昨日の深夜、最近の寝床本 「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」 の最後のあたリだつたので夜更しして、 無理に読み終へてしまつたせゐで、 正午近くなつて起床。 昼食は昨日の残りのしめじ御飯を、味噌汁を作つて鰯などと食す。 午後は京都文化博物館でのコンサートに行く。 イギリス音楽特集。 グリーンスリーブスやロンドンデリーなど 馴染の曲の編曲などもあつて楽しく聞けたし、 あひかはらずソプラノのお嬢さんが耳と目の保養になつた。 帰りに一服しやうと近所のSBUXに入ると、 激しくチェスに熱中してゐる外国人二人を見つけた。 その熱中ぶりはマスタークラスの対戦もかくや、 といふ感じであつたので、 珈琲とチェリーデニッシュを買ひ、 早速その盤面がガラス越しにまともに見える位置に陣どつて観戦する。 しばらくは、ものすごく深遠な手の応酬をしていゐるのかと思つてゐたのだが、 それが全くの勘違ひであることがすぐに判明した。 とは言へ、ドローになるまで見届けてから店を出る。
三条まで歩いて、十字屋でチェロの弦を注文し、 展示されてゐるチェロを見て帰る。 中国産のストラディヴァリウスのコピー(*1)がおいてあつて、 ちよつと欲しいなあと思つてみたり(笑)
夕食はハムのパスタにオクラの付け合はせ。 台所に立つたついでに里芋の煮物も作つた。 夜のチェロの練習では、 昼間のイギリス特集にあはせて昔やつたグリーンスリーブスなども弾いてみたり。
*1: コピーとモデル: 実在の弦楽器の型紙などから同じ形に再現したものがモデル、 古くなつた感じや傷の場所などまで含めて、 実在の楽器の今の状態そつくりに作つたのがコピー。
講義のおさらひもしなくてはならないので少し早めに出勤。 しかし、またしても電車が遅れて復習の時間はなし。 私は貧しく電車を二本乗り継いで出勤してゐるのだが、 一月に一回か二回は電車が遅れるやうに思ふ。 私が偶然にぶつかつてゐるのがそれだけだから、 実際には月に数回、いやもつと事故があるのだらう。 私の杞憂だと良いのだが、 少なくともこの路線に関しては、 もう時間通りにダイヤを維持することが、 彼等の能力を越へてしまつてゐるのではないか、と心配だ。 かつて人々が有能だつたころに残した遺産を、 もう今では維持すらできない、と言ふことが各所に起りつつあるのではないか、 などと大それた憂ひを抱いてゐる内に南草津に到着。
午後から、 「積分論I」、「線型計画法」と連続して講義。 さらに続いて卒研ゼミ。 毎週のごとく、ふらふらしながら帰宅。 遅くなつたが、御飯を炊いて、 しめじと玉葱などの炒めもの、 里芋の煮物、冷奴、白菜の漬物などと食す。
夜は今日の講義で気付いた所など、 K大のS君からもらつたメモに追加。 「積分論I」の講義はこのメモを基に準備してゐるのだが、 やはり叩き台があると非常に楽で助かつてゐる。 「積分論I」に相当する内容が、 15ページほどで非常に簡潔にまとまつてゐて、 大体のストーリーが一読で頭に入る。 しかし、もちろん証明などはないし、 S君自身が非常に分つてゐる状態で書いてゐて、 あれこれギャップがあるので、 講義の準備をするついでに補間し、 註釈版Sノートを作つてゐるわけである。
阪大での確率論セミナーに出席。 パリ第6大學からRIMSに長期滞在中のY氏の講演。 先先週の京都での講演とは別の話だつたので聞きに行く。 停止時間でないが停止時間定理が成立するやうなランダム時間について。 セミナー後、阪大のSさんに最近の私の研究に深く関係がありさうな、 制御理論関係の論文を教へてもらひコピーを作る。 個研で珈琲を御馳走になり帰宅。 今日も行きは"Beautiful mind", 帰りはル・カレ「スクールボーイ閣下」。
火曜日も月曜日の疲れが抜けない。 適当に夕食を作つて食し、 少しチェロを練習して、 ボランティアの翻訳と、 積分論ノートの註釈TeX書きを30分ずつくらいやる。
定例では院ゼミからスタートの予定だが、 院生の方の都合で中止。 夕方からは教室会議。 最近、会議のたびに思ふのだが、 A堀先生はどんどんR大の重要人物となりつつあるなあ… 仕事のし過ぎで突然倒れたりしないやう、健康を祈るのみである。
帰宅して、あつさりした味の筑前煮に、 オクラの塩茹でをあはせ、冷奴で夕食。 チェロを弾いて、積分論の勉強を少しした所で、 今日のエネルギー切れ。
午後は膳所でチェロのレッスン。 ヴェルナーから色々練習して、 シュレーダのエチュード、マルチェロのチェロソナタ。
