∀ガンダム(ターンAガンダム)

題名・内容
 
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第35話〜第46話(その4)
∀(ターンA)ガンダムの題名及び内容概略一覧です。
 
アグリッパの暴走に悩む月の民。
そして増長するギンガナム軍。
そしてグエン達は黒歴史の映像に直面し
て、その歴史に驚愕する。
それはグエンとギンガナムの同盟を生み、
3つどもえの戦いへと発展する。
新たな戦いが地球で始まる。
(その3へ)
(その5へ)


話数 題名 内容概略
第35話 ザックトレーガー ∀とスモーの力を得て、ウィルゲムはどうにかザックトレーガーへのドッキングに成功した。
しかしドッキングしたはいいものの、ドッキングアームのはずし方が今度はわからない。拘
束されたハリーにミハエル大佐達はそのはずし方について詰問をしていたが、「くれぐれも
敵の施設に潜り込んでいる事を忘れぬ様に」と逆に諭されてしまう。
ウィルゲムがドッキングしているベイの真上のベイにいるジャンダルムではキャンサーとム
ロンが、ザックトレーガーの駐留部隊と共にウィルゲムに牽制をしかけるべく、準備を開始
していた。またザックトレーガーの駐留部隊たるウォドムが2機、出撃。ウィルゲムに近づき
つつあった。一方ウィルゲムもジャンダルムが自分たちの真上にドッキングしている事に気
づいていた。牽制行動を開始するウィルゲム。∀、ハリーのスモー、そしてソシエのカプル
が出撃する。気づかないふりをしながらジャンダルムに近づくスモー。ソシエとロランは外の
警戒警備に出ていた。ウィルゲムではジャンダルムとザックトレーガーコントロールルーム
との回線を傍受しており、ウォドムが近づきつつあることをキャッチ。ロラン達にその撃退を
命じる。ウィルゲムの前に立ちはだかるウォドム。ウォドムの目的はジャンダルム発進の際、
ウィルゲムからの攻撃を抑止することである。しかしジャンダルム発進後のウォドムの行動
が気がかりなディアナは、ウォドムへの「ウィルゲムに対する攻撃禁止」を伝えようとした瞬
間、ディアナ=ソレルとしての説得を開始するキエル。ディアナもキエルの演説に併せるか
の様に、「ジャンダルムの発進の保証とウィルゲムへの攻撃停止」を伝える。
無事に発進するジャンダルム。またもディアナを取り返せなかった事を悔やむハリー。遅れ
てウィルゲムも月に向けて発進する。

 
第36話 ミリシャ宇宙決戦 さてザックトレーガーから離脱したウィルゲム。ロラン・ソシエ・キエルは無重力を楽しむ一方、
ミリシャの人々は無重力に悩み、そして宇宙酔いに悩んでいた。さらに宇宙食に辟易し、酒
盛りでうっぷんを晴らし、ついには「酒樽」で漂流し、引力で地球に戻ろうとする。ロランに助
けで事なきを得たが。。
ミハエル大佐はついにキエルを人質にブリッジを占拠。ウィルゲムを地球に戻すことを要求
する。思案にくれるグエン達。そこでハリーの提案。「ガス抜きをすれば良い。」ブリッジの酸
素の強制排出が始まる。我慢しきれず、雄叫びをあげながらブリッジを飛び出すミハエル大
佐達、格納庫にまっしぐら。カプルとヴォルジャーノンを奪取し、地球に戻ろうとする。宇宙に
出ていったカプル1機、ヴォルジャーノン2機、その両機に乗るのは十数人のミハエル大佐
達。この後の作戦をハリーに尋ねるロラン達。しかしハリーの作戦はここで終了。ハリーが
言うには「不穏分子の暴動は死罪に匹敵するのだから、このままで良い」とのこと。納得の
できないロラン達。∀で早速追いかける。ロランの説得は失敗し、∀対ミハエル大佐達の戦
いが始まってしまう。本気で攻撃をしかけられないロランは、大佐達の扱いに困惑する。そう
こうする内、序々に追いつめられていく。ついにはヒートホークで切られそうになる∀。そこに
ハリーが割って入ってくる。ミハエル大佐達は、酸欠状態で戦闘の続行は不可能な状態に。
結局ウィルゲムに連れ戻されるのであった。
ウィルゲム格納庫で記念撮影。撮影後、家族の写真をみながら「必ず帰る」ことを誓うミハエ
ル大佐の姿があった。

