Keisuke Hara - [Diary]
2002/11版 その1

[前日へ続く]

2002/11/01 (Fri.)

朝は来週の講義の準備。 多変数のラプラスの方法とか停留位相法とか。 昼食は生姜をきかせた長葱のスパゲティ。 午後は翻訳の手直しをしたり。 夕食は厚揚と長葱を味噌で煮つけたもの、 生卵と納豆を用意して炊きたて御飯を食べる。 この季節は新米が美味しくて、 いくらでも食べられて困るなあ… 食後は夕方購入した生ひじきを仕込んだり、 大根の葉を漬けたりしつつ、仕事の続き。


2002/11/02 (Sat.)

まだ佐賀でのシンポジウムの予稿2ページしか書いてない。 やばい… 明日、明後日でなんとか目途をつけねば。

午前中は最急降下法について勉強。 簡単な例にあてはめるのはそんなに難しくないから、 「積分論II」の講義でもラプラスの方法に続けてやろうかな、 などと思いつつ、ノートも作つてみる。 昼食は炒飯。 午後は買物に外出したほかは、朝の続き。 夕食は湯豆腐、ひじきと厚揚の煮もの、梅干し。 もうすつかり、湯豆腐が美味しい季節。


2002/11/03 (Sun.)

どうも風邪気味のやうだ。 午後は WKB 法の勉強など。 夕方から膳所にチェロのレッスンに行く。 9時過ぎに帰宅し、夕食は豆腐と葱と卵のおじや。


2002/11/04 (Mon.)

この忙しい時に風邪をひいた。 一日、ほとんど外出せずに、自宅で予稿書き。

身体が弱つてゐるので、 絵がたくさん入つてゐる易しい本を読み返す。 「ライト、ついてますか」(ゴース&ワインバーグ)。 真面目な問題解決法の本でなかなか示唆的である。 昔、二十歳くらいの時に読んだのだが、 そのときには、ずいぶん自分が賢くなつたやうに思つたものだつた。 とは言へ、当時はまだ学生で社会の様子が分かつてゐなかつたから、 扱われてゐる問題事例が全てピンと来ず、 どれもパズルのやうにしか思へなかつたと言ふきらいはあつた。 例へば、上からまわつてくる書類地獄とか。 今となつてみれば一般性のある害毒であることが身にしみるので、 年はだてに取つてゐないやうだ。

昔は偉い人たちは偉い人たちの間だけで、 仕事をおしつけあつてくれてゐたものだが、 最近は馬鹿でもワープロとコピー機で山ほど書類を作れるので、 ただの思ひつきの仕事のための仕事、 改善のための改善の命令、がどんどん下に流れてくる。 世の中には二種類の人間がゐて、仕事をする人とさせる人である。 別に言ひ方をすれば、仕事をする人と手柄をたてる人である。 人生の要諦は、出来る限り努力して、後者から距離をとることである。 ちなみにこの本では、新会議提案の書類地獄の問題に対して、 新たな会議を起こすことに賛成する返事を書いて書類を送り返し、 会議の調整を好きなだけ繰り返させたあげく 会議開催が本当に決まつたら、 その時間に歯医者の予約を入れるよう勧めている ;-) 偉い人たち、つまり仕事をさせ、手柄をたてる人たちは、 激しい競争にさらされてもゐるので、すぐに別の儀牲者を探すだらう。


2002/11/05 (Tues.)

昼はファイナンスシンポジウムのミーティング。 お弁当の昼御飯を食べて、事務用をあれこれ。 午後最初の卒研ゼミその 1 は学生が体調不良のため急拠休み、 続いて M ゼミも準備不足のため急拠休み、 しやうがなくふいに空いた時間に、 ゲーム理論入門兼フォン・ノイマンの略伝みたいな本を読書。 夕方から卒研ゼミその 2。 終わつたのは7時半くらいだつたので、帰宅は9時頃。 夕食を用意して食べ、お風呂に入り、寝る…

明日の午前は RIMS のシンポジウムに出席して、 午後は南草津に移動して会議の予定。


2002/11/06 (Wed.)

