JAXA がASTRO-EII/M-V-6 の打ち上げに成功したそうですね。 めでたし。名前は「すざく(朱雀)」。 でも、衛星が無事に機能するまでは油断できない。
科学のお話ついでにもう一つ。 最近、お茶の時間に Feynman の "The pleasure of finding things out" を読んでいるのですけれど、 その中にファインマンが日本でナノ計算機について講演したときの記録があります。 そこで、聴衆の一人が面白い質問をしていて、 「もし先生がおっしゃるような、 原子一つ一つをビットとして制御するような計算機ができたとして、 そこでスピングラスの数値実験をしたら、 それは磁石そのものじゃないですか?」と尋ねているのですね。 ファインマンもその返答の中で、 遠い未来に流体力学の研究者たちが、 新たな数値計算法として 風洞を「発明」する、 と言うジョークを引用していました。 実は、私もほとんど同じことを何度も考えたことがあるので、 誰しも同じようなことを夢想するのだな、と興味深く思いました。 DNA を使って超並列計算をするとか(*1)、 魚の鱗でオートマトンをするとか、 あるいは、可逆演算ゲートのフレドキンお気に入りの 「世界は一個の巨大な計算機かもしれない」という夢想とか、 同じような種類の発想だと思うのですけど、 言葉でうまく説明するのは難しいですね…
例えば、オプション価格の理論値の数値計算の手法として、 東京証券取引所で売ってみる、と言うのはどうでしょう ;-)
*1:
例えば、巡回セールスマン問題を DNA にマッピングして、
試験管に入れてよく振ってから、
遠心分離器にかけると答の組合せが沈んでくる
(一番軽いとすると浮かびあがってくる、のかな?)、
と言うようなアイデアですね。
魚の鱗の場合は、魚が育つのを待つのかな…
JAXA 公式サイト によれば、「すざく」は 「スピンダウン、太陽電池パドル展開、3 軸姿勢制御モード確立までを、順次、正常に完了」 「本日(12日)12時30分から約4分かけてX線望遠鏡伸展を実施し、伸展はすべて正常に行われたことが確認されました」とのこと。 実際の観測開始までには、 略円軌道まで衛星を持ち上げる作業が残っている。
ところでこのプロジェクトにかかった経費は、
157 億円(衛星開発費 87 億円、ロケット・打ち上げ費用 70 億円)
だそうで、意外に安い。
これくらいなら個人にさえ不可能でない金額なので、
NASA が独占している宇宙開発の privatization にかなりの圧力がかかっている、
というアメリカでの状況が想像がつくような気がする。
もちろん鉄道や郵便局と比べものにならないほど難しい問題だが、
例えば、スペースシャトルにでかでかとロゴを書いてくれるなら、
コカ○ーラとかナ○キとかマイク○ソフトが、
喜んで開発経費を持ってくれそう。
林檎と elderflower のジュースと言うものを買ってみたら、 とても美味しかった。 前に Warwick にいたときに農家で自家製のサイダー(林檎酒) を飲んだときのことを思い出したのは、 きっと風味づけにこの elderflower が使われていたのだろう。
辞書で引いてみると、elder は日本語でニワトコ(庭常、接骨木)。
スイカズラ科の低木。
白く小さな花を密生してつけ、
赤い小さな実がなる。
人間との関わりとしては、
茎と葉と花は生薬、煎汁は外用薬に使え、
枝は小鳥の止り木に賞用するとのこと。
「運歩色葉集」にそう出ているそうだが、
小鳥の止り木に賞用とは洒落てるなあ、室町人。
科学系の話を書くと途端にアクセス数が減少するのですけど、 あまりに感動したので、懲りずにまた書いてみます。
かつてレゴ・ブロックで作った、
実物のルービックキューブを解くロボットにも驚かされたが、
それを凌ぐとも劣らぬ作品が現れた。
諸君、帽子を取りたまえ。
なんと
レゴ製チューリング機械だ。
全部がメカニカルじゃないならズルでは、
と言う人がいるかも知れないが、
私はこれを作ろうと思ったアイデアと、
何よりその愛すべきハッカー魂を讃えたい。