 
第37話 月世界の門 ミドガルドはギンガナムとディアナの件で交信していた。しかしジャンダルムの船外修理に
出ていたキャンサーは、ディアナ=ソレルの売り渡しの交信を接触回線で偶然聞いてしまう。
ムロンとともにディアナの保護をすべく行動を開始した。キャンサーがシャトルを奪取し、ジャ
ンダルムから脱出していた。ミドガルドはギンガナムとの合流前の準備に追われ、レッド隊
のそんな行為は気にも留めなかった。
ウィルゲムではハリーのディアナ奪還の目論見が密かに行われていた。そしてロラン達の
「核爆弾」の廃棄計画もである。そんなときにウィルゲムにディアナからの通信が入る。ディ
アナはキャンサー達と一緒にシャトルで脱出していたのだ。目的地はミスルトゥ、意味は「宿
り木」である。ウィルゲムに対しては音楽にみたてた暗号にて、その目的地を知らせる。
ミスルトゥ、それはソレル家が空気と食料を再生する為の実験工場であった。中心部の森に
着いた時、ディアナはキャンサーやムロンに地球へ帰る様に命令する。しかしそれを拒否す
るキャンサー達。心に決めたお方と運命を共にしたいと嘆願するキャンサー達に感激し、涙
するディアナであった。そして3人でコア=コントロールに向かっていた。
一方ミドガルドはギム=ギンガナムと合流していた。ディアナが逃げたという報告をあざ笑い、
ディアナがウィルゲムに送った音楽を聞かせる。「その音楽は」と問うミドガルドに対し、ソレ
ル家の暗号であることを告げ、暗号の意味するのがミスルトゥであることを部隊に告げる。
モビルスーツ、マヒローを駆り、ミスルトゥに向けて出撃するスエッソン=ステロ。ジャンダル
ムに手荒い挨拶を残していく。
ウィルゲムでもミスルトゥのディアナの元へ、ロランとソシエが出発していた。てっきりハリー
も出撃するものだと思っていたミリシャの人々。グエンの考えからかと噂をするが、ハリー自
身はキエルを利用して何かを考えている様だ。2人で出ていく後を追うグエン。ハリーはキ
エルに「あなたを裏切る」と告げた瞬間、銃を突きつける。怒号を浴びせるグエンだが、銃を
発砲しながら逃走。ついにスモーで脱走し、キエルを利用してディアナの奪還を図ろうとい
う賭けに出た。
ロラン達はミスルトゥ目前。しかしそこに襲いかかるスエッソンの部隊。∀・カプルとマヒロー
は戦闘状態に入っていた。ロランは自分達に襲いかかってきたモビルスーツが「ディアナ=
カウンター」のモビルスーツでないことに不安を感じていた。

 
第38話 戦闘神ギンガナム ロランとソシエが追われている所へ割って入るハリー。マヒロー隊への戦闘停止を申し出る。
自分がディアナを救出してきたという嘘をネタにして。
ミスルトゥでは、ディアナ達がコントロールルームにて外の動きをキャッチしていた。そこに
入り込んできたマヒロー隊の一人。それを閉じこめ、逆にマヒローを奪取し、ミスルトゥより
脱出する。追われながらもディアナ達は偶然にもロランとソシエに合流する。
キエルはハリーへ自分の想いを告白する。しかしその想いを受け入れられないハリー。敢
えて「ディアナの為の盾になっていただく」と言い放ちながらも、唇を合わせる2人。そして
ギンガナムの元へ、そしてキエルはディアナとして立ち振る舞う。ハリーの目的は一刻も早
くアグリッパーの所に行き、ディアナへの危険を排除することである。その為にもギンガナ
ムを騙し、キエルを「ディアナ」として利用し、この場を離れるのが最優先課題であった。何
とかその交渉は実り、キエルは部屋に落ち着く。
ウィルゲムはミスルトゥに潜り込んでいた。時間稼ぎをするのが目的であった。メシェーが
アルマジロ(ワッド)でミスルトゥのベイハッチを開け、斥候として進む。そこで先ほどキャン
サー達にマヒローを奪われたギンガナム隊の兵士と出っくわす。その兵士は捕虜としてウ
ィルゲムに連行される。
キエルとの交渉が片づき、それまでの待機命令が出ていたマヒロー隊に対し、戦闘再開
の命令が出された。ディアナを連れたロラン達はウィルゲムとの通信が確保できたものの、
マヒロー隊の手によってミスルトゥに閉じこめられつつあった。ウィルゲムもそれは同じ状況
であった。閉じこめた状態でマヒロー隊はミスルトゥへの一斉砲撃を開始した。粉々に崩壊
するミスルトゥ。かろうじて脱出したロラン達であったが、ウィルゲムとは音信不通であった。
またその崩壊する様子を見ていたキエル、「自分が強がりすぎているのでは」とためらいを
感じていた。

