先週末のセミナで最後の問題が解決したと思われたが、 その議論で使ったマジカルな不等式評価が、 魔法ではなくてただの幻想であったことが発覚。 厳しい週明けになる。
この前書いた伝記的論文にグロタンディエクの 「超抽象指向」を表している(のかも知れない)逸話の一つとして、 「57 の伝説」が挙げられている。 本当にあったのかどうかは怪しいがかなり有名な話で、 実際、私もこの文献を読む前から知っていた。 グロタンディエクがあるセミナーで講演していたとき、 聴衆の一人から具体的な例を挙げてくれ、と質問を受けた。 「具体的な素数 p で説明しろと言う意味か?」 と聞き返すので、「そうだ」と言うと、 グロタンディエクは「では、p = 57 とせよ」 と答えて講演を続けたと言う。
3 とか 7 とかじゃなくて、いきなり 57 を挙げるところが、
「どうでもいいじゃないか、そんなこと」
と言いたげな雰囲気が表れていて、
しかも実際、57 は素数じゃない。
57 が素数でないことを知りもしなければ、
気付きもしなかったのだ。
関西弁で言えば、「よーでけた話やなー」という感じ。
今週も終わった。 数学はやはり困難を乗り越えられず。 ここで行き止まりかも知れないなあ… と弱気になりつつある今日この頃。 今週はずっと雪で晴れ間もほとんどなかったせいか、 気分も暗くなりがちだった。 読書は軽いものは "The rule of four" (I.Caldwell-D.Thomason). 最近のベストセラーで、 「頭のある人のための『ダヴィンチコード』」だそうだ。 古典は "Moby-Dick". やっぱり原書は英語が古い上に、知らない単語だらけで読み難い。 しかし、妙な磁力があって大変面白い。 私の古典になりそうな予感すらする。 和歌山人として鯨に反応しているのだろうか。
arXiv を見ていて、
かのオイラーが年金問題について書いた論文の
英訳
が投稿されているのを発見。
うーむ、オイラーも数理ファイナンスをしていたとは。
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