∀ガンダム(ターンAガンダム)

題名・内容
 
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第12話〜第22話(その2)
∀(ターンA)ガンダムの題名及び内容概略一覧です。
 
ディアナの地球人としての生活。
キエルの月の女王としての振るまい。
入れ替わった2人のそれぞれの生き様。
そして明かされつつある∀の秘密。
この内容を概要版としてお届けします。
(その1へ)
(その3へ)


話数 題名 内容概略
第12話 地下回廊 戦線を拡大しつつあるディアナ=カウンター、そして逃げる様に坑道に入っていくホワイト=ドー
ル。そしてキエル(ディアナ)。負傷していたロランはキエルに手当をしてもらう。ロランは突然
優しくなったキエルにどぎまぎしっぱなし。奥から聞こえる物音、近づいてみるとシド爺さん達
発掘隊の発掘作業音であった。
フィル率いるディアナ軍はホワイト=ドールを探していたものの、結局見つからず。一度撤退し、
ホワイト=ドールの捜索をコレン達に任せ、軍としては捜索を打ち切った。
ミリシャ軍は集結しつつあったが、グエンのノックス放棄の報道が聞き、単独での行動は既
に不可能という雰囲気になっていた。そこでルジャーナ=ミリシャとの連合を考え、ミハエルは
軍の移動を開始する。領主の地位を放棄したグエンはルジャーナ公の娘、リリと会っていた。
グエンはリリに今後の月との交渉がルジャーナ公を中心に行われるであろう事を考え、それ
らの情報の提供を自分にしてくれる様に頼む。
さて、フィルにガンダムを任せてもらえて大喜びのコレン達はホワイト=ドールをあぶり出すた
め、地上に向かってレールガンの乱射をしていた。ブルーノとヤコッブのゴッツォーをとりあえ
ず稼働不能にさせるロラン。コレンはちっとも連絡が入らないヤコッブ達の態度にしびれをき
らせていた。そこに地中から突き上げる様な爆発。それはシドが誤って爆発させたミサイル
であった。穴の空いた坑道をコレンが覗いた時、そこには怯えるシド達の姿。シド達を追って、
坑道に入るコレン。食い止める為に足がショートしているホワイト=ドールで戦闘を始めるロラ
ン。しかし踏ん張りの利かないホワイト=ドールの方がどうしても不利。コレンはホワイト=ドー
ルをひきづりながらマグマのそばに。そしてマグマに突き落とそうとしている。そこに現れる
キエル。ディアナの様な振る舞いと口調でコレンに撤退命令をする。しかし気が動転しホワ
イト=ドールを狂ったように突き落とそうとするコレン。逆にマグマの中に落ちてしまう。
ロランは戦闘の疲れから、キエルの膝まくらで眠ってしまうのであった。。。