 
第39話 小惑星爆烈 崩壊したミスルトゥよりゆっくりと離脱するウィルゲム。ウィルゲムではどうにかロラン達をキ
ャッチしていたが、アステロイドの残骸の為になかなかそれをホールドできない。キャッチし
たのはギンガナムの方でも同じ事。北斗の七つ星の陣を構えたマヒロー部隊がロラン達へ
の攻撃を開始する。実戦経験の浅いマヒロー部隊の動きは悪く、ロランの∀とキャンサー
のマヒローに次々と撃墜されていく。その部隊全滅報告に耳を疑うギンガナムであった。
ミスルトゥの残骸に取り付いたディアナ達、そしてロラン達。しかしその残骸は月のフォン=
シティへの落下軌道に乗っていた。ディアナはそのコンピュータがはじき出した結果をロラ
ンに知らせる。一方ギンガナムはその落下をネタに、キエルを挑発する。ディアナの如き振
る舞いでその残骸の破壊を命じるキエル。その命令を受ける形でその残骸の破壊の為、
ギンガナムはカイラスギリーの使用を考える。そしてターンXの呼び寄せを命じる。
キャンサーは自分の生まれ故郷、フォンシティーが破壊される危機を救うため、無茶をして
でもこの残骸を破壊しようとする。それを制止するロラン。最後の手段として核兵器を使用
し、残骸の破壊を行う事を告げる。そして全空域への無線を解放し、ロランは核兵器の使
用を宣言する。
∀に対してターンXトップを使用するギンガナム。ターンXトップに呼応する∀。ギンガナム
に対し、キエルの待遇を問うロラン。主人としてもてなしていると言うギンガナムの言葉を
信じ、ロランはミスルトゥの残骸に対し、2本の核ミサイルを発射する。そして起爆の為にビ
ームライフルを発射する∀。核爆発。その光にのまれ消失するミスルトゥの残骸。
∀はソシエのカプル、そしてディアナのシャトルと合流、月の表面に降り立っていた。そし
てキャンサーとムロンはモビルスーツを捨て、宇宙船に落ち着いていた。

 
第40話 月面の海戦 ディアナを手に乗せ、∀とカプルはベイ=ハッチより運河へ降りていた。運河は「運河人」と
呼ばれていたロランのふるさと。そしてその運河で偶然にも昔の仲間、ハメットとドナに出
会う。
ウィルゲムはギンガナム隊と合流していた。地球よりの食料品などの目録を渡し、交渉開
始を迫るグエン。しかしギンガナムはアグリッパに取り次ぐ様に進言しようと言うばかり。
そしてその接見も何時になるかわからないとだけ答える。リリの挑発にも乗ってこない。
ロランがディアナを連れて港に戻って来たのは既にそこの住民達に知れ渡り、ハメットの
家は押すな押すなの人。そこでディアナ達は現在の月の状況を知らされる。戒厳令がひか
れ、地球帰還計画も、地球と月の戦争も月の人々には一切知らされていなかった。ディア
ナはそれを聞き、ゲンガナムにいるアグリッパに一刻も早く会わねばと考える。
ギンガナム隊の戦艦にいるキエルに対し、密かに通信をしてくるハリー。ハリーの調査に
より、月のシステムの大半は既にアグリッパに掌握されていることが発覚した。そして地
球の部隊への補給の遅延、ディアナ暗殺計画もやはりアグリッパの目論見であった。その
通信中に突如襲われるハリー。それはギンガナムより干されていたミドガルドである。ミド
ガルドもキエルをディアナとして利用しようと企んでる一人であった。
セントがウィルゲムの所在を掴もうとシステムを操っていたが、突然システムメンテナンス
のメッセージでエラーになる。ディアナが月へ向かった後からそのような状態が続いている
様で、TVのチャンネルも減り、食料なども配給制へと変わっていた。しかしディアナが帰っ
てきたことによりその生活も以前のものに戻ると口々に話す人々。その月の人々の為にも
事態の収拾を急ぐディアナ。ディアナをゲンガナムに連れていく為にも運河を利用すること
を考えるロラン達。∀を鯨に見立て運河を上る作戦を準備する為、運河の下、街へと降りる
ロラン達。∀とカプルは黒い布を被り、運河を上り始める。そしてセントはディアナを乗せ、
監視船で併走する。その時スエッソン率いるマヒロー隊がコロニーに進入。不審に思った
スエッソンの熱源探知に反応し、マヒロー部隊に見つかってしまう。マヒローに攻撃を受け
る∀。しかしロランはその運河の下に自分の生まれ故郷の街があり、運河の破壊による
影響を考えると反撃できない。スエッソンのマヒローとの格闘戦でも劣勢。そこにハメットと
ドナの命令で突っ込んでくる海豚の大群。∀を見失うスエッソン。その眼前に突如現れる
∀。ジェネレータのただ一箇所をビームサーベルで斬りつけ、マヒローを稼働不能にする。
マヒローが撤退し、ロランが運河人の精神を忘れていなかった、つまり運河を壊さずに守ろ
うとしてくれたことを喜ぶドナ。そしてロラン達はついに月の首都、ゲンガナムの上へと辿り
着くのである。

