コンピュータ室運営日誌


1998年

2月前半のできごと


html化すると役に立つのか?(2月4日)
年度末反省会(2月6日)
貴重なご意見(2月7日)
クラブ展と学習アニメ(2月10日)
さぼっています(2月11日)
ライセンス(2月13日)
バックアップ(2月15日)

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 html化すると役に立つのか?(2月4日)

 午後からhtml資料作成部会が開かれました。

 html資料作成部会とは「郷土資料集編集委員会」の一部門で,委員会が編集している書籍版「郷土資料集」をhtml化する作業を担当しています。

 これまでの作業で文章の入力はすでに終了しています。今日の作業は画像データの挿入です。

 これまでは書籍版の旧版(現行版)で使用されている画像データを使ってとりあえず作業を進めてきましたが,現在制作中の改訂版に掲載される新しい写真や図表が印刷所から戻ってきたので,それらを早速お借りしてイメージスキャナで取り込み,これまでのものと差し替えることにしました。


 これが思ったより大変な作業で,新しい画像データは全部で100枚以上もあり,それらをスキャンするのに4時間以上もかかってしまいました。

 しかし,やたらに時間がかかったわりには不満が残ってしまいました。考えてみれば当たり前のことなのですが,スキャナでコピーした画像よりも,書籍版に掲載されている画像の方がはるかに鮮明なのです。


 それで,ちょっと今日は考え込んでしまいました。

 私たちの部会の存在意義は何なのか。というか,書籍版をhtml化することにいったいどんな意味があるのでしょうか。

 html化するメリットは,ページ数の制限で書籍版には掲載することができなかった資料を掲載できるとか,書籍版に載っている画像より大きくて見やすいものを掲載できるとか,データを簡単にコピーできるので,画像入りレポートなどを作成するときに便利だとか,そのあたりにあるような気がします。私たちの当初の考えもそうでした。


 ところが,作業の過程で色々な不都合が生じ,妥協を重ねてきたために,結局現在作っているのものは内容的には書籍版とほぼ同一のものになってしまいました。しかも図表は文字がつぶれて見にくいし,写真は粗くてきたないです。

 これではちょっと情けないなあという感じです。画像が汚いのが致命的です。作った本人が言うのも何ですが,授業ではあまり役に立たないのじゃないかなあと思います。


 締切まであと3週間しかありませんが,せめて画像ぐらいはもう少し鮮明にしておきたいです。


 「こういう使い方ができます」と自信をもって提案できるようなものをつくっていきたいです。




 年度末反省会(2月6日)

 私達の学校では(おそらく他の学校でも),2月は1年間の教育活動の総まとめの時期として位置づけられており,研究紀要の編集作業や各種教育活動の反省会などが連日行われています。

 今日は「コンピュータ教育部」の反省会が行われました。コンピュータ教育部は各学年1名ずつの計6名の部員で構成されていて私がキャップを務めています。


 今日の反省会では,各先生方から一年間の成果や問題点,要望などを出していただきました。

 「成果」として多くの先生方から挙げられたのは,コンピュータを使うことにより子どもたちの表現力がずいぶん伸びたということです。コンピュータは絵の具や鉛筆と同じように,表現ツールの一つとして,有効に活用されつつあるようです。

 それから,計画的に研修会が実施されたことにより,教師も子どもも機器ソフトの操作が昨年度より格段に上達したことや,教室での勉強では沈黙している子どももコンピュータ室では生き生きと取り組めたなどの点が挙げられました。


 次に「問題点」ですが,教科指導においては効果的に活用することができなかったという点が挙げられました。これは納得です。実体験を重視する小学校教育においては,シミュレーションとかバーチャル体験とかはあまり馴染みません。たとえ効率が悪くても,五感を働かせて体得させることが大切だと思います。そういう点を踏まえた上で授業の中でコンピュータを使う場面を考えていくことは,今の段階ではまだまだ無理でしょう。

 それから,コンピュータの操作が分からなくなり授業の途中で立ち往生してしまったことや操作ミスにより大事なファイルを削除してしまったことなど,力量不足に起因する問題点も多く出されました。


 最後に「要望」ですが,各先生から出された意見を要約すると以下の通りです。

 「学校教育の中で,”コンピュータ教育”が今後ますます重要な位置を占めるのは確実のように思われる。だから各担任はもっともっと勉強しなくてはという意識は強く抱いているし,分からないながらも担任同士で相談しながら手探りで進めてきた。しかし,”上の方”にはそういう我々の意識がほとんど理解されていないように感じる。
 いくら積極的に学びたいと思っていても,学校体制が旧態依然,コンピュータ教育に打ち込める環境になっていないので,やれることには限界がある。どれもこれも大事なのは分かるが,今の体制を見直し,じっくり研修できるような配慮をしていただきたい。」


