しばらく温かい日が続いてゐたが、 この数日はまた寒い。 昼食はすぐきの漬物と、大根、人参、里芋、お揚げの味噌汁。 図書館で論文の複写の郵送を受けとり、 午後は M ゼミ。マルコフ連鎖のエルゴード定理について。 今日はゼミ終了後、早々と帰路に着く。 夕食は冷や御飯を使つて、ガーリックライスを作り、 ワインとともに食す。 執事がまた本を処分しに行くと言ふので、 ついでに私の本も持つて行つてもらふ。 私は自分の足以外に移動の手段を持つてゐないので、 かう言ふ機会を捉へないといけない。
最近、寝る前にボルヘスの「バベルの図書館」のシリーズを読んでゐる。 基本的に短篇集なので、就眠儀式に丁度よい。 ホーソンとチェスタトンの巻を読み終へて、 今はカフカの巻を読んでゐる。 昨夜は「断食芸人」などを読んだ。 カフカは短編の方が良いんじやないだらうか。 長編の方が「永遠の延期」のテーマが、 より身に沁みる、と言ふことはあるが、 短編の味はひには格別のものがある。
完全休日をエンジョイする。 昼食はじゃが芋を使つてニョッキを作り、 先日作つておいたトマトソースで食す。 午後は午後で、書架を整理したり、 オンラインでチェスをしたり、 最近知つた "Beleaguered Castle" (*1)と言ふ カード一組を使つた一人遊びをしたりと、 これ以上ないくらい、閑な過し方をする。 夕食は里芋、大根、人参、長葱の味噌汁と、 蕪の葉の糠漬け。 食後はいつもの如く、チェロを弾いたり。スケールとエチュードをやつて、 課題曲はマルチェロのチェロソナタ二番。
*1:
これはなかなか頭を使う、面白くも難しいゲームなので、
興味のある方のために、以下に遊び方を紹介しておく。
ジョーカー以外の52枚のカードを用いる。
A 四枚を縦に表向きに並べ(台札)、
その両脇 8 箇所に6枚ずつのカードを表向きの山に積む(場札)。
計4 + 6 x 8 = 52 枚、全てのカードが表向きに並べられているレイアウト。
全部のカードが見えるように場札の山はずらして置くと良い。
目標は中央の台札の各 A の上に同じマークのカードを
2, 3, ..., Q, K と言ふ具合に昇順に積み上げること。
動かせるカードは各場札の山の一番上に出ているカード(天のカード)のみで、
(a)天のカード一枚を別の場札の山の上に移動するか、
または、(b)天のカード一枚を台札の上に移動する。
(複数のカードをセットで移動することはできない。)
場札間の移動 (a) は、マークは無関係に数が一つ大きいカードの
上に移動する(例えば、ハートの 4 をスペードの 5 の上に移動)。
台札への移動 (b) は同じマークで数が一つ小さいカードの上に
移動できる(例えば、ハートの 4 をハートの 3 の上に移動)。
場札がなくなって空いたスペースには、勝手な天のカードを移動できる。
全ての場札が台札の上に積み上げられて、
それぞれのマークの A から K への山が4つ出来れば上がり。
今日も休日だが、軽く作業。 午後は近所の酒屋がセール中なので、 ワインをまとめ買ひに行つたり。 夕食は若布の味噌汁、梅干し、すぐきの漬物で冷や御飯。
以下の話は A. トビアスの十八番の話らしい。
まとめ買ひをすると割引をしてくれる店が良くあるが、
これを「投資」だと思ふと、実際どれくらい得なのか?