 
第41話 戦いの決断 ゲンガナムの地下通路を進む∀とカプル。誘導するのはディアナである。そんな2台が出
てきた所に、何故かミハエル大佐達ミリシャ軍がいた。ウィルゲムで不足している物資を
黙って港から持ち出そうと作業の真っ最中である。ウィルゲムのブリッジに通されるディア
ナ。グエンとリリは、リリの外交手腕によりアグリッパとの接見を許され、まさに「白の宮
殿」に向かう所であった。ディアナの心を見抜いたリリはディアナを誘い、急遽3人で行く
ことになる。
さて、ハリーはギンガナムの所にいてもこれ以上何も情報を得られない事を悟り、キエル
を連れてギンガナムの元を離れる為の行動を開始する。そんな時∀にやられっぱなしの
スエッソンが∀に再度戦いを挑むため、勝手にマヒロー隊を引き連れ出撃してしまう。
リリ達の乗った車はいつの間にかパトカーに囲まれ、アグリッパの監視下にしっかり置か
れる様な状態で白の宮殿に到着する。白の宮殿−つまりディアナの生家でありかつての
生活の場であったが、今はそこにはメンテナー家の紋章が描かれていた。ディアナはそ
れを見て憤慨する。
ウィルゲムにはスエッソンのマヒロー隊が急襲していた。コロニーの中では兵器を使うこ
ともままならず、躊躇しながらの戦いとなってしまう。どうしてもこういう場合の勝手がわか
らぬウィルゲム側不利である。ウィルゲムはその状態を回避する為、街を盾にして戦おう
と移動を始めた。
城に着き、その城内をアグリッパの元に移動するリリ達。城の侍従達はディアナの姿を見
てひそひそ話を始める。ついにアグリッパとの対面。アグリッパはディアナの姿を見て驚く
が、あくまでも「キエル=ハイム」として紹介をするグエン。そして交渉が始まる最中、突如
現れるウィルゲム。一時は街を盾にして戦おうとしたウィルゲムだが、被害を与える事を
恐れ、白い宮殿を盾にすることにしたのだ。近くで戦いが始まった事を恐れるアグリッパ。
スエッソンは∀との肉弾戦に負け撤退し、動揺するアグリッパをなだめたリリは、とりあえ
ず提供された部屋に落ち着いた。一足遅くそこに入ってくるグエン。グエンはアグリッパが
ホワイトドールの事を「ターンエー」と呼んで恐れている事を話し、ディアナに「∀」の事を知
らないかと尋ねる。しかしディアナはそのことに関しては何も知らない。
ハリーはギンガナム隊での一種の騒動を利用し、というよりギンガナムが好きにさせてい
たのだが、スモーで船を後にする。ハリーはこの場所は自分が知らない場所であることを
不思議に思い、一度月の表面に降りる。そこにはマウンテンサイクルにも似たモビルスー
ツの発掘場を発見する。そこにあるモビルスーツはハリーも知らないものであった。
ウィルゲムにはギンガナムに策を授けられたマヒロー部隊が、「∀の引き渡し」を要求しに
来ていた。その引き渡しを拒否した場合、グエン、リリ、ディアナの3人の命はないとの脅
しである。「騙し」た事に腹を立てる3人。当然ながらアグリッパに詰め寄る。しかし当のア
グリッパは全く思い当たる節がない。自身も頭を抱えてしまう。リリ達は今後の話の切り
出し方に良い案が浮かばず、部屋で悩むしかすることがない。そこに入ってくるミドガルド。
ディアナ軍とマヒロー部隊のにらみ合いが続く。

