学級日誌


 いいこと見つけた(9月9日

 図書室に置いてあった「もののけ姫」の絵本を教室に持ち込んで,休み時間に見ていたら,数人の子どもたちが私の回りに集まってきました。そんな光景はいつものことですが,今日は,私を取り囲む輪の中にM美がいたので,びっくりしてしまいました。

 M美は普段は無口でおとなしい子で,私が話しかけても返事すらしないような子です。しかも私とは相性が合わないらしく(苦笑),私と雑談するような場には決して近寄らないのです。

 そんなM美が今日は私の真正面の”特等席”に陣取っています。

 あれれ。

 それで登場人物やストーリー展開を子どもたちに教えてもらいながら絵本のページをめくっていったのですが,私の問いかけに対して,いつも真っ先に答えを返してくれたのはM美でした。

 今日のM美はにこにこしてます。

 そうだったのかぁ。M美とのコミュニケーションを深める秘訣が「もののけ姫」だったとは!


 明日は「トトロ」を持っていくね。





 はい,他人事ではありません(9月10日)

 授業後校庭で,炎のチャレンジャー「30人31脚」の練習が行われていました。保護者有志の方々が子どもたちの面倒をみています。

 その練習ぶりを職員室から窓越しに眺めつつ,

 「先が思いやられるなあ。まだあんな状態じゃ,予選会(9/23)に間に合わないかも。」

 などと口走ってしまったら,

 その場に居合わせたO先生に,

 「あなたが他人事みたいに言わないでくださいよ。」

 って,すかさず突っ込まれてしまいました。

 ハッ!?

 うぐぅ。

 そうでした...。

 あと先のことを考えずに申し込みを許可したのは私です。軽率な私が悪いのです。

 クラスが解体したので,すでに私の手を離れたところで動き出しているものの,このままずっと傍観しているのはやはり無責任ですよね。

 そこで現担任の先生には気兼ねしつつも,

 「今度の土日,それから敬老の日の練習には,私が立ち会います!」

 と宣言したのですが,

 それを聞いていた某管理職先生が,

 「あまり出しゃばらないで下さい。学校側は直接タッチしないことになっていますから。」

 ううむ。
 はぁ〜。
 ふぅ。

 ガックリです。




 こんなことになるとは(9月12日)

 午前中,校庭で炎のチャレンジャー「30人31脚」の練習が行われていました。今日はお父さん達もかけつけて子どもたちの指導にあたっていました。

 休日の校庭で,親同士,子ども同士が協力しあって練習している風景はいかにもほほえましいのですが,K子のお母さんから話を伺ってみると,色々難しい問題が出て,心労が絶えないようです。

・当初は出場希望者が30人集まらず,各家庭を訪問して出場を依頼した。(出場資格はクラス単位なので,全校に呼びかけることはできない)

・練習場所と時間の確保が思うようにできない。(他の団体も利用するので,いつでも運動場を使用できるわけではない)

・連絡文書の作成や保険への加入,バスの手配などの雑務がたくさんある。(例えば,慣れぬ手つきでワープロを使い,各種文書作成に午前3時までかかったとのこと。)

・どこからともなく伝わってくる他の児童・父兄からの陰口。(昨年度のクラスが申し込んだのに,クラス替えをした別のクラスが出場することになったことへの不満が根底にあるらしい)

・出場者の父兄の間での意見の食い違い。(詳細不明)


 学校側は直接タッチしないものの,とりあえずK子達の希望が叶ったし,K子の現担任のB先生が協力的に動いて下さっている(だから私は表に出ないようにしている)ので,「良かった良かった!」と呑気に思っていたのですが,煩わしい問題がこんなにも起こっていたとは。

 そして職員の間でも,あまり好意的では無い先生方もいるようです。単刀直入に言えば,B先生のクラスだけが”特別”なことを和気あいあいとやっているのが気に入らないとうことですね。

 それにクラス内でも,出場する子たちと出場しない子(できない子)たちとの間で,”溝”ができつつあるとのことで,新たに難しい問題が起こりそうな雰囲気です。(しかもこういう問題は父兄を巻き込むトラブルになる恐れがあります。)


