今日の午前のゼミで、 一年間で全二十四回の半分の十二回が終わった。 L 先生に毎回リングに沈められながらも、 強敵と知られた相手に我ながら良くやった。 あと半分が無事に済むかどうかは不明だが、 立たなきゃ昨日に逆戻りなので、何とか頑張りたいです…
今週は前回のゼミで言われた小さな予想の一つを証明し、 一つの反例を(しかもより強く)構成したので、 自信を持ってゼミに望んだ。 とは言え、L 先生は人が証明を説明しようとしても、 必ず自分なりの考え方で納得しようとするので、 あまり証明のチェックにはならない。 反例の構成の方は、 イプシロンを二分の p マイナス 1 より小さく選んで、 こちらはこう選んで…とか、かなりの労力を注いでまとめたのに、 一行目のコーシー・シュワルツの不等式を見たとたんに、 強く反例が存在することに気付いたらしく "I agree" と言って、 もう後の労力を注いだ評価を見てもくれなかった。 予想の証明の方でもシュワルツの不等式を使ったのだが、 どちらでも逆方向にロジックを使うので、 「日本ではシュワルツの不等式は逆向きに書くらしいな」 と笑われた。もちろんそんなことはない。
ついでに数学の話をもう一つ。
私の使っているヴィジタ部屋の隣りは、
研究所に常駐はしていないが籍はある数学者のための相部屋で、
例えば、
ロジャー・ペンローズや数論学者のバーチなどがいる。
バーチは「バーチ・スィナートン・ダイア予想」で有名なバーチである。
そして、ごくごく最近まで、
私はこの予想はバーチとスィナートンとダイア三人の立てた予想だ、
と信じ切っていた(貴方もそうではないか?)。
実は、バーチとスィナートン=ダイア
(Sir Peter Swinnerton-Dyer)の二人
が立てた予想だった。
うーん、、、これはかなり恥ずかしい誤解。
一週間ぶりの更新。
と言うのも、何の事件も起こらないので書くことがない。
数学とセミナもおおむね順調。
強いて言えば、代数幾何マニアの同室者に勧められて、
"Notices of AMS"
に出た A. Jackson による Grothendieck の伝記的記事を読んで、
なかなか面白かった。
その同僚から Grothendieck トポロジーとか、
色々な概念の説明も受けたのだが、
さっぱり理解できないものの
(と言うより、抽象的過ぎて、
それで一体何がどうなるのか理解できない)、
ほとんど形式論理そのもののように私には聞こえ、
彼のようなロジシャンが興味を持つのも当然かも知れない、
とは思った。
この日記は、GNSを使用して作成されています。