Keisuke Hara - [Diary]
2003/01版 その2

[前日へ続く]

2003/01/11 (Sat.)


2003/01/12 (Sun.) III-325

インフルエンザが流行中のやうで、 良く知る人たちがばたばたと倒れてゐる模様。 私も少し風邪ぽいやうな気がしないでもない、 と言ふ数日が続いてゐるのだが、今のところ、 体調万全とまでではないが、何とか無事…くらいで、 持ち堪えてゐる。

最近欲しいものは巻き簾。 節分を前に海苔巻を作りたいのと、 だし巻き卵を整形するのに使いたい。

明日は珍しく R 大学でも休日にあたる祝日だが、 私はお仕事で出勤。


2003/01/13 (Mon.) III-398

朝は JF の翻訳のアップデート作業をしたり、 確率解析の勉強をしたり。 簡単にアラビアータの昼食を取つて出勤。 TK 大の N さんが出張で関西に来てゐるので、 今年修論提出の院生 Y 君の話を聞いてもらふセミナー。 他の参加者はA 堀先生と私、学生二名。 N さんにとつては自明な話だつただらうが、 Y 君にとつてはかなり儲かつたと思はれる。 これが修論に生かされることを期待。

夜は南草津で、N さんを囲んでお食事。 肴はもちろん、数学と業界の話。 帰宅は 11 時頃。


2003/01/14 (Tues.) IV-7

少し寝坊した。朝はいつものやうに、 少しずつ翻訳作業と確率解析の勉強をしてから出勤。 冷たい雨のそぼ降る中、今日は衣笠キャンパスへ。 簡単な昼食をとつてから出かけたが、 午後一の会議に間に合ふ。 いつもは南草津キャンパスに通つてゐて、 衣笠に用事があることは一年に数度くらいしかないので、 何となく衣笠は凄く遠いやうに思つてしまつてゐるのだが、 実は私の住処から衣笠はバスで20分程度で、 南草津に比べて随分と近所なのである。

夕食はトマトのオムレツ、大根と大根葉の味噌汁。

どこかのメイルサーバが今頃 klez にやられたらしく、 山ほどウィルス添付メイルが届く…


2003/01/15 (Wed.) IV-43

朝から雪。一汁一菜の貧しい昼食を取り、雪の中を出勤。 二条駅のホームは大きなアーチ型の屋根の下にあるため、 空気の流れがでたらめになつてゐて、 雪があらゆる方向に降つてゐた。 京都駅では今日も電車が遅れてゐた。 新年以来、通勤中に一度も遅れた電車を目撃しなかつた日は 現在までに三日しかない。 とは言へ、今日は丁度一時間程度の遅れてだつたので、 私にとつて被害はほとんどなく、予定どおり到着。

いくつか書類書きの仕事を片付けて、 事務で簡単な打ち合はせなど。 続いて、卒研その一、その二のWilliams 卒研。 卒研は暦としては今週で最後だが、 学生たちがせめて今やつてゐる章の終りの切りの良いところまで、 あと数回のゼミにつきあつて欲しいと言ふので、 もちろん心良く承知する。

確か村上春樹がどこかで書いてゐたと思ふのだが、 猫を連れて旅行できると楽しいなあ、と思ふ。 飛行機では隣りの席に座らせたり、 シートベルトさせたり、 "Fish or Chicken ?" と尋かれてみたり。 バーのカウンターに座らせて、 「ギムレットと皿ミルク」と注文したり。 猫はないやうだが、 犬と旅に行くサイトはあつた。


2003/01/16 (Thurs.) IV-110

午前中いつもの作業をした後、 菎蒻を煮染めて一味をまぶした惣菜を作つて、 大根と若布の味噌汁とともに一汁一菜の貧しい昼食を取り出勤。 午後は「積分論 II」の講義。 マルコフ連鎖の再帰条件など。 これで今期の講義は終了。あとは演習と試験。

夕食は法蓮草とじゃが芋のカレーとワイン。食後にチーズ。 自分で作つてゐるので責める相手がゐないのだが、 いくらなんでも激辛過ぎ…唐辛子が多過ぎたか。

私が今までで一番辛いカレーを食べたのは、 吉祥寺のカレー屋だつたなあ。 デパートの地下食堂街みたいな所にあるのだが、 何て言ふ店だつたか忘れてしまつた。 「印度屋」かな?あれは辛かつた、本当に。 いつたいどうしたらあんなことになるのか、 毒薬を飲んだらこうなるのではないか、と言ふやうな、 一口食べたら髪の毛が一斉に立ちあがつたやうな気がした。 いや、実際、逆立つてゐたかもしれない。 完食したけど…


2003/01/17 (Fri.) IV-120

朝はいつもの翻訳作業と確率解析のお勉強。 昼食は法蓮草と油揚げのパスタ。 法蓮草をパスタの煮汁でさつと湯がこうと思つたのだが、 一瞬頭が Fernique の定理のことなど考へてしまつて、 少し茹で過ぎた。

