大晦日と三が日を実家で過して、今日山科に帰宅。 特に変わりのない正月であった。
その間の読書。
「パーフェクト・スパイ(上・下)」(ジョン・ル・カレ、ハヤカワ文庫)、
「日本型悪平等起源論」(島田荘司・笠井潔、光文社文庫)
「パーフェクト…」はエスピオナージュでありながら、
戦後英文学の最高傑作の呼び声も高い大作。
あとがきで高村薫が読後の感想として、
ものすごい小説を読んだとしか言えない、
と書いているが、まさにそういう感じ。
「日本型…」は日本社会に激しいルサンチマンを持つ島田荘司と、
ジャパンバッシャーを自認する笠井潔の「醜い日本人」を巡る対談集。
本格ミステリ界の双璧二人がそろってジャパンバッシャーなのには、
何か理由があるのだろうか。
ちなみに、笠井潔の「日本人による日本人のためのジャパン・バッシング」は、
e-NOVELSで毎週連載で読めます。
山科に戻って、今年のチェロの弾き初めをする。 年末にD 弦と A 弦をガットとナイロンにしたのでまだ弾き難い。 随分シンパセティックになったが、 A, D 弦がスティールだった時とあまりに音色が違うので、 音の出し方が上手く捕まえられない。 軽いというか、共鳴は多いのだが芯がないというか、 「みよーん」(?)という感じの音になってしまう。
昨夜は大阪での新年会に浮浪者ぽい格好で出席。 なんとなく昨年末からのびた不精髭と、 これまたのび過ぎた髪を見ていたら、そういう気になったので。 イタリア料理屋の後、二次会はワインバー。12時頃帰宅。
今日は午後から久しぶりに三条に出る。 十字屋でヴィデオ「ジャクリーヌ・デュ・プレの想い出」 "Remembering Jacqueline du Pre"を購入。 このフィルムは何回か NHK で放映されていた。 映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」(原題 "Hilary and Jackie" )が日本公開されるので、 その宣伝であろう、デュ・プレのコーナーが出来ていた。
デュ・プレの演奏の映像を見ていると、 本当に身体から音楽が光とともに流れ出てくるようで、 こういう演奏が出来る人を他には知らない。 チェロを弾くという運動はこうまでダイナミックで美しいことなのであるか、 と映像を観るたびに感動する。 筋肉が徐々に動かなくなっていくという演奏家にとって 最も残酷かつ悲惨な病で若くして亡くなったことが、 彼女の神格化につながっているかと思うが、 彼女の演奏にはそういう悲劇を予感させるような、 凄みというか壮絶な迫力がある。
毎朝同じ時間にチェロを弾いていたのだが、
ついに先月末、僕の上階に住んでいる方からクレームが出た。
最近になってどんどん音が大きくなってきたというのと、
エレクトーンみたいな音もする、ということで、
その方が睡眠している昼間(夜勤の方らしい)は演奏をやめてくれ、
ということであった。
もう二年近くもずっと毎朝弾いているので、
ついに堪忍袋の尾が切れたというより、
本当に最近になって音が大きくなっているのだろう。
エレクトーンは弾いていないし、近所にもそういう人はいないので、
多分チェロの音がそのように聞こえることがあるのだろう。
毎日弾いているので自分では音の変化に気付かないのだが、
相当の音量になってきているようだ。
年末からスチール弦をやめたので、
少し小さくなっているとは思うのだが…
というわけで、朝の早い時間か夕方以降に練習するようにしている。
ポリヤ=セゲーから二つほど問題を見繕って、三条に出かける。 本屋などをまわった後、喫茶店で休み、 紙ナプキンの上で問題を解く。
ポリヤ=セゲーのかわりに白井君から教わった不等式の 問題を持ってぶらぶらする昨日と今日であった。
今日の一曲。ボッケリーニのチェロソナタ。演奏ビルスマ。
今日の読書。「文章読本」(三島由起夫、中公文庫)、再読。
三島の「文章読本」は何度読んでもおもしろいなあ。 文章の書き方と言うより、文章の読み方、味わい方の教科書で、 見て美しく、味わっておいしく、しかも栄養満点です。
この日記は、GNSを使用して作成されています。