近所の中華料理屋で夕食を取ることが多い。 そこでは有線なのかラジオなのか、 中国語の歌謡曲がよく流れている。 この前、ふと、この音楽は大変に聞き覚えがある、と気付いた。 中国語であるし、それ風に修飾されているものの、 オリジナルは日本の歌謡曲に違いない。 しかし、どうしてもその曲が思い出せない。 その店から家まで帰る間もつれづれと考えてみたが、 どうしても分からない。 時間がたつごとに、その中国語の曲の記憶も薄れていく。 直感は「嘘」だったが、 「爪も染めずにいてくれと、女が後から泣けるような、 悲しい嘘のつける人」(でしたか?)のサビが合いそうもない。 そもそも昭和の歌謡曲の記憶が怪しいので、 曖昧なデータ列の中を曖昧なキーワードで検索する、 二重ホモロジー検索みたいなものだ。 こんなことで悩んでいるのは時間とエネルギーの浪費なので、 潜在意識検索にまかせて忘れることにした。
そして翌朝、無意識検索終了、答が出た。
あの曲は「雨の慕情」のカヴァーだった。
人間の脳って凄いなあ。
最近、「ライフハック」と言うテーマの blog なりを目にすることが多いのですけれど、 その出発点の一つは OETC での Danny O'Brien の講演 "Life Hacks: Tech Secrets of Overprolific Alpha Geeks"の メモ のようです。 面白い文書なので、私なりに日本語で要約 「超生産的ハッカーの秘密」(lifehack.txt) を作ってみました。 要約なので「プロ」にしか面白くないような部分は削りました。 例えば、誰もが自分で random sig generator のスクリプトを再発明している、 とか(ここでにやりとした人は、原文を読んで下さい)。
あなたも超生産的になれるかも知れません。御笑覧あれ。
昨日の Coffee Concerts
はドヴォルザークのカルテットなど。
私にとってドヴォルザークと言えばチェロ協奏曲で、
弦楽四重奏曲は全く知らないのだが、わりと良かった。
ただやはり、室内楽なのにドラマティック過ぎるような気がする。
あくまで私の趣味で言えば、弦楽の室内楽は、
喩えるなら、
知らない分野の科学者たちの雑談を詩を聴くように傍らで聞いているようでありたい。
音楽とはそもそも、そういうものではないでしょうか。
とっくに夏休みのはずなのだが、 L 先生の出張なり、すっぽかしなりを合間に挟みつつ、 マンツーマン・ゼミは不定期に続いている。 ひょっとしたら、ずっと続くのだろうか? この前、公式に夏休みに入ってしばらくしたあたりで、 「夏休みはトラないノデシュか?」 と尋ねてみたら、 "Well..." といいつつ、 手の甲を上に胸の下あたりまで持ち上げ、 中指を回転軸に左右にひらひらとさせる謎のジェスチャーと、 「わかるだろ?」と言いたげな顔でごまかされた。 以前から気になっているのだが、 欧米人に良く見かけるような気がするこの仕草は、 正確には何を意味しているのだろう。
雰囲気としては、 "so so" とか "somehow" とか言う単語と関係があるように思うものの、 定かではない。 この場合は推理するに、 「いや、俺だって休みたくないわけじゃないけどさ、 夏休みは御存知のように、シンポジウムとか大学の雑用とかで、 実は結構忙しいときじゃないの。 だから研究所にもしょっちゅう顔をだすし、 そんなときに会って暇があればゼミも出来ると思うよ、 予定は立てられないけどね」 ということが、この仕草で示されていたのだろうか。 その後の現実はそうなっているようだが…
このジェスチャーの意味を御存知の方がおられましたら、
是非、お気軽にメイルで御一報下さい。
夏休みのせいか、私が下宿している家にも新たな客が二名滞在していて、 満員御礼の状態。 家主の知り合いのポーランド人の心理学者の女性と、 同じく知り合いのドイツ人の女の子。 女の子の方は夏休みを利用して英語の語学研修だとか。 今日キッチンで見かけたら、そのジャーマン・ビューティぶりに驚いた。 それに私からすれば、 ほとんど英語もネイティブ同然のように思えるのだが、 研修の必要なんかあるのだろうか。
昨日の日記の身振りの意味は大体、
「びみょー」に等しいのではないか、とのこと。
私にはその「びみょー」が正確に分からないので、
今一つ分かった気がしないが…
とりあえず、私の状況での夏休みについての解釈はほぼ正しかったようだ。
渋谷のネットワークエンジニア N 氏からの解答は、
階級意識が組み込まれているようなので却下。
私も同じく日々を闘う労働者なのですよ? ;-)
この日記は、GNSを使用して作成されています。