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ディープスペースナイン エピソードガイド
第115話「オドーの恋」
A Simple Investigation

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・イントロダクション
自室に戻った異星人の男性※1はコンピューターに時間を尋ねた。18時21分。カバンから取り出した道具を、袖の下に隠す。訪問者があり、扉を開ける男性。別の異星人の男2人が立っていた。どちら様と聞くが、誰でもいいだろといい突き飛ばされる。あれはどこだと聞く、入ってきた男の1人、トレイディ※2。もう一人の相棒のソーム※3は手に持った機械で何かを探している。何のことだかわからないという男性。嘘をつけというトレイディ。ここにはないというソームにそれはやばいという。もしかしたら相手を間違えたのかというトレイディに、どうやら沿うみたいだというソーム。骨折り損だといって男性を蹴り飛ばし、よく聞け、お前がなぜここに来たかも、あの女に何を渡すかもわかっているという。もう一度だけ聞く、あれはどこだというトレイディ。わかった、なら案内しようという男性。聞いたか、やはりこいつだったんだとトレイディ。その瞬間男性は袖から取り出した武器を向けたが、撃つ前にソームに撃たれてしまった。消滅する。おかしいな、気絶させる気だったのにというソーム。カーペットに焦げが残ってしまった。どうする、ステーション中を探すわけにはいかないというソーム。女を待とう、隠し場所を知ってるかもしれないとトレイディはいった。
ダックス、オブライエン、そしてオドーがテーブルに同席している。何です呼び出しってときくオドー。やってきたベシアは、1本のアイソロニアロッドを見せた。新しいプログラムねというダックス。「女王陛下奪回」※4、今朝着いたんだというベシアに、やっとか、約束より2ヶ月も待たされたなというオブライエン。だけど今までのよりずっと手の込んだストーリーだと言うベシア。役を尋ねるダックスに、レディ・ワンスモア※5だ、洗脳されてイングランド女王の暗殺を狙う美女だと説明する。誰か私を止めてというダックス。同じ質問をするオブライエンを無視し、オドーはナイジェル・ダンロップ※6、引退した元捜査官だが、ベシアを助けるために現場に復帰するというベシア。自分の役を説明しようとするベシアにわかってるといい、僕はと聞くオブライエン。ベシアはもちろんファルコン※7といった。またファルコン、悪役はうんざりだというオブライエン。でもすごくはまってるわよとダックスにいわれ、微笑むオブライエン。みんな土曜で都合はいいかと聞かれ、いいと答えるダックスとオブライエン。だがオドーは答えず、もう一度役を尋ねた。女王を助けるのというダックス。オドーの役はおいしい役で、かっこいい車を乗り回したりパーティに出席したり、彼女をファルコンから奪うといってパッドに映った女性を見せるベシア。俺の女を奪うだとといい、それをまじまじと見つめるオブライエン。オドーは申し訳ないがほかの人をあたって頂けませんかという。美人なのにもったいないと言うベシアだが、土曜日は忙しいもんでという。ほかの曜日にしましょうというダックス。オドーは結構ですといって立ち上がり、初めからお断りすべきでしたといって歩いて行った。仕方ない、オドーの代わりを誰か探そうと言うベシア。パッドの女性を見ていたオブライエンは、僕がやるよといった。パッドを取り上げるベシア。
1階に降りてきたオドーは、クワークのダボやホロスイートの誘いを断っている女性、アリッサ※8に気づいた。今は何も食べたくないというアリッサに、私はタペストリー集めが趣味で、部屋に見にきませんかと誘うクワーク。いい加減にしておけよクワーク、お客さんに迷惑だろというオドーに、迷惑かどうかはわからないだろ聞いてみなくちゃという。忠告しておくけど、客にちょっかいを出すより仕事に集中した方がいいというアリッサ。ご心配なく、私は一度に二つのことができるんですというクワーク。じゃあ上を見て、あの男の指輪は重力量子発生機だという。連れが勝つようにダボテーブルを操作しているという。確かにダボには、同じ種族の儲かっている男がいた。慌てて向かうクワーク。目が鋭いですねというオドー。ありがとうとだけ答えるアリッサ。誰かと待ち合わせと聞くオドーに、あなたと、巡り合えるのを待っていたという。そういって欲しかったんでしょというアリッサに、君がしきりにドアを気にするからというオドー。人と約束してるのよというアリッサ。だからそう思ってというオドーにアリッサは謝り、口説いてきたのだと思ったという。あなたの目がセクシーなせいだわといった。私の目がというオドーに、みんなからそういわれるでしょうという。いえそんなと首を振るオドー。もし困ったことがいつでもどうぞ、保安チーフのオドーです、オフィスは出てすぐそこだという。どうもありがとうというアリッサ。失礼します、オフィスに行かないとといって後ずさりするオドー。出てすぐそこねというアリッサ。ええそうですといい、向きを変えたオドーは柱にぶつかりそうになった。外へ出て行く。アリッサを、カウンターの向こうからトレイディたちが見ていた。

