Keisuke Hara - [Diary]
2002/12版 その1

[前日へ続く]

2002/12/01 (Sun.)

とか言つてる間にもう師走。 今年一年は本当にバタバタしてゐる間に過ぎて、 本質的な進歩は何もなかつたやうに思ふ。

朝は JF の翻訳ドラフトに手を入れ、 3 回目のドラフトを一応完成。 昼食は保存しておいたカレーペーストを使つてドライカレー。 午後は Williams の翻訳。 重複対数の Strassen 則を終へて、 卒研ゼミで済んでゐた所を越えた。 夕方からは膳所にチェロのレッスンに出かける。 いつものやうにスケールの後、 ウェルナー、シュレーダのエチュードをして、 マルチェロのチェロソナタ。

夜は TV でポリーニの演奏を聴いたり。 一週間ほど前にサントリーホールで弾いたリサイタルの収録。 ポリーニつて、 いつの間にかこんなに年を取つてゐたんだなあ…


2002/12/02 (Mon.)

朝はプログラミング演習。 事務仕事をしつつコロッケ・サンドウィッチの昼食を取り、 午後一からずつと会議。

夕食は、前回少し悟るところがあつたのでカルボナーラと白ワイン。 しかし、悟つてもそれを実行することとの間には差があるらしく、 前回ほどうまく行かなかつた。 卵ソースを入れるタイミングが早すぎた模様。 どう作つても不味くはならないのが良いところだが、 案外難しい料理と見た。前回はやはりまぐれ当たりだつたらしい。 ワインは「甲州2001」。 去年はシュール・リーと名乗つてゐたが、 今年はシュール・リー(*1)の期間を、 ワイン表示問題協議会の基準を越えて長くしたため、 その名前を使へなくなつたらしい。 そのせゐか、去年よりずつと美味しい。 もともと和食にあふと近所のワイン屋さんが勧めてゐたワインで、 去年は節分に太巻と一緒に飲んだ記憶がある。

食後はいつものやうにチェロを弾き、 積分論の講義の準備をしながら鰤大根を仕込む。 冬はやはり鰤大根。しかし、 鰤のあらの下処理をしてゐる時にクロがうるさくて困る。 最近、料理は一度にかなりの量を作らないとうまくない、 と言ふことが分かつてきて、つい大根一本分、 大鍋で鰤大根を作つたりしてしまふ。これもまた問題。

*1: シュール・リー:発酵終了後、「澱に接触させて」寝かせる製法。


2002/12/03 (Tues.)

furosiki 朝は Williams の翻訳をし、 昼食は鰤大根、葱と大根の味噌汁、白菜の漬物など。 午後は阪大のセミナーだつたが、 そのついでに一時間ほど早めに家を出て、 万博記念公園の国立民族博物館の特別展 「世界大風呂敷展 布で包むものと心」を観てから行くことにする。

その名の通り、世界各地方の「ふろしき」、つまり、 ものを包む目的の布の展覧会で、大変におもしろかつた。 どれも非常に美しい。特に私には中東各国の布が魅力的であつた。 お茶セットの上にかけておく布とか、聖典を包む布とか、 美しい生活とはこう言ふものであるか、と感動する。 日本の風呂敷も負けてゐない。それどころか、 デザインの豊富さ鮮やかさ、美しい布地、どこを取つても秀逸である。 今までもお弁当を包むときなどに風呂敷を使つてゐたが、 もつと積極的に使つていこう。 私は、 祖母も母も内職で針を使つてゐたので(二人とも既に引退)、 良い布地にはぐつとくるたちなのである。 出口のあたりにある小さなショップでは、 風呂敷を色々売つてゐて、 気分が盛りあがつてゐるため、ついつい物色。 大体安いものばかりなのだが、良いものはやはり値段が高い。 大きな打ち出の小槌が描かれた渋い風呂敷があつて、 「これか!」と手に取つたら、それだけ一桁値段が高かつた。 とは言へ、盛りあがつた気分を解消するため、 展覧会の解説書と一番安い風呂敷を一枚買つて、 阪大のセミナーに向かつたのであつた。 左の映像はその風呂敷、千五百円。

ところで、万博記念公園と言へば、 あの不粋な太陽の塔は何とかならないのだらうか (岡本太郎自身が悪いわけではないが…)。 京都タワーと同じ意味で見る度に憂鬱になる。 あんなに素晴しく美しい生活用品をデザインできる繊細と、 あんなに不粋な巨大建築物を公共の場所に置き続けて平気な鈍感が、 どうして同居できるのだらうか… いや、そもそも同居してゐないのか。


2002/12/04 (Wed.)

朝はいつものやうに Williams の翻訳をし、 鮭そぼろと梅おかかのおむすびのお弁当を作つて出勤。 午後は M1 ゼミのはずだつたが学生が現れず、 次の予定の卒研ゼミその 1 はキャンセル、 夕方から卒研ゼミその 2 の Williams ゼミ。 [0, 1] 区間上の一様分布とコイン投げ試行の関係、 そこから無限個の独立一様分布確率変数が取り出せること。

突如空いた時間で Windows 2000 に商用のファイアーウォール・ソフトを導入し、 (管理者の S 太郎君の許可も受けず)外部から全範囲ポート・スキャンする。 さらに、時間があつたので生協で本を買ふ。 ヴェジタリアンのレシピ集、 「ドン・キホーテの旅」(牛島信明/中公新書)、 「宗教の理論」(G.バタイユ/湯浅博雄訳/ちくま学芸文庫)。


2002/12/05 (Thurs.)

午前はファイナンスシンポのミーティング。 プログラムの第一案が決定。だんだんと佳境に入つてきた。 近日中にプログラムが 専用サイト で発表されるはず。 コロッケ・サンドウィッチの昼食をとりつつ事務用をし、 午後は「積分論 II」。

測度論の確率論への応用。 ボレル=カンテリの補題で第一補題と第二補題の 証明を逆にしてゐたのを、 聴講してゐる学生に指摘されて、その場で訂正できず、 片方だけを証明して、一方は次回と言ふことで勘弁してもらふ。 でも、後でノートをチェックしたら、 本当に証明が逆になつてゐるだけだつた。 この補題は補集合の方で書いたり、確率 1 で書いたり、0 で書いたり、 と表現の仕方が色々ありうるので、 もつと本質的な間違ひをしたかと思つて、立ち往生してしまつた。 久しぶりに講義での大失敗。

「ドン・キホーテ」の前篇の(三)が生協になくて、 (二)までで読みさしてゐたのだが、 この週末と出張の移動で後篇を含めて読破しやうと思ひたち、 図書館で前篇(三)を借り、後篇の三冊を生協で購入し帰宅。 夕食は鰤大根の残り、納豆、葱と豆腐の味噌汁。 夜は出張前の儀式として、 重要ファイルと作業中ファイルのバックアップを二重に取る。 あとは出発までに、包丁を研いで、キッチン周りを整理。

来週あたまからは慶應大学でのシンポジウム、 明日から週末は「ドン・キホーテ」三昧なので、 次回の日記更新は来週の金曜日の夜を予定しております。


2002/12/06 (Fri.)


2002/12/07 (Sat.)


2002/12/08 (Sun.)


2002/12/09 (Mon.)


2002/12/10 (Tues.)


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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。