午前中は京大数理研でのシンポジウムに参加し、 午後は南草津に移動して教室会議。 帰宅は九時少し前。風邪はますます悪化。 峠にさしかかつたくらいだらうか。

移動の最中の読書。 「一般システム思考入門」(ワインバーグ著、松田武彦監訳、増田伸爾訳)。


2002/11/07 (Thurs.)

午前中は京大数理研でのシンポジウムに参加。 以前から興味があつた内容について、 かなり具体的に中身が分かつて良かつた。 午後は休憩なしに即、南草津に移動して、「積分論 II」の講義。 多変数のラプラスの方法、停留位相法へのイントロなど。 一旦、自宅に帰り、夕食を取つたあと、 シンポジウムのために京都に来ている S 大の H さん、 K 大の S 君と一緒にお茶を飲んだり。

昨夜、厚着をして暖房をかけて寝たせゐか風邪の峠は越した模様。 さらに今日、講義で運動をして、快方に向かつてゐる。

「一般システム思考入門」(ワインバーグ)、 「ドン・キホーテ(前篇、二)」(セルバンテス)読了。 ワインバーグはおもしろかつたが、特に新たな発見はなかつた。 これはやはり私が良くも悪くも、 ジェネラリストを目指す教育を受けてしまつたため、 一般システム思考的発想がいつの間にか染みついてゐるせゐと思はれる。 一時、この手の一般システム思考家、 すなはち万能のジェネラリスト、分野を選ばぬ境界領域の活動家、 が最先端と思はれた時代があつた。 今の「情報なんとか学科」なみに、 「システムなんとか学科」だらけだつた、遠い昔の話である。 今はジェネラリストなんて言ふと、 逆に無能の代名詞みたいになつてしまつた。 重要度は増してゐると個人的には思ふのだが。


2002/11/08 (Fri.)

午前中は京大数理研でのシンポジウムに参加。 今日もまた前から知りたかつた内容がかなり具体的に分かつて収穫。 しかし、体調が悪化したやうに思はれたので、 午後は帰宅して自宅で安静にする。 大根、豆腐、竹輪のみの簡略おでんを仕込んだものの、 夕食は自宅の近所で外食で済ませる。 明日、明後日の休日で、今週分の仕事を取り返せるかが勝負か。


2002/11/09 (Sat.)

終日、自宅で予稿整理などの作業。 午後のお茶時に、ごく最近、近所の駅付近に出来た コーヒーチェーン店に行つてみる。 何から何まで、まさに SBUX のまねつこ店で、 ビジネスモデル特許とかで告訴されないのか、 と他人事ながら心配になつてみたり。 「あの青いランプの下で…」と言われて、 「色が違うだけかいっ!」と突込んでゐるのは私だけではあるまい。 多分、ここまで思い切つて真似できるナイーヴさは、 日本人の発想だと想像する。

でも(開店数日なのに)非常に空いているのと、 あまりに近所なので、自宅で気分転換したくなつた時など、 たまに使ふかも ;-) そう思ふと、 スターバックス・ジャパンすらも赤字転落してゐる昨今、 いつまであるのか心配だ。 客が来ない店愛好家の執事にも薦めておかう。


2002/11/10 (Sun.)

午前、午後と編集作業。 昼食はひじきの炊き込み御飯とおでん。 午後、珈琲と本の買い出しに河原町に外出。 思ふ所あつて、表計算に焦点を絞つた Perl の入門書。 書店でナイトメアの「シークレット・オブ・スーパーハッカー」 を見つけ、ついでに購入。 この世界での時間の流れの速さから言ふとずいぶん古い本で (ほんの7、8年前だが)、 今読んで役に立つものでもないが、 かつては非常に有名な本だつたので歴史的価値があるかと思つて購入。 実際、昔はおおらかだつたと言ふか、 今読むとちよつと「ほのぼの」する。 書店で見かけるのは非常に久しぶり。


[後日へ続く]

[最新版へ]
[日記リストへ]

Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。