「Keisuke Hara - [Diary]」
2005/02版 その1


2005/02/01 (火)

黄金虫変奏曲 (math)

比較的のどかな確率論の分野でも、 最近ではプレプリントサーバを使うのが一般的になりつつあって、 私も arXiv をチェックしたりしている。 そして、こんな面白い論文を発見しました。 その名も "Goldbug Variation" (by Michael Kleber )。 Math. Intelligencer の 27 #1 (Winter 2005) に出るらしい娯楽数学的な記事で、 内容は易しいので理系の学生くらいでも読めるはず。 確率論や組合せ論に興味があればより楽しめます。

arXiv は流石に開発者が「天才賞」(マッカーサー奨学金) を授賞しただけあって、なかなかに便利なもので、 特に数理物理などの競争の激しい分野では既に主要ジャーナルなみの扱いのやうだ。 しかし、著作権についてはかなりゆるい運営 (と言うより、自己責任による放置?)になっていて、 実際、後に雑誌論文として出版されたものまで、 ずっとおいてあったりする。 それが便利さの主要因になっていて、ちょっと困ったことかも知れない、 と思わないでもない。

しかしながら、 最近では学術雑誌の費用が各大学の経費を圧迫し始めていて、 主要大学以外ではかなりシリアスな問題になりつつある。 とすると、プレプリントサーバや電子雑誌の役割はますます重要になり、 むしろ主流化していくだろう、と個人的には思っている。 それに、大学の図書館などにアクセスがなくても、 誰もが自由に数学の論文を読んだりできるって、 とても良いことじゃないだろうか? 根本的には色々と難しい問題を含んではいると思うが…



2005/02/02 (水)



2005/02/03 (木)


2005/02/04 (金)


2005/02/05 (土)

University Park (日常)

二学期目のヒラリー・タームが始まって三週間が過ぎ、 巡航状態に入った。 前の学期よりは、うまく時間を使えるようになったように思う。 会うたびに、 「定理は得られたか、反例はどうだ。激しく仕事しろ」 と言われるのにも慣れて、聞き流せるようになった(< 駄目です)。 研究以外では、昨年末で前の翻訳の初稿を提出したので、 後回しにしていた他の翻訳の仕事を始めた。 こちらは数学の教科書で、しかも自分の専門分野だから、 大変に楽ですらすらと訳せる。 しかも、共訳者がいるので気楽だ。 先学期は平日午前の翻訳作業にあてて結構時間を費していたが、 今度は真面目にやるとどんどん進んでしまうので、 平日の夜に毎日少しずつする程度に控えている。 今学期も研究所のスケジュールは同じで、 月曜の午後の定例セミナ、 金曜午前の L 先生とのディスカッション。 それ以外の平日の午前と午後を数学にあて、 金曜午後と土曜日はシリアスな仕事は休み(でもオフィスには行く)。 数学の合間の休憩は、 プロブレムの雑誌を持って喫茶店に行ってカプチーノを飲んだり、 天気の良い日は university park を散歩したり。 その程度が娯楽で、他には特になし。 しかし、こんな広大な公園が近くにある大学が羨ましい。

とは言え、日本の勤務先から連絡がやってきて (あえて「ノイズ」とは言わないが)、 はっと現実に引き戻されたりもする。 例えば、法学部から次年度の講義のオンライン・シラバスを書き込んで下さい、 と連絡が来た。 今年と来年の研究費の報告書と申請書も書いた。 そうこうしていると、 この今、学内はそろそろ入試シーズンで、修論の発表会とかがあって、 ばたばたしている内に春になるんだよなあ、などと思ったり。

今、上を読み返して思ったことには、 私は日本語が下手になってきている。 英語は全く上達しないのに、外国にいると覿面に日本語が下手になる。



2005/02/06 (日)


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