 うーん。まとめてみると結構過激です。もっともな意見なのですが,完全な管理職批判ですからね。


 部会で出された意見は,後日開かれる職員会議で報告することになっています。しかし全職員の前で,あからさまに管理職を批判するのは結構度胸いりますよ。

 どういう言い方をしようかと悩んでいます。




 貴重なご意見(2月7日)

 「html化すると役に立つのか?」(2月4日)について

 書籍をhtml化することの意義について,アドバイスをいただきありがとうございました。

 自分の視野の狭さを痛感しました。

 たとえ今すぐ役に立たないとしても,ドキュメントを標準フォーマットである”html”で残すことで,OSや表示ソフトに左右されずどこでもいつでも同じように文書を見たり編集したりすることが可能になるので,将来的には重要な意味を持つのではないかということですね。

 私の頭の中にあったのは”明日の授業”のことのみで,そういう視点からの発想ができていませんでした。ありがとうございました。



 「年度末反省会」(2月6日)について

 「管理職に不満を言うべきか」アンケートの結果は以下の通りでした。

・ビシッと言うべき 33人(連打含む。実質26人)
・ほどほどに... 16人(実質15人)
・沈黙  3人(実質2人)


 「ビシッと言うべき!」がやはり一番多いですね。そうです!私も言いたいのです。

 しかし,「ほどほどに...」も意外に多いです。うーん。後のことを考えるとやはりまずいでしょうか。


 それにしても今回は実に興味深い結果でした。お名前を拝見して思わず納得です。

 これまでにやり取りしたメールや拝見している日記の印象から,”ひょっとしたら血の気が多い方かも”と思っていた方はほぼ全員「ビシッと言うべき」でした。

 同じように,”大人ですね”と思っていた方はみなさん「ほどほどに...」でした。

 「沈黙」を押していただいた方もこれまた納得です。達観してますね。


 ちなみに教員の方は全員「ビシッと言うべき」でした。お互いストレス溜ってますね。(苦笑)


 それで,そんなことをあれこれ考えながらメールを開いているうちに,ずいぶん頭冷やされました。


 そうですよね。一番大切なことは,言いたいことを言って気持ちよく玉砕することではなくて,現在の環境を少しでも良くすることです。そのために,どうしても必要ならきちんと言わなければなりませんが,言い方を間違えてかえって逆効果になってしまっては何にもなりませんからね。

 みなさん本当にありがとうございました。




 クラブ展と学習アニメ(2月10日)

 今日から校内クラブ展が始まりました。クラブ展とはいわゆる文化祭のようなもので,文化系の各クラブが1年間の活動の成果を発表する行事です。

 パソコンクラブでは,子どもたちが作ったホームページをコンピュータ室で公開することにしました。

 公開する期間は今日から一週間で,時間は午前中の20分の休憩時間です。その時間はクラブのメンバーが交代でコンピュータ室に詰め,遊びに来た子どもたちにブラウザの操作方法などを教えてあげることにしています。

 わずか20分という短い時間にもかかわらず,初日の入場者数は約50人でした。大盛況でした。

 当番に来ていた子どもたちは予想以上の盛況ぶりに戸惑いながらも,張り切ってがんばってくれました。

 遊びに来た子どもたちのほとんどは,ブラウザを操作するのはおそらく初めてなので,少々心配していましたが,すぐに使い方を覚え,楽しんでくれたようです。



 クラスでは,2学期末に覚えたばかりのgifアニメ作成ソフト「Giam」を使っての「学習アニメ」作りを始めました。

 テーマは5年生で学習した内容に関することとし,表現の仕方は,普通のアニメでも,スライドショー形式でも良いことにしました。子どもたちが考えてきたアニメの内容を教科別にたずねてみたら,国語,社会,算数,理科,社会,家庭,体育と多岐にわたっています。


 制約を少なくして自由に取り組ませると,子どもたちは私が考えもしなかった発想をすることがあります。

 そしてそれは私がコンピュータ教育を進めていく上での大きなヒントにもなります。

 今度はどんなアイディアで私を驚かせてくれるか楽しみです。




 こういう作業をするときに,コンピュータを2人で1台しか使えないのは,やはり不便です。





 さぼっています(2月11日)

 このところコンピュータ室のシステムは安定しています。

 3学期のコンピュータ室の利用状況も,これまでのところ1日平均2.6クラス(63時間/24日)で,2学期とほぼ同じ水準を維持しています。

 特別なマニュアルも,そして知識も経験もほとんどないままにコンピュータ室の運営を任され,試行錯誤を繰り返しながら少しずつ手を加えてきたシステムも,しばらくはこのままでは良いかな,という状況です。

 というか,私がさぼっているだけかも。

 冬休みが終わってからずっとずいぶん忙しく働いていたつもりでしたが,そう言えばコンピュータ室の管理運営の仕事はほとんどやっていないような気がします。

 最後にメンテしたのはいつだったかな?