※1: (Brant Cotton)

※2: Traidy
(ジョン・ダービン John Durbin TNG第136話 "Chain of Command, Part I" 「戦闘種族カーデシア星人(前)」のガル・レメック (Gul Lemec) 役)

※3: Sorm
(ニコラス・ワース Nicholas Worth DS9第15話 "Progress" 「第五の月“ジェラドー”」のリセピアン・キャプテン (Lissepian captain)、VOY第106話 "Bride of Chaotica!" 「侵略されたホロデッキ」などのロンザック (Lonzak) 役)

※4: The Queen Gambit

※5: Lady Wantsomore

※6: Nigel Dunlap

※7: Falcon
DS9第82話 "Our Man Bashir" 「ドクター・ノア」より。このプログラムも同じくシークレットエージェント (secret agent) ものです

※8: Arissa
(デイ・ヤング Dey Young TNG第113話 "The Masterpiece Society" 「遺伝子操作惑星」のハンナ・ベイツ (Hannah Bates)、ENT第25話 "Two Days and Two Nights" 「楽園での出来事」のキーラ (Keyla) 役)


・本編
貨物室で搬入に立ち会うオドー。顔が写る箱の側面を鏡代わりにして見ていたが、移動させられていく。キラがやってきて手を見せ、荷物を調べていたらタコみたいな足が出てきて捕まれたとオドーに言う。ガー※9だ、クリンゴン人の大好物です、兵士たちが喜ぶでしょうというオドー。あんな物を食べるなんてと言うキラ。オドーはまた貨物の側面で自分の顔を見ている。キラに何を見てるのと聞かれても、なかなか答えようとしない。何よと聞かれるが、なんでもありませんというオドー。いいじゃない教えてよと言うキラ。クワークのバーで、夕べ女性から目がセクシーだと言われたんですと話すオドー。ほんとかなと思いましてという。どういう経緯なのと聞くキラ。誘ってると思ったみたいで、もちろん誤解ですけどというオドー。彼女とはまた会うのと聞くキラに、いいえ、なぜですかと尋ねる。なかなか見る目の人だわと言うキラ。とにかくもう一度会うべきよといって、歩いて行った。また自分の目を見るオドー。
オドーが保安室に戻ると、アリッサがいた。こんにちはというアリッサ。そこにいた部下からパッドを受け取り、何をしたんだという。どうしてステーションのコンピューターに侵入なんかというオドー。友達が来なかったから、来ているかどうか旅行客の名簿を調べたかったというアリッサ。事情を説明してくれれば私が調べたというオドーに、フィネアプライム※10で生まれ育つと警察を信用しなくなると言う。データポート※11が不調ですかと尋ねるオドー。アリッサの後ろ髪の下の首には、小さな機械が取り付けられていた。セキュリティプロトコルにつかまって、とても不愉快な思いをさせられたというアリッサ。私がプログラムしたんですというオドーに、優秀ね、暗号解読が済むまでとても接続していられなかったという。オドーはそれを狙ってるんですという。しかしアリッサ、あなたのような感じのいい女性のすることじゃないという。違法じゃないというアリッサに、一応は、しかし他人の情報が知りたいなら、手続きを踏んでアクセスすることですと忠告する。覚えておきましょうというアリッサ。あなたが会う相手だったアイダニア人※12はトーヴィッド・レム※13、どういう用件なんですと尋ねるオドー。個人的なことよというアリッサ。オドーは彼の泊まっている部屋へ行って聞いてみましょうというが、アリッサは微妙な状況だからそれはやめてくれと言う。話してくださいというオドー。トーヴィッドが受けおっているのは人探しで、人を探し出す名人だというアリッサ。娘を探し出してくれるよう頼んだ、15年前に産まれて里子に出したという。そうですかというオドー。ついに手がかりがつかめたと聞いて来た、やっと娘に会えるかもしれない、私に話させてと頼むアリッサ。オドーは少し考え、いいでしょう、一緒に行きましょうという。事情聴取は後でと言うオドーに礼をいうアリッサ。
※14トーヴィッドの部屋の前に来た2人。チャイムを押しても返答がない。いないのかもしれないというアリッサだが、アクセス記録によれば中にいるはずだというオドー。コードを使って扉が開けられる。保安部です、トーヴィッドというオドー。中には誰もいない。オドーは椅子の下に焦げを見つけた。いないみたいというアリッサ。いいえ違います、ここでやられたんですとオドーは言った。