 
第13話 年上のひと コレンとの戦いの後、そのコレンを追って来たポゥ少尉とワッド隊。そこで見たのはコレン隊の
モビルスーツの残骸であった。ロラン達はその隊が近づいてきたとの報を受けシド爺さん達と
再び逃亡。しかしこの鉱山は「マウンテンサイクル」との地質が似ているという事もあり、調査
をしながらの移動であった。コレンの残した武器を使い、調査の為に掘ってみるロラン。キエル
(ディアナ)はあれこれ興味を示しうろつき回る。そこに見つけた一人の男。声をかけてみるが
土をかけられ、
「無礼者」
と叫んでしまう。その声に驚き振り向く男。しかしその顔を見て、驚くディアナ。
「あなたは。。あなた、ウィル=ゲイム。あなただったのね。。。」
泣きながら抱きつくディアナ。
一方キエルを探すロランは一人の女性と出会ったいた。
ディアナは人違いをした事を謝っていた。そこに先ほどの女性が、
「ディアナ=ソレル、こんなところに!」
と石を持って殴りかかろうとしてきた。ロランの人違いだという説得があって初めて我に返る
テテス。そのウィル=ゲイムは「先祖の日記」を元に宇宙船を掘り出している最中だった。そ
の動機はかつての初代ウィル=ゲイムが恋した相手、「ディアナ=ソレル」に会いたいという
ものらしい。それを聞き昔を思い出すディアナ。ディアナは以前地球にいたときに出会った、
「ウィル=ゲイム」に結婚する為の「課題」を出す。そしてそれを見届ける前に月に戻り、「永
久睡眠」に入った様子であった。テテスはロランを誘って温泉に入った。そこでロランがムー
ンレイスである事を言い当て、そして自分の先祖がムーンレイスである事を明かす。そして
ムーンレイスであるロランがなぜ地球に手を貸すのかを問いつめる。
ディアナは初代ウィルはどうなったのかを聞き、そして真実を聞いたディアナは女王の立場
としての自分の行動(ウィルを待たずに月に戻り、どうなったのかを知らずにいたこと)を嘆い
た。そして走り去っていく。
そんなときワッド隊に発見されたことに気づき、ロランはガンダムでおとりになる。そしてポゥ
少尉のウォドムをビームサーベルで斬りつける。
シドやロラン、ディアナはウィルの家に立ち寄る。自分が1年間地球に居たときとまったく変
わらないウィルの家を見て、その思いでを懐かしむディアナ。そしてウィルが持ってきた初代
ウィルの見つけたという「極楽鳥の羽」を見せてもらい、それを見て涙するディアナであった。
その極楽鳥の羽こそが自分との結婚の為に出した「課題」だったのである。。

 
第14話 別離、再び ガンダムでウィルの発掘を手伝うロラン。全体像から宇宙船であることを確信する。
ディアナは初代ウィル=ゲイムとの思い出を見るため、木に登っていた。そして家捜しをする事
で更に色々なものを見つけだしてしまう。そして自分の思い出の記録も。
そんなときロラン達は宇宙船を発見した喜びでうかれて帰って来る。ロランは、様子がおかし
いキエルに声をかける。何とか心の動揺をごまかすディアナであった。
イングレッサ=ミリシャはルジャーナ=ミリシャとの合同作戦を展開しようとしていた。ルジャーナ
=ミリシャは機械人形「ヴォルジャーノン」(ザク?)をソシエ達に見せる。機械人形を持ってい
るのがイングレッサ=ミリシャだけじゃないことを強調したかったからである。
ディアナ=カウンターでは、ミラン執政官が「建国宣言」を出す事を提案していた。これで自分
たちの戦争を正当化しようと考えていた。
テテスは「宇宙船はミリシャの手伝いで掘り出されたのだから、ミリシャによって戦争の道具
に使われる」とウィルに話す。そして宇宙船と機械人形を持ってディアナ=カウンターに行くべ
きだと提案する。そして翌朝、機械人形(ジムキャノン?)をテテスが動かし、ウィルと一緒に
ディアナ=カウンターへ。宇宙船の事が知られるのをおもしろくないと考えるシドは、ロランに足
止めを命じる。説得をしている最中、後ろの崖で突如戦闘が始まる。ハリーの乗る「スモータ
イプ」とルジャーナ=ミリシャ・イングレッサ=ミリシャの連合軍である。そこに割って入るテテスの
機械人形とロランのガンダム。しかしロランは「月から地球に来ようという人間達の所に、月へ
行こうといっても戦力にされるだけだ」と説得を繰り返す。ハリーはハリーでガンダムに乗る「ロ
ラン」の事が誰かと疑問がる。キエルは、その戦闘をのぞき込み、自動車を強引に崖の下に降
ろし、ウィルを説得しようとする。ハリーはガンダムのパイロットがローラでない事を残念に思い
ながらも、格闘戦を開始する。ガンダムは「ひげ」を折られ、ついに戦闘不能に。モニターもブラ
ックアウトしてしまう。とどめを刺そうと銃を向けるハリー。しかし生身の人間が銃を向ける事に
ひるむ。そこへ助けに入るウィル。更にそこに割って入るディアナ。そして初代ウィルが素晴ら
しい人間であった事を切々と説明する。しかしそれをうるさく思い、攻撃しようとするテテス。が、
ミリシャ軍の崖崩しにたまらず、一時撤退するハリー、そして同行するウィルとテテス。
ディアナはウィルを説得できなかった事を悔やみ、悲しみに暮れるのであった。

