家づくりの軌跡
                     (その21 1999.12.23)

季節は巡って、今年もまたクリスマスの時期がやって来ました。
郡山の街にもイルミネーションがきらめき、まぁカップルにとっては
雰囲気に浸れるいい時期だと思います。今年も自分とは無縁とは
言え(笑)。

「家建てたんだから、後はお嫁さんだね」 と言われることが多いん
ですが、そりゃまあ建坪38坪の家、自分一人ではさすがに広い、
というより広過ぎますし、2世帯同居は最初から想定していない
間取りではあるため、夫婦に子供一人か二人というのが一番しっくり
来るところだと思います。よくいう、核家族向けですね。

ただ、ここまで自力で「家」を建てて来て、そして(ひとまず週末だけ
とは言え)こうして新居で快適に過ごして来ると、やっぱり長くて
重い負担は伴っていても、「城」をもった実感というのは大きくて、
別に世間体とか、体面とかのためだけに、妥協してまで誰かとくっつ
こうという気はなくなりますね。ある意味で自分勝手に猪突猛進しな
ければ、そもそもこの年で家なんて普通建てられる訳ないんですから。
今の私には、誰かのために自分を抑えてまで、という余裕が精神的
にも財政的にもないのは確かです。少なくともプライベートでは。

(「行政」の一員として働いている以上、こんなこと書くのも何ですが)
今の世の中、家庭持つにしても、家建てるにしても、老いた後の自分
の世話にしても、(いくらかのサポート制度はあるにせよ)結局は自己
負担というか、要は「カネ」ですよね。住宅ひとつとっても、視点を変え
てみれば公営住宅を一世帯分建てれば1千万円単位の支出が見込
まれるところ、今は大盤振る舞いキャンペーン中とはいえ、家庭持って
いる方ならそもそも余り払うことのない所得税を100万単位で還付する
ことによって、(自分含めて)人は自力で家を建てようという気になる訳
だから、それはうまい手ですよね。前にも書いたと思いますが。

でも、家庭持てば養育費が、家持てば普通はローンが、高級車に走る
方もおられることでしょう。そのどれも自分の手に出来ればそりゃいう
ことないんですけど、そこまでの負担を旦那一人で背負えるだけの
甲斐性があるか、ということなんだと思うんです。

そんな立場にいたとして、たとえば事故ったり職失ったりして歯車が
狂った時の事を考えるだに恐ろしいものがあります。自分一人であれば、
別の職を探してみたり、フリーターでも何でもやって食いつなぐことは
出来ますし、それでも駄目なら首吊れば済むことですけど、家庭持って
しまうとそうは行きません。

だから、胸張って自分は家族を幸せにしてやれる、という自信というか
確信が得られないうちは、(それは生涯なのかもしれませんけど)
結婚路線に打って出ることはないでしょう。逃げの態度と言われれば、
その通りなんですけど。

ただ、職場とかでも「結婚はいいぞー」なんて言われても、逆境を乗り
越えてそう言えるのならともかく(この場合、結婚に反対された、なんて
程度は問題外です)、お惚気聞かされても全然琴線には触れません。
それより、離婚経験された方の話の方がよっぽど身につまされます。
結局、リスクを気にするというか、マイナス思考なんでしょうね。
家建てたこと自体、一面では将来に対するリスクヘッジ的な要素が
ありますからね(その代わり、今現在はリスク要因ですが)。

でも、実家からいつまでも出ようとしない、いわゆる「パラサイト・シン
グル」とは一線を画したいです。少なくとも、今後は基本的に自力で
生きていく訳ですから。同列に扱われるのは、ちょっと・・・。

あちゃら」誌にこのHPが掲載されたことによる反響の中で、このこと
について、結構お話いただきましたので、もう少し自分の旗幟を鮮明
にする意味で、記載してみました。
洗いざらいぶっちゃけるのであれば、もっとディープな(例えば性的な
面とか)ことも書かなければいけないのだけど、それはいくら何でも
HPの守備範囲外ですので、ご勘弁ください。
ただまぁ、人間、綺麗事だけではやっていけませんからね(笑)。

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今年も残りわずかになって、もう2000年(Y2K)問題も目前と
なって来ました。

自分の家は、オール電化住宅と言うこともあって、とにかく電気が
なくてはやっていけない仕様になっています。ですから、とにかく
停電しないことを祈るばかりです。勿論、東北電力もCMで安全宣言
してますけど、だったら年末年始のあの警戒態勢は何なんだ、という
ことで。こればっかりは、なってみないと分からないですね。
のん気にカウントダウンライブでも見ていられるのかなぁ・・・。
ただ、食料は安売りでコツコツ買い貯めたストックがありますし、
水も20リッターぐらいのポリタンクに貯めておけば、一人分としては
何とかなりそうです。暖房は石油ストーブ(煮炊きも兼用です)。
料理はカセットコンロ。甚だ不十分なのかもしれないけど、この程度
の準備ぐらいしか出来そうにないですね。さて、どうなることやら。