※9: ガーグ gagh
TNG第34話 "A Matter of Honor" 「錯綜した美学」など

※10: Finnea Prime

※11: dataport

※12: Idanians

※13: Tauvid Rem
トーヴィッドが姓、レムが名

※14: 前話 "Doctor Bashir, I Presume" 「ジュリアンの秘密」と同じ、イェーガー級の映像が使われています


保安室に戻るオドー。残留物からアイダニア人のDNAが発見されました、トーヴィッドのものと断定して間違いないでしょうとアリッサに話す。犯人に心当たりはありませんかと聞かれ、いいえ、ただああいう仕事だからもちろん裏の社会ともつながりがあったでしょうねという。強盗かもしれないというアリッサ。なぜそう思うんですというオドーに、部屋に私物が一つも見当たらなかったからという。それとも何か見つかったのと聞くアリッサ。いいえというオドー。アリッサはどちらにしろ、私や娘には関係ないと思うという。どうでしょう、犯人はあなたを娘さんに会わせたくないかもしれないというオドー。でもトーヴィッドと会った時には何も言ってなかったというアリッサ。3日くらい前のことだ。だけど悔しい、もう少しだったのに最初からやり直しだなんて、あなた次第だけどねとアリッサはいう。なぜと聞くオドー。だって私にはコンピューターに侵入しようとした容疑がかけられているのよというアリッサ。しかし実際には何の情報にもアクセスできなかったわけですから、罪に問う必要もないでしょうというオドー。どうもありがとう、お礼を言うわというアリッサ。帰っていいですよというオドー。ありがとう、親切な人ねという。娘さんと会えますようにというオドー。アリッサは一度振り返り、そして保安室を出ていった。
DS9内の通路。周りに誰もいなくなったのを確認し、アリッサは小型の機械をコンピューターとデータポートの両方に取り付けた。認証され、データにアクセスする。パネルにはトーヴィッド・レムと表示された。
クワークが店を閉め、鍵をかけると中から叩く者がいる。クワークはモーンといいながらもう一度扉を開ける。もう閉店だ、家に帰れといわれて歩いていくモーン。モーンが通っていった後に、アリッサが周りを伺いながら部屋から出てきた。だがオドーが現われ、もう金庫保管室※15は閉まりましたよという。何か預けたい物があるなら明日出直してきてくださいという。そうするわ、警報機に引っかかっちゃったのと聞くアリッサ。いいえ、プロの腕ですねというオドー。でも捕まっちゃったというアリッサに、ずっとつけてたんですという。知らなかったというアリッサ。私もプロなんで、さて、トーヴィッドの金庫には何が入ってましたと尋ねるオドー。何も、と言ってら信じてくれるというアリッサ。身体検査をされたいですかとオドーに言われ、それも楽しいわね、でもお手間を取らせちゃ悪いといってアリッサは手の中の物を出した。
