私はわりと話しかけられやすいタイプらしく、 レストランや喫茶店でチェスのプロブレムなど眺めていると、 店員とか他のお客に、「チェスをするのかね、シリアスプレイヤーか?」などと尋かれる。 「少し。かじゅあるプレイヤーでしゅけど」と答えると、 「ふむふむ、私も昔はクラブでちょっとならしたものだったよ。 今のチャンピオンはクラムニクかね」 「ちゃんぴおんガダレかは良く分からないのことね、 ゆーの、ほらフクザツで」、と言うような、会話に発展したりする。 昨日はイタリアンレストランの店員が、 子供の頃にシリアスにチェスをやっていたと言うことで、しばし雑談。
この「カジュアル/シリアス」という言葉の使い方はちょっと面白い。
追加:そういえば、こういう使い方も知ったときは、
ちょっと意外に思った。
「あなたは私達の関係をもっとまじめに(シリアス)
考えてくれてると思ってたわ、
ただの遊び(カジュアル)だったなんて…」
ところで、私の日々の対戦相手は Fritz というソフトウェアで、 私には必要ないほど強いし、便利なところも色々あるけれど、 とにかくインターフェースが酷いと思う。 私が開発責任者だったら、 一からデザインを考えなおせ、と突き返すだろうとさえ思う。 本当に簡単なことをするだけのために、どう操作すればいいのか、 どうしても分からなかったりするのだ。 少なくとも、初めて触った人が何のヘルプもなくすらすらと使いこなせる、 というような明解なインターフェースでは絶対ない。 チェスソフトと言うと、 この系列が定番と言うことになっているようだが、 もうちょっと良いソフトウェアはないのだろうか。 同系列の棋譜データベースソフト ChessBase(Light) も同じく謎めいたインターフェースで、 何とか最近使えるように(私が)なってきたものの、 やはり時々、小一時間操作法に悩むことがある。 この会社の個性なのかも知れない。 確かドイツの会社だったように思うのだが、 ドイツ製ってもっと機能的なイメージなんだけどなあ。
本質的にはただのテキストファイルだし、
ruby あたりで超簡易版の棋譜データベースソフトウェア書こうかな…
朝、blog を読んでいたら こんなパズル を発見したので、仕事前に解いてみました。 簡単ですので、貴方もいかがでしょう。
調査員があるアパートの階段を登ってその住居の一つのベルを鳴らした。
ベルに答えた住人に、
「ここには何人の人が住んでいますか?」と尋ねたところ、
「三人」、との返事。
「家族構成は?」と尋ねると、
「全員の年齢をかけると 225 で、足すとこの部屋の番号」と答える。
調査員は部屋の番号をチェックし、
「ふむふむ、、、でも、もう一つ情報が必要ですね。
あなたが一番年上で?」「もちろん」。
了解した調査員は、三人の年齢を書きとめ去って行った。
さて、この三人それぞれの年齢は?
イギリスでスポーツ観戦と言えば、 もちろん今ではサッカーが一番だろうとは思うものの、 その次に来るのはクリケット。 野球の先祖らしい、 イギリスとその旧植民地でしか盛んでない、 他の国民にはどうしても理解できない謎のスポーツである。 私が一度、イギリス人に聞いたところでは、 「野球を知ってれば簡単に理解できる」そうである。 違いは、前方の 90 度に限らず 360 度どこに向けて打ってもいいこと、 そのためダイヤモンドがないので、 ピッチャーとバッターの間に立ててある棒の間を往復して走ること、 またまたそのため、 バッターの手前でバウンドするボールを投げなくてはいけないこと、 くらいだそうだ。 でも、あの 243 対 2 とか出てるスコアはなんなんだろう、 とか今でも謎は多い。 イギリスでは広く浸透していて、 TV 中継もあるし、CM で盛んに中継の宣伝もしている。 数学者におなじみのエピソードとしては、 「数学者の弁明」で一般にも有名なイギリス人数学者ハーディは、 クリケットの熱狂的ファンだった。 共同研究者のリトルウッドと書いた某論文では、 クリケットのゲームに喩えた議論が本質的に使われている。
もう一つ、イギリスで人気のある謎のスポーツはスヌーカー。
やたらにボールが沢山あってルールの複雑なビリヤードの一種で、
これまたシーズンには TV 中継が盛ん。
どちらにしても外国人には、
どうもマニアックに過ぎる観戦趣味のように思える。
私と入れ代わりにこれから一年間研究所に visitor として滞在する、 N 大の H さんとパブで夕食。数理物理が御専門とか。
