アート織田の週末画廊日記
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2004年6月6日

タイトル: かすかに消えるその膜の向こうへ
作家: 高田麻衣子
場所: 福岡県立美術館


会場にて撮影

 ご本人は休憩中ということでいませんでした。
 20日までは公開製作中ということです。現時点では、まだひもらしきものが数本できているだけでした。
 高田さんの作品は、前に3号倉庫で見たわけですが、ああいう細い紐は、1本1本こうして作りこんでいるのだなというのが良くわかります。
 この細い紐が、危うい組織を作り、そこに人があたる、それがまた危うい、けど意外と丈夫?という、まるで「そういう人」という内面の暴露が、たいへんアートです。
 公開製作というそれ自体も、なかなかの暴露ですけど。
 ともかく、作品というのは、社会に対峙した一人の人間の感性そのものであり、その人のドキュメンタリーである。(と思う。)
 そういう面で高田さんは、とてもうまく行っている作家であり、稀有なまでにすばらしい作品だと思う。


 私の場合、タイトロープは綱渡りだ。そういう状況に良く陥る。というか、もしかしたら好んでいるのかもしれないと思うほどだ。
 肝心なときによく道に迷うし、何かとぎりぎりまでうまく行ったり行かなかったり。
 問題の多い状況にはまり込んでいたり、気づけばふと、難しいこと、ややこしいことになっていたりする。
 ついてないのか、馬鹿なのか、世渡りベタなのか、全部なのか。(2番?)
 何度も切れた、継ぎ目だらけのタイトロープが、見えないずっと先まで続いているようなので、たまに心細くもなるけれど、人生先へ進むしかないんですよね。
 せめて揺らさないでほしいものです。

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