 
第15話 思い出は消えて キース達はサンベルトに疎開するために車を走らせていたが、その道中で沼にはまった車を助
ける。その車はルジャーナ公の娘、リリの車であった。そしてその中には熱でうなされるグエン
=ラインフォードの姿もあった。
ハリーとの戦いで傷ついた∀は、ソシエの手でルジャーナ=ミリシャの駐屯地に修理の為運び
込まれる。∀をソシエの手に任せたロランは、宇宙船発掘作業のためにキングスレイの谷に残
っていた。シドの指揮の下作業の続く、宇宙船発掘現場。シドの依頼を受け、トラックを取りに
ウィルの家に向かうロラン。
ウィルはハリー中尉に連れられソレイユへ。そしてディアナと謁見をした。しかしウィルは先祖と
のなり染めを聞いて興味を示さないディアナに対し、「本当にディアナ=ソレルか?」と疑問を投
げかける。そして妙にこの話に興味を持ったキエルの話を始める。ディアナはウィルをフィル少
佐に預ける様に命令をする。フィルは汚名返上のチャンスをうかがうポゥと一緒に宇宙船発掘
現場へウィルを出撃させる。
キース達は病気のグエンを連れ、グエンの冬の別荘に到着していた。その道中でグエンは再
起し、イングレッサの奪回を果たす為にも機械人形の更なる発掘が必要であり、また技術者も
必要である事を説き、そしてキースに「つて」がないかどうかを問うのであった。
トラックを取りにウィルの家に着いたロラン。そこには忘れ物を取りに戻ったキエル(ディアナ)
もいた。ロランはそこで「ウィル=ゲイム」の事を嘆き悲しむキエルの姿を見つけるのであった。
キース達はリリと一緒にパンを売りに、ルジャーナ=ミリシャの駐屯地に来ていた。そこではソ
シエが∀に盾をはめ、その使い勝手を試している最中であった。キースはグエンの提案書をミ
ハエル大佐に届ける任務も負っていた。グエンの提案書とは「ムーンレイスの技術者」を雇う
という内容である。戦う敵の人間を雇おうとする考えに憤慨するミハエル大佐達。しかしリリの
「使えるものは利用する」の考え方、再起を図ろうとする姿の美しさの話を聞き、見限ろうとし
ていたグエンに再び協力する事を考え始める。そんなときに「ディアナ=カウンター来襲」の伝
令。どうも宇宙船採掘現場の方向に向かおうとしている様であった。出撃するモビルスーツ部
隊。キエルとロランはウィルの家を後にしていた。その時ルジャーナのモビルスーツ部隊と出会
う。部隊の移動方向はどうもキングスレイの谷、つまり宇宙船採掘現場の方角である。ミリシャ
軍はウィル達のモビルスーツに対して、高射砲による砲撃を開始。それに怒りを覚え、撃ちなが
ら突っ込んで行くウィルのモビルスーツ。ポゥのワッド隊も攻撃を開始する。そこに割って入ろ
うとする∀とロラン・キエル。キエルはその行為で戦闘を止めさせようと考えていた。しかしそ
んな事をしても戦いは止めることもできない。最終的にルジャーナの部隊に破壊されてしまうウ
ィルのモビルスーツ。∀の攻撃で撤退をするポゥのワッド。戦いが終わり、ウィルのモビルスー
ツに近寄ってみるロランとソシエ。そこにはモビルスーツの半開きのコクピットハッチからウィ
ルと思わしき両手が覗いていた。しかし恐怖心からウィルの生死を確認できないロランとソシエ
であった。
 
