Keisuke Hara - [Diary]
2001/07版 その2

[前日へ続く]

2001/07/11 (Wed.)

三条のSBUXで朝食兼昼食を取りながら、 投稿した論文の訂正リストを作成。 最初に目を通してくれた ParisVIのY教授のリストと、 共同研究者から送られてきた注文リストをマージして、 修正案の一覧を作成する。 その時ちょっと涙目になっていたとしても、 そっとしておいてあげてね…(泣)

市役所前の眼鏡屋に頼んでおいたサングラスを受け取りに行き、 そのまま地下鉄で山科まで出て、大学に向かう。 夕方から教室会議のため。会議は今日も盛り上がっていた。

近視が少し進んでいたせいだろうか、 新調した度入りのサングラスがやけに良く見えて感動した。 かなり濃い青のレンズを入れたのだが、 こちらから見る分には意外に明るくて、視界がくっきり良好。 普段の眼鏡より快適なくらいである。 レンズの技術も日々進歩しているのであろう。 うーむ、これは夏の必需品。 ただ、普段にも増して人相が悪くなるのが欠点。


2001/07/12 (Thurs.)

今日はゼミ日。 M2の暗号ゼミでM君の圧縮法についての報告を聞く。 続いて卒研。ブラウン運動の性質。 続いてM1解析ゼミ。単関数とその情報族など。 今日で前期セメスターのゼミは(前期修論提出者の特別ゼミを除いて)終了。 夕方になってK大のM君があらわれて少しだけゼミ。 また数理計画法のレポート問題の質問者がやってきて対応。

しかしレポート問題に対する質問ってのはどうなのだろうか。 普段の講義に対する質問はもちろん何の問題もないが、 成績をつけるためのレポートについての質問は、 本来なら答えられないとつっぱねるべきのようにも思う。 だって、試験中に解き方を質問するようなものだから。 とは言え、わざわざ質問に来てくれたらある程度対応もしてあげたい。 しかるにそういう質問に限って、 「いや、そこを考えて欲しいっていう問題なんだよねー」 と言いたくなるような所の直接的質問なのである。 つまり一言でいうと、解き方を教えてくれ、ということなのだ。 これからはレポート問題の解き方については 一切質問に答えない、と但し書きをすることにしよう。


2001/07/13 (Fri.)

自宅で論文の訂正リスト作成。 無心になって校正マシーンと化す。 その合間に近所の定食屋で昼食を取って、 その思いがけぬあまりの量の多さに食後二時間倒れてみたり、 チェロの練習をしてみたり。

夜はチェロのレッスン。 第一ポジションのスケールと、 サムポジションのスケール。エチュードの後、 課題曲はエルガーの「愛の挨拶」。 いかにも優雅で屈託のない良い曲だ。 ちょっと精神的に追い詰められ気味のせいか、 ことさら弦の響きが心に染みるなあ…


2001/07/14 (Sat.)

中華料理屋で昼食を取って、午後から阪急で大阪へ。 ホテルのロビーで共同研究者と、 論文の校正前訂正についての打ちあわせ。 結局夜までかかって、帰宅は九時頃。

京都は祇園祭の佳境。今日は宵宵宵山かな。宵宵山かな? ま、兎に角、あちこちで浴衣姿を見た今日であった。


2001/07/15 (Sun.)


2001/07/16 (Mon.)

今日は最終講義。 「数理計画法」で単体法の具体例の計算をやって終了。 「確率・統計」はワルド理論にちょっとだけ触れて終了。 その合間に、 バングラディッシュからきた学生志望のメイルに返事を書いたり、 借りたプレプリントをコピーして返却したり、 論文の校正前訂正についてお願いメイルを書いたり。 自宅では教科書の原稿書きに、あれにこれに… 毎年、夏休みで一気に取り返そうと思うのだが、 企業努力のせいで夏休みはどんどん減っていく傾向にあるのである。 困ったことだ。

私が大学生活の中で憤りと共に感じることの多くを、 一言で非常に良く要約している言葉を最近発見した。 それまでは「愚かさには神も手を焼く」 (イギリスの詩だったと思うが出典は忘れた) が私の中で首位だったのだが、最近それを押し退けた名句は、 レーニン曰く、 「地獄への道は善意で敷き詰められている」


2001/07/17 (Tues.)

