Keisuke Hara - [Diary]
2002/11版 その2

[前日へ続く]

2002/11/11 (Mon.)

午前中は「プログラミング演習」。 学生さん達に演習をやつてもらつてゐる間、 暇つぶしにちよこつと雑務用のスクリプトを perl で書いたり。 昼食の焼きそばパンを食べながら事務仕事。 午後は M ゼミ。 ド・モアブル=ラプラスの定理の一般化など。

ナイトメア「シークレット・オブ・…」で、 昔なつかしいハッカー話を読んだり。 しかし、私が今までの人生で最も心打たれたハッカー伝説は、 「ボーン・コレクター」のJ.ディーヴァーが書いた「青い虚空」 の中に出てくるハッカーが、 一夜を泊めてもらつた友人宅で、 その御礼なのか夜の間に電気掃除器を直す話 (「いや、なんで動かないんだろうと思つただけさ」 という台詞が泣かせる。 刑務所でウォークマンの部品からモデムを作る話もいい。)、 そしてもう一つは、 我が家のプロの掃除人、またの名をオブジェクト指向執事が、 高校生の頃、カシオのポケコン PB100で 1536 ステップ余さず使つて 12ラインの画面に「俺版シムシティ」を作つたと言ふ話である。 しかも、未だに本当のシムシティがどんなゲームか知らないらしい。 正直言つて、感動した(笑)


2002/11/12 (Tues.)

昼間は編集作業。 昼食はツナとトマトのスパゲティ、 夕食は鰯、ツナオムレツ、大根の味噌汁、大根の葉の漬物。 夜は講義の準備。

スティグリッツ「入門経済学(第二版)」、随分前に借りたのだが今頃読了。 居間に置いて暇な時に少しずつ読んでゐたので、今までかかつてしまつた。


2002/11/13 (Wed.)

ツナマヨと梅おかかのお結びのお弁当を持つて出勤。 シンポジウムの予稿をまとめたり、 事務仕事をこなして、 卒研ゼミその 1、続いて卒研ゼミその 2。 帰宅が遅くなつたのでパスタを茹でて、 夕食はトマトと卵のスパゲティ。

メディアセンターに頼んで Dym-McKean を 3 冊入れてもらふ。 一冊はゼミ学生が貸し切りにするだらうし、 名著でもあるから 3 冊くらい入つてゐてもよからう。 さらに、名著では全然ないけど、 そのついでに私の本も(ゼミに使ふので、と言ふ理由で) 3 冊注文してもらつた ;-)

まだ咳が若干残つてゐるが、ようやく風邪が直つてきた…


2002/11/14 (Thurs.)

事務仕事などをして、午後は「積分論II」。 停留位相法、最急降下法による Airy 関数の漸近展開など。

身体を温めやうと、 大根、人参、牛蒡、里芋などを買ひ、 夕食に豚汁をつくることにする。 買つたものを全部使ふ必要もないのに、 意地になつて里芋を剥いてしまい、結局、 鍋一杯に豚汁を作つてしまつた。 やはり冬は豚汁、根菜類が美味しい。

これまた随分前に借りた E.ギボン「ローマ帝国衰亡史 2(第11-16章)」(ちくま学芸文庫)、 を今ごろになつて読了。 この巻には、ギボンの皮肉に満ち満ちた ローマ時代のキリスト教史が含まれてゐて、 衰亡史の中でも独特の興味をひく所である。


2002/11/15 (Fri.)

