こんちわ。皆さん元気でやってますか。風邪ひいちゃった貴方はbookbar4の「耳を抜けて吹く風の音を聴け」を見て風邪菌をスルーしちゃってちょうだい。丸がくるくる、目を回さないよーに。さてそんなことで今回は、おかえりのすけがジョキジョキ丸穴を切り抜いてます、いったいなにを覗こうというのでしょーか。
そうそう、先日おかえりのすけはsmalltalkに出張したのです。とっても楽しくて綺麗なとこなので実はちっともシゴトにならんかったようでもあるが、ゆらゆら勇姿をみてちょうだい。サンクスソーマッチ!ヴィヴァ smalltalk!!
おかえりのスケ本「丸と伯父さん」の巻。
ボクは図表が好きなのです。だから本をぺらぺらめくっていて、いかに素敵な図版がたっぷりあるかはひとつのポイントになるのです。この前もかっちょいい『統計図表』を見つけて大ー喜び。

『目玉と脳の大冒険』だってロレンツ・オーケンの五官分類学(目人間=コーカサス人=白、耳人間=東洋人=黄....)のところの円図に釘づけだし、牛若丸の『円と四角』『変』『円盤物語』『モデラート』etc.にいたってはどれもこれも図版と造本の遊びがたまらんのです。おっと『眼球譚/月球譚』もね。

眼といえば、合田佐和子の『眼玉のハーレム』か、目玉おやじでしょう。根付け目玉おやじ付きの『水木しげる ポップアップ妖怪図鑑』は早速予約。その水木しげるが「中ぐらい絶賛!」してるのは沼田元氣の『水玉の幻想』。メリエスの月の眼玉を裏側から丸でぶち抜いて、ふきだしで「永遠が見える」と誘導する徹底ぶり!

丸くりぬき本多々あれど、『Andy Warhol , Cinema 』が珠玉街道まっしぐらでしょう。ついでに珠玉つながりでトんじゃいますが、『ヲノサトルの甘い作曲講座ーすぐに使える珠玉のアイディア』、これは読み物としてもめっぽうシュギョク、さすが元経理部、面白さがきちんとしてます。


はなしもどって、ヌマゲンさんといえば『芸術珍道中』『YOROZU』『ぼくの伯父さんの東京案内』他でず〜と大活躍、でもいつから伯父さんに?それは著者紹介文を追えばみえてくるのデス。

「伯父さん」といえばユロさんor寅さんというベタなボクですが、タチ本なら『ジャック・タチ』『ぼくの伯父さんの休暇』『Visage』vol.3(特集:ジャック・タチ・ぼくも伯父さん)あたり、でもやっぱボク日本人だし、『寅さん学のススメ』を読んでステキなオジさんをもつミツオのようになりたヒと思フ。


...............おかえりのすけ(c)eno
『子午線を求めて』のなかでクリストフ・ドネールというひとの『ぼくの叔父さん』、現代の素敵な伯父さま本の『sumus』8号で北杜夫の『ぼくのおじさん』も見つけたので今度会いに行ってみまーす。

そういえばちょっとそこいらで愉快に暮してる変な伯父さんおばちゃんって少なくなった、あるいはそういうひとたちに寄せる眼をボクたちが閉ざしてるだけかもね。在るのに見ていないモノを「ない」って言う可笑しさ。

今年は金魚が日本に渡来して500年、「あらおじさま、よくってよ」なんてヒラヒラ言う金魚っ子のことを『蜜のあわれ』で読み直して、その感覚を取り戻したいもんデス。ではまた次回お会いしましょ。バイバ〜イ!