無事に年を越せたら正月3ヶ日中に再度このHPの更新をしたいと
思っています。家づくりのHPのくせして、これまで完成した家の中の
写真をほとんど出してませんでしたからね。調度品が少なくて恥ずか
しかったこともありますが(笑)。大掃除したら、デジカメでパチパチ
撮って、掲載しようと思っています。
あとは、「ミレニアムのエクステリア計画」も多少は。

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その20で書きましたが、電気代を節約するための、今月については

>・・・という訳で、これからの一ヶ月は深夜時間帯だけ
>  1階リビングは26度でエアコン暖房を運転
>  2階主寝室は18度でエアコン暖房を2時間ほど運転
>    したあと、「通販生活」誌で紹介されていたイタリア・
>    デロンギ社のオイルヒーターにスイッチして朝まで運転
>    することで

>昼間は一切使わないことにより電気代がどうなるか試して
みたところ、
前月の
 昼間(7−23時)使用量 108kWh
 夜間(23−7時)使用量 332kWh
      で、電気料金が税込み5,721円だったのが
今月は
 昼間(7−23時)使用量  53kWh
 夜間(23−7時)使用量 359kWh
      で、電気料金が税込み4,615円でした。

もっとも、検針に来たのが昨日(22日)だったようで、
通常よりも算定日数が短いため(27日間の値)、30日間
換算すればもう少し差は縮まりそうです。

昼間と夜間の電気の使用量の変動は見ての通りですが、さすが
に氷点下近くまで冷え込んでしまうと電気エアコンでは力不足かな、
と思うことがあり(先週、フジテレビ系列の「あるある大辞典」
という番組で暖房特集やっていて、換気扇と併用すると効率良く
暖房される、とありそれは確かではあるんですけど、やっぱり
10畳もあるとね)、その代わりにデロンギヒーターだと、
輻射熱のせいか朝電源が切れても結構ジワジワと熱が来るので
狭い部屋(例えば自分が今いる書斎とか−4.5畳)だと
重宝しますね。大きい部屋だと力不足ですけど。
市内の量販店で、自分が買ったものよりもっとグレードが高い
ものが現品処分されていたので、思わずボーナスでもう一台
購入してしまいました。これは汎用品として、一階の客間を
中心に使っていこうかな、と思っています。
別に回し者ではないので、あくまで使用感を書くのみですが。

ただ、実際に家建てて暮らしてみて思うのは、
「光熱費を下げるためには、部屋は狭い方がベター」という
ことですね。確かに、自分の家でも10畳のリビングや8畳の
主寝室とかは自分としてはゆとりの仕様ではあるんですけど、
やっぱり快適さを維持するためにはそれなりのコストは
かかってしまいます(毎日暮らしたとすれば、電気代は原町の
単身公舎の4,5倍は堅いでしょう。但し広さも5倍なんです
けどね)。高断熱仕様だから救われてますけど、そうでなけれ
ば、(外は雪景色ですし)東北の冬に相対するには厳しいものが
ありますね。住宅雑誌とかで良く見受ける吹抜なんかも
そうだと思いますが、見栄えはいいけど、実際冬なんか熱の
トンネルになりそうで・・・。

考え方の問題なんですけど、人に見せるための間取りと、
快適に暮らすための間取りというのは別なのかもしれません。
(結局セルコホームの企画型プラン改を選択したので実現しませ
んでしたが)当初のこだわりの中で、リビングから直接2階へ
上がることが出来る階段にしたいなぁ、というのがあったんです。
でも、これも冬という今の状況で考えてみると、リビング暖めた
熱が階段通って2階に行ってしまう(笑)。床暖房なら別です
けど。お客さん来ている時にパジャマでリビング横切るのも
何となく・・・ですし。

そういうアプローチで間取りを考えると、オーソドックスな
ものに収斂して来るものなのですね(だから話半分に読んで
頂ければ十分ですけど。あくまで寒さ対策の東北在住者の視点
ですし)。出来上がったプランは、北玄関のお陰で、階段を
中心にしてくるくる回れるサーキット・プランになっていて
(南玄関だと、中央の玄関や廊下を中心としてリビング・ダイ
ニングと客間や和室とに泣き別れしますよね)、あとオーソ
ドックスな間取りからは台所と客間の位置が反対になっている
程度で、あとは至って普通の間取りですから。その意味では
好き勝手にやってしまう完全フリープランよりも基本的な
制約のある企画型の方が自分には良かったと思っています。

