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ヴォイジャー 簡易エピソードガイド
第166話「夢みるホログラム」
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・イントロダクション
ホロデッキの中が、薄暗くなっている。
ドクターの声が響く。『初めに、闇があった。まだ無のマトリックスは光を待っていた。そして、姿を現した一粒の光。』 床に光の点が瞬き始める。
『その光は瞬く間に数を増やして、光の道筋を作り、混沌の中にサブルーチンが現れる。』 足から順に、ドクターの姿が形成されていく。
『そして、意識をもったホログラムが生まれた。私は完全にプログラムされていたが、まだ無知であった。』 ガウンを着たドクターは、椅子に座った。
『私に襲いかかる困難にも、私が秘めている可能性にも気づいていなかったのである。』 羽ペンを持ち、真っ白な本に書き始める。
ナレーターが終わり、その様子を見守っていた本物のドクターは言った。「コンピューター、今のを保存し、第1章に行く。」
微笑むドクター。


・あらすじ
地球と直接リアルタイム通信できる、「ワトソン作戦」が成功した。バークレイやパリス提督と話し、地球の姿を目にする。一日に 11分だけ地球と通信できるため、クルーの中でクジを引いて順番を決めた。一番を引いたドクターは、ホロ小説出版社に賞賛を受ける。まだ未完成版だが、その「光よ、自由であれ」を体験するパリス。主人公は「宇宙艦ヴォーテックス」の EMH に扮し、ヴォイジャーのクルーにそっくりな人物が登場するプログラムを進めることになる。EMH は物扱いされ、艦長は治療を優先させるために別の患者を撃ち殺した。
キャラクターの名前も微妙に変えられている。パリス以外のクルーもプログラムを体験し、巨大なモバイルエミッターを背中に担ぐ。クルーは EMH を邪険に扱うが、「スリー・オブ・エイト」だけは味方だ。結局プログラムを解体されてしまうところで、物語は終わる。自ら体験したジェインウェイは、ドクターを呼び出した。
ドクターはヴォイジャーを描いたものではなく、召使いとして働いているアルファ宇宙域の EMH マーク1 の窮状を訴えたかったのだという。キムは両親と話していたが、途中で通信が切れてしまった。ドクターがプログラムを完成させるためホロデッキへ向かうと、勝手に内容が書き換えられていた。横暴で女性好きの EMH に仕える、少尉になるという内容だ。もちろんパリスの仕業だが、きちんとバックアップも取ってあった。
ドクターは出版社に、内容の書き換えを申し出た。トレスはパリスの見ている前で、20年ぶりに父親のジョンと話す。バークレイはドクターのホロ小説が既に出まわっていることをパリス提督に伝え、ジェインウェイにも連絡された。修正版を待つはずだった出版社に問い詰めるドクター。だが連邦の法律によれば、ホログラムには権利はないのだ。
ドクターの権利を主張するため、地球との間で裁定が開かれる。状況は不利だが、ドクターが人間として活躍していることをクルーやバークレイたちが訴える。友人であり、人間より人間らしいということを。セブンは親戚と会話し、自分が幼い頃の話を聞いた。裁定官から結論が言い渡され、ドクターを人間として認めることはできないものの、芸術家の権利は保証された。プログラムは回収され、ドクターは修正版に取りかかる。4ヶ月後、多数の EMH が労働者として働く施設では、「光よ、自由であれ」が話題になっていた。


・用語解説など
ニーリックスが用意したクジ用のアイソリニアチップは 146個 (ドクター含む)。ただしニーリックス自身は通信する必要がないため、含まれないかもしれません

タラクシア人のことわざ:"When the road before you splits in two, take the third path." 「目の前の道が 2手に分かれてたら、3本目の道を行け」