午前中は JF の翻訳ドラフトに手を入れ、 午後は Williams の翻訳を 2 ページほど。 一日、翻訳三昧だつた。 夕食は葱入りだし巻き卵、納豆、豚汁。

この前、今年の就職担当の先生が、 各卒研生の状況を調べてゐたやうだつたが、 全国平均でいくと、 今期就職活動は高卒で 3 分の 1 程度、大卒で 3 分の 2 以下しか、 内定が取れてゐないらしい。 もちろん就職希望者の中での割合である。 今年の採用実績に比較しても、 各層で10数パーセントから30数パーセント少ない (参考:job.nikkei.co.jp)。 痛みを伴う改革とか、自己責任とか、実力主義、 とかが流行だが、実際のところ、構造的な問題は温存されたまま、 主に今の若年層に痛みが押しつけられるのではないだらうか。 仕事を失なつて鬱病になる中年サラリーマンとか、 ニュースでは取りあげられがちだが、 意図的なミスリーディングなのではないのか、 などとかんぐつてみたり。 もちろん、数学科の学生は伝統的に、 そもそも普通に就職できるなんて思つてゐないだらうし、 数学で磨いた問題解決能力を持つてすれば、 少々の逆境は何でもないはず…です。


2002/11/16 (Sat.)

午前、午後と Williams の翻訳をする。 Williams の本は変な書き方が多くて、 ずいぶんと TeX の勉強になる。 来週に迫つた佐賀大でのシンポジウムの講演の準備もしないとな…

夕食はうるおいを求めて、近所のバーで、 乾燥トマトのマリネ、生ハム、フォアグラのソテーなど。 客が来ないと嘆いてゐたが、今日は土曜だからか、 紅葉の観光の季節だからか、大繁盛。 ちなみに、私のアドバイスに思ふところあつたのか、 グリエの三点盛り合はせがメニューに追加されてゐて、 ちよつと笑つた(笑)


2002/11/17 (Sun.)

午後に外に出てみたら、街は物凄い人だつた。 観光シーズン真最中のせゐであらう、 特にバスが凄かつた。 と言ふのも、京都の市バスのほとんどは、 その路線上に観光ポイントがあるからである。

昼食はカルボナーラと白ワイン、夕食は、チーズオムレツ、 人参の漬物、梅干し、豆腐と若布の味噌汁など、 あるものを食べておく。 今回、初めて人参を糠漬にしてみた。 どう考えてもあはないと思いつつも、 料理本の写真でたまたま見たので作つてみたところ、 人参の甘みが出て意外に美味しかつた。

今日は昼間に少し翻訳に手を入れた以外は完全に休日だつたが、 また明日の朝からは戦ふ労働者…


2002/11/18 (Mon.)

朝は「プログラミング演習」。 標準入力・出力、テキスト処理など。 午後は M ゼミ。小数の定理、統計力学への簡単な応用。 今日の読書、 往きの電車ではニーチェ、 帰りの電車では「ローマ帝国衰亡史 3」。

夕食はオムライス、 デザートは昨日、 ミディ・アプレミディ(*1)で買つたケーキと紅茶。

*1: 仏光寺通富小路西入ル。 タルトなど焼き菓子中心のフランス菓子屋。


2002/11/19 (Tues.)

昼はファイナンスシンポジウムのミーティング、 続いてまた別の会議。 会議の間に、小一時間ほど半端な時間が余つたので、 メイルで提出してもらふレポートを処理するための 簡単なスクリプトを幾つか書く。 夕食は適当なパスタ、 食後、一仕事してから晩酌は湯豆腐。

もう毎日のことになつて驚かなくなつたが、 通勤の電車が今日も遅れてゐた。 私が使用してゐる京都駅に出入りする路線は、 既にまともに機能しなくなつてゐる。 実際、最近は遅れるのが当然なので、 講義など遅刻するわけにはいかない予定がある場合は、 かなり早めに出るやうにしてゐる。

とは言へ、どうも最近、物忘れが激しく、 うつかりが多過ぎて、あまり他人のことは言へないなあ… 忘れものも多いし、 (正しい時間に来たところで)電車の降り忘れ、乗り忘れも多い。 アルジャーノン・ゴードン症候群の再発でないと思ひたい。 山科時代の一番ひどかつたころには、 会議のためだけに出勤してその会議に出ずに帰つてきたり、 珈琲をカップではなく流し台にたつぷりドリップしてみたり、 とボケ老人なみの症例を頻発してゐたのが、 最近すつかりおさまつて安心してゐたのに。

明日からは佐賀大に出張のため、 次回更新は次の日曜日深夜を予定してゐます。


2002/11/20 (Wed.)


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。