第16話 ∀のすべて  
  「総集編」
 
 
第17話 建国のダストブロー キースは嵐の中、ムーンレイス達を乗せたトラックを走らせていた。そして∀に乗るロランと合
流する。ロランの目的はムーンレイスの者達の護衛。キース達の連れてきたムーンレイスとは
技術者であった。それはグエンの考えからやったことである。もっとも今の∀はイングレッサ=ミ
リシャのミハエル大佐の指揮下にあるのであって、グエンにはその権限はないのであるが。。
リリはグエンの別荘を訪ねて来た。その中でチェスに興じているミハエル大佐とキエル。グエン
は∀の指揮と新たに発見されたマウンテン=サイクルを任せてくれる様にミハエルに頼む。しか
しミハエルは既にそれに手を貸すつもりはない様子。時折、キエルの手を握り、チェスの手助け
をするグエンの姿に嫉妬するリリ。そしてそれを邪魔するかの様に、「ディアナ=ソレル」から来
た手紙の束をチェスの盤面にかざし、意地悪をする。ミハエルも「ディアナ=ソレル」からの手紙
を預かって来ていた。その手紙の多さに疑問を抱く本当のディアナ。そしてその内容は「建国
宣言の式典」の招待状であった。サンベルト一帯の統治権を認めさせようとするディアナ=カウ
ンターの作戦である。ディアナは考える。「キエルはそのような考えを認めたのであろうか?
いや、きっと認めさせられたのだ。」と。
旗艦ソレイユではモビルスーツ総出で、嵐の中での建物の倒壊阻止に必死になっていた。竜
巻でテントが次々へと吹き飛ばされる。そして竜巻を「地球人の呪い」と恐れるディアナ=カウ
ンターの人々。そのような迷信を植え付けない様に、全部署に周り迷信だと説得すると言い
出すキエル。ハリーの制止も聞かず、嵐の中を飛び出していく。
嵐の中、ミハエル大佐の行方の監視任務に出ているルジャーナ=ミリシャのヴォルジャーノン。
そこでキース達のトラックの橋となっている∀の姿を発見する。全員駐屯地に連れていき、取り
調べをしようとするルジャーナ=ミリシャ。しかし力比べをして勝ったら立ち去ろうと提案をしてくる
隊長のギャバン。意外にも瞬発力の弱さが露呈し、形勢不利の∀。そんなときトラックが1台盗
まれてしまう。追いかけようとするロランを引き留めようとするギャバンのヴォルジャーノン。
そんなとき登場するリリ。そしてグエンと一緒にいられない悔しさを全て八つ当たりする。
さて「建国宣言」の事を聞き、心中穏やかでないディアナ。しかしミラン達を止められないのだろ
うと想像する。一方、自分がいない間に勝手な話になっている事に憤慨しているグエン。なんと
してもミラン執政官に会わねばと考えるが、ディアナに「先ずディアナ=ソレルに会うべきだ」と言
われ、「キエルさんは変わった」と言われてしまう。
トラック泥棒を追って森の中を進むロラン。しかし動物を驚かし、木々を倒す事に耐えられなくな
り、追跡を断念。さてその泥棒とはかつてのコレンの部下達であった。しかし積み荷の中身が
食べ物ではなく、モビルスーツの部品であることにとても悔しがる。かと言って、それを持ってソ
レイユに戻っても自分たちの処遇が良くなる訳でもないのでなんともしようがない。そんなところ
に現れるテテス。驚くべき事にそのうちのブルーノとテテスは知り合いであった。そしてテテス
は2人にディアナ=ソレルの暗殺を頼まれている事を明かす。そしてその為にゴッツォーを動か
そうとした瞬間、∀がその姿を捕捉する。ロランはゴッツォーの手にテテスがいるのを見つけて、
テテスが捕らわれているものだと思い違いをする。ゴッツォーを追っているうちにソレイユを発見
するロラン。そのソレイユでは未だにキエルが兵士を労っている最中であった。親衛隊と∀が戦
闘を開始するが、そのどさくさに紛れて、ディアナを暗殺しようとするヤコッブ。しかしハリーがそ
れを察知して撃墜。そして間に入ったグエンとディアナの姿を見て双方のモビルスーツは戦闘
を中止する。ハリー中尉にディアナとの交渉を要求するグエン。しかし無理矢理引き取らせるハ
リー。ディアナ暗殺という身内のごたごたを見せたことに恥を覚えているからであった。
再び嵐となるソレイユ近辺。そんな中、テテスを見つけて連れていこうとするロラン。ところがふ
と目を離した瞬間にテテスの姿は消えていた。何故テテスがいなくなったのか理解できないロ
ランであった。
 