 
第42話 ターンX起動 ディアナの「白の宮殿」の前でマヒロー隊とミリシャ軍は膠着状態のまま、両軍とも半ば休
戦に入っていた。それはグエン達も同様で、ミドガルドに銃をつきつけられ、静かにティー
タイムを過ごす。この事態の展開を打開する為に、ミハエル大佐はギンガナム隊への「は
ったりをかます」通告を行う。「ホワイトドールを渡す位なら、首都ゲンガナムとともに自決す
ることを望む」。
白の宮殿ではミドガルドがグエンに「∀を渡す様にアグリッパに伝えよ」と要求するが、そ
れを拒むグエン。「ムーンレースに闘争本能が目覚めた今、やがて月の文明は滅びる」と
嘆くディアナである。
アグリッパの「とにかくマヒロー隊を撤退させろ」の要求とギンガナムの「はったりだから、
∀の捕獲を最優先する為にも部隊は現状のままにすべき」という考えは平行線のまま。
そんな状態でスエッソンが∀に格闘戦を始めてしまった。アグリッパが恐れるのは「∀の
蝶々の羽の発動」であり、ギンガナムもその考えは同じであった。それならばとギンガナ
ムはターンXを起動することを告げる。マウンテン=サイクルではターンXとバンデッジの出
動準備が進んでいた。
格闘戦の最中にロランは∀から降りてしまう。ロランの元に駆け寄るソシエ。ロランは∀を
ギンガナム隊に渡すことをソシエに告げるが、それを許そうとしないソシエ。そこにアグリッ
パから突如の提案。「∀でターンXを倒してみろ。ターンXとの月面での戦いに応じない場
合はグエン達の生命を保障しない」とロランに告げる。∀とは本当は何か、そしてターンX
とは何かがわからず混乱するロラン。
グエン達はアグリッパの前に連れてこられる。その場で「何故ディアナ暗殺を企んだのか」
と聞くディアナ。アグリッパは「ディアナの地球帰還作戦がムーンレースに「闘争本能」を
目覚めさせ、月の平和を脅かしている」という事実を話す。そして「ディアナの行く先には
必ず戦闘があり、ディアナの覚醒自体が運に見放されている」と話す。その話を聞き愕然
とするディアナ。
スエッソンはアグリッパの話を無視して、∀に格闘戦を挑み続ける。牽制の為にウィルゲ
ムはメガ粒子砲を発射。最小出力とは言え粒子が街へ流れてしまう。ロランは街への被
害を避けるために港へ移動する。まとわり続けるスエッソン。だがその瞬間停電が起こり、
ひるむスエッソン。その隙を突いてマヒローの足を切断する∀。そして港より月面に出る
∀。
停電はターンXを覚醒させる為に、ゲンガナムの電力を全てターンXに注入したのが原因
であった。しかしターンXは沈黙を続けるまま。それならばとギンガナムは月の全電力を
注入するように命令する。そしてついに起動するターンX。
ハリーとキエルはエレベーターで降下を続けていたが、ついに白の宮殿にたどり着く。そ
してハリーのスモーが現れたのは、アグリッパが座っていた王座の裏であった。キエル
とディアナの2人が現れ、どちらが本物かと混乱するアグリッパ、そしてミドガルド。混乱
に乗じて銃を奪ったグエンは、アグリッパにディアナへの指揮権返上を迫る。更にギム=
ギンガナムへの権力譲渡の理由を詰問するキエル。ギンガナムへの権力譲渡は∀を解
明する為にターンXを研究するにはやむを得なかったと話すアグリッパ。そして∀は地球
文明を滅ぼしたと話す。∀はディアナの「地球帰還作戦」により覚醒したものなのである。
その話をしながら逃亡をするアグリッパ。それを追おうとするハリーを制すディアナ。ディ
アナは本来アグリッパが司るべき「冬の宮殿」が心配であるということを話す。ハリーと
共に冬の宮殿に向かおうとした時に突如現れたフラット。ディアナ、グエン、リリ、キエル
はとりあえずその場所から逃げ出す。
逃げだしとりあえず落ち着いたところで、侍従を捜しに行くグエン。それが今残されてい
る「冬の宮殿」に向かう方法であった。ディアナはキエルに「今回の地球帰還で死ぬつも
りであった。既に自分は歳をとりすぎた。」と告白する。ミリシャ軍と合流し、モビルスー
ツの手に乗せられ冬の宮殿へ向かうディアナ達。そこで「黒歴史」を調べ、∀とターンX
について調査する必要があることを語るディアナ。
月面に出た∀はターンXと呼応し、ついにターンXと出会う。そのターンXにはギンガナム
が乗っていた。