こんなデータクリスタル※16はみたことがない、内部にフェイズインバーターが埋め込まれているというオドー。暗号を解読するのは大変だ、行方不明の女の子のデータを入れておくのにトーヴィッドは随分厳重な方法をとったものだという。アイダニア人はそうなのよ、すごく秘密主義なのというアリッサ。ドクターに頼んで、あなたが妊娠していたことがあるかどうかを調べるのは簡単なんですよというオドー。身体検査するだの、ドクターに調べさせるだのあなたは脅してばかりねというアリッサ。オドーは娘がいるなんて嘘でしょうといった。アリッサはそう、という。あなたが本当のことをしゃべったのはこれが初めてだなというオドー。違うわ、セクシーなのは本当よというアリッサ。クリスタルの中身はと聞くオドー。知らないわ、でも突き止めないといけないというアリッサ。でないと死んでしまうと言った。最初から全て話してくださいというオドー。アリッサは、自分がドレイム※17の部下であることを明かした。ああ、と納得するオドー。ドレイムを知っているようねといわれ、オリオンシンジケート※18の一員で、確か人の弱みを探し出してゆするのが専門の男だという。アリッサの仕事はコンピューターシステムにアクセスし情報を盗み出すこと、例えば政府のデータとか企業の計画とかだ。随分危ない仕事だ、安い給料じゃ引き合いません、セキュリティプロトコルの中には侵入者の脳にダメージを与えるものもあるというオドー。もちろんそれは考えたが、考えてもどうしようもないし、オリオンシンジケートを抜けるのは不可能に近いというアリッサ。抜けたかったんですかと聞くオドーに、だからトーヴィッドに接触したという。正体は知らないままに、トーヴィッドから接触してきてドレイムから逃げるのに使える情報があると言われたというアリッサ。それを信用したのは、とにかく組織を抜けたい一心だったからだという。どんな情報かは聞いていないが、なぜかトーヴィッドを信じた、嘘みたいに聞こえるかもしれないがそれだけ追いつめられていたとアリッサは言った。誰かに行き先を話しましたかと聞くオドー。いいえ、でもドレイムは通信を監視していたのね、だから殺し屋を送り込んだんだわというアリッサ。ではドレイムがトーヴィッドを殺したのは、あなたにクリスタルを渡さないためと聞くオドー。殺し屋はまだステーションに潜伏しているはずよ、ドレイムも喉から手が出るほどクリスタルの情報を欲しがっているはずだからといい、アリッサは鼻で笑った。なぜ笑ってたんですと聞かれ、フィネアプライムに帰ったら当局に今度のことを何て説明しようかと思っていたというアリッサ。もちろん何を言っても刑務所送りだという。フィネア当局には知らせませんとオドーは言う。驚くアリッサ。クリスタルの解析が終わるまでにはこちらで身柄を保護します、あなたにはステーションの一時滞在者リストを見てもらいたいというオドー。ドレイムは面の割れた殺し屋はよこさないでしょうが、念のためにという。いいんですか、私のためにというアリッサ。もちろんというオドーに、そこまで親切な人間はまれだという。私は人間ではないのでとオドーは言う。全然知らなかったとアリッサはいった。
倉庫に潜んでいるソームのところに、ベイジョー料理のハスペラット※19を持ってトレイディが戻ってきた。女はどこですと聞くソームに、可変種の保安チーフと一緒だという。ハスペラットを食べ、辛いですねというソーム。あのクリスタルにアリッサがアクセスしたらやばいことになると言うトレイディ。いい女なのに殺したくないですよというソームに、すぐに忘れるさと言った。