第18話 キエルとディアナ ディアナ暗殺がディアナカウンター内にもある。それはグエンにとってはつけ込めるチャンスにな
るかもしれなかった。どちらにしても式典に参加するグエン、そしてローラローラとしてのロラン。
キエルやソシエも参加することとなっていたが、キエルの身を案じるディアナ。そして寝ている
ロランを起こし、自分がディアナ=ソレルであることを打ち明ける。そしてキエルに危険が迫って
いることを言い、元の生活に戻らなければならない決心を話す。ロランは何よりも自分が尊敬し
ていたディアナとキエルが入れ替わっていたことに気づかなかったという事実に落胆していた。
さて建国式典の朝、招待客がソレイユの着陸地点へと急ぐ。当然その中にはグエン、キエル、
ソシエ、そして∀に乗るローラローラの姿もあった。そして偽装したイングレッサ=ミリシャの姿も。
そしてテテスの姿も何故かその中に。。。
式典会場ではキエル(ディアナ)が動き始めていた。ソレイユの中をロランと一緒に、管制室に
急いでいる。
式典会場ではイングレッサ=ミリシャが動き始めていた。ワッドを暴走させ、アルコールに火を
つけ爆発させる。それを合図にソレイユに砲撃を開始するルジャーナ=ミリシャ軍。式典は混乱
に陥った。そんな中テテスはロランとキエルに出会う。銃を構えるテテス。「キエル=ハイム嬢
だろ?なんで」と叫んだ瞬間、鞄を投げつけるロラン。その騒ぎで降りてくるハリー。テテスは
直ぐにその場から立ち去ってしまう。ディアナの身辺警護の強化を命じた後、「なんで此処に?」
と質問を投げかけるハリー。「ディアナ様に建国宣言の真意を伺いに。」と答えるロラン。「中尉、
上がります。」と言い放ち上がろうとするキエル。「上がるな!」と叫ぶハリー。「どうして」と問
いを投げかけるロラン。
テテスはついに管制ブリッジのディアナ(キエル)の前に。「何故私を殺そうとするのか。地球
での戦禍が広がってしまう。」の問いに、「あいにく私は地球人じゃないんでね。」と答えるテ
テス。「アグリッパメンテナーに頼まれましたか。」とディアナが言った瞬間、テテスの態度が
豹変。そして「ムーンレイス全員がディアナに従おうとしている訳ではない。月から離れたくな
い者もいる。」と言い放つ。そして銃を放つテテス。しかし身のこなしで銃弾を逃れ、ナイフで
向かってくるテテスともつれあっている最中にハリーが現れる。テテスを寸前の所で逃がして
しまう。そして奥から「一目会わせてください」と嘆願するロランの声が。ロランとキエルが制
止させられている階段を降りてくるディアナ。そしてロランとキエルに目をやる。
「田舎までご足労でありますな。キエル=ハイム。」
「ディアナ様。」「建国宣言をなさるので?」
「月と地球の友好の為です。」
「本当に?」
「もちろんです。」
「な・ならよしなに」
そしてディアナはロランとキエルをグエンの所に戻すことを厳命した。素直にグエンの所に戻
る事に承諾するキエル(ディアナ)。
さて建国宣言の会場。ディアナの口から建国宣言が発せられる。
「全ての、命を分かち合う全ての人々よ。武器を大地において私の言葉を聞いてください。私
は戦いを望みません。かつて私たちの母なるこの地球は、人が住むことさえ許されない程に荒
廃した惑星となりました。その様な時代があったことを黒歴史が語っております。なのに地球
のみなさま方はそれを忘れております。なぜでしょうか。人間にはもちろんつらい体験や記憶
は忘れてしまうという悲しい性質がございます。私達ムーンレイスは地球が再び住める様にな
るまで月で暮らしました。人類の記憶を残すために、新しい人の再生に手を貸すために。そし
て今日、この地球は2000年に及ぶ歴史を刻むことを許して、人類の繁栄を築きあげることがで
きる様になったのです。地球は完全とは言えないまでも再生いたしております。ならばムーン
レイスも地球に帰還して、地球の再生と二度と誤った歴史を刻まないために手を貸したいので
す。」
「ロラン、キエル=ハイム嬢は私以上に、私の心を語ってくれています。」
「はい。そう思います。さすがお嬢様でいらっしゃいます。」
「宇宙に進出した過去の歴史を、地球の人々は天の神々の物語にすることによって、又は黒
歴史に封印することにで再生の力を身につけたのです。悲惨で過酷な記憶だけでは人は再生
も再起も不可能だからです。ですから歴史的事実の解釈を変え、場合によっては歴史そのも
のも書き換えてしまうのです。私たちはこの目も鼻も唇も同じです。この体も地球人・ムーンレ
ースの違いはありません。同じ人類だからです。私はここでムーンレイスの為の国家をサンベ
ルト一帯に宣言することは止めて、再度交渉を再開されますことをアメリア大陸の人々にお願
い申し上げます。」
「あれが、ディアナ=ソレルか。」(グエン)
(キエル=ハイム、あなたにムーンレイスを任せても良いと思えます。)(ディアナ)
(キエルお嬢さんは勉強なさっている。)(ロラン)
宣言内容が違うことで駆け寄るミラン執政官。そしてハリー中尉。そしてディアナは一喝する。
「志の高さで守ってみせよ。」
そして宣言内容はディアナ=カウンターの軍自体を道化にしかさせず、そしてミリシャ軍を益々
増長させる兆しを見せ始めていた。