何といったって、そもそもの坪単価がフリーよりも安い訳
ですし、建具とかを増やしてしまうと追加料金が出てしまい
ますし、今回みたいに内装のクロスを別注品にしてしまえば
改めて仕上げ面積が算出されて、その分のオプション価格が
出てしまいますけど、セルコホームのように基本セットは
パッケージ一式単価となっているメーカーの場合、例えば
クロスを標準仕様として、大きな1部屋が標準のところ、
間仕切りを入れて2部屋にするようオーダー出した場合、
ドアや引き戸一枚分の値段で、もしかしたら間仕切り骨組と
内装下地の石膏ボードと仕上げの標準仕様のクロス両面が
サービスになるかもしれません(自分の場合は骨組みとボード
まででしたが)。大工手間まで考えれば、それは結構な
ものだと思いますよ(暖房効率まで上がる訳ですし)。
目に見えないところでメーカーが取る利益の還元を狙うのも
一つの手だと思います。各メーカー毎にここまでならサービス、
ここまでやるとオプションとなる基準があるでしょうから
それを探ってみるのも面白いかもしれません。同じメーカー内
でも、営業さんの胸先三寸で変わって来る場合も当然有るわけ
ですしね。

家づくりを考えていた当初は、金具一本に至るまできっちりと
見積書を作成してくれるメーカーが良いメーカーだという
基本的な考え方がありました。でも、余りぎっちり要求して
しまうと、お得意様になれるぐらいに発注してくれる客でも
ない限り、その見積単価の中に業者の利益も忍び込ませる訳
ですから、サービス工事という概念がなくなって、むしろ高く
される可能性がなきにしもあらず・・・なのかもしれません。
柱には利潤分を忍び込ませるけれど、金具は原価・・・なんて
ことしているのかどうかも正直分かるものではないですしね。
まさに「ブラックボックス」で、その中で良心的な業者を
捜し出すマニュアル的なものがあれば、本当自分が教えて
もらいたいくらいです。ヒントになりそうなものは、これまでの
「軌跡」の中で逐一書いては来ましたけど・・・。

だから、そういう状況であるならば、この不景気でもあります
し、仕事が欲しい腕のいい業者さんも多いわけですから、ある
程度「足元を見た」交渉術も必要になって来るのかな、という
気はします。サービスしてくださいね、でも手抜いたら口コミ
怖いですよ・・・みたいな(実際に口に出す訳ではないけれど。
でも前提として、施主が有る程度勉強しておくことが必要です。
杉の4寸(12p)角柱をオーダーしているのに、米栂使われて、
でもそれにすら気づかないようではお話になりませんよね。
まず見積もりや図面に明記させることからはじまる訳ですが)。

このHP自体、インターネット口コミの要素も強いですし(笑)。
残金精算が年越しになりそうなので、今回の建築工事の総合評価は
それを待ちたいと思いますが(引っ張ってどうもすみません。
ただ、家の登記申請の時に、木造「瓦」葺二階建とするところを、
「スレート」葺とやってくれましたからね。そりゃ標準はスレート
でしょうけど。当然修正申請してもらいましたが、今度渡される
権利証がどうなっていることやら・・・のも含めて、全てが
終わってみませんと)、今後セルコホームで建てる方の参考になる
よう、可能な限り客観的な事実を書こうと思っています。

そして自分の方では、来年春中通り地区に異動になることが前提
ですが、さっき書いた「足元を見た」発注にチャレンジしてみよう
と思っています。車庫なんですけどね。

まだ構想段階ですが、その一部を正月の更新で書いてみようと
思っています。

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住宅金融公庫の融資が実行され、今月から返済が始まった訳ですが
それに併せて、返済予定表がセルコの本社から(速達書留で)送付
されて来ました。・・・平成41年12月までの30年ローンだと、
予定表も10枚(!)。果たしてそこまで平成時代が続いている
ものなのか、というのはさておき、精神的にはやっぱりずっしり
来ますよね。これからマラソンどころかトライアスロンの日々が
始まるわけですから・・・。ただ、救いなのは金利が一番低めの
時期にローンを組んだこともあって、当初から毎回返済する金額の
うち、6割程度は元金を返していける、ということですね。これが
金利高くなると(元利均等返済の場合)当初は本当に利子しか
返していない状況になってしまいますからね。「ゆとり返済」など
その最たるものでしょう。まぁ、ローン返済分は七十七銀行の口座に
振り込むようにして、それには手をつけないようにしますので
(通帳やカードは新居の方に封印しています)、あとは何が何でも
残りで暮らしていくことになる訳です。