 
第43話 衝撃の黒歴史 ∀はまるで呼ばれるかの様にターンXの前に引き寄せられる。ギンガナムの話では、∀
は人類文明にとって禁忌の存在、そしてその∀を倒すために起動したのがターンXとの
ことである。ついに∀とターンXの戦いが始まってしまう。太古に∀を倒し損ねたターンX
との因縁の戦いが。。
白の宮殿はミリシャ軍により制圧されていた。モビルスーツの戦闘の跡を辿りながら、グ
エン達を追って冬の宮殿に向かうミリシャ軍。そのグエンやディアナ達も冬の宮殿に未だ
向かっている最中であった。アグリッパとミドガルドもジャンダルムを待たせる港に行くた
め、同じく冬の宮殿に向かっていた。
冬の宮殿−それは冬眠カプセル群とデータカプセルの施設であり、アグリッパの管理下
にある施設に、ディアナ達はようやく到着していた。そこが墓地に見えるという事から、
以前「キエルの父親」の墓前で、自分の父の様に悲しんでくれた事を思い出し、ディアナ
に礼を言うキエル。そこでソシエ、グエン、リリはディアナとキエルが入れ替わっていた
事に初めて気づき、数々の非礼についてを詫び、ディアナ=ソレルの様な采配を見せた
キエルに感心する。
∀はエネルギーを最小にし、建物の陰に姿を隠していた。ギンガナムもメリーベルも∀
の姿を探知できぬ状態が続いていた。しかしメリーベルは運河を壊さなかったという∀の
パイロットの特性を思いだし、∀のパイロット、ローラローラもムーンレイスであると判断。
ついに∀のを探し当てる。
白の宮殿ではマヒロー部隊が再び動きだそうとしていたが、そこでマヒロー部隊の阻止
をしていたのはハリーのスモーであった。実戦慣れをしているハリーにとってマヒロー部
隊は敵ではなかった。その行動を見てハリーは信じるに値すると考えるミハエル大佐、
そしてウィルゲムのクルー達であった。
冬の宮殿よりジャンダルムが入港している港へ向かっていたアグリッパ達であったが、
ミリシャ軍が追いつき、囚われの身になってしまう。そしてそこに現れるディアナ達。ディ
アナは黒歴史の記録を再生し、その映像は月全体規模で放映される。黒歴史−それは
宇宙世紀0079に勃発した1年戦争から始まり、最終的にスペースコロニーが地球圏か
らの離脱し、戦争が終結するまでの歴史である。その黒歴史の映像は首都ゲンガナム
にも、そして∀とターンXの戦っている月面にも流れていた。そして数百年続いたアルマ
ゲドン(最終戦争)の映像が終わった時、ディアナはターンコードで∀のデータの呼び出
しを行った。∀、地球文明を埋葬した「月光蝶」の映像、それは地表にナノマシンを撒き
散らし、ハリケーンを起こして地球文明を砂へと帰した∀の本当の姿の記録であった。
そして冬の宮殿にある黒歴史上の記録外である存在、それがターンXである。
 
