらいしか講義室に現れず、 ほっとする。やはり講義はこれくらいの人数がいい。 と思っていたら、ゲーム理論と線型計画法の講義も結構な人数だったし、 今日の確率統計と数学解析は両方とも大教室満員だった。 200人くらいだろうか。 来週以降どうなっていくのだろうか…

ふらふらになって自宅に帰ると、 神保町の某A社から、 急な用事だからすぐに連絡してくれというような 留守電が入っていて、 ちょっとどきどきしたが、特許関係の書類のことでほっとする。

フレッツISDNにしようかな… などと考えつつ、ドラフトギネスを飲む。 京都の片田舎じゃ、 これが唯一のアイリッシュ風味か。


2000/09/23 (Sat.)


2000/09/24 (Sun.)


2000/09/25 (Mon.)


2000/09/26 (Tues.)

24日(日)、25日(月)と数学会に参加。 今回の開催場所は京大。 確率論関係の講演を聞く。 もちろん二日とも夜はあちこちで飲む。 二日目は午後、随分と空いた時間があったので、 TK 大の S 君、Y さんと三人で金閣寺と龍安寺に 観光に行く。京都に住んでいるとは言え、 滅多にお寺に行ったりしないので良い機会で楽しかったが、 靴ずれのせいで左足をかばって変な歩き方をしていたので、 軽い捻挫になってしまった。

26日(火)、キャンパスへ。 ノートとプレプリントをコピーして送ったりして、 夕方から教授会。 今日は各学科、特に数理科学科にとって非常に重い会議であった。 いつも思うのだが、教授会って単なるお告げの場だな、と。 しかも既に知っていることを聞く場であって、 議論をする場所ではないらしいということも空しさを倍増しますね。 と言うことは非常にまっとうな人がフロアから何か発言するとしても 「もう決まってることでしょうから、 言ってもしょうがないとは思いますが、 一応言っておかねばならないことです」 という程度になってしまうのが残念である。


2000/09/27 (Wed.)

疲れがたまっていたのか目が覚めたら昼近かった。 午後から三条に出て、 本屋をまわって、喫茶店で読書など。

今日買った本。 「カザルス(文藝別冊・バッハ没後250周年記念)」、 「大学崩壊!」(川成洋)、 「木製の王子」(麻耶雄嵩)。 喫茶店で「大学崩壊」を読み、 家に帰ってから明日の講義2コマの準備をし、 夜は「木製の王子」を読む。

「大学崩壊!」の内容はきっと大学関係者でない人は、 まさかそこまでは酷くないだろう、と思うのだろうが (いや、是非そう思っていていただきたいのだが)、 大学に勤める私としてはさして驚きもしなかったし、 かなり現状を正確に表している気さえする。 筒井康隆の「唯野教授」がパロディになっていない現状である。 とは言え、この本を読んだ人にわかっていただきたいのは、 そういう「学校屋」や「休眠教授」ばかりではなくて、 ちゃんとした教授もいるのであって、 この現状を苦苦しく思い、憂えていて、 たまに集まることがあっては話題と言えばそのことなのである。 もちろんそういったちゃんとした研究者であり教育者である 大学教授が「大半だ」とは言えないところ、 今や大学が学問の府であるなどとはとても言えないところが、 全く残念なのだが。


2000/09/28 (Thurs.)

朝は「確率現象論」の講義。 昼休憩の間に、 数学科の学生が研究室に進路相談に来て、 少しの間雑談。 午後一はファイナンス方面で小さな会議。 夕方、「数理計画法」の講義。

「数理計画法」でミニマックス定理を証明するために 補題として支持超平面定理をその場で証明しようとして ずっこける。 最初の証明で失敗し、やり直してうまく行ったように見えたが、 賢い学生から「さっき変数が正だからと言って割ったのに、 今ゼロを代入するのは変だ」と突っこまれ、 いや極限を取れば大丈夫と答えたが、 何だかズルをしたようで気持ちの悪いことであった。 後で考えると極限を取っても問題ないし、 しかも最初に間違ったと思ったやり方でも簡単に出来ていた。 私の講義にありがちだが、 「じゃ、レポート」に出題。 ノートや本を見ずに講義をやってると、 こういうズッコケをやった時に本当に格好悪いですね…

ところで、私の記憶が正しければ、 「国勢調査」の回答は義務だったと思います。 正当な理由なく拒否した場合の罰則もあったと思います。 しかし国勢調査はプライバシーに関する問題はないのでしょうか。 ものすごく精密かつ膨大なデータだろうし、 国家がそこまで国民全ての情報を把握していてよいものなのかなあ。


2000/09/29 (Fri.)

朝から「数学解析」の講義。求積法など。 昼休憩の間に帰国届けの書類を作成提出し、 午後から「確率・統計」の講義。 独立の概念、確率変数、期待値、分散など。 講義終了後そのまま移動して、コンピュータ演習。

講義の合間に研究室の前で情報学科の N さん、 X さんに会ったら、今日は宴会らしく、 舟遊びの趣向があるようなことを言っていた。 秋に舟ってもいいですね…

夜は三条に移動して、 高槻の T 部長と木屋町、河原町と飲みながら世を憂う。


2000/09/30 (Sat.)

二日酔いでふらふらしていたら午前中に妹から 電話があり、これから遊びに行くと言う。 午後に妹登場。 夜は市役所裏の Sinamo に食事に行く。

私の妹はかなりエキセントリックなのだが、 本人はまったくそうは思っておらず、 田舎の地味な OL 生活をまっとうしていると自分で信じているフシがある。 例えば、この前イギリスから帰って実家に寄ってみると、 妹は突如として魚以外のタンパク質はとらない人になっていた。 理由は不明である。 魚は食べるので菜食主義というわけでもない。 しかし肉だけではなく卵も食べず乳製品ももう食べないと言う。 そんなわけで外で食事するのもかなり困ることになるが、 流石に準備おこたりなく京都三条周辺でオッケーな店を リストアップしてきていた。 Sinamo はその中の一つである。 非常に綺麗な店で食事も美味しかったが、 こんな店で妹と二人で食事してもね…


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp, kshara@mars.dti.ne.jp

この日記は、GNSを使用して作成されています。