Keisuke Hara - [Diary]
2002/01版 その1

[前日へ続く]

2002/01/01 (Tues.)


2002/01/02 (Wed.)


2002/01/03 (Thurs.)


2002/01/04 (Fri.)

7日更新の予定だったが、 思いがけなく3日の夜に第一稿を上げたので、 日記は今日からスタート。

今日から三日間で校正作業をし、 予定通りの7日の正午までにメイルで入稿の予定である。 しかし、大慌てで書いたので、 数学的にとんでもないことをうっかり書いていないか心配である。 実際、今日は事象の独立の定義を間違えている ことを発見して、正直ちょっとヒイた。 でも三個以上の事象の独立の定義です(言い訳になりません)。 もしこのまま出版されていたら、 確率論業界での生命は断たれていたに違いない。 自分の専門分野でさえこれだから、 他の個所でいったいどんな大嘘を書いていることやら、 今から心配だ。 T山先生を習って出版後はサポートページを作成し、 エラッタを常時報告していくことにしよう。

仕事の最中にBGVとして、 「チャーリーズエンジェルズ」をかけていたのだが、 キャメロン・ディアスの変なダンスと「いひひひひっ」 と言うおかしな笑い声にノックアウト(笑)。


2002/01/05 (Sat.)

終日、校正作業。 BGMはフィッシャー演奏のバッハの平均律クラヴィーア曲集だったり、 BGVは「羊たちの沈黙」のドキュメンタリーだったり。 夕方から冷えこんできて、どうも雪まで散らついたようだ。

年末年始を食事を与え過ぎたのか、 愛妻マダム・クロが少々太り気味のようだ。 そのせいか、 階段を上る時に勢いをつけるために「ぶにゃー」 と自分でかけ声している。


2002/01/06 (Sun.)

終日校正作業。 TK大のS君からたまたまメイルがあったので、 確率論を書いた部分と付録のスターリングの公式の証明の所を チェックしてもらう (暗号の本になぜスターリングの公式の証明が載っているのかは謎)。 その部分だけで、いくつかのミスを指摘してもらい安心するとともに、 不安にもなる。と言うのも、 他の部分をいくら自分で見てもほとんど見つからないのは、 きっとあるものが見えていないのに違いない。 自分ではそう書いたつもりになっているから、 いくら自分の目で見ても脳が訂正してしまうのだろう。 やっぱり校正は他の人にやってもらうに限る。

左手の薬指がようやく直ってきて、 ほとんどの日常作業が出来るようになった。 チェロで使うのはまだ無理だが。 去年末から今日まで髭も剃っていなかったのを、 今日ようやく剃刀をあてる。


2002/01/07 (Mon.)

昨深夜、原稿をメイルで提出して、正午まで熟睡。 出版社からは何も言ってこないが、本当に出版されるのだろうか。 まあ駄目でも我ながら力作なので、いざとなればコピーレフト配布で(笑)。 鮭の切り身を焼き、お揚と大根の味噌汁。

午後から大学に行き、「数学解析」の最終講義試験。 試験の後、いつものごとく何人か情報の学生がやってきて、 「卒業危ないんですが、レポートとかでなんとかならないんですか」 「全然出来なかったんですが、いいんですか?」(< は?) などと聞くので、穏かに 「試験を採点して合格点ならば合格で、不合格点ならば不合格です」 と答えておく。 私の「数学解析」の講義は出席も取らず平常点もなし、 試験の持ち込みはコピーも含め全て許可、 問題は講義の中身そのままで、 もうこれ以上譲歩のしようがないと思うのだが… そんなに危険なら、せめて講義ノートのコピーくらい手に入れればいいのに。

昨年のこと酒場で某国立K大学の先生に聞いた話では、 その先生は「定期試験の問題を先に発表しておく」そうだ。 ポイントは公開するのは問題だけで、その答は公開しない所である。 とすると、学生さんらは試験前にその問題を勉強してくれるやろ?、 と言うアイデアである。 もちろん、模範解答が試験前に出回ることは間違いないが、 それでもそれを読んだりして勉強してくれるんだからいいじゃないか、 と言うのである。 だから少しでも勉強して欲しい所を、ちょっとでも勉強させようと、 問題として公表する、と。

それを聞いた日に一晩よく考えたのだが、 これは素晴しいアイデアである。一見、おかしな所があるようだが、 よく考えれば問題の準備のしようで対応できる。 学生に単位を与えるとか、正確な評価をするとかよりも、 「兎に角、勉強させたいんや」と言う所に力点があるところもいい。 唯一の欠点は、学生の程度にお付合いしてしまっている所だが、 この御時世それもしょうがないのかも知れない。

ただし、この話にはオチがある。 なんと「不思議なことにそれでもいっぱい落ちよるんや」 だそうである。 文部省もさすがにマズいと思ってきたらしくて、 また教科書を昔の程度に戻す動きがあるらしいが、 ゆとり教育で育ってしまったこの世代を社会全体でどうサポートするか、 と言うのが重大問題になるんじゃなかろうか、と、 私らしくもなくエリート主義っぽい感慨を持ってしまったりする。


2002/01/08 (Tues.)

だし巻き、ちりめん山椒、梅干しのお弁当を持って大学へ。 昼はファイナンスシンポジウムの打ち合わせ。 開催は三月上旬と迫ってきたので、準備する側としてはいよいよ本番、 と言う感じのようだ。

午後はいろいろと雑務。 論文のリプリントが届いていて、 ちょっと感慨にひたる。 ふと見ると編集者に V.I.Arnol'd が モスクワの住所と供に名を連らねていたが、 アーノルドってまだ生きてたんだ…と驚く。 そして調べてみて、まだ64歳(1937年生まれ)と知って二度驚く。 非常に若い頃から有名人だったので (ヒルベルトの第13問題を解いて十代デビュー)、 さもありなんではあるのだが。この2002年でまだ60台半ばとは。
文脈は違うが、 レニ・リーフェンシュタールがまだ生きている(しかも新作撮影中) と最近知って、それも驚いた。こちらは何と100歳。

6時頃帰宅して、夕食の仕度。 焼き鮭、大根とお揚げの煮つけ、しめじの味噌汁、 昼にお弁当用に作っただし巻きの残り。 うーむ、旨い…お箸の国の人だもの。 昨年末にもらったお箸が、なかなか良くてなおさら美味しく思う。 見かけは何の変てつもない簡素なものだが、 すごく軽くて使い易い。 ちょっと高級なお弁当に使い捨てで付いていそうなくらい簡素なのだが、 意外に高価なものらしい。 ちなみに堺町四条、市原平兵衛商店の杉箸です。


2002/01/09 (Wed.)

明日から土曜日まで河口湖で開催される 勉強会「無限グラフとスペクトル」に参加のため、 このページの次回更新は次の月曜深夜を予定しています。

あれこれ日常の雑務をしてから、お弁当を持って大学へ。 今日のメインは炒り卵。 「プログラミング演習」の最終日。 またちょこちょこと事務をして帰宅。 夕食はオムレツ、しめじ玉葱等の唐辛子炒め、 若布お揚げの味噌汁。

遅ればせながら昨年(2002年1月7日までを昨年と定義) を振り返ると、結構大変だったのだが、 あわただしくも我ながら色々良くやった方じゃないかな、と。 そして、今年の目標は「貢献」。


2002/01/10 (Thurs.)


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。