Keisuke Hara - [Diary]
2001/03版 その3

[前日へ続く]

2001/03/21 (Wed.)

今日は卒業式。 午前は数理科学科の学士学位授与式。 午後は修士の学位授与式。 夜は京都駅のグランヴィアホテルで謝恩会。 さらに山科で二次会。

非常に多忙なので、今日の日記はこれだけ…


2001/03/22 (Thurs.)

朝から大学へ。業務は午前中で終了。 午後には自宅に帰って、テキスト処理作業。 自分が想像していたよりは、 遥かに面倒な仕事であることを思い知って反省しながら作業。 でも久しぶりに指先とキーボードとの一体感が感じられて、 ちょっとしたトリップ感はありました…(泣) 深夜二時過ぎに一応、一段落。


2001/03/23 (Fri.)

良く眠れたが、目が覚めたら喉が痛くて、 少し風邪を引いてしまったようだ。 それともこれは花粉症なのだろうか。 今まで花粉症とは無縁だったのだが。 午後から大学に行き、ちょっとだけ必要な事務をして即、帰宅。 自宅で講演の準備など。 すみません、今いっぱいいっぱいで余裕ないです…


2001/03/24 (Sat.)

早起きして、午前、午後と計算など。

最近、「明晰夢」が話題になっているようだ。 明晰夢とは、意識が明晰に保たれたままで見る夢、 これは夢だと分かりながら見ている夢、 したがって夢の内容を自分でコントロールできる夢である。 私は中学生の頃、明晰夢を見ることが出来た。 私は当時、子供の癖に不眠症だったので、 なんとか上手く眠る方法はないかと試行錯誤の結果、 周到に用意したイメージを頭に思い描いて、 そこから夢に入っていくという就眠儀式の一種に辿りついたのである。 今思うとかえって神経を使って眠れなくなりそうだが、 なぜかこの方法が一番うまくいったのである。 そうすると自動的に最初に見る夢は明晰夢であった。 夢の内容はだいたいコントロールできた。 とは言え、夢にも慣性があるようで、 途中で急には方針変更が出来ず、 夢の内容に引きずられて行くこともあったので、 完全に見たい夢が見られるというわけではなかった。 その場合は「いかんいかん」と目を覚まして (という言い方はおかしいのだが)、 もう一度最初から就眠儀式を行なうのである。

残念ながらこの能力はすぐに失なわれたが、 失なわれたと言うよりも、 たんにそれほど暇ではなくなった、 というだけのことかもしれない。 能力とも言えないような能力だが、 見たい夢が好きなように見られるというのは、 なかなかよろしいものだから、 暇な方は訓練してみては如何か。

学会で出張のため、次回更新は木曜日の夜だと思います。


2001/03/25 (Sun.)


2001/03/26 (Mon.)


2001/03/27 (Tues.)


2001/03/28 (Wed.)


2001/03/29 (Thurs.)

学会初日の26日に自分の講演を終え、 27日は記念講演など目玉の講演を聞いたり、 本を購入したり。 学会は29日まであるのだが、 結局最初の二日間でほぼ終了。 また講演以外の仕事も、 間際になってばたばたと作業したものの、 無事T大のK岡先生に渡せて、ほっとした。

シンポジウムと違って、 学会講演ってのは難しいですね。 時間が非常に短かい上に、 聴衆が少なくとも確率論全体、ひょっとしたら他の分野からも 来ている可能性があり、 聞いてくれている人達の分野が 専門外であることを予定しなければならない。 次の機会こそ、もうちょっとマシに話せるよう努力しよう。

どうも花粉症らしい。今まで他人事だと思っていたのに… 風邪だろうかと思っていたのだが、 やはりどう見ても花粉症であるようだ。 これから毎年、春になると花粉症に苦しめられることになるらしい。