※15: assey office
DS9第7話 "Q-Less" 「超生命体“Q”」より

※16: data crystal

※17: Draim

※18: Orion Syndicate
DS9第107話 "The Ascent" 「あの頂を目指せ」より

※19: hasperat
DS9第51話 "Second Skin" 「恐るべき過去」など


保安部員に付き添われて、アリッサとオドーが部屋に入る。いい部屋ねというアリッサだが、オドーは泊まるのはこの部屋じゃないという。コミュニケーターで保安部に転送を命じた。
転送先はオドーの部屋だった。ここです、殺し屋はまだあなたがあっちの部屋にいると思っているはずだというオドー。考えたわね、名案だわというアリッサ。ユニークな家具ねと眺めて回るアリッサに、変身の練習をする時に使うんですと説明する。あなたの部屋というアリッサに、私の部屋にいるのが一番安全ですからねというオドー。ベッドを案内し、自分は手前の部屋にいる、見張るのにも都合がいいしという。構いませんかというオドーに、一人は寂しいものというアリッサ。部屋の外の廊下には部下を2人配置しています、故障個所を修理しているふりをさせてというオドー。あなたはどこで寝るのと聞くアリッサに、ベッドは必要ないんです、休む時はゼラチン状になってしまうのでという。気持ち良さそうというアリッサ。気持ちいいですよというオドー。疲れたアリッサも、ゼラチン状になりたいくらいだわという。ところで、ステーションの一時滞在者リストには知った人は誰もいなかったんですねというオドー。アリッサはそうなのという。オドーもトーヴィッドの身元を突き止められず、偽名でここに来るまでに3回乗り換えているがその旅に名前を変えていた。一応トーヴィッドの写真をアイダニア政府に送ったが、返事が来るかどうかわからない。アリッサの言っていた通り、秘密主義だからだ。クリスタルの方はどうと尋ねるアリッサ。ダックスとチーフ・オブライエンが暗号の解読にあたってくれていますというオドー。アリッサは作業を手伝いたいというが、オドーはやめておいたほうがいい、最初アクセスした時フィードバックでコンピューターがショートしたという。あなたのデータポートならどうなったことかというオドー。何でこんなことになったのかしら、何も知らない人を頼ってドレイムから逃げようなんて正気じゃなかったというアリッサ。必死だったんでしょうというオドー。なぜドレイムの下で働くようになったと思うとオドーに聞く。確かにフィネアで生きていくのは楽じゃないが、ほかに生きる道もあったはずというオドー。行ったことがあるのと聞くアリッサに、いいえというオドー。フィネアの人はこんな快適な暮らしを見たら驚く、私のデータポートといいながらそれを見せ、ネットガール※20だったのというアリッサ。実際に男に体を売るんじゃないからいいって言い聞かせてきたけど、同じよという。お金のために頭脳を売る、ドレイムもそういう客の一人で、すぐにドレイムの専属になった。それまでの客よりずっと報酬がよかったという。自分の調べた情報がどういう目的で使われるか知らなかったから、最初のうちはよかったという。でも噂が聞こえてきて、ドレイムに言われて調査した人が失踪したことを知った。関係のないことだと思い込もうとしたが耐えられなくなり、逃げようと思った、限界だったというアリッサ。何とか自由にはなったが、もうじき死ぬのかと思うと、泣きたくない、死人は泣かないという。あなたのことは私が守ります、どうか信じてくださいというオドー。信じるわ、でも隠れてはいられないというアリッサ。いずれドレイムに見つかってしまうでしょう、早くクリスタルの内容が知りたいという。内容がわかってもドレイムから逃げられるとは限りませんというオドー。もしそうなら私はおしまいだわというアリッサに、そうではない、ドレイムの罪を証言するんですというオドー。