 えーと,忘れてしまいました。(苦笑)


 それでも,

 未だに本体の電源じゃなくてディスプレイの電源を切ってしまう方とか,授業の終了時にサーバーの電源までも切ってしまう方とかがいるのは何とも不思議なのですが,トラブルは確実に減っています。

 もちろん,基本操作に戸惑いを感じている方もまだまだ多くいますが,以前のように全く何も分からないのではなくて,実は気持ちの問題だけだったりします。私が側について見ていれば,ほとんどの場合ちゃんとできています。

 子どもと同じです。子どもみたいと言っては失礼ですが,まあ子どもみたいなものだなと密かに思っているわけです。途中でつまづいてSOSを求めている子どもでも,先生が見ているからもう一度やってごらんと言うと,スラスラできてしまうことはよくあります。


 さて,挫折して最近はずっとさぼっていますが,4月までにはぜひ考えておかなければならないのが,ファイル消失に備えたセキュリティ対策です。

 今まではアプリケーションの操作を中心にした研修会を開いてきましたが,そろそろファイル操作を覚えたいという要望も出てきています。

 教えるのは簡単ですが,失敗することも想定しておかねばなりません。特にサーバー(NT3.51)にはごみ箱がありませんから,ちょっとしたミスから取り返しがつかない事態に陥ることも有り得ます。


 これは春休みの宿題かな。




 あ,12月の日誌には冬休みの宿題と書いていたかも。





 ライセンス(2月13日)

 校内クラブ展3日目。パソコンクラブでは子どもたちが作ったホームページを公開しています。

 物珍しさも手伝って「パソコンクラブホームページ」は大人気です。2日目などはわずか20台ほどのパソコンに120人あまりが押し寄せる盛況ぶりでびっくりしてしまいました。

 クラブの子どもたちは大喜びです。


 夕方,某教育ソフトのバージョンアップのことで,管理職の先生と相談していたら,

 「わざわざ値段の高い22ライセンスのものを購入する必要はないのではないですか?」

 唖然。経費節約のために1本だけ購入してそれをコピーしろということですか?

 詳しく話を伺ってみたら,どうやらただ単に”ライセンス”の意味が分からないだけのことでした。そこで,1ライセンスのソフトをすべてのパソコンにインストールしたら,学校ぐるみの違法行為,管理職先生の責任問題になりかねないことを優しく教えてあげました。


 ソフトが1本5万円以上もしたDOSの時代には,おそらく多くの学校で違法コピーをしていたと思います。もちろん私自身も過去にはずいぶんやっていましたので,今さらえらそうに言える立場ではないのですが,せめて現在私が管理運営しているコンピュータ室では絶対に違法はやるまいと(今のところは一応)心に誓っているfukufukuです。


 そんなことは当たり前!ですね。




 バックアップ(2月15日)

 午後から学校に出かけ,オリンピック中継を見ながら,このところずっとさぼっていたコンピュータ室のメンテナンスを行いました。


 まずはサーバーに保存されているデータのバックアップ作業です。

 今まではMOにバックアップをとっていましたが,データがどんどん増えてMO1枚におさまらなくなってしまい,とても面倒な状況になってきたので,今回からサーバー内の別フォルダにバックアップをとることにしました。

 もちろんこれだと人為的なミスによるファイル消失は完全には防げません。しかし,先生方がサーバーを操作するのはイメージスキャナを操作するときなどごく限られたときだけですし,これまでに起こったデータ消失は,サーバーを操作していて発生したものでなく,クライアント上での誤操作によるものなので,サーバー内にバックアップファイルを置いておいても,アクセス制限をかけておけば,クライアントからは見えないわけですから大丈夫ではないかと思います。

 もしサーバーがクラッシュしてしまったら元データもバックアップデータも何もかも失われてしまうわけですが,まあそれは”天災”ということであきらめていただきたいです。

 ただし,研究授業や公開授業関連のファイルは,”天災”では済まされないのでMOにバックアップすることにします。


 それから,インクを交換したり,用紙を補充したり,ホワイトボード用のペンを交換したりしました。

 プリンタのインク交換ができるのはいまだに私だけなのです。もし授業中にインク切れが起こったら,他のコンピュータに移って作業をしているようです。

 最初のうちは,みなさん初心者の方ばかりなので,それも仕方ないなと思っていましたが,もうすぐ1年半にもなろうというのに,だれも覚えようとしないのはちょっと寂しい状況です。

 私の”教育方針”が間違っていたのでしょうか?





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