 
第44話 敵、新たなり 黒歴史の秘密を知りながら何故ギンガナム家に荷担したかについて、アグリッパに理
由を問うディアナ。∀の秘密はあくまでもギンガナム家の「ターンX」の研究があり、それ
がきっかけで明らかになったと言い張るアグリッパ。そこでディアナはアグリッパに命令
を下す。「外の戦いを止めさせ、ディアナ=カウンター内でのアグリッパ将兵達のスパイ
行為を停止させる様に」と。しかし「その行為はディアナ=カウンターの分裂を招き、そし
て闘争本能に目覚めた地球の将兵達は既にその命令に従わないだろう」と言うアグリ
ッパ。加えて「自分はそのことを恐れ、300年も前から地球帰還作戦を反対していた」と
語る。それは明白な事実であり、帰還作戦を実行した自分行為を深く悔やむ様子のデ
ィアナ。逆にディアナの帰還作戦の非について反論するキエル。「ディアナの地球帰還
作戦がなくても、いつか地球人が月への侵略を開始したであろう」とそんなときゲンガ
ナム市内で暴動が起きているという情報が伝えられる。
港から入ろうとしているマヒロー部隊の阻止のため、ハリーは急行する。白の宮殿に集
まってきた群衆はウィルゲムを囲み、「帰れ」コールを浴びせる。白の宮殿を守る兵、そ
してミリシャ兵は威嚇発砲をするが、その暴動は治まりそうもない。
ディアナ達とアグリッパの論争は未だ続いていた。しかしそもそも話し合いの決着が付
く事はなく、ディアナはアグリッパを殺害することで事態の収拾をつけることを決心する。
ディアナとキエルの2人でアグリッパに突進し、剣を突き刺そうとした瞬間、アグリッパ
は銃声に崩れる。発砲したのはミドガルドであった。ミドガルドも月のシステム安定を考
える一人であり、それを優先させるが為にアグリッパに従って来た。しかしこの論議の
中でアグリッパの行為は非であると気付き、ミドガルドを殺める。だがディアナの行為
も月のシステムにとってはやはり非であり、ディアナへの発砲をしようとしたが、ミリシ
ャ兵に取り押さえられる。
ウィルゲムは群衆に取り囲まれる中、離陸した。このままの状態では「白の宮殿をウィ
ルゲムが守っている」かの様な印象を与えてしまうがためである。そのまま「冬の宮殿
」に進路を取る。
月面では∀とターンXの戦いが未だ続いていた。ロランは黒歴史の記録を見て、∀に
対する懐疑というものを持ち始めていた。そして∀の性能に対する不気味さというもの
も感じていた。メリーベルの∀への攻撃を止めさせるギンガナム。それは∀が「黒歴史
の記録と同じ威力」を見せ始めて来たからである。
冬の宮殿の周辺にウィルゲムは着地し、群衆などの混乱とは無縁となったものの、マ
ヒロー部隊の攻撃は未だ続いている。その隙を突いてミドガルドは逃亡。ジャンダルム
をウィルゲムと同様、中に入れさせる。ウィルゲムへ戻ったグエンは、シドに密かに「黒
歴史の全データを吸い上げる」事を命じる。グエンは黒歴史の記録を見て以来何かを
企み始めた様子である。未だ続くハリーとスエッソンの戦いに、「ジャイアント=ハンマー
」を持ったソシエが割ってはいる。更に∀までもが駆けつけるが、あきらめの悪いスエッ
ソン。そこに現れたのがミドガルドの乗るジャンダルムである。ミドガルドは騒乱の元凶
とも言えるハリーのスモーに対し全砲門を発射する。そこで突如発現する∀からの光の
羽。全ての兵器の威力は、その光がバリアーのような働きをしたが為に消え去り、∀は
ジャンダルムをも押し戻してしまう。その威力に「黒歴史の脅威」を感じ、気が触れてし
まうミドガルド。外に出ようとハッチを開いたその瞬間に現れるハリーのスモー。モビル
スーツの手により叩かれるミドガルド。
ゲンガナムの暴動は未だ続いていたが、ディアナが画像で直接語りかける。黒歴史の
画像の意味、そして新たなる決意。その宣言を静かに聞くゲンガナムの市民、ウィルゲ
ムの人々、そしてギンガナム。色々と残ったものはあるが、一区切りがついたというとこ
ろである。
 
