「Keisuke Hara - [Diary]」
2004/11版 その2


2004/11/11 (木)


2004/11/12 (金)

熱中症 (math, 日常)

金曜午前のゼミ。 どうも私には何か所か納得できないところがあるのだが、 L 教授は証明できたと信じているようで、 もう次のステップの計画などを話していた。 議論の最中はまるめこまれてしまうのだが、 後で考えるとどうしてもおかしい… 次こそはちゃんと詰めていって問い正さねば、 と毎回思っている。

今週は数学に集中していて、他にニュースはなし。 そうでなくとも、読書くらいしか話題がないのだが。



2004/11/13 (土)


2004/11/14 (日)


2004/11/15 (月)


2004/11/16 (火)


2004/11/17 (水)

EDSAC 二号機 (science, math)

昨夜の学生向け講演のスピーカは、 高名な数論学者バーチ。 しかし、彼の名前の入った三人連名の某予想についてではなく (関係はしているのだが)、 電子計算機の黎明時代ケンブリッジ大で作られた EDSAC についてだった。 全然知らなかったが、 当時バーチはケンブリッジにいたのだし、当然 EDSAC に関わったのだ。 特に二号機では楕円曲線関係の数値実験のため、 よくプログラムを書いたそうだ。 もちろんプログラムは原始的な機械語で、入力は紙テープ。 バーチの奥さんになった女性が、 ほとんど世界初と思われるシステムエンジニア・レディで、 EDSAC2 試運転の日には、 一日に四回あるティーの時間に、学者がプログラムを持って、 EDSAC の横に立つ彼女の前に列を作ったそうである。 EDSAC を使って問題を解こうとしたのは数論学者だけではなく、 結晶学、電波天文学、ドラコーン(液体輸送用の巨大チューブ)、 などに使われたとのこと。 おそらく、多くは本質的にフーリエ解析の計算だろう。

ところで、この毎週火曜の夜に行なわれている講演と、 その後にあるワインと軽食つきのパーティは、 "Invariants Society"(「不変量学会」?) という名前のクラブが組織している。 中心になっているのは数学科の学生たちのようだが、 学科を代表する正式な学生会は別に存在しているので、 私の勤務先の R 大で言えば、 「数学研究会」か「IOM」のようなものなのだろうか。 メンバ以外が講演とパーティに参加するには二ポンド払うことになっているが (パーティの経費などを出すためだろう)、ほとんどの場合は集めていない。 今日たまたまお金を払おうとしたときに小銭がなく、 あれこれ話しているうちに、いっそ会員になっておくことにした。 兎に角、来週からはお金を払うべきかどうか、とか、 気にしなくて良くなり結構なことだ。

ちなみにこれからの講演者は、(以下の順に) ヒース=ブラウン、アティヤ、サイモン・シンが予定されている。



2004/11/18 (木)


2004/11/19 (金)

退歩 (math, 日常)

この数日間はとても良い気分で過していた。 と言うのも、予想が極めて単純な微積分の計算だけで解けてしまった (と思っていた)からである。 そんなわけで自信たっぷりに今日のセミナに臨んだが、 新入生でもやらないような計算ミスを一箇所指摘され (不等式の両辺に定数を掛け算する所で間違えていた)、 勿論それで私の「初等的証明」の全体が瓦解した。 さらに、私が怪しいと思っていたが説得し切れていなかった箇所を、 説得することに成功したので、 お互いに相手の議論の間違いを指摘しあった結果、 激しく退歩し、ほとんど出発点にまで撤退した。

とは言え、今日でこの問題の性質についてかなり理解が深まったし、 ラフパス理論の秘密と言うか、奥義というか、 その幾つかに迫ったので、よしとしよう。 おそらくイギリス滞在中には、何か答が出るだろう…と信じたい。 "Anyway, I hope so."



2004/11/20 (土)



この日記は、GNSを使用して作成されています。