バークレイ
Barclay
(ドワイト・シュルツ Dwight Schultz) レジナルド・バークレイ大尉 (Lieutenant Reginald Barclay)。VOY第152話 "Inside Man" 「幻の帰還計画」以来の登場。声:岩崎ひろし
パリス提督
Admiral Paris
(リチャード・ハード Richard Herd) オーエン・パリス (Owen Paris)。同じく VOY "Inside Man" 以来の登場。声:阪脩
ブロート
Broht
(バリー・ゴードン Barry Gordon DS9第11話 "The Nagus" 「宇宙商人フェレンギ星人」のナーヴァ (Nava) 役) アードン・ブロート (Ardon Broht)。出版社の人物で、ボリアン。声:西村知道、ST5 チェコフなど
裁定官
Arbitrator
(ジョセフ・キャンパネラ Joseph Campanella)
アイリーン・ハンセン
Irene Hansen
(Lorinne Vozoff) セブン (アニカ) の伯母、マグナスの姉 (原語では姉妹の区別はありません)
ジョン・トレス
John Torres
(Juan Garcia) VOY第158話 "Lineage" 「母となる者の孤独」以来の登場。声:中村秀利
(ジョン・キム)
John Kim
(ロバート・イトウ Robert Ito TNG第19話 "Coming of Age" 「宇宙戦士への道」のチャン戦術士官 (Tac Officer Chang) 役) ハリーの父親。名前は言及されていません。声:長克己
(メアリー・キム)
Mary Kim
(アイリーン・ツー Irene Tsu) ハリーの母親。VOY第62話 "Favorite Son" 「女たちの星」以来の登場。名前は初めて設定されましたが、言及されていません。声:定岡小百合 (前回は鈴木紀子)
(男性 N.D.)
Male N.D.
(Brock Burnett) 以下の 2人を含め、ホロデッキのキャラクター
(女性 N.D.)
Female N.D.
(Jennifer Hammon)
(医療室 N.D.)
Sickbay N.D.
(Heather Young)

ワトソン作戦
Operation Watson
ディストロム賞
Daystrom Prize
ディストロム (デイストロム) はリチャード・デイストロム博士 (Dr. Richard Daystrom) のこと。優秀な 23世紀のコンピューター科学者で、TOS第53話 "The Ultimate Computer" 「恐怖のコンピューターM-5」に登場。24世紀にはデイストロム研究所 (Daystrom Institute) も設立
マッキンレー・ステーション
McKinley Station
マッキンレー地球ステーション (Earth Station McKinley)。地球軌道上にある宇宙艦隊の造船・修理施設。TNG第75話 "The Best of Both Worlds, Part II" 「浮遊機械都市ボーグ(後編)」など
クラタク
カラタック K'Ratak
クリンゴンの作家・小説家。TNG第35話 "The Measure of a Man" 「人間の条件」より
トルストイ
Tolstoy
レオ・トルストイ (Leo Trolstoy、1828〜1910年) 連邦宇宙艦には U.S.S.トルストイもあり (リゲル級、NCC-62095、TNG "The Best of Both Worlds, Part II" より)
ブロート・アンド・フォレスター
Broht & Forrester
ディクソン・ヒル
Dixon Hill
架空の私立探偵。TNG第12話 "The Big Goodbye" 「宇宙空間の名探偵」など
「光よ、自由であれ」
"Photons Be Free"
各章のタイトルは以下の通り
原題邦題
1A Healer Is Bornヒーラーの誕生
5Out of the Frying Pan一難去ってまた一難
6Duel in the Ready Room作戦室の決闘
7The Escape脱出
8A Tragic End悲劇の結末
(1)
It's the Doctor's World. You're Just Living in It.プレイヤーから見たドクターの世界
パリスが書き換えたもの
ヴォーテックス
Vortex
マルセル
Marseilles
パリスの対応キャラ
ジェンキンス艦長
Captain Jenkins
ジェインウェイの対応キャラ
キンブル
Kymble
キムの対応キャラ。トリル人
トリー
Torrey
トレスの対応キャラ。地球人
トゥラック
Tulak
トゥヴォックの対応キャラ。地球人
スリー・オブ・エイト
Three of Eight
セブンの対応キャラ
なおチャコティの対応キャラも登場しますが、名前は言及されていません (ベイジョー人)
ヴェデックの歌
Vedek's Song
ヴォヤー
Voyeur
ワン・オブ・スリー
One of Three
ツー・オブ・スリー
Two of Three
セブンの対応キャラ (パリスの改造版)
「ニーリックス・クッキング:デルタ宇宙域を巡る料理ツアー」
Cooking with Neelix: A Culinary Tour of the Delta Quadrant
ミラル
Miral
トレスの母親の名前。VOY第123話 "Barge of the Dead" 「さまよえるクリンゴンの魂」に登場
ケシク4号星
Kessik IV
惑星。トレスが育った連邦植民地。VOY第14話 "Faces" 「二人のトレス」より
ターグのトビー
Toby the Targ
VOY第135話 "Tsunkatse" 「囚われのファイター」より
「ハッピー・バースデー」
"Happy Birthday"
ストロベリータルト
strawberry tart
イチゴ
strawberry

・感想
いかにもドクターのエピソードらしく、これまで同様面白い展開を見せてくれます。ここまで自虐的なネタを扱っていいのかと思うほど…。
ただ途中からの「ホログラムの人権」問題は、ついこないだも描かれたばかりでもありますし、とってつけたような印象を受けました。娯楽作に徹してくれた方が良かったですね。


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