 
第19話 ソシエの戦争 宇宙船採掘現場では急ピッチで宇宙船「ウィル=ゲイム」が掘り出され、ムーン=レイスの技術
者の手で整備が進んでいた。更に掘り出されたギャロップの艦長になったロランはさっそく掃
除を始めたが、洗い物をしたりと仕事をするキエル(ディアナ)の姿を見ると気が気ではない。
∀の頭ははずされ、ムーン=レイスの技術者、ホレスの手によって整備されていた。しかし∀
の自己修復機能に驚愕を隠せぬ様子のホレス。そして「ガンダム」という言葉を経緯を語り始
める。ガンダムはそもそも「宇宙移民者いじめの偉大な敵」という意味らしい。
さてソレイユではディアナの女王制度を良きとしない一派の事について、ディアナ(キエル)
はハリーより直接聞きだしていた。しかし「月から地球に還れる」という事実が人心を変えて
しまったのは大きい様である。そしてハリーの忠誠心にとまどうディアナであった。
ロランはテテスの事が気がかりでたまらない。しかしその為だけにギャロップを動かしていい
のかどうかと悩んでいるところにソシエが現れる。ソシエはギャロップを最前線にいないロラ
ンが持つのがしゃくでしょうがないらしい。そしてカプルの前線基地と勝手に決めつけてしま
う。ギャロップは偵察行動の為最前線を移動していた。そこにポー達のウォドムが近づいてい
た。そして甲板の「首のないガンダム」を見て、捕獲作戦を開始した。その姿を発見したロラ
ンは逃げようと提案したが、ソシエはカプルで出撃してしまう。ギャロップは転針し、ロランも
頭がない状態で出撃する。砲撃の最中頭をはめ込んだ∀はウォドムを1機押さえ込んだ。更
にソシエの加勢に。どうにかウォドムは撤退してくれたが、ギャロップの機関砲が暴発し、戦
死者を出してしまった。ソシエは自分の戦い方の反省をし、そしてロランは戦闘に恐怖心を抱
いていることを打ち明ける。そして∀がすごいということも。。

