■第11章 みんなみんな元気だった!


今回バナラシへ戻ってきた理由の一つに前回出会った人達が元気かどうかを確かめることがあった。特に最終日に起こった事件(ここを参照)がこの2年間ずっと忘れたことがなかった。ラジュ兄弟が無事なのかどうかを・・・。

バラナシに着き、ゲストハウスで一息ついた後、例のチャイ屋へまずは出かけた。この家族は元気だったのだろうか?

当然オレのことなどは覚えているはずはない、そう思いながらおそるおそるチャイを頼み、黙って飲む。そして飲みながらチャイ屋のオヤジの様子をうかがう。”おお、この味だ!、とってもおいしい!。懐かしい味だ!”と密かににやけながら・・・。

すると、早速一人のネックレス売り付近でなにやら後方で日本人に話し掛けていた。おお、こういったネックレス売りもいっぱいいたなあ!と思い出しながらふと顔を見る。

”あっ、えっ、おお、ラジュの長男だ〜!!”

オレはすかさず叫ぶ。”Hey Guy!!”。彼はオレを見て近寄ってくる。

オレ”覚えているかい?COBAだよ!”

長男”・・・・・・。”

オレ”COBA、2年前の1月にここで会って、最後にキミの弟達が警察に捕まってしまったときの・・・。”

長男”・・・・・・、おおCOBA!”

思い出してくれたようだ。

オレ”あの事件がどうなったかがずっと心配していたんだよ!”

長男”あのときは○をせびられて終わったよ!”

オレ”そうだったのか、ごめんネ。あの時は何もできなくって、本当にゴメン!”

長男”大丈夫だよ。今回はどのくらいいるの?”

オレ”4日間。そうそう、ラジュは今どこにいる?”

長男”この近くにいるはずだけれど・・・。”

オレ”そうか、じゃあきっと会えるね!”

・・・・・・・・・・

こうしてラジュ兄弟が元気であることがわかった。

そしてその日の夕方、またまたチャイをしばいていると、ある日本人がオレに近づいてきて、

日本人”しゃれでやっているんですけれど、ネックレス買いません?”

オレ”いや、友達から買うからいらない!”

ふと見るとその日本人の後ろから青年が来た。

オレ”おっ、ラジュ!。ラジュじゃ〜ないか?”

さすがにオレの名前は忘れていた。しかし顔はしっかりと覚えていてくれたようだった。

オレ”この2年間、本当に気がかりだったよ、どうなったかも分からないままここを離れなければならなかったからね。”

こうしてバナラシに滞在中、彼とは毎朝毎夕チャイ屋のところでボケ〜っとしながらいろいろと話をした。

とにかくみんな、みんな元気だった。ラジュ兄弟だけでなく、チャイ屋の家族や、商売上手な小さい女の子の家族も、そしてBaba Guest Houseの人達も、み〜んな元気だった。よかった、よかった。

このオヤジさんがチャイ屋の主人。奥さんはとある日本の写真集の表紙を飾っている人だ。前回だいぶお世話になった家族である。さて話は変わるが、このオヤジさんは何をしているところか?チャイ用のグラスを洗っているのだろうか?いやいや、実は野生の弱っているハトを捕まえてやかんの水を飲ませているところなのである。

この人が話題のラジュ。嬉しいことにまxとオレのことを覚えていてくれた。今回はバラナシにいる間、いろいろと彼と話をした。もう18だとのこと。仕事は2年前と変わらずネックレスを売っている。


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