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お言葉ですね・覚書


超保存版

採集者 : ジョッシュ様(ホームページはこちら
採集時期: 97年10月4日
採集場所: 電車中吊り広告
使用状況: 関西***という月刊誌の電車中吊り広告に「超保存版」特集とあった。
差し出口: さて、では超保存版とはなんぞや。保存版というのは「取り置きしておくもの」。すなわち、広告で「保存版」と謳ってあると、それは「捨てないで!」という発行元の懇願のあらわれ、となる(うそうそ)。そこには、編集者の読者への媚がある(冗談冗談)。そして、「超」が付くと、さらにそれより上、懇願よりも、媚よりもさらに上に位置するもの。それはもう、「」、に他ならない。つまりは発行元の究極の愛が詰まっているのだ。うん。
「超保存版」というコピーに込められた「愛」。触れてみたい方は、買ってください。
庵主所感: きっと保存版を超えた機能を持たせてあるのでしょう。たとえば保存食として使えるとか。この場合の「愛」は「あたしを食・べ・て(はあとまあく)」の意味になる。
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超ド級戦艦ドレッドノート

採集者 : 藤井 浩様(ホームページもお楽しみください
採集時期: 97年10月24日
採集場所: CS「ディスカバーチャンネル」のあるドキュメント番組(タイトル失念)
使用状況: なにかの科学ドキュメントで船の話をやっていたとき、字幕に出てきた言い回し。
差し出口: 「超ド級」の「」ってのはドレッドノートのことだと記憶するのだが。
庵主所感: 過去の自分を超えてこそ進歩が(違うって)。
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停電のお願い

採集者 : ゐんば様(ホームページもお楽しみください
採集時期: 97年10月18日
採集場所: 小田急線代々木上原駅近くの電柱
使用状況: 東京電力渋谷支社の張り紙
差し出口: 低姿勢に出たのだろうが、お願いは断られることもあるのだよ。
庵主所感: 停電の 願いは代々木の電柱 下手に出でずば拒まれざらましお粗末様でした
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十カ国・地域

採集時期: 97年10月
採集場所: 朝日新聞10月17日付社会面
使用状況: (盗難車を輸出していた事件の記事で)合同捜査本部は、組織が昨年四月ごろから、八都府県で四百台以上を盗み、うち三百七十五台(被害総額約十五億円)をミャンマーやパキスタンなど十カ国・地域に輸出していたことを確認しているという。
差し出口: たぶん「あわせて十の国と地域」という意味だと思うが、十カ地域とはあまり言わないし、「国・地域」と書いたらふつう「くに・ちいき」と読むので十カくに・ちいきも変じゃなかろうか。「十の国と地域」で十分だと思うが。
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では、中央線の列車事故を繰り返します

採集者 : ゐんば様(ホームページもお楽しみください
採集時期: 10月12日午後8時59分
採集場所: NHKニュースで宮田アナが言った
使用状況: スーパーあずさが回送電車と衝突・脱線した事故がトップで報じられ、他のニュースをひとしきり伝えた後で一言
では、中央線の列車事故を繰り返します
差し出口: やっぱり事故は繰り返しちゃいかんと思う。
庵主所感: 現場の駅に居合わせたNHK女性職員の普段着でのレポートがものめずらし……じゃなくてものものしさを伝えておりました。
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土地面積は直径5キロメートル

採集時期: 97年10月
採集場所: 『おもかげ幻舞(4)』(こやま基夫、秋田書店)
使用状況: 中国返還前の香港に決別するかのように浮遊したその土地面積は直径5キロメートル
差し出口: それ、面積じゃない。
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(肯定的使用法で)一見明白です

採集時期: 97年10月
採集場所: 朝日新聞10月12日付投書欄
使用状況: 最近、若い人には個性がないと言われています。(略)でも中身は違います。おそろしいほど皆、個性的です。自分を持っています。
 私のクラスをぐるりと見渡しても、それは一見明白です
差し出口: 一見して明らかなら異論を差し挟む余地はないだろうが、一見明白な場合はたいていよく見ると違っているものである。
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右側駐車もやめましょう

採集者 : yエ
採集時期: 不明
採集場所: 京都市内の道路
使用状況: 京都五条警察署が道路に立てた看板「右側駐車もやめましょう
差し出口: 路上駐車が多い通りで警察署が10枚位の看板をたてた。特に右側駐車が困るため、当初「右側駐車はやめましょう」だったのだが、これでは左側駐車を容認してしまうことになるので、すべての看板の「は」の文字を消して「も」に変えたのだが、やっぱりおかしい。うまく説明できないが、もっとも禁止したかった右側駐車が、ついでに禁止するというような意味あいになってしまった?
庵主より: 素直に「路上駐車はやめましょう」にすればよかったのに。それにしてもこのあたりはすでに路上観察学か「VOW!」の世界だなあ。
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一番ベター

採集者 : yエ
採集時期: 不明
採集場所: 自分の職場
使用状況: 電話の応対で「それがベターやな」「あっその方がベターやな」調子に乗って「うん それが一番ベターやな」と結論にたどり着いた
差し出口: おばちゃまの影響かどうか、「ベター」は割と一般的であるらしいが「グッド」と同じ意味に使うと比較級の意味がなくなる
庵主より: 姉妹品の「もっとベスト」「もう少し最高」もよろしく。
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台本にないアドリブ

採集時期: 97年9月
採集場所: NHKラジオのニュース
使用状況: (推理作家による文士劇のニュースで)台本にないアドリブで客席をわかせていました。
差し出口: 台本通りのアドリブってのを一度でいいから味わってみたい。
切り返し: 知人から聞いた話ですが、TVのバラエティ番組などでは、台本に「ここでアドリブを利かせて一言お願いします」などと書かれている場合もあるそうです。
つまり、台本にあるアドリブとは、アドリブが入ることが予め想定されているアドリブ、という意味に解釈することもできるかもしれません。
じんじゃん様(ウェブサイトはこちら)より(00/04/14)
申し開き: ご指摘ありがとうございます。
じつはこの項を書いたすぐあとに同じ趣旨の指摘をいただいたのですが、公開依頼の返事を待っているうちにすっかり忘れてしまい、今回の仕儀と相成りました。
ニュースの表現へのいいわけとしてはややあれですが、違う内容を指しているのに表現が同じになるわけで、まったく奥の深い世界です(たんに「差し出口」のつっこみ方が甘いだけともいう)。
ところで、この手の白眉はやはりこれでしょうか。
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