 
第20話 アニス・パワー ルジャーナのある片田舎の村、ギャバン達のヴォルジャーノンとフラットが戦闘をしている。そ
して地中から続々と現れるフラット。
そのルジャーナ部隊にカプルを送りだしたフラットでは、∀の整備が続いていた。そこから見
える一軒家、そこには未だ人がいかもしれないという疑問にひっかかっているロラン。さてそ
の一軒家にはかつてのコレン部隊のブルーノとヤコッブがいた。強盗をしようとしたが、見つ
かり、そのまま居させられているらしい。∀でその一軒家を確かめに来たロラン。突如アニス
・ベルが現れ、∀を追い返そうとする。ロランは避難を勧める為に来たのであるが、アニスは
畑を守るためにそこから立ち退き気は全くない。ついには収穫の刈り入れの手伝いを一緒に
する始末。そこにキエルが迎えに来た。ギャロップもギャバン達の援護に向かう必要があり、
艦長を連れ戻しに来たのである。が、キエルも収穫の手伝いを始めてしまう。そこでハーブ、
別名ソレルを見せてもらい、自分と同じ名を持つものを感動して見つめるキエル。突如「ソレ
ルって言えば、月の女王様と同じ名前じゃないか」と話を始めるアニス。キエルの「ムーンレ
ースはお嫌いですか」の問いに、「人の土地を土足で踏みにじる奴は嫌いだ」というアニス。
そこにロランはアニス宛の手紙を持ってきた。アニスは目が弱くなっているらしく、その手紙が
読めなくなっていた。そのアニスの娘はノックスに行き、パン職人と結婚したらしい。どうやら
そのパン職人はキースが働いているパン屋の旦那の様子。その手紙を読みながら微笑むロ
ラン。どうもアニスは自分の孫と得体の知れない男(キース)が仲良くすることが気に入らな
い様子だが。。
そこにミサイルの炸裂音。アニスの畑も戦場になってしまう。そこに来たのは正規軍ではな
いレッド隊、それを率いるキャンサー隊長が指揮するフラット部隊であった。∀で出撃するロ
ラン。しかしアニスは絶対逃げようとしない。ロランはフラットの弱点をつき、見事に撤退をさ
せた。
戦闘の最中でメシェーが怪我を負ってしまう。アニスの助けとキエルの手当で応急処置が
とられる。しかしメシェーは戦線を離脱。アニスも結局避難をすることになる。2人を乗せた飛
行船が飛び立っていく。そしてアニスが叫ぶ。
「このこの名前が付いているパン屋を見つけておくれ。ドンキーだよ。」
ロランは心の中で答える。
「おばあさん、そのお店は僕の友達がやっているお店なんです。キースならきっといいお婿
さんになりますよ。」