 それら諸々の苦労,不満,批判,妬み,陰口が,軽いノリで出場をOKしてしまった私に対してではなく,K子の両親や担任のB先生に向けられてしまっている状況が,何とも辛いです。



 うーん...,
 一気に書いてしまったものの,今日の日記は同僚の先生方や父兄の方には,絶対に見せられません。





 ついに完走(9月14日)

 炎のチャレンジャー「30人31脚」の予選大会に向け,連日の特訓の成果が実り,昨日の練習では,ついに完走できるようになりました。しかも13秒台(13.1秒)の記録が出ました。まだまだ余力を残しているので,今後どこまで記録を伸ばせるか,楽しみです。
 
 でもまあ,時間がありませんから,予選突破は無理かな。



 月曜日にもかかわらず,昨晩も今朝も,憂鬱な気分にはなりませんでした。

 明日も休みですから。

 でも明日は「30人31脚」の練習があるので,早起きしなくちゃいけませんけどね。



 やっぱり前途多難かも(9月15日)

 午前中,炎のチャレンジャー「30人31脚」の練習が行われました。
本日の参加者数はこれまで最高の29名でした。ちなみに保護者の方も23名来ていました。かなり盛り上がってきています。

 ところが,一昨日の練習では13秒台で完走することができたのに,今日は2時間半も練習したにもかかわらず完走すらできませんでした。少し人数が増えた(前回は26名)だけなのにすっかり調子が狂ってしまったようです。

 練習の途中からは子どもたちの集中力も無くなってしまい,何となく中途半端な状態で今日の練習は終わってしまいました。


 ところで「30人31脚」の練習では,何しろ手も足も不自由な状態ですから,転んだ際に顔や手足を擦りむいてしまうことがよくあります。

 そんなときには,それが誰の子であろうとお構いなしに,すぐ近くにいるお母さん方が駆けつけて手当てをしている光景は,大変ほほえましいです。


 ですが,たかがちょっと転んだぐらいで5人も6人もの方が一斉に駆け寄ってくるのはちょっと大げさ過ぎやしませんか?






 明日は大丈夫かな(9月22日)

 昨晩から待ち望んでいた”暴風警報”が出たので,授業は午前中で終わりました。

 今度の日曜日は運動会です。今の時期に練習できないのは少々痛いのですが,正直言って嬉しい気持ちの方が大きいです。このままずっと雨が降り続き,運動会の日だけ晴れてくれたら最高です。


 子どもたちを帰した後,しばらくボーッっと過ごし,4時過ぎには学校を出ました。

 しかし,家にたどり着いたら停電だったのでした。

 喫茶店で時間をつぶし,6時頃と7時過ぎに再び家に帰ってみたのですが,回復していないのです。

 仕方がないので,今学校に来ています。

 せっかく早く帰れたのにガッカリです。


 それにしても,停電するわ,看板は倒れるわ,信号は止まってしまうわで,今回の台風はちょっとひどすぎるようです。そういえば昼1時頃,最も強烈だったときには鉄筋コンクリートの校舎が揺れていました。地震かと思ったほどです。



 うーん,そんなことよりも,心配なのは明日の天気です。

 いよいよ明日は,炎のチャレンジャー「30人31脚」の予選大会が行われるのです。

 台風直撃の場合はもちろん中止なのですが,雨天の場合は決行なのです。

 保護者の方を含めて総勢50人が休日返上で頑張ってきたわけですから,明日はぜひベストコンデションで走らせてあげたいのです。

 でも何だか凄まじい一日になりそうな予感がします。



 朝6時には起きなくては!(すっごく心配)

 バス一台借り切って,S公園に出かけます。



 前回(9/20)の練習のラスト5回の結果は,「失敗」「完走」「完走」「失敗」「完走」でした。

 完走できたときのタイムは,13秒前後です。

 予選突破はちょっと苦しいかも。



 さて,そろそろ家に帰ります。

 電気ついてるかな。(9/22 21:30)






 結果報告(9月23日)