某A社の天才プログラマK氏が京都を経由してどこかに短期失踪予定と言ふので、 夜はK氏を京都で接待。 祇園の八咫で食事。 満員だつたがしばらく二階のバーで待つて、すぐに席を作つてもらへた。 席が板長の仕事場の近くだつたせいか、 「へしこ」つて何だらうねえ、とか話してゐると、 「どうぞ」と鯖のへしこを出してもらひ、 これはまさしく酒の肴に最適と舌皷を打つ。 さうしていると、「かういふものはだうですか」とか言つて、 雲丹豆腐を出してもらい、ありがたくいただく。 すると「酢つぱいものがお好きなら、今日岩手から入つた蓴菜がありますが」 「いただきます…」 「それに、今朝、掘つたばかりの竹の子が」 「いただきます…(泣)」 と言われるがままに乗せられてカモになり、 最後の〆としてK氏は鯛茶づけ、私は鰻まむしを頼んで、 お茶など飲んでゐると、 別の板前さんがやつてきて「もうお腹いつぱいですか?」 と聞くので「やあ、もう十分です」と答へると、 「板長はもと寿司屋の出なんですよねー」 「はあ。」 「それで、寿司を握つてみやうか、と言つてますが」 「いただきます…(号泣)」。 と言ふわけで、乗せられるまま軽く二人分ずつ計四人分は食べて、 上カモとなり、満足して店を出る。 これも私の日頃の行ひが良いせいであらう。 続いて、近所の It's で二、三杯飲んで帰宅。
K氏は今週の日曜日にまた京都にあらわれるらしい。
午後は軽くボランティアの翻訳をやつてから、 三条の十字屋に注文していたチェロ弦を取りに行く。 ついでに、本屋でG.K.チェスタトン「四人の申し分なき重罪人」 と W.Blake "Songs of Innocence and of Experience" を購入して帰宅。 自宅では積分論の勉強。Hopf の拡張定理とか。 来週月曜日の講義(世間は休日だらうが、R大は通常営業)で、 前回で省略した外測度についての定理や拡張定理の証明を まとめてやる予定なのだが、 ノートを作つてみると結構面倒さうである。 本質的に集合代数の計算ばかりで難しくはないが、 ややこしくて見通しよく説明するのが厄介さうだ。 一回で済ませるつもりだが、うまく行くかだうか。
夕食はいつもの通りの粗食。 筑前煮と、卵焼き、白菜の漬物など。 昨日の過食で胃腸が疲れてゐるせゐか、 しみじみと美味しく感じたことであつた。
この前書いた論文に間違いらしき箇所が発見されたり、 講演の予定が入つたりで、 また数学モードに入らなくてはならない…
クロさんに朝起こされて御飯をやり、二度寝。 昼食は冷や御飯、筑前煮、白菜の漬物、若布の味噌汁。 午後はチェスタトン「四人の申し分なき重罪人」の一話だけ読んで昼寝。 評論以外にまだ読み残しているチェスタトンがあつて良かつたなあ。 チェスタトンを読む度に、(しばらくの間だけだが) カソリックに入信しやうかと思ふのは私だけだらうか。 夕方からは講義の準備をして、 スパゲティを茹でて適当に夕食にし、 夜は数学など。
世間ではゴールデンウィークがスタートして、 海外へ地方へ大移動ださうだ。
昨夜、少し数学を考へて頭が興奮してゐたせゐで、 なかなか寝つけず、また昼頃まで寝てしまつた。 スパゲティを茹でたり、オムレツを作つたりして、 昼食を適当に食べて、午後は自宅で数学とか。 久しぶりにオイラー・ラグランジュ方程式をひねつてみたり。 夜は天才プログラマK氏と京都駅で飲んで帰宅。一泊、お泊めする。
世間はゴールデンウィークとやらで、 海外へ地方へ大移動ださうだが、 私の勤務先はさうはいかない。 スポンサー達(学生)のご希望とあらば、 国民の休日だらうが講義日である。 京都駅まで天才プログラマK氏を送つて、 そのまま出勤。
「積分論I」の講義。 前回先送りにした証明を一気にやる。 一回で片付けるために、 今回はノートを用意して書きまくつたので、 聞いてゐる方もさすがに今回は後で見直さないと理解できないだらう。 続いて「線型計画法」、 一般的な枠組で単体法の基本的な手続きを説明。 さらに続いて卒研ゼミ。測度空間とか、πシステムとか。 こちらも次回はテキストでは付録にまわされていゐる証明三昧。
Klez が大流行中か…とニュースを読んでいたら、 たてつづけに Klez しかも亜種色々の添付のメイルが数通届き、 私もそれほど世間とずれているわけでもないのだな、 とちよつと安心。 Outlook でも使つていれば、 ワームの活動を観察することができたのであらうか。 確か奇数月の6日に発症する亜種があつたやうに思ふので、 連休中の5月6日を狙つた活動だらうか。
昼食を取つてから、 珈琲を飲みながら雑務をこなしてゐると、 家の近所の某社から緊急電話。 数日不休の後ぐつたりと仮眠を取つていた執事を叩き起こし、 「僕は精一杯やつたよね、ママ… もうバクレポートも見えないよ…… そこはZバッファじゃなくてαチャンネルで」 とか謔言を言つてゐる所を家から放り出す。 前のゲームがリリースされて安穏と暮らしてゐるやうだつたが、 有能なプログラマの常として、 また火の吹いてゐるラインに放り込まれ、 み○ほ銀行のSEと同様の地獄の連休を送つてゐるらしい。 若い内にリタイアできる見込みがない限り、 プログラマにだけはなるものじやないなあ… 人生の夢はフルタイムの執事と言ひたくなる気持ちが しみじみ分かるやうな気がするエピソードであつた。
この日記は、GNSを使用して作成されています。