 
第21話 ディアナ奮戦 森の中を進むギャロップ。そこに飛来するブルービショップ(伝書鳩)。知らせはメシェーが無
事に野戦病院に入ったというものであった。しかしディアナ=カウンターがキングスレーの宇
宙船破壊を狙っており、野戦病院が無事なところとは言えない。ソシエは先にソレイユを叩
こうと言うが、キエルはそれを許そうとはしない。ソシエはキエルの態度がどんどん穏健にな
っていく事に腹を立てる。
一方ブルーノとヤコッブはギャロップに忍び込み、まんまと乗組員となっていた。
ソレイユではディアナが占領地の線引きを新たに考えようとしていた。ディアナの身辺警護
はますます堅くなっていく一方。ハリーとミランよりアグリッパー=メンテナーの動向を聞き、
そして警護の女性への変更を頼む。
ギャロップは野戦病院に到着していた。暇そうにしているメシェーとはしゃぐソシエ。しかし
一方で負傷兵達の姿にいたたまれなさを感じてしまうキエル。深々とお辞儀をするキエル
の姿を痛々しく感じるロランであった。
キングスレーの宇宙船採掘現場では、戦力が増強されつつはあったが、まだ不安を感じて
いる人々。そこにグエンがリリーとやってくる。宇宙船の中の案内に付き合うロラン、キエル、
ソシエ。グエンの「宇宙船を戦力に」という言葉に反発をするキエル。その姿に嫌みを言うリ
リー。
「立場をわきまえて、貴方もお働きになったら?」
野戦病院での手伝いをしてみたらというリリーの言葉に、リリーの思惑とは逆の反応を示す
キエル。
嬉しそうに「なんてそんな簡単なことに気づかなかったのだろう」と言い、そのまま野戦病院
に頼み込みに向かう。婦長にようやく許しをもらい、手伝いとして働かせてもらうキエル。しか
しリリーのお節介な言葉で負傷者の緊急手術の立ち会いにまで駆り出される。左足の切断
の現場でついに卒倒してしまう。
しかし仕事は待ってくれない。荷馬車一杯の汚れ物の洗濯を申しつけられ、それを黙々とこ
なしていくキエル。しかしロランはそんな姿を黙って見ていられない。ついには∀を持ち出し、
洗濯機代わりに使用する。何時入れられていたともわからない石鹸がシャボンを出し、その
シャボンに感激をするキエル。
ソレイユ。宇宙船破壊としておおがかりな部隊の出撃が予定されていた。それを知ったディ
アナはハリーに内々に頼む。「キエルを助け出して欲しい」と。

 
第22話 ハリーの災難 ムーン=レイスの駐屯地では技術者の脱走が相次いで起こっていた。既に30人目。ミラン執
政官はその問題に頭を抱えていた。食料の配給もままならず、これ以上の脱走者は何として
も食い止めたい。フィル少佐は総攻撃を宇宙船発掘現場に対して行う事を提案。キエルの身
を案じたディアナ(本当のキエル)は、ハリーにキエル救出を勅命として伝える。どうやらキエ
ルとディアナが入れ替わっていることをハリーは知っているらしい。
ウィル=ゲイム発掘現場には∀の武器が一通り運び込まれていた。全てマウンテン=サイクル
から掘り出された物である。その近くの森にいたのがハリーのスモー。どうやって潜り込むか
を思索しているところに通る食糧輸送トラック。そこに紛れ込み、着いた途端ムーン=レイスの
技術者として手伝わされる羽目になる。発掘現場では宇宙船のエンジンテストの真っ最中。
宇宙船自体も2,000年以上も前に建造されたものらしい。そのテストのジェネレータとして∀
が呼ばれる。無事にエンジンに灯が入った時、ハリーはディアナの姿を見つける。ディアナを
外に連れ出すハリー。しかし無理にディアナをそこから離れさせようとするハリーの姿を見て、
ロランが割り込む。
そこに突如現れるポゥ少尉のウォドム。攻撃を開始する。ハリーは「ディアナ様を守り通せる
のか?」とロランに詰問する。しかしディアナは「私が望んでこの生活をしている」とハリーと
共に行くことを拒否する。ハリーはこの場を収める為に自分のモビルスーツの所へ向かう。
ロランも∀で出撃する。ウォドムのビームはジェネレータの増強でパワーアップしていたが、
∀のホレスの整備によりIフィールドが使える様になっているはずであった。ウォドムのビー
ムが炸裂した瞬間、盾になる∀。Iフィールドは計算通りに作動していた。更にそこに割って
入るハリーのスモー。「あそこには技術者という我々にとっても宝がいるのだ。」と引く事を
要求する。序々に膠着状態に入る戦場。ウォドムを破壊すれば容易に決着が付きそうだが、
周りの被害も大きい。そこに∀のビームライフルが運ばれてくる。∀のビームライフルは正
確にウォドムのジェネレータを打ち抜き、ウォドムは稼働不能になる。そこにスモーが入り
込み、後退を誓う。
ハリー達が後退した発掘現場では、宇宙船の名前が正式に決まった。「ウィルゲム」である。

 


99.10.30 Update

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