ところで、こういう所にどれくらい公でない情報を書くのか、 と言うことについて私は今まで色々と考え、 またその限界を試したことさえあったのだが、 結論として、これ以降は、(私本人の私事を除き)「一切書かない」、 と言う方針に決定することにした。 もちろん、どこまでが公の情報なのかと言う線引きは難しいが、 常識的な範囲はあると思う。例えば会話の内容は公でないし、 予期せぬ場所で誰か知合いに会った、または見かけた場合、 その事実も明らかに公でない。 しかし一方では、既にか、または近い未来以降では、 公の情報は早かれ遅かれ誰にでも簡単に知ることができる(ようになるだろう)。 したがって、公でない情報を知ることができる、と言うこと以外に、 何か面白いことが書けるのかが問題。
昨夜の TV 映画、
「トーマス・クラウン・アフェア」。
名画「華麗なる賭け」のリメイク。
名画のリメイクはその定義からして原理的に第一作を越えられないので、
別の角度からの面白さが出せるかが問題。
それが成功した部類で、大人の娯楽作品としては良く出来ていると思う。
とにかく豪華で、現代アメリカの富豪を精一杯お洒落に描くとこうかな、
と言う所。そこを「華麗なる賭け」の時代の描写と比べてみるのも一興か。
英語の聞き取り能力の問題なのか、
この映画の最後で主人公がある絵画をどうやって盗んだのか、
私には分からなかった。帰国したら字幕付きか吹替え版を観てみよう。
ところで、この映画で一番いいのは内容よりも音楽だと思う。
スティングも悪くないが、特にニーナ・シモンが抜群にいい。
制限時間とレイティングの設定の問題なのか、
私がいつも対戦している Fritz は、
Fritz 先手のクイーンオープニングのノーマル 1. d4 d5 2. c4 に対して、
私がスラブ・ディフェンス (2. ... c6) に受け、
あるところで定跡を外すと確実に負けることに気付いた。
普段なら簡単にその悪手を咎められるはずの Fritz が何故かそこで発狂し、
abc 列で 2 ポーン失なってしまう上に、もうそこから正気に戻らないのだ。
これはやはりコンピュータに適度に弱くプレイさせるのが難しいことの反映ではなかろうか。
人間らしく弱くなるのではなく、
(少なくとも人間の目には)単に発狂したように見える手を指してしまう。
昨夜遅くにウッドストックロードを歩いていると、 なにやら灰色のもこもこしたものが、ゆっくりと生垣の下を移動しているのを発見。 良く見ると、ヘッジホッグ(はりねずみ)のようだ。 オックスフォードでも結構良く見かけると聞いていたが、 私が見るのはこれが初めて。夜行性なのかも知れない。 はりねずみと言う語感から、もっと鼠らしい形を想像していたのだが、 丸々としていて、「もこもこ」としか言いようのない、 可愛らしくもどんくさい感じの生き物だった。 これならクローケーで玉の代わりにされてもしょうがない。
今日はバンクホリデー。 研究所もひっそり。
ちょっと追加。Wikipedia の
hedgehog 項目。
いろんな種類があるらしい。
私が見たのはもっと「もこもこ感」にあふれた感じでした。
Blackwells で Penguin の
Great Ideas
シリーズの新しい本が出ていた。
前回は赤だったが今度は青を基調にしつつ、
またしても
「やられた」と言う感じの洒落たデザインに、癖のある選び方
(上のサイトには赤シリーズしかまとめて画像が出ていませんが、
buy the complete set のところなどを閲覧していただくと、
青シリーズの選書が分かります)。
Penguin は日本で言うと岩波文庫、だと私は勝手に思っているのですけれど、
これくらいポップになるといいのになあ。
オックスフォードに来て以来、初めて L 先生とランチ。 週末から長期の海外出張に出かけられるので、 今日が会える最後だろうと言うことで。 ほぼ丸一年にしてこれが初めてのランチと言うのは、 数学については徹底的につきあってくれたが、 それ以外についてはこれまた徹底して放置だった、 L 先生の方針を象徴しているなあ…、とおかしな感慨を持ったことであった。 しかも、食事の間も、ちょっとは社交的な話をしようか、 と言って、「イギリスってどう?」と切り出されたのだが、 三分間で済んでしまい、その後は数学とプログラミングの話しかせず。
思えば、長いようで短い一年であったが、
6 月末に夏休みに入ってからは、
ほとんど毎日のようにゼミをして下さり、特に大変だった。
しかし、自分の学生でもなんでもないのに、
突然外国からおしかけてきた、
半人前の、しかも片言しか英語が話せない私にここまでつきあってくれ、
これを有難いと言わねば、何をか言わんや。
ありがたし。
この日記は、GNSを使用して作成されています。