 
第45話 裏切りのグエン 親衛隊に守られる白の宮殿でハリーは床に伏していた。今まで張りつめていた気が切れ、
疲れが出た為である。そこにディアナの格好をしたキエルが見舞いに来るが、あっさりとキ
エルであることを見破るハリー。ハリーは∀のバリアーといい、黒歴史そのものに脅威を
感じていた。何故ディアナと私の区別が付くのかというキエルの問いに、背負っている悲
しみの深さが違うからだと答えるハリー。しかし今はディアナの悲しみを半分以上背負っ
てくれているキエルに感謝の念を話す。
活気の戻ったゲンガナム。フランとメシェーはそこで取材活動を行っていた。冬眠カプセル
から目覚めた人々を運んできたバスが着く。そのバスから「テテス」を探す婦人。フランは
不思議と聞いた事のある名前と思いながらも取材を続ける。目覚めた人々は久々の再会
を喜んでいる。ロランとソシエは夜店を回り「月のものと分かり易い月土産」の物色中。そ
んなときに突如月の少女達に囲まれるソシエ。地球の事をあれこれ聞かれとまどいを感
じる。
ウィルゲムでは、シド爺さんが冬の宮殿から持ち帰った黒歴史のデータを解析中である。
月のマウンテン=サイクルについて問うグエンであるが、そのデータはほとんどなかった。
これらのデータを基に機械人形が造れるというシド爺さんの言葉に歓喜の声を上げるミハ
エル大佐達。
白の宮殿にはディアナの命でギンガナムが呼び出されていた。ディアナはターンXの取り
上げをギンガナムに命令するが、一笑に付すギンガナム。ディアナに斬りつけようとする
メリーベル。結局はギンガナムの言葉にメリーベルは引き、なおかつギンガナムはターン
Xを渡す事も約束をする。ディアナに反抗しようとも複雑な事情があり、あまり得策とは言
えない為である。そんな2人が出てきた所に荒々しい運転で登場するグエン。
翌朝、ウィルゲムに戻ってきたグエンはヤコッブ達に地球に向けての出航準備を命令す
る。またロランの呼び出しを命じる。シド爺さんは用事があってディアナの所に来ていた。
偶然にもディアナもシド爺さんに用事があり、ターンXの引き取りの為ロランにギンガナム
艦隊の所へ行って欲しいと告げる。しかしシド爺さんは先ほどウィルゲムでロランに会っ
たが連絡がつかなかったのかと不思議がる。
ロランはグエンの呼び出しを受け、グエンの部屋に来ていた。グエンは地球に戻る為の
前祝いに付き合ってくれと言い、そこでメリーベルを紹介する。その時突如振動する部屋。
それはウィルゲムが浮上を始めたからであった。何故勝手に浮上したのかとグエンに詰
問するロラン。ミリシャ全員の搭乗が完了している訳でもない。グエンは今回急に出航し
たにも係わらずそこにいたのは「くじ」みたいなものであり、ロランはミリシャの機械化部
隊を率いてもらう為に必要だったからこそわざわざ呼んだと話す。そのグエンのやり方に
反抗し、制止を聞かず部屋を出ていくロラン。∀に乗り込みウィルゲムを押し戻そうとする
が、そこに現れるターンX。ここでロランはグエンがギンガナムと組んだ事を知る。グエン
はギンガナムと組むことで黒歴史の技術力を手に入れ、地球に文明開花を起こすつもり
でいた。そのやりとりを白の宮殿で見ていたシド爺さんとディアナ。シド爺さんは自分がデ
ータを盗んだばっかりにこの事態が起きたのだと悔やむ。グエンの説得に従えないロラン。
ターンXと∀はまたも戦いを始めてしまう。降伏勧告をし、それに従う様に説得するグエン。
しかしターンXの完全破壊を決心したロランは、ビームサーベルで斬りつけようと出力を最
大にする。しかし∀の後継機であるターンXは∀を上回る性能であり、そのビームサーベ
ルも分離してかわされてしまう。更にシャイニング=フィンガーにより完全に∀の動きは封
じ込められてしまう。ロランは∀のコクピットを分離させコア=ファイターで脱出、∀を捨てる
のであった。
 
 
第46話 再び、地球へ コアファイターで脱出したロランはひとまず月、ゲンガナムの白の宮殿へ向かった。一方、
ウィルゲムに収納された∀はスモーのコックピットを取り付けられ、稼働可能レベルまで修
復される。
ロランはディアナに今までの経緯を報告していた。そこにはリリやキエル、そしてグエンに
置いてきぼりをくったメンバーもいた。ディアナはグエン達の追撃を提案し、港へ向かう。し
かしその道中でフランドールからの知らせ。ギンガナムはディアナへの賛同者を粛正する
という発表をし、港は既に全て抑えている。ディアナの専用空港もギンガナム軍のモビル
スーツにより破壊されていた。しかしハリー率いる親衛隊の持つ船が残存しており、整備
完了次第、追撃戦をかけるべく準備が始まった。ディアナの演説もあり民間人の一致協力
も得ることができる。つかの間のムーン=レイスとの交流を楽しむ地球の人々。
だがこの知らせを聞いてギンガナムの息のかかった者達は黙っていない。モビルスーツ・
ズサで船の破壊すべく出撃してきた。ロランはミサイルを積んだコアファイターで出撃する。
神憑り的な動きで3機編隊のズサを沈めるハリー。そして3機中、2機は無人であることに
気付き、ロランにその事を知らせる。ロランも1機沈め、計6機全てが沈黙。それで事は終
わるが、今回の出撃で置いてきぼりにされたソシエは納得のいかない様子。
何はともあれ整備が終了し、出発するホエールズ。ディアナ達の追撃が始まる。
 
 


2000. 3.10 Update

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