そうなればドレイムは一生刑務所暮らしになり、アリッサの罪は免責され、新しい人生を送れる。ドレイムの罪を証言するなんて、法廷に立つ前に殺されるというアリッサ。安全は必ず守ります、どれだけ時間がかかっても、必要なら休暇をとってもいいというオドー。なぜ私のために、どうしてと尋ねるアリッサ。人には誇れぬことを私もしてきました、言われるがままにカーデシアの側につき、私は逃げ出す覚悟はなかったがあなたはある、素晴らしいことだとオドーは言った。ちょっと待って、いきなりそんな風に言われるとびっくりするというアリッサ。今まで見た目以外のことで誉められたことがないという。表面だけをみがちですから、それにあなたはそんなに綺麗なんだしというオドー。見つめるアリッサに、すみません、ただ私はというオドー。いいの、嬉しいわというアリッサ。それでは、クリスタルの解析がどれくらい進んだかみてきますというオドー。ゆっくりしていてください、後からまたきますという。アリッサはどこにも行かないわといった。うなずき、部屋を出ていくオドー。
ホロスイートのプログラムを楽しむベシア。タキシードを着ている。車の席の横には、あの美女が座っている。驚いたな、2万フィートの上空からダイビングしてきたのに、君ときたら髪を乱していないという。口付けをする2人。ドアをノックする者がいる。ベシアはピストルを取り出し、窓を開けた。それはオドーだった。失礼、お邪魔でしょうがどうしてもお話があるんですという。ドアを開けて入ってきた。車を止めてくれないかと運転手に言い、すぐ済むから待っててと女性に言うベシア。降りていく女性。今のが私がファルコンから奪う女性ですかと聞くオドー。実はそうなんだ、でも君が抜けたもんだからと言うベシア。あなたが頂いたわけだ、彼女から好かれてるってなぜわかったんですというオドー。そういうプログラムだからだ、それより君の話はというベシア。女の話をしに来たのか、そうか、君の目をセクシーといった女性かと言った。誰がそのことを、キラがというオドー。いやと言うベシアに、ダックスかという。正解はマイルズだというベシア。噂するのは君が好きだからだよ、みんな君が一人なのを心配しているという。彼女が好きなら気持ちを伝えるべきだというが、オドーはできませんという。もし、彼女に…というオドー。ふられたら、ありえるなというベシア。傷つけているのを恐れたら何もできない、受け入れてくれるかもしれないし、やってみなくちゃわからないという。このまま彼女を行かせたら悔いが残る、公開だらけの人生より失恋の方が絶対いいという。またドアをノックする者がいる。悪いね、もう少しだといいながら窓を開けるベシア。だが銃を突き付けられる。それは眼帯をしたオブライエン、つまりファルコンだった。エンストかい、ミスター・ベシア、やあオドーという。じゃあ失礼します、どうもドクターといい慌てて出ていくオドー。ずるいぞ、僕はオドーの相談に乗ってたんだと言うベシア。そりゃ不用心な、ヒッチハイカーを拾っちゃいかんよといい、オブライエンは笑った。
オドーが自室に戻ってきた。お帰りなさいというアリッサ。ただいま、まだ起きてるとは思わなかったというオドー。眠れなくてというアリッサに、ベッドの寝心地が悪ければという。そんなことはない、クリスタルの解析はまだなのというアリッサ。チーフは明日の朝、量子スキャンにかけてみるといってましたというオドー。私も行きたい、何か手伝えるかもというアリッサに、手配しておくという。私がここにいたら邪魔と聞くアリッサ。いや邪魔だなんて、いつも休む前に1、2時間読書するというオドー。読んでいるのは推理小説。犯人が誰かは3ページ目でわかったという。そう、静かにしているから読書してというアリッサ。そんなに読みたくもないんだ、しばらく話でもしないかと言いアリッサに近づくオドー。どんな話をしてくれるというアリッサ。2人はそのまま近づき、口付けをした。2人の口が離れるが、もっと話してというアリッサ。再び口付けをする。