と言ふお話である。
この問題は見かけ以上にずつと難しい。
経済学者以外の方は、
以下の解説を眉に唾をつけて読んでいただきたい。
私は毎週、一本のワインを飲むとしやう。値段は一本1000円とする。 近所の酒屋では 10 本まとめて買ふと一割引にしてくれる。 毎週1000円を出して一本ワインを買ふ代わりに、 これからまとめ買ひをするやうにすると、 これはどれくらい良い「投資」になるのか? まず第一感としては、誰でも「一割」と答へることだらう。 間違ひである。実際、ワインの消費量の一割の金額分が 儲けになることは事実であるが、 それは何の投資に対して支払はれたのか。 生活習慣を変へることによつて儲かつたのである。 それなら投資金額はタダだつたのか。 もし、さうだとすれば、 この投資はほとんどプラス無限大パーセントの利益を 上げたことになるが、事実は異なる。
まとめ買ひに生活習慣を変更することには、心がけ以外に何が必要なのか。 その通り、一万円分(割引の結果 9 千円)のまとめ買ひをするためには、 最初に酒屋に行く時に普段の千円より、 8 千円余計に持つて行かねばならないのである。 これが投資金額である。 9 千円で 10 本のワインを購入した私は、 これから10週間ワインを買ふ必要はないが、 毎週1000円のワイン予算を計上してゐたのだから、 11週目には再び10本のまとめ買ひをすることができる。 したがつて最初に必要になる 8 千円だけが、 生活週間を変更するのに必要な投資金額であり、 儲けは一年間つまり52週間で 5200 円で、 利率でプラス 65 パーセントにあたる。
しかし、まだこれで正解ではない。 なぜなら、私は最初に用いる 8000 円の資金を 借金によつてファイナンスすることが出来るからである。 そして毎週、ワイン予算に計上してゐた千円で返済して行く。 借金を返済し終わつたら、また 8000 円借金し、 同じことを繰り返す。 しかし、一方で、毎週の百円の儲けが出てゐるので、 実際にはフルに 8000 円借りる必要はなく、必要な金額は下がつて行く。 とすれば、このワインまとめ買ひ投資は、 もつと遥かに高い利率であることがわかる。 実際にどれくらいになるかは計算の得意な人にまかせやう。
昨夜は「バベルの図書館」のジャック・ロンドンの巻を読んだ。 寒い夜で冷たい寝床が、ますます冷えるやうな短編であつた…
朝は確率解析のお勉強をする。 昼食は近所のカレー屋で外食。 午後は講義の準備をいろいろ。 夜は卒研生たち四人と、 京都駅の近くで卒研ゼミの打ち上げ。
銀行で借家の更新料を引き出す。 年度末は更新料なり、税金なりで、 普段の月収くらいの金額が飛ぶやうになくなつて行くので、 本当に辛い。 働けど働けど我が暮らし楽にならず、 働いた分は、公務員の生活費を補填したり、 議員の年金補助になつたり、 私の数倍くらいの給料の銀行員のリゾート代とか に使はれてるんだらうな…と、ぢつと手を見る。 ところで、 今年の確定申告書の案内 「2000万人のさわやか確定申告(平成14年分)」 の冊子の末のほのぼのコラムのテーマは「カッコウ」で、 カッコウは他人の巣に卵を産みつけ、 先に産まれるカッコウの雛は他の卵を蹴り落とし、 親鳥は自分の雛だと勘違ひして、 自分よりも体の大きなカッコウの雛に餌を与へ続けるのです、 などと言ふ説明が、 カッコウに餌をやる哀れなヨシキリの親のマンガ絵つきで載つてゐた。
国税庁のブラックユーモアなんだろうか…
修論の発表会。 確率論は Y 田先生、A 堀先生、私の研究室の 大所帯なので合計4時間ほどかかつた。 しかし驚いたのは、 この我々のグループのほとんどの修論に何らかのオリジナルな結果が 含まれてゐたことで、これはこの御時世、 積極的に自慢しても良いことなのではなからうか。 もちろん Y 田先生および W 先生の御尽力のお陰だが、 A 堀先生と私はちよつとブルーになつてみたり。いつか、 お二人ほど上手く学生を指導できるやうになれば良いのだが…
夜は草津で教室の入試採点打ち上げ宴会、 兼 Y 田先生、S 藤先生の御苦労様会。
大根、人参、里芋、お揚げの味噌汁と、 すぐきの漬物で簡単な昼食を取り、午後から出勤。 年度末なので生協で科研費をぴつたり使ひ切る。 その後、数理ファイナンスシンポジウムのためのミーティング。 いつの間にやらもう来週に迫つてゐる。 今年こそ現場指揮を抜かりなくしたいものだ。 夜は九条葱とお揚げのスパゲティと、 じゃが芋とゆで卵のサラダ。
出張のため、次回更新は3月2日、日曜日の深夜を予定してゐます。
この日記は、GNSを使用して作成されています。