 炎のチャレンジャー「30人31脚」の予選大会に参加しました。

 残念ながら,予想通り天気は最悪でした。午前8時半の出発時には晴れていたものの,会場のS公園に着いてからはほとんどずっと雨が降っていました。


 さて,午前中は練習時間にあてられました。時間はたっぷりあります。

 ですが,9時半から練習を始め,10回以上も試走を繰り返したのですが,一度も完走できないのです。今日の子どもたちは絶不調です。


 午後になり,いよいよ本番が始まりました。20チームが各5チームずつの4つのブロックに分かれ,ブロック内で最高タイムを出したチームが決勝に進出できます。私たちのM小学校は3つめのCブロックです。


 まずはAブロックです。

 レースの模様を眺めていたのですが,どのチームも全然駄目です。タイムを競うどころか,ゴールにたどりつくことすら出来ないのです。(2分以内にゴールできないと失格です。)

 グランドコンディションは最悪ですし,しかもテレビ局が用意した足バンド(足を結ぶ紐)がとても外れやすいので,練習通りに走れないのでしょう。総崩れ状態です。A・B2つのブロックが終わった時点で,完走できたのはわずか1チームという有様でした。


 さて,次はいよいよCブロックです。M小学校は2番めにスタートします。

 最初はW小学校です。

 うっわあ!何と11秒44です。ものすごいタイムを出してしまいました。


 次はM小学校です。

 完走できさえすれば決勝に進めるかも知れないと思っていたのに,すっかり絶望的な状態に追い込まれてしまいました。


 でも,やるだけです。

 「ヨーイ,...パーン!(ピストル)」

 1秒,2秒,3秒
 (バッチリ!スタートの出来は最高です。)

 4秒,5秒,6秒
 (いいぞいいぞ!頑張れ頑張れ!)

 7秒,8秒,9秒
 (あともう少しだ!ドキドキ)

 10秒,11秒,...ゴール!

 「やったあ!」「タイムは?」
 子どもたちは歓声をあげています。もちろん私も。


 ところが,

 「ピピー,ピピピピー」
 ホイッスルが鳴り,ゴールを認めてくれないのです。

 何と!ゴール手前5mほどのところに,足バンドが一本落ちているではありませんか!

 ギャー!

 「戻れ戻れ!」
 外れたところまで戻ってやり直しです。ゴールの余韻に浸っていた子どもたちが大慌てで戻りますが,もう大混乱状態です。

 「落ち着いて!」
 「早く早く!」
 「行くぞ!」
 「待って待って!」
 焦るばかりで,ちっとも前に進みません。


 結局,タイムは1分24秒でした。


 結果は以下の通りです。
・Aブロックの5チーム
失格,失格,失格,1分29秒(決勝進出),失格

・Bブロックの5チーム
1分31秒,12秒4(決勝進出),失格,失格,失格

・Cブロックの5チーム
11秒6(決勝進出),1分24秒(M小学校),失格,失格,失格

・Dブロックの5チーム
失格,14秒4,失格,失格,12秒6(決勝進出)



 完走できなかったのは気の毒ですが,

 でも,私は満足です。

 学校側からは突き放され,練習時間も練習場所も十分に確保できない状態だったにもかかわらず,子どもたちの頑張りと保護者有志の方々の努力によって,ここまでたどりつけたことに感激しています。(今回は,B先生も私も,M小学校の教員としてではなく,有志として参加しました。バス代や飲食費などの諸経費も,もちろん自分のポケットマネーから負担しているのですよ。)


 今夜は心地よい疲れを感じています。





 虫捕り(10月3日)

 理科の授業で秋の昆虫を調べているのですが,実は少々困ったことが起こっています。教室での観察用にバッタやカマキリ,トンボなどを捕まえて持ってくるよう,2週間ほど前から子どもたちに呼びかけているにもかかわらず,ちっとも持ってこないのです。

 そこで今日子どもたちに尋ねてみました。

「バッタやカマキリを今までに一度も触ったことがない人はいますか?」

 そしたら約半数の子が手を挙げるのです。

「だって怖いもん」

 唖然。いまどきの子どもって,バッタすら触ったことがない(触れない)のですね。


 それで,今日の授業は「虫捕り大会」にしてしまいました。(<意地悪な担任)

「今から30分以内に昆虫を捕まえて先生に見せること!」

「えーっ!」

「それでは始めますよ。ヨーイ,ドン!」

 子どもたちは一斉に校庭の各地に散らばっていきます。

 ほどなくして昆虫を捕まえた子どもたちが次々と私のところに駆け寄ってきました。

 バッタ,カマキリ,コオロギ,テントウムシ,ハサミムシ...。

 結局33人中29人の子どもが無事昆虫を捕まえることができました。食わず嫌いならぬ,触らず嫌いってとこでしょうか。みんなでやれば恐くないようですね。ちなみにコオロギが一番人気でした。(ただ単に捕まえやすかっただけかも)



 ところで大人のみなさん,昆虫を触れますか?
      