しかし、公庫の方は30年間の返済額が確定しているからいいの
ですが、土地の方の銀行ローンは当初固定2.7パーセントは
5年間のみで、丁度2年が経過しましたから、猶予はあと3年です。
その後はインフレリスクや金利上昇リスクにさらされる訳で・・・。
その間に、50万でも100万でも頑張って繰り上げ返済しておき
たいものです。その意味で、家建てても節約には手が抜けません。

土地買ってから2年以内に家を建てたので、不動産取得税の還付
対象になり、この月末に還付金が振り込まれるのですが、それとか
も七十七銀の口座に振り込んでもらって、来年春の固定資産税の
支払いに備えようと思っています。あと、共益費や集中浄化槽
使用料も年間一括払い(8月)なため、その分も月々の給料の中
からコツコツと貯めていかないといけないし、確かに金喰い虫では
あります(笑)。本当、生半可な覚悟ではやってけません。
特に20代で、かつ単独負担で家を建てるとしたら。

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家が完成したから、いつかは来るだろうなぁ、とは思っていました
が、やっぱり先週税務署さんから「お尋ね」が来てしまいました。
ただこれって、郡山に家建てた訳ですから、てっきり郡山税務署
から来るとばかり思っていたのですが、実際には平日いる原町市を
管轄する相馬税務署から、原町の住所宛で来ました。・・・という
ことは、その捕捉手段はおそらく登記ではなくて、建築確認申請
とかになるのでしょう。

内容は、どこの業者で建てたか、ということと、資金はどのように
工面されたか、ということ。自分のように一つの業者で建てた場合は
「セルコ」と書けば済みますから楽ですけど、分離発注かけた場合
には、その業者全部書かせるようになっていましたから、結構大変
でしょうね。でも、そんなに書かせて何に使うのでしょう?

何しろ施主は26歳。しかも単独名義ですから、普通に書いても
おそらく疑われるだろうなぁ、と思いましたので、税務署まで
出向きました。家の契約書に公庫の融資通知や住宅金融公庫の
住宅債券(つみたてくん)の払い戻し計算書に通帳、それに解約
した住宅財形の計算書とかを持参で。

用紙には借入金や自己資金や贈与資金を記入する欄があったので、
計算方法を担当の方から聞いて、持ってきた資料見ながら記入
して行きました。さすがに、担当さんが横目でその資料眺めて
ましたけどね。ただ、数字が書いてある現物ですからやっぱり
強いというか説得力はあったみたいです。
隠してもどうせばれるだろうと、母親から頂いた餞別分も正直に
見せて書いて、そうしたら贈与税担当の人が出てきて、払う
贈与税額と申告時期と方法についての説明となりました。
確定申告は2月の半ばからですんで、それまでその分も用意して
おかないといけません。さすがにそれも痛いけれど、自分も税務
の職場で働いている以上、止むを得ないところです。

但し、そのために来年春異動出来なければ生活破綻するかも・・・
と異動希望出している訳でもありまして。家の完成が11年9月
末ですから、来年3月3日の遠隔地異動内示後、で準備して
22日前後の異動発表後にすぐ住民票を移せれば(結局、郡山−
原町の通勤を認めてくれなかった上司も、数日程度であれば
認めてくれると言ってますし)、「新築後6ヶ月以内の居住」
となって、翌年度から住宅ローン控除の対象になる訳ですから、
こっちだって必死です。ダブルの生活費負担の解消と、所得税還付
が受けられるという、天と地との差が有るわけですから。
もっとも、人事ですから蓋開けて見ないと分かりませんが、
来年も原町勤務となった場合には、飲み会とかの職場付き合いは
一切遠慮させてください、とは今から宣言しています。
先立つものがないわけですから、仕方がないですよね。
お役所ですから、そういう軋轢も覚悟しなければいけません。

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もう2000年も間近となって、取り敢えず3月までは
どっちに転ぶか様子見なところはありますが、どっちにしても
来年は家の周りをリーズナブルに充実させて行こうと思って
います。

ここまで読んで頂いて本当ご苦労様でした。
来年度もまた、皆さんの参考になりそうなことを丹念に書いて
行こうと思いますので、また時間がありましたら読んで頂ける
と幸いです。  

本当にミレニアムは平穏な年であって欲しいですけど、でも
この景気の動向次第なのだと思います。
ローン抱えている以上、それには敏感にならないといけません。

さて、どうなることやら・・・。

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