とぜんそう1999年3月分

これは日記ではありません。その日に書いたというだけで、日付と内容とが関連しているとは限りません。
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99/03/01

『キャンディ・キャンディ』のキャラクター商品の著作権問題で一審判決が出た。漫画のキャラクター商品にも原作者の著作権を認める判決だったそうな。

キャラクター商品の場合、キャラクターやタイトルの意匠の問題だけではなく、キャラクターの背景にあるストーリーも関係するという判断と思われる。あるいは、タイトルが入っていることも問題なのかもしれない(すんません、判決文読んでません)。あの判決に対して、それじゃサイン会などで色紙に描くこともできないじゃないか、という声を聞いたけど、手作業と大量生産ではおのずと原作者の態度も違うんではなかろうか。

もっとも、新聞にこの漫画を出版していた会社の話として、原作者と漫画家で管理したいとかで出版社から権利を引き揚げていたと書いてあったから、単に両者の取り決めでのいざこざじゃないかという気がしないでもないので、余人にははかりがたい問題が横たわっているかもしれない

原作と一口にいってもいろいろあるようで、よくいわれるのが担当編集者との合作説。クレジットは漫画家だけになっていても、実際にはほとんど担当編集者がストーリーを考えたような漫画もあるらしい。この場合はどうなるんだろう。謎。

あるいは『暴力の都』(戸田幸宏原作、中祥人作画、集英社)だと、原作者は冷たく突き放したような話を書いているのに、漫画家と編集者でヒューマンストーリーに仕立ててくれている、というような原作者あとがきが書いてあった。この場合もできあがった漫画は誰の「作品」なのかよくわからない。

また、今は亡き梶原一騎は一度書いた原作を一字一句変更させなかったという伝説の持ち主だが、本人によれば直してくれというので「そこへ置いといて」といってそのまま手をつけなかっただけなのだとか。

実際にはけっこう変更されていたようで、例えばちばてつやと組んだ『あしたのジョー』では、冒頭部分でいきなりボクシングの練習シーンに入るはずだったのに全然関係ない話が延延続くので怒りだし、もう降りるといいだしたという。また、最終回もあのジョーがすわりこんだラストの続きがあったそうだ。

最終回はどちらの意向でああなったのかは知らないが、どうもかなりちばてつやカラーになっているらしい。もっとも、ちばてつや自身も連載が終わった後にどうしてもジョーの目を再現できなかったというから、やはり梶原一騎とちばてつやの完全な合作ということなのだろう。

そうかと思えば、同じ梶原一騎原作で辻なおきが描いた『タイガーマスク』にゴルゴダ=クロスという覆面レスラーが登場した際、名前の由来をたずねるちびっ子ハウスの子供たちに、イエス=キリストが愛のために全人類の罪を背負ってゴルゴダの丘で十字架にかけられた話をルリ子さんが聞かせるのだが、この部分の原作は「イエス=キリストの話。適当に」だったそうな。

この場合漫画家が自分だけの権利を主張してもよさそうなものだが、梶原一騎が中略だったので、辻なおきとしても以下略だったのかもしれない。


うーん、なんか今月も文章がだらだらと長い。

99/03/03

朋ちゃんの説によると今日は「の日」だそうである。なんか、明日を考えてないみたいな鬼気迫る迫力を感じるCMだなあ。


噂をすれば陰がさすとはよくいったもので(この前も出てきたような気がするのは気のせいです)、ハリに行った話をしたとたんにパリに行く話が持ち上がった。仕事の一環で、レポート提出が必須条件のもの。実際に行けるかどうかは未確定。

噂をすれば陰がさすとはよくいったもので(だから気のせいだってば)、昨夜某氏とその話をしていたら、パリ行きのエールフランス機がハイジャックされたという。気になってさっきの話のパリ行きの便を調べたらしっかりエールフランスだった。

いや、まあ、最前線でも一度砲弾の落ちた場所は安全だというし。


ある人からのある情報で井上ひさしの『吉里吉里人』(新潮文庫)を読みはじめて早ふた月。ようやく上巻約500ページを読み終えた。

今のままだと残る中巻と下巻を読み終えるのは6月末になってしまう。もう少しペースをあげなくては。

99/03/05

先日、ラジオでJリーグの新監督の話をしていた。その監督が新しいメンバーをかなり入れてチームの再編を進めているらしいという情報を受けてアナウンサーが「野球では監督の名前をとって何とかマジックとかいうじゃないですか。仰木マジックとか権藤マジックとか。この監督もそうなるかもしれませんね」。