それぞれのさらなる詳細は、タイトルをクリックして見てね。bookbar4楽天ブックスのカートに進みます。
no.301『統計図表ー視覚表現とそのヴァリエーション』
伊藤幸作 /ダヴィット社/1976
西欧ではアイソタイプとして研究開発されてきたけど、日本でのこのジャンルは地味なので志向するデザイナーが少ないなか、波多野富仁男(元ライト・パブリシティ美術部長)の仕事ぶりを大フューチャー。カラー図版がきれい。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.302『目玉と脳の大冒険ー博物学者たちの時代』
荒俣宏/ちくま文庫/1992
「博物学の黎明期にいろどられた偉業と愚行の物語」、ときに暴走する想像力に導かれるまま、目と脳を酷使した学者たちの残したものは...。もちろん図版多用。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.303『円と四角』
構成:松田行正/解説: 向井周太郎/牛若丸/1998
円と四角にこだわった520点の図像を集めた本。カバーの色は5種類あるがbookbar4が持っているのは蛍光グリーン版。表紙はイルミカラーという表面が柔らかくて汚れやすい紙。カバー裏のダイアグラムもお見逃しなく。充実のテキストがたまらない。
no.304『変』
米澤敬/牛若丸/2001
「今回の造本装丁の仕掛けのヒントは素数」だって。表紙に使われたヴィベールは整形するのが難しいのにさすがびしっときまって美しい。この表紙、ゴルフをやるひとはまたちょっと違った見方をするかもネ。
no.305 『円盤物語』
構成:松田行正/牛若丸/1997
空飛ぶ円盤史やアダムスキー型円盤のペーパーモデルなどの円盤づくし。本文部分が蛍光のグリーンとオレンジの2ヴァージョン(bookbar4が持ってるのはグリーン版)、カバーには『マ−ズ・アタック』のオープニングをイメージした188個の円形の穴。そっか、これも穴空き本(no.310,311参照)でした。
no.306 『モデラートー64の変身譚について』
構成:松田行正/牛若丸/1993
モンドリアン・カラー(赤青黄)の3ヴァージョンあり。bookbar4が持っているのは赤版。動きや速度を視覚化して楽しいが、最終のNo.64「北園克衛の絶対的白」に限っていえば、作為によってその白が失せていた。奥成達資料室内、北園克衛関係はこちら
no.307 『眼球譚/月球譚』
牛若丸/2001
絵画に描かれた女性の左眼を右ページに年代の古い順に並べ、左ページには月を新しいものから並べて配してある。
no.308『眼玉のハーレム』
合田佐和子/PARCO出版/1988
「目星の王子さま」「メッキ(木に目が...)」「矢のようにすばやく子を生む」などなど、エジプトから帰国して初めて発表した作品集。高橋睦郎氏が「目の恐れ」を寄稿。artownサイト内の合田佐和子、ノブヨ二人通信あたりで近況がつかめるかもしれません。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.309 『水木しげる ポップアップ妖怪図鑑』
水木しげる/講談社/2002
たくさんの付録がついてくるが、その詳しい内容は講談社ブック倶楽部で見れます。
no.310 『水玉の幻想』
沼田元氣/青山出版社/2001
「YOROZU」5の表紙の写真ときっと一緒の時に撮ったであろうクラゲの写真には「影は形に従う」という寺田寅彦の言葉が、また「壁に耳あり、障子に目あり、本に穴あり」なども。帯には水木氏のイラストがついてます。なお沼田氏はMIT(水玉インスティチュートオブテクノロジー)留学後、水玉男となったようです。特装本については青山出版社からどうぞ。
no.311 『Andy Warhol , Cinema』
1990
ポンピドゥーセンターで開かれた『Andy Warhol, cinema』展のカタログ。『水玉の幻想』のあとがきで沼田氏も引用していたが「レコード盤に穴があいているのは宇宙を見るためだ」とウォホールは言いました。このカタログの表紙には10個の穴が「e」の字型に空いていて裏表紙には10個の丸が円形に並ぶ。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.312 『ヲノサトルの甘い作曲講座ーすぐに使える珠玉のアイディア』