 10月4日に行った「大人のみなさん,昆虫に触れますか?」アンケートの結果は以下の通りでした。

・得意 12人
・平気 27人
・クワガタ・カブトのみ可 6人
・泣 7人
・気絶 5人

 苦手な方が意外に多いのですね。おそらくみなさんが小学生のころも理科の授業で昆虫調べをやっているはずだと思うのですが・・・。触らずに済ませてしまったのかな。

 ちなみに男女差はほとんどみられませんでした。教員の方は全員”得意”もしくは”平気”でした。<当然です。

 もし学校で習わなければ,庭や道端や公園にいる蝶やバッタやトンボに一度も触ることなく大人になってしまう子どももきっといるのでしょうね。そう考えると,五感を使っての体験的な学習を重視する小学校の理科の授業はとても大切なんだなあ,と今更ながらに思ったのでした。(べつに昆虫に触れなくたって生きていけますけどね。)

 そう,コンピュータばかりやっていてはいけません。仮想体験では駄目なのです。





 もうすぐ学習発表会(11月20日)

 来週水曜日に行われる学習発表会(=学芸会)の準備を連日行っています。私のクラスでは,子どもたちが教科ごとに7つのグループに分かれて発表をします。国語の紙芝居,理科の実験,道徳の劇,音楽の演奏など。

 通常の授業をやらなくて済みますし,自分たちが主役になれるので,子どもたちは大張り切り。

 すべて子どもたちにお任せなので,担任はただ見守るだけ。<だからといって真っ昼間からネットに接続しちゃだめだよ。




 学習発表会(11月25日)

 学習発表会は大成功だったよ。

 今年は,子どもたちに好きなテーマを選ばせ,アイディア・準備・練習のほとんどを子どもたちに任せて取り組ませてきたんだけど,みんな本当によく頑張った。

 何より嬉しかったのが,すごく和やかな雰囲気だったこと。

 誰かが失敗しても,保護者も他の子どもたちも,にこにこしながら暖かく見守ってあげる雰囲気があって,とっても良かった。




 成績処理(12月8日)

 成績処理作業を必死にやっています。

 明日から保護者懇談会が実施されるので今日がタイムリミットです。

 つい先ほどテストの採点とノート,プリント類の評価がようやく終わったので,これからEXCELに点数を入力して集計作業を行います。

 ぎりぎりです。間に合うかなあ。

 それに明日の懇談会で話す内容もまとめておかなくっちゃ。
(12/8 21:10)




 サンタの正体(12月9日

 最近子どもたちの間で,クリスマスの話題が始まりました。

 小学3年生ぐらいだと,”サンタクロース=両親”派”サンタクロースは実在している”派が入り交じっていて,子どもたちの話を聞いているとなかなか面白いです。


 Aくんは,去年,押入れに隠してあったプレゼントを発見したことがきっかけで,サンタクロースの正体が母親であることを見破ったそうです。

 うううっ。(ダメだよAくん!そのことをみんなにバラしちゃ。みんなの夢が壊れちゃうじゃないか。)


 そこで私は,サンタの正体を暴露してしまったAくんに意地悪を言ってしまったのでした。

fuku 「あれれ?Aくんの家には本物のサンタさんは来てくれないの?」
A男 「うん...。
fuku 「可哀想に。だからお母さんがサンタさんの代わりをしなくちゃならないんだね。」


 あーあ。

 Aくんはしょんぼりして黙り込んでしまいました。



 クリスマスかあ...。

 何だかまだまだずっと先のことのようです。


もっと過去の学級日誌   次のページへ



学級日誌INDEXへ