三原魔術」は遠くなりにけり。


岐阜県の予算編成をインターネットで公開したところ公開された大半の事業につけた電子メールアドレスに全角文字が含まれるなどしていてメールが送れない状態だった件に関する2月25日付の朝日新聞の記事より。

(略)通常はアドレス部分を反転させると、そのまま電子メールで意見が送れるはずだが、未通信になってしまうという。


アドレス部分を反転させるとそのままメールを送れるのって通常じゃないと思う。


3月4日付中日新聞夕刊の証券ニュースで、「だんご3兄弟」が発売初日で百万枚の売り上げが確実になったことについて、大手証券の株式担当者が「何が当たるか見当もつかない」と驚いた様子だったと伝えていた。

つけた見当がきちんきちんと当たるもんならこの人の仕事もずいぶん楽であろうことよ。


先日某氏とインターネットページャーで遊んでいたときのこと。向こうから「忙しない日々を送る予定」というページが来た。

普通の文章の中ならたぶん「せわしない」と読んだのだろうが、たまたま二人とも関西弁系の方言を使う土地の生まれで、ページやチャットでときどき意識的に方言を使うことがある。

ご存じのとおり関西弁系の方言では形容詞+否定の「ない」という表現のとき関東方言みたいに「ない」の前に「く」は入れない。たとえば「いそがしい」に「ない」をつけるとき、関東だと「いそがしくない」となるが関西では「いそがしない」となる。これを漢字にすると……。

意味不明のページを送ってすんませんでした>朋輩

99/03/06

「忙しない」の続き。この話がややこしくなった原因は「せわしない」と「いそがしい」に同じ字を当てた漢字表記にもある。

表記といえば、たとえば「騒ぐ」が「騒がしい」、「勇む」が「勇ましい」といったふうに動詞が形容詞になるわけだけど、「いそぐ」が「いそがしい」になったのなら「急ぐ」「忙しい」と違う字にするのはまずいのではなかろうか。これが「急がしい」という表記で定着していたなら今回の混乱はなかったということになる。

もっとも、そうなると「『忙しい』というのは『心』を『亡』くすことだ」といった日本語と漢字をごっちゃにしたたとえ話も使えなくなるわけだが。

といったことと関係なく、しばらく前からここの文章の漢字含有率を減らしている。たんに高島先生の『せがれの凋落 お言葉ですが…(三)』の猿まねだけど、高島先生ほど知識も見識もあるわけじゃないので和語はできるだけひらがなで、といった程度。たとえば「ねぎらった」と「いたわった」は漢字にしないほうがいい、とか。

MSIE5.0日本語版ではルビ機能がつくらしいので、そうなったらまたスタイルを変えるかも。ほかのブラウザでどうなるかが問題だけど。


ダンロップのデジタイヤのCMで「W3(ワンダースリー)」(手塚治虫)のビッグローリーを思い出したのは私だけではないはずだ。


一部の新聞ではプレイステーション2のことを「PS2」と略している。となると、他社がプレイステーション2のソフトの動くハードを作ったとき、それは「PS2互換機」と呼ばれるのだろうか。

99/03/11

「裏」と「裡」ラジオで「ゴクヒリに、つまり極秘のウラに、ということです」といってるのを聞いて、ウラじゃなくてウチではなかったかな、などと考えているうちに、「裏」と「裡」はもしかして同じ字ではないかと思いいたった(右図参照)。

で、漢和辞典をいくつか調べてみたところ、おおよそ三つの立場があるとわかった。

一つめは単に「裡」を「裏」の異体字とするもの、二つめは「裡」を「裏」の俗字とするもの、三つめは「裏」はもと「ころもへん」七画の「裡」とするもの。いずれにしてももともとは同じ字ということらしい。ちなみに「裏」は常用漢字表の訓読みは「うら」だけらしいが、「うち」と読むこともあるようだ。ただし今現在「裡」を「うら」と読むことは一般的にはなさそう。

これから二つのことがわかる。一つは、異体字は同じ字だと判断して異体字同士を勝手に入れ換えると意味合いが変化してしまうおそれがあること。もう一つは最初のとは矛盾しそうだけど、訓読みというのは中国大陸から来た異郷の文字に日本の言葉をあてはめたものだから、和語の漢字表記を厳密に考えるのはあまり意味がないかもしれないこと。