夕方から利尻昆布の買い出しに錦市場に行く。 昆布は高いがしやうがない。 貧しさ故に食事が一汁一菜の私には、 米と鰹節と昆布は贅沢がゆるされる数少ない箇所である。 そのついでに河原町あたりの本屋を周る。 立ち読みで私の誕生日には、 チェザーレ・ボルジアとサミュエル・ジョンソンが生まれてゐたことを知る。 嬉しいやうな嬉しくないやうな微妙な人選だ。 某古書店で、知り合ひが後書を書いてゐる、 金子國義の小さな画集 "album Edwarda" を見つけたので、 三割引きのバーゲン中でもあつたことだし、購入しておく。 いつか誰かに三倍くらいの値段で売りつけやう。 帰りに近所の漫画本中心の小さな古本屋で、 絶版になつてゐる岩波文庫の「ノディエ幻想短篇集」も購入。 夕食は伊丹流猫まんま(つまり、ちりめん山椒入りの生卵かけ御飯)、 菎蒻の煮染め、 京芋(*1)と大根と油揚の味噌汁。

*1: 京芋(きょういも): 里芋の一種で、見かけは細長い竹の子と言った感じ。 名前からして京野菜のようだし、京野菜の海老芋と間違われがちなのだが、 実は九州が主な産地。でも店頭で良く見かけるところからして、 京都でよく食されていると思われる。


2003/01/18 (Sat.) IV-134

執事と久しぶりにチェスなど。 黒番、アクセレイテッド・ドラゴン。勝ち。 年末から負け続けて自信喪失気味だつたたが、 ルークを同時に二つともタだ取られの位置に サクリファイスする華麗な手で気分良く勝つ。 しかし、局後の検討によれば、 実は数手先の分岐点で巧妙な守備の手があつた模様。

いつもの朝を過し、昼食は、納豆、すぐき、 法蓮草と油揚の味噌汁で冷や御飯を食す。 午後は珈琲豆を買ひ出しに河原町方面に出かける。 そのついでに四条を経由して三条方面まで上がり、 キクオ書店で目の保養をしながら一休みし、 今度は下がつて四条から阪急で帰宅。 夕食は、豆腐を焼いて法蓮草とカレー風味のパスタを作つてみた。

帰宅すると執事がメンテナンス作業をしており、 これからブックオフに行くと言ふので、 そのついでにゴミ本を処分しに行つてもらふ。 講談社ノベルズとか講談社ノベルズとか、 大学改革とダイナミズムがどうしたとか言ふトンデモ本とか。


2003/01/19 (Sun.) IV-153

enemy of books

少し寝坊。今日は日曜なので午前中の通常業務、 つまりボランティア翻訳と確率解析の勉強はなし。 代わりにおでんを仕込む。 あるもので、大根、豆腐、京芋、じゃが芋、卵。 あと何か練り物か牛筋が入らないとおでんらしくはならないなと思ひ、 夕方になつてスーパーに出かけ牛蒡天を購入した。 結構贅沢なおでんになつたが、 実のところ、私は貧乏症なのか大根と牛筋のみ、 なんて言ふ貧しげなおでんが好きだ。 夕食はもちろんおでん。

執事が今日もまたブックオフに本の処分に行くと言つてゐたので、 午後はリサイクル店で処分した方が良ささうな本を選び、 一緒に持つて行つてもらふ。 執事はスーツケース一つで引越し出来るくらい身軽なのが理想らしく、 物を捨てることに情熱を持つてゐるやうだ。 人間はいざと言ふときには黒鞄一つで逃げねばならぬこともある、 と言ふ覚悟は私にもあるのだが、 つまらぬものを沢山無駄に蓄えてしまつてゐるのが実際である。 蔵書についてもさうだが、 下らないものをたくさん持つてゐてもしやうがない。 また、 「書物の敵 ― ウィリアム・ブレイズの著書による」 (庄司浅水)によれば、湿気や衣魚や無知と並んで、 蒐集家自体が書物の敵の一つであると數えられてゐる。 正しく扱へないなら良い古書を蔵するのもまた害である。 自分が正しい知識を持つ、持つべき物のみを、 静かに毅然とひつそりと持つ、それが理想であらう。


2003/01/20 (Mon.) IV-226

朝はプログラミング演習。 今日は最後のレポート提出日なので、 一度も顔を見たことのない学生がたくさん来て、 自宅で一生懸命やつて来た(と主張する) 紙に書いたプログラムを(笑)、 直接メイラーの画面にわざわざ打ち込み直し(笑)、 友達にメイルの出し方を教わつてゐた。 「意味わからん。 コントロールC…コントロールって何?意味わからん」 とか言ひながら。彼等の将来に幸あれかし。 実際、コンピュータ嫌いの優秀な数学者にならないとも限らない。

昼食はサンドウィッチを食べながら事務仕事をして、 合間に A 堀先生と雑談など。意外に計画通りだ。 午後は M ゼミと卒研を二時間ずつ。帰宅は 8 時過ぎ。 御飯を炊くどころかスパゲティを茹でる元気もなく、 夕食はおでんを温め直して白ワインを飲む。


[後日へ続く]

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Keisuke HARA, Ph.D.(Math.Sci.)
E-mail: hara@theory.cs.ritsumei.ac.jp
kshara@mars.dti.ne.jp (for private)

この日記は、GNSを使用して作成されています。