今日の特別ゼミは、 また院生にキャンセルされたので、一日暇になった。 大丈夫なんだろうか彼は…。胃が痛い。

色々と愚痴をこぼしていると、 執事が斜め後ろの方から言うには、 「失礼ながら、 旦那様ともあろう方が、そのような愚痴などこぼすものではありません。 なお言えば何かのために働くべきではないのです。 ものを言わず義務を果し、好む所をし、 見るべきものを見つとだけ述べて死す。貴族とはそういうものです」。 生意気な奴だと思ったが、 うっかり気に入らない返事をしたりすると、 ぬるいお湯で紅茶を入れたり、 お茶漬にプラスチックの箸を出したりと言った、 悪魔のような極悪非道の意趣返しをされるので、 「なるほど、その通りである。私が至らなかった」 とだけ述べておく。

冗談です(笑)

自宅で冷たいお茶漬けの昼食。 午後は河原町に買物に出かけたくらいで、 その他は自宅で主に論文の訂正の仕事をしていた。


2001/07/18 (Wed.)

心は貴族であるが、生活は庶民の私は、 貰い物の梅干しを使った日の丸弁当を自分で作って、 大学に出かける。

「数理計画法」のレポートを受けとる。 常に講義の聴講者数は二十人くらいだったのだが、 片手では持ちあがらないほど大量のレポートが提出されていた。 きっと100部以上あるだろう。出席を取らない効果は絶大である。 会議まで空いている時間で、採点をすれば良かったのだが、 レポートの山を見ていると、気が滅入ってきて生協に本を見に行く。

カウンターで科研費による購入の処理を待っていると、 教科書の注文をする学生の応対でカウンターは大忙しであった。 同じ本に40も50も注文が入っている。 私もこの事実に気付いた時は衝撃を受けたのだが、 数日後からはじまる定期試験のための教科書注文なのである。 ちょっと横から覗いていると、 経済経営の学生がどんどんやって来る。 しかも受け取りではなく、この今、注文である。 いや今受け取りでも同じようなものだけどね。 うーん、そういうものなのだろうか。

教室会議ではT山先生のどう見ても 「ヤ○ザ」という感じのサングラスを見せてもらう。

今日の読書。「ゲノムを支配する者は誰か」(K.デイヴィース)。 折角内容は面白いのに、邦題がダサい。 原題は "Cracking the Genome -- Inside the race to unlocked Human DNA"。


2001/07/19 (Thurs.)

朝の間は気力を蓄えて、 午後から論文の訂正リスト及び訂正原稿の作成にかかる。

ああ、やったとも。正午に始めて食事や休憩をはさみながら、 夜十時半に完成。 ちなみに、昼御飯は自宅ですぐきの漬物と梅干し、おくら。 夕御飯は近所の定食屋で鷄つくねとだし巻き。

そういうわけで献立以外に今日の特筆事項なし。


2001/07/20 (Fri.)

昼食は自宅で食べて、 午後は大学に仕事をしに行くことにする。 休日のキャンパスはがらんとして静かで、 他にすることがないせいか細々した仕事向きである。

と思って南草津駅に到着してみると、バスは鈴なり満員である。 おかしいな、、、オープンキャンパスとかって奴かな… と思いながら大学に到着すると、キャンパスも普段よりも盛況である。 変だな…とあいかわらずトワイライトゾーンの登場人物のように 首を捻りながら個研に到着して、 学年暦を見て初めて状況を理解した。 今日から定期試験なのである。ちなみに明日の土曜も。 自分の試験監督が来週なので気付いていなかった。 海の日だろうが、世間は三連休だろうが、定期試験だったのだ。 講義数増加のせいで、こういう手を用いないと、 学年暦がグレゴリオ暦に納まらなくなっているのであろう。 近い内に「三が日は二日で済ませなさい」とか 「大晦日は年が明けてから」とか言う命令を下されないよう、 コアステーションのあなたの空とほく偉い人達が住むと言ふ、 彼方の賢人会議に祈りたい。

個研にて論文の赤入り訂正原稿と、完全訂正原稿、 訂正リストなどを黙々と作成。 結局、夕方までかかって鈴なり満員のバスで帰宅。


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。