うまくまとまらないけど、まあ気分の問題が大きいんだろうなあ、こういうのは。


「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」を見る。

なんだか首一本だけの八岐之大蛇が成長して風来坊のケン(あさりよしとおの「宇宙家族カール・ビンソン」参照)になっていたような。

しかしヒロインの一人の名字が「比良坂」とはまたべたべただなあ。もう一人の依代少女の「草薙」に対抗したのか、あるいは『石神伝説』(とり・みき、文藝春秋)に敬意を表しているのか。みごと黄泉路より帰って千引きの岩を置くことができるのかどうかは映画を見てのお楽しみってことで。

あと、正体不明のCD-R(か?)をいきなり起動するのはやめたほうが>長峰

一応かぶってる話題は避けてみました>Yさん

圧倒的多数の敵に囲まれて以下略ってパターンはあれ以外でも古来ずいぶんあったと思うけど。まあ伊藤さんも苦しんだんだろうなあってあたりでごにょごにょ(フェードアウト…)。

99/03/16

無差別リプライ。

◆卒業
おくればせながら、ご卒業おめでとうございます。あとは定収入以下略。

◆プリンを焼いたような
商品名として「焼きプリン」てのもありますね。

まーもともと羊の肉を使ったから「羊羹」という名前だともいいますし、近ごろは串焼きがなじみぶかいネギマももとは鍋料理の葱鮪からでしょうし、コロッケとクロケットは違うともいいますし以下538文字省略。

◆くわばら
くわ‐ばら【桑原】クハ‥
(2)雷鳴の時、落雷を避ける呪文として用いる語。また、一般に忌わしいことを避けるためにも言う。雷神があやまって農家の井戸に落ちた時、農夫は蓋をして天に帰らせなかった。雷神は、自分は桑樹を嫌うから、桑原桑原と唱えるならば再び落ちまいと答えたとの伝説に基づくという。また、死して雷となったと伝える菅公の領地桑原には古来落雷した例がないのに因むともいう。(CD-ROM版広辞苑第五版より)

◆剣呑
けん‐のん【険難・剣呑】
(ケンナンの転という。「剣呑」は当て字) あやういこと。あやぶむこと。(CD-ROM版広辞苑第五版より)

◆母乳の出ない女性
新聞の投書欄に母乳が出ない女性もいることを理解してほしい旨の意見が掲載されてまして、なんでも産院ではほかの母親のように母乳を与えることができず情けない思いをし、粉ミルクで子供を育てていると知人にいったところ、その知人から「母乳が一番。粉ミルクの割合を減らしたら」といわれたとか。境遇には心からご同情申し上げます。

気持ちはわかるような気もするし、あせりのために育児ノイローゼ気味なのかもしれませんが、その知人にちゃんと事情を説明したうえでなおそのようにいわれたのだとしたら、相手が無神経なだけで気にするにはおよびません。

現実問題として、人間の赤ん坊を育てるには人間の母乳が営養面でも経済面でも一番いいそうで(最近は環境汚染やら食物汚染やらでそうでもないのかもしれないが)、ほかにも赤ん坊のあごの力を発達させたりいろいろ効用があるらしい。大大的に宣伝しないのは、単に宣伝してもだれも儲からないからというだけ。

母乳の出ない女性にはばかって母乳での育児を勧めないようにというのでは、これらのメリットを知らない人に不利益をもたらすことにもなりかねません。各人の事情はあろうけど、大所高所に立っていいものはいいと認める度量もお持ちくださいませ。

◆これでいいのか、にっぽんのうた
書評欄か何かで見かけたような気がしますが、近所の書店では見当たらず。

さはさりながら、とりあえずゲッターロボ・サーガに「がんばれ!ムサシ!!」が収録された暴挙、しかもあの展開の直後という勇気ある構成に拍手。

◆国歌
日本の国歌に「宇宙戦艦ヤマト」をというのはまたなかなかすばらしいご意見。でも、一部の人間には君が代以上の反撥を買ったりして。

ほかに具体的題名のあがった国歌候補としては「ふるさと」がありました。しかし、川で小鮒釣りはともかく、山でつかまえた兎を食べたらうまかったという思い出に共感できる日本人がどのぐらいいることやら。


ハリウッド版ガメラ想像図ガメラ三部作完結ということで、当分国産ガメラは望めないかもしれません。となるとゴジラのひそみにならってハリウッド版が制作されるかも(想像図→)。

時速500キロで地上を疾駆する亀なら、アキレスは亀に追いつけないというゼノンのパラドックスも納得できましょう。

99/03/23

