Keisuke Hara - [Diary]
2001/03版 その2

[前日へ続く]

2001/03/11 (Sun.)

またしても正午起床。 午後からずっと計算を続ける。 一日中計算した結果、 面倒くさそうなことはやっぱり面倒くさいということがわかった。

夜になって、(自称)執事が事務用に我が家にやってきたり、 アパートの三階に新しく引越してきた方が挨拶にやってきたり、 珍しく客の多い日だった。


2001/03/12 (Mon.)

ちょっと早起きして、山科ラクト内の 区役所出張所に書類をもらいに行く。 山科区役所は椥辻にあるのだが、 今はナンクサ住人のA堀先生に、 かつて「ここでほとんどの書類はもらえるよ」 と教えてもらったのを思いだして、 山科駅前ラクトに行ってみる。

出張所と言っても、四人も客が来ると身動きが難しいほどの狭さで、 カウンターの向こうにいる三人の公務員が、 一台の端末をあやつって書類を作ってくれるのである。 今日見たところでは、一人が受けつけ、一人が端末を操作し、 一人が料金を受けとっていた。 しかも、客はほとんど来ないのである。 これが民間なら一人で間に合わせるか、 ATMのような機械にしてしまうが、 三人も人間を配置しているところが公務らしくて重厚である。

それはともかく、御近所で用が済んで便利ではあった。 所得証明書なんてものも、 こんなショボい(失礼)端末で即座に出てきて驚いた。 あたりまえのことだが、 「あいつら(税務署と区役所とか)はみんなツーカーなのだな…」 と思ったり。 私の最近の印象では、 国民総背番号なんて導入しなくても既に簡単に 「名寄せ」できてるんじゃないのかなあ… 面倒なので大がかりにやっていないのと、 大幅に人員削減できてしまいそうなのと、 脱税を自動的に指摘されたくない人が多いのとで、 あえて公けにしていないだけで。


2001/03/13 (Tues.)

14日、15日と名古屋大学に出張のため、 日記更新をお休みします。 次回更新は15日木曜日の夜、または16日金曜日の夜です。


2001/03/14 (Wed.)


2001/03/15 (Thurs.)

14日水曜日、新幹線で名古屋へ。 某公務のついでにセミナー発表のため。 昨日の京都は寒かったのに、 名古屋についてみたら汗ばむような陽気で、 散歩気分で本山駅から名大への坂道をのんびりと登っていく。 ちょっと早めに多元数理の建物に行ってノートを読んでいると、 構内を歩いてくるK大のS先生とかO大のK先生とかが見えて、 急に冷汗が流れてくる。 てっきり名大のMさんと他二、三人とでうちうちのセミナーかと 思っていたのに、こんなことならもっと準備をしておくのだった、 と激しく後悔する。 しかし、そのままセミナーに突入。 初日は午後2時から5時過ぎまで途中に20分ほどの 休憩を入れて3時間ばかり話す。 夜は近所のイタリア料理屋で食事。 その後、数人とちょっとだけお酒を御一緒してホテルに帰る。

15日木曜日。 朝10時からセミナーの続き。また一時間半ほど話す。 なんとか用意してきたことは話せたが、 新しい話を盛り込んで準備しなかったことを反省する。 午後は折角名大に来たついでに、 プライベイトなセミナーに参加させてもらい、 名大のH君の話を聞かせてもらう。 僕がほとんど知らないテーマの話だが、 以前聞いた時よりずいぶんとすっきり明解になっているように感じた。 その後、O大のK先生と一緒に帰宅。 K先生に色々と教えてもらって有意義な帰路であった。

夕方5時過ぎに帰宅。 久しぶりにたくさん話して疲れたらしく、 ベッドに倒れこんで二時間ほど昼寝。

友人から風呂敷の包み方あれこれをデザインした ポストカードをもらう。 一升瓶の包み方などは想像していた通りであったが、 瓶二本の包み方、西瓜の包み方にはちょっと感動した。


2001/03/16 (Fri.)