今日のプルースト。 第五篇「囚われの女」(ちくま文庫版第八巻)の中頃。 主人公に影響を与えた小説家ベルゴット死す。 彼は大好きな絵であるフェルメールの 「デルフトの眺望」の中にあるという、 「廂のある黄色い小さな壁面」についての批評を読み、 病床をおして美術館に行く。 発作の眩暈の中で新たにこの絵のさまざまな細部に気付きながら、 この絵の前で二度目の発作に襲われて死ぬ。 この絵のどこの壁を指しているのか、 上のリンク先の大画像を見ても分からなかった。 現物を見るしかないか… (この絵はオランダのハーグ美術館所蔵)

レクター博士によってフェルメールに導かれて、 地球上に現存するフェルメール全作品を観ることを人生の使命にしているバーニー。 ちなみに、 私が観たことのあるフェルメールはパリのルーブル美術館所蔵の 「レース編み職人」 「天文学者」の二点、 ロンドンのナショナルギャラリー所蔵の 「ヴァージナルの前に立つ淑女」 「ヴァージナルの前に座る淑女」 の二点の計四点。

今日の夕食。出張に行く前に買ったトマトがかなり熟れていたので、 大蒜、唐辛子で炒めた鶏肉と一緒に煮てソースにし、 安物のイタリアワイン一杯でパスタを食べる。


2001/03/30 (Fri.)

正午まで眠る。ようやく出張の疲れが取れてきた。 午後になって、郵便を出したりの雑務を終えてから、 三条に行き本屋を周る。 昨日、フェルメールのことを書いたから、 というわけでもないのだが、 丸善で「フェルメール論 〜 神話解体の試み」(小林頼子、八坂書房)を購入。 その後某珈琲屋でオレンジクリームと珈琲で読書など。

バーニーの計画、現存するフェルメール作品を全て観て周る、 というのは、 絵画ファンの間では「フェルメール巡礼」として わりと知られているプランらしい。 地球上に残されているフェルメールの作品は30数点のみ と考えられており非常に少ないので、難事ではない。 もともとは50数点描いたらしいが、現存しているのは、 厳しい評価で32、緩い評価で36と考えられているそうだ。 この差の4作品は本人作かどうかについての議論がある作品である。 例えば比較的有名な「赤い帽子の女」が、この疑惑の4作品の一つ。 数が少ない上に、 作品が展示されているのは、 西ヨーロッパの11都市とアメリカ東海岸の3都市に限られているので、 飛行機を上手く使えば三日ほどで周れないこともないと思う。 まあ、それではまったく意味がないという気もするが。

さて問題です。14都市巡回セールスマン問題ですが、答は知りません。 「最短時間で全てのフェルメール作品を巡る方法とその必要時間は?」 (ただし、全ての作品は所蔵美術館にあるものとして、 企画展等への貸し出しは考えないものとし、 盗難された「合奏」についてはボストンのガードナー美術館 にあるものと仮定する。)


2001/03/31 (Sat.)

「桃の天然水」のCMで可憐なキスを投げているのは、 ひょっとしてデボン・アオキですか? 「ルーツ」のブラッド・ピットと言い、 JTは出演者にお金かけてるなあ…

またしても正午起床。 ほとんど家にこもっているせいか、花粉症がおさまってきた。

後一箇所計算を詰める所が残っているが (計算が出来る見込み、私見では30パーセント以下)、 まあ今回はここまでにしとこう、 という目途は共同研究者との間で結着しているので、 あとは四月末締切に向けて、(TeXを)打つべし打つべし打つべし なのだが、 どうも調子が出ない。

と言うわけで、今日の午後は昼食後、 チェロでロンドンデリーの歌やバッハのG線上のアリアなど、 前にやった曲を久しぶりにあれこれ弾いて遊んでいた。 下手は下手なりに楽器は楽し。 夕方からは三条あたりに夜遊びに行く予定。

明日からやります、本当です…きっと。


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp, kshara@mars.dti.ne.jp, 原の PGP 公開鍵

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