Keisuke Hara - [Diary]
2000/12版 その2

[前日へ続く]

2000/12/11 (Mon.)


2000/12/12 (Tues.)


2000/12/13 (Wed.)


2000/12/14 (Thurs.)

九州大学でのシンポジウムから帰宅。 博多は食べ物は美味しいし、女の子は綺麗だし、 いいことずくめで大好きなのだが、 二日目にして体調を崩してしまい(多分、疲れで貝毒に負けたのだと思う)、 その後は平静を装いつつも実は頭痛と下痢でへろへろだったので、 結構たいへんな思いをした出張であった。

この間の昼食や夜の飲み会でよく話題になっていたのが、 「やまとなでしこ」とか言うTVドラマに、 「数学者を志したことのある魚屋」という役が出ているというお話。 なんでもドラマの中で「これは独立事象だから…」とか 「マルコフ連鎖の極限定理より…」などと口走っていたそうで、 それは確率論専攻だったに違いない、ということになって、 ボストンに留学してたらしいということから、 某MITのS教授にしごかれて挫折したという設定に違いない、 というもっともらしい推理まで登場していた。 しかし、さらにそのドラマを毎回チェックしている人から、 いや代数幾何が専門だったという設定らしい、との情報がもたらされ、 ちょっとがっかり(?)。

ドラマの中で競馬に負け続けている御近所さんを、 その魚屋が確率論の知識で勝たせるというエピソードがあったそうで、 僕はそのドラマを見ていなかったのでよく知らないが、 もちろん内容はデタラメであったろうと思う。 少なくともそのシーンを見ていたK大のYさんは、 「おい、それは違うやろ」と思わずテレビに突っこんだそうである。

架空の人物について議論しても始まらないので次は、 マルコフ過程の収束定理がどうしたとか言う以上は、 バックについているのはただの素人ではなかろう、では 「誰がこのドラマに入れ知恵しているのか」 という問題にうつった。 これは業界内のことなのでかなり鋭い推理がなされていたが、 それはオフレコのお話。


2000/12/15 (Fri.)

悪寒と腹痛に苦しみながら、午前は「数学解析」。 フーリエ級数展開の具体例など。 今日はアンケート調査の日であった。 なんとか無事に講義を終えた後に、ちらっとアンケートを眺めてみると、 だいたいは「板書が明解」「例が多くてわかりやすい」とまあまあ好評で、 兎に角、わかりやすさを第一に目指すと言う、 今回の目標通りだったのでひとまずは安心した。 これも、去年のアンケートで、 「教科書もノートも使わずに手ぶらで講義するなんて、 手を抜くのもいい加減にして下さい」 などと情報の学生に書かれたその日リベンジを誓ったお陰であろう。 あいかわらず「数学解析」などの基礎的科目の講義は手ぶらでやっているが。 しかし、今回も、 「こんなの、情報の役にたつの?」と一筆だけ書かれたアンケートがあり、 それを言うなら、 「こういうことも情報科学の役にたつのでしょうか?」 だろうがっ(< 怒る所が違います)、と個研で血圧を上げる。

午後は「確率・統計」。不偏推定量と最尤推定法など。 貝毒がようやく全部出たからか、随分と気分が良くなり、 なんとか無事に講義をすませることができた。 次は「プログラミング演習」。これはもう課題を与えてあって、 ほとんど座ってメイルでもらうレポートを採点していればいいだけだったので、 随分と体力を回復した。 その次は、個研で修論ゼミ。簡単に必要なアドバイスと、 今後のうちあわせをして終わりにする。

明日こそ、体力回復にあてよう…


2000/12/16 (Sat.)

昼過ぎまで寝てしまう。 近所の大丸でオムライスを食べて、本屋をひやかして帰宅。

今日の読書。「騙し絵の檻」(ジル・マゴーン、創元推理文庫)。
戦後本格ミステリの三指に入ると森英俊が絶賛、 そこまでではないかもしれないが この四半世紀で三指には入ると法月綸太郎も絶賛の、 噂のマゴーン快心の一撃、ついに創元推理文庫に登場。

私もとてつもない傑作だと思いました。しかも渋い。
それほどマニアではない私には、 この四半世紀の三指に入るとまでは言い切れませんが、 少くとも「ぶっちぎり」の域に達していることは確かだと思います。 印象としては私の愛好するクリスチアナ・ブランドの超絶技巧が、 現代に甦ったとでもいいますか。 謎なのは87年に書かれたこの作品が今まで翻訳されなかったのは 何故なのか、ということですね。 90年以降、日本の推理小説の世界が自閉、自己満足の方向に 加速しているからでしょうか。

今日の一曲。J.S.バッハ「クリスマス・オラトリオ」、指揮クイケン、 演奏・合唱LPB。
ちょっと明るい気分になろうかな、というのと、 シーズンものってことで。


2000/12/17 (Sun.)

T山先生のドイツ日誌が昨日からさらに、 ちょこっとだけ変更されていて、また数学が進展したらしい。 ドイツの冬の陰鬱な気候があうのか、 才能を発揮できる環境で実りあるサバティカルを送っているようだ。 春にすっかりドイツかぶれして帰国し、 生協食堂で「じゃがいものつけあわせはないのか」とか揉めていたら、 私も「モルトビネガーがおいてないのはどういうことだ」 などとテーブルを手の甲で叩きながら参戦しよう。

夜、TVで「クイック・アンド・デッド」を見る。 実は昔、映画館で観た。 私は映画好きでもなければ、B級マニアでもなんでもないのだが、 くだらない映画に限ってどういうわけだが観てしまっていることが多い。 何故かは自分でもよくわからない。 実際、普段は思い出しもしないし、何の思い入れもないのだが、 会話の際にしょうもない映画の話が出ると、 「ああそれ観たことあるなあ、昼間はスーパーモデルで、 夜は黒ラバースーツの正義の味方でしょ?」 とかハイカルチャー原理主義者にあるまじき発言をしてしまい、 後で後悔したりするのである。

明日月曜日はチェロのレッスン、 火曜日から木曜日までは東工大でのシンポジウムですので、 次回の日記更新は木曜の夜か、金曜の夜になると思います。


2000/12/18 (Mon.)


2000/12/19 (Tues.)


2000/12/20 (Wed.)


[後日へ続く]

[最新版へ]

Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp, kshara@mars.dti.ne.jp

この日記は、GNSを使用して作成されています。