午後から大学に行って、図書館で本を借りたり、 論文をコピーしたり。

今日のプルースト。 第8巻(第五篇「囚われの女」)に及んで、 ついに主人公の名前(ファーストネームのみ)が判明した。 巻末訳注によると、この小説全体で主人公の名前が書かれているのは、 この第五篇「囚われの女」の中のたった二回らしい。

というわけで、 「失なわれた時を求めて」の話者の呼名を知っているのは、 一万枚に近い全体のおよそ八割以上を読んだ人ということになる。


2001/03/17 (Sat.)

どうも疲れが取れない。 睡眠不足のような妙な感じで正午起床。 夕方から新米執事と三条で待ちあわせをして、 引越先(初夏引越し予定)を下見に行く。 一軒家とは言え、こじんまりとした家だったが、 新築らしく綺麗で快適そうな所だった。 夜は八咫にて、 執事(予定)とネットワークのインフラ整備について相談。 やはり帯域の広さを考えるとADSLかな…


2001/03/18 (Sun.)

どうも眠くて調子が悪い。 急に温かくなったからだろうか、 一日中眠くて、いくらでも眠れそうで、 いくら寝ても寝たりないような寝過ぎなような、 とにかく調子が今一つ。 やらなくてはいけないことが沢山あるのだが、 困ったものだ。

午後は大阪のいずみホールに狂言とクラシック音楽の 「ミスマッチ」を聴きに行く。 タイトルにはミスマッチと書かれていたが、 なかなかどうして、予想を超えて面白いコンサートだった。 狂言の方達も大サーヴィスで狂言って可笑しいものなのだな、と思えたし、 ドニゼッティの「私は心の光」をソロで歌ったソプラノのお嬢さんは、 以前にも二条の旧日銀でのコンサートでも見たことがあったが、 あい変わらずお美しくて目の保養になった。 もちろんお歌も良かったです。 いずみホールは初めて行ったが、 非常にいい音響を持っているようだった。 ウィーン学友協会大ホールを参考にしているとか。

気候が良い時だけのランナーなので、ランニングを再開。 久しぶりに運動らしい運動をしたら気分がさっぱりした。 明日こそ本格的に仕事に取りかかろう…(と、 最近は毎日のように思う)。


2001/03/19 (Mon.)

早寝したせいか、起きたのも朝8時。 ベッドからすぐ出る気にもならなくて、 そのままプルーストを読む。 丁度、朝に目が覚めた時の夢から現実への移行について、 主人公が考察をしている所であった。

今日の一曲。スカルラッティのチェンバロソナタ、 ホロヴィッツ演奏("Horowitz plays Scarlatti")。


2001/03/20 (Tues.)

午前は膳所にチェロのレッスンに行く。 スケールの後、重音のエチュードで苦しみ、 チャイコフスキの「感傷的なワルツ」を弾く。 重音のエチュードには、まだまだ手間がかかりそうである。 薬指をD弦においたまま、小指と中指をA弦で動かすとか、 その後すぐA,D弦の指を入れ換えるとか、 こんなことがすらすら出来るようになるのだろうか… しかも重音を弾きながら。 「感傷的なワルツ」も、 A弦でB音の次に急に1オクターブ高いB音を取るのも難しいし、 そこからスケールで「たーらららららららららららららららら」、 と2オクターブ下がってくるのも難しい。

レッスンの後、 音楽と数学における美の概念について先生としばらく雑談して、 山科に帰る。

昼食。一昨日作った豚肉と大根の鼈甲煮、ベーコンエッグ、納豆。 夕食。昨日の残りのおでんと、 赤ピーマンとベーコン、大蒜の炒めものを、 白ワインのグラス一杯で食す。

Warwick でお世話になっていたK大の院生のO山君から、 無事帰国したとのメイルをもらった。 ほんの半年前のことだが、ちょっと懐しい気持になった。 僕が滞在中に買った本で持ち帰るまでもないが捨てるにもしのびない、 といった本を、帰国の時に彼に引き取ってもらったのだが、 彼も帰国することになって、 さらに現在 Warwick に滞在中の確率論若手O部君に 「原文庫」として引き渡されたらしい。 O部君の後は誰に引き継がれるのだろうか…


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp, kshara@mars.dti.ne.jp

この日記は、GNSを使用して作成されています。