※20: netgirl

初めて会った時は、鼻のこの辺がもうちょっと曲がってたのにといいながらなでるアリッサ。2人は裸でベッドにいる。毎日少しずつ顔のパーツを変えているんだというオドー。でも額の辺りは同じだわ、厳しい感じというアリッサ。しかめっ面になるようにそうしている、こういう仕事では威厳を感じさせる顔じゃないとなめられるとオドーは話す。キスをする2人。アリッサを見つめるオドーに、なぜそういう風に見るのと尋ねるアリッサ。どうしてなのかなと思ってねというオドー。話してというアリッサ。付き合った女性は君が初めてなんだ、今まではいつも身構えていたのにというオドー。君は違う、なぜなのかと思ってと言う。ちょっと待って、今まで女と付き合ったことなかったのと聞くアリッサ。人間の女性とはね、前に故郷に戻った時、一度だけセックスと呼べる体験をしたことはある※21というオドー。人間の女性とは初体験と聞くアリッサ。わかったかいと聞かれ、いいえと答える。オドーは良かったといい、2人はまた長い口付けをした。ずっとこのままでいれたら、このままこの部屋でというオドー。そうねというアリッサ。きっとうまくいくよというオドーに、そう信じたいけど、オリオンシンジケートが裏切り者に与える罰はむごいものよというアリッサ。一生びくびくしながら生きていくなんて、お断りだという。ごめんなさい、暗くなっちゃったわねと謝るアリッサ。せっかく一緒にいるのにという。さっき言ってた、故郷に戻った時の体験を教えてというアリッサ。可変種同士では体が溶けて、一つになるんだと説明するオドー。気持ち良さそうね、私も可変種なら良かったというアリッサ。オドーは可変種でなくても大丈夫だといい、アリッサの手と自分の手を合わせた。手の一部を液体化させる。恍惚の表情を浮かべるアリッサ。
司令室で、オドーはアリッサを部屋に泊めたのよというダックス。それは彼女の安全のためでしょと言うキラ。ウォーフは何も言わず、2人の方を見ている。それならほかの場所でもいいでしょというダックスに、オドーは何でも徹底してるからと言うキラ。ダックスは絶対それだけじゃないという。ダックスと呼ぶウォーフ。なぜそう思うのというキラに、長年の勘という。ウォーフはジャッジアと大きな声で呼び、頼まれていたセンサーアレイは直したという。ありがとうというダックス。すぐにキラに、オドーにもついに恋人ができたのよ、良かったと思うでしょというダックス。それはそうねというキラ。いつでも実験ができるというウォーフ。今はキラと話をしているのというダックス。話じゃなくてゴシップだろ、それにオドーについて余計な口出しをするのはよせというダックス。大きな声を出さないでよ、仲間に入りたいならこっちに来たらどうというダックス。シスコが来て、オドーはどこだ、8時から艦隊情報部との会議が始まる予定だという。今朝は遅刻だと思うというダックス。オドーがまさかというシスコに、女性と一夜を過ごした後だからという。女性と、それは良かったというシスコ。良くないかいと聞かれ、何も言わないキラ。オドーですよというウォーフ。ターボリフトから降りたオドーが、おはようございますとみんなに挨拶をする。艦隊情報部がさっきから待ってるというシスコ。司令室へ向かうオドー。さっきのオドーの顔見た、あれは絶対いいことがあった顔よねとキラにいうダックス。ため息をつくキラ。
アリッサはオドーの部屋で一人、コンピューターを操作していた。「送信中」と映し出される。
倉庫。ドレイムから連絡だとソームに話すトレイディ。女から取り引きの申し出があり、クリスタルを渡す代わりに命を助けろといってきたという。殺さなくていいんだというソームに、馬鹿なこというな、クリスタルをもらったらすぐ殺すというトレイディ。そりゃそうですというソーム。銃を磨くのを続ける。
このタラリア人※22は酔いが覚めたら返していい、ただし二度とラクタジーノは口にするなといっとけと部下に話すオドー。私は第4ラボにいるという。そこへ一人のアイダニア人※23が入ってきた。保安チーフのオドーさんですね、トーヴィッドをアイダニア政府へ問い合わせましたねという。アリッサは無事ですかと聞く。なぜアリッサをというオドー。彼女よりよく知ってますというアイダニア人。どういう意味ですと尋ねるオドーに、彼女はフィネア人ではなくドレイムの組織を潰すために送り込まれたアイダニアのスパイですと言った。そうなら言ってくれたはずだというオドー。彼女は知らないんです、送り込む前に記憶を消してあるんですというアイダニア人。記憶はデータクリスタルに保存されています、後は直接彼女に説明しますといった。案内するオドー。
ラボにいくと、オブライエンが床に倒れて苦しんでいた。大丈夫ですかと駆け寄るオドー。データクリスタルはどこだというアイダニア人に、クリスタルよりアリッサを見つけなければというオドー。あのクリスタルこそアリッサなのですというアイダニア人。クリスタルはアリッサが、行き先はわからないというオブライエン。アイダニア人は機械を取り出し、クリスタルが出している信号を追っていけばわかるという。
倉庫に入るアリッサ。ここに誰かいるというアリッサに、私だけだといってトレイディが姿を現した。だがその横には、銃をセットしているソームが隠れていた。

※21: DS9第48話 "The Search, Part II" 「ドミニオンの野望(後)」より

※22: Taralians
TNG第20話 "Heart of Glory" 「さまよえるクリンゴン戦士」、DS9第68話 "Improbable Cause" 「姿なき連合艦隊(前)」など

※23: (Randy Mulkey)