ヲノサトル/リットーミュージック//2001
文章自体がまず面白いが、五線譜に頼らずに作曲テクを身につけられるようにさまざまな図版が工夫されているのがまた楽しい。甘い対談、甘いCD紹介、甘いけど甘ったるくないのです。ヲノサトルHPをどうぞ。
no.313『芸術珍道中』
著:沼田元氣/発行:創造行為の殿堂、ヌマタゲンキ芸術基地/1985
芸術家宣言して一年目、盆栽の知識を十二分に活用して花々しく活躍していたころの「見切り品」小冊子。なおこの頃の沼田氏は「芸術タオイストBONSAIKID」、やがて「盆栽小僧」に。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本。吉田さんありがとう!
no.314『YOROZU』5
ゆとり文化機関誌よろず第五号/発行:DANぼ/1997
沼田元氣ヴィジュアルプロデュース、特集は温泉入門。立花ハジメデザインの温泉ヴィジュアルステッカーとヌマゲンフォトグラフ温泉旅館ポスターの、超豪華付録がうれしい。なおこのとき沼田氏は、極東アングラ藝術基地、に所属されていたようです。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.315『ぼくの伯父さんの東京案内』
沼田元氣/求龍堂/2000
本文は角丸、ビニールカバーからは二枚のしおりが切り取れます。「まるで本とデイトする」ように本を抱いて歩く伯父さんの左ポケットに侵入した甥っこが覗き見る世界。第一回モノンクル賞受賞作品!そういえば『モノンクル』(海月書林HP参考)というオトナな雑誌がありました。
no.316『ジャック・タチ』
遠山純生/エスクァイアマガジンジャパン/1999
グラビア、タチのインタビューや年代記などもりだくさん。
「ユロの死」への追悼文がいいです。
no.317『ぼくの伯父さんの休暇』
原案:ジャック・タチ/絵:ピエールエテックス/リブロポート/1996
ルイス・ブリュエルの『昼顔』なども手がけたジャン・クロード・カリエール作、 タチの映画ポスターでもお馴染みのピエール・エテックスのイラスト。箱入り。楽天ブックス扱いなし/bookbar4所蔵本
no.318『Visage』vol.3
メンズ・ビギ/青木書店/1989
細野晴臣、信藤三雄、永井宏、小西康陽、沼田元氣、他。楽天ブックス扱いなし。今手元にないので内容については不確かでシツレイ。HAPPY DAYS さんのHPコラム に詳しいので是非。
no.319『寅さん学のススメ』
監修:馬本誠也/飛鳥新社/1993
奥成達が構成した寅さん学の真髄を極める一冊でしょう。いま何才か/タコ社長はなぜ「とらや」に毎日顔をだすのか/いつもピーピーしているのはなぜか/「5」にこだわるのはなぜか、などに大真面目で答えて学問の深みに誘うのです。楽天ブックス扱いなし/奥成達資料室所蔵本
no.320『子午線を求めて』
堀江敏幸/思潮社/2000
どの章にも仏文作品がからんで、散文と批評(というより紹介)の域を自在に往来。作品の周囲にあるエピソードを、いつの間にか読み手の身近のサッカーや「タンタン」へつなげてしまうこの穏やかな語り口が気持ちいいのです。「象を説得すること」なんてタイトル、そそるでしょう。
no.321『sumus』
SUMUS/2002
「本を散歩する雑誌」として、毎号「新書の昭和30年代」やら「古書にコミあり」やらの特集も付録も楽しみ。書店で見つけられない場合はホームページ→SUMUSから注文できますのでどうぞ。楽天ブックス扱いなし/奥成達資料室所蔵本
no.322『ぼくのおじさん』
北杜夫/旺文社/1972
上述『sumus』8号でこの本のことを話題にしていたのは南陀楼綾繁氏。あれ、この表紙、誰かに似てますね...。楽天ブックス扱いなし
no.323『蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ』
室生犀星/講談社文芸文庫/1993
「あたいね、おじさま...」と語りかけるのは、金魚の化身の少女である。詳しくは当金魚部の秘宝展報告で読んでね。