クリスタルの信号を追うアイダニア人とオドー。だが信号が途切れてしまった。このままだとクリスタルのデータは数分で消えてしまうというアイダニア人。
持ってきたかというトレイディに、さあねというアリッサ。だがお前の命はクリスタルと引き換えだというトレイディ。そっちが約束を守るかどうか見たかったのよというアリッサ。トレイディは袖の下や背中を見せ、何も武器を持っていないことを示した。そっちの番だという。武器なんか持ってきてるはずがないじゃないのというアリッサに、疑い深いものでねという。同じように何も持っていないことを示すアリッサ。クリスタルを出す。ゆっくりとトレイディに近づき、それを渡した。何のデータか知っているかというトレイディに、いいえ、データの解読は自分でやってちょうだいというアリッサ。トレイディはもう帰るのかい、相棒を紹介するよと言った。ソームが姿を現す。はじめましてというアリッサに、どうぞよろしくという。手にはもちろん、銃を持っている。ドレイムは取引に応じたわというアリッサ。取引に応じたのは混乱状態にあったからだ、あんたが去ってドレイムはものすごく傷ついたというトレイディ。かわいそうだが目を閉じていた方がいいぞといい、ソームは銃をアリッサに向けた。その瞬間、倉庫の扉が開いた。慌ててそちらに銃を向けるが、誰もいない。次々とほかの扉も開いていくが、やはり誰もいない。何でドアをロックしておかないんだというトレイディに、ロックしたよというソーム。その頭上の梁の上では、オドーが固体化しようとしているところだった。見上げるアリッサ。オドーはトレイディの上に飛び降りた。取っ組み合いになる。オドーに銃を向けるソームにつかみ掛かるアリッサ。オドーはトレイディを打ちのめした。アイダニア人が駆けつけ、ソームに動くなという。オドーは銃を奪い、ソームの顔に拳をお見舞いした。倒れるソーム。大丈夫かというオドーにええと答え、アリッサはデータクリスタルを拾う。それにしても、何のデータが入ってるのかしらと言った。
医療室で、ベシアはアリッサのデータポートにクリスタルを取りつけた。記憶の転送に数分かかりますという。潜入したのはいつですと聞くシスコ。2年前に任務に志願してきました、記憶を変えフィネアに送り込みましたというアイダニア人。全くの別人にして潜入させるという。それまでの記憶を全部消すのかと聞くシスコ。そうするしかないのです、ドレイムは人を雇う時テレパスで検査するので、嘘は通じないという。組織の上部に食い込むまで2年待ち、そろそろだと思ったのでトーヴィッドを派遣したというアイダニア人。アリッサの脳にはトーヴィッドを信用するようにという命令が刷り込んであるのだ。アリッサが持ちかえった情報があれば、ドレイムの組織を壊滅させられるという。アリッサの報告が済み次第ドレイムを起訴する。いかにも計画通りって言い方ですね、殺されかけたのにというオドー。任務に志願した以上危険はわかっていたはずです、今回はほとんど計画通りにいきましたがねというアイダニア人。さっき倉庫で起こったこともですかと詰め寄るオドー。トーヴィッドが殺された時、我々に教えてくれていればというシスコ。ドレイムに通信が傍受されれば計画が無駄になってしまいます、とにかくアリッサが無事で良かったというアイダニア人。ドレイムも一生刑務所で過ごすことになると言う。転送が完了しました、手術に入りますと言うベシア。
オドーの部屋。窓から外を見つめるオドー。チャイムが鳴り、それはアイダニア人に戻ったアリッサだった。オドーはアリッサと声をかけるが、何も答えない。それも本名じゃないんだ、そうだろというオドー。言わなければならないことが、結婚してるの、夫がいるのとアリッサは言った。わかったというオドー。ほんとにごめんなさいというアリッサに、いいんだよ、君のせいじゃない、知らなかったんだからという。私が好きになったのは架空の女性だったんだという。いいえそれは違うわ、彼女は実在しあなたを愛した、今でも愛しているのよとアリッサはいった。オドーは近寄り、アリッサを抱いた。また君に会えるかなと尋ねる。それはわからない、でもあなたのことは絶対に忘れないというアリッサ。そして部屋から出ていった。オドーは再び窓の外を見つめるのだった。


・感想
オドーがキラに恋をしたり、片思いをされているような描写はこれまでにもありましたが、ここまで深い仲になるのは初めてではないでしょうか。初めは人間の恋愛感情を馬鹿にしていたオドーが、自ら人間になり、そして可変種に戻ってもその影響は続いていると思われます。固形種になった経験を通して、広い視野をもつようになったといえるかも知れません。アリッサを手伝うことが結局は別れる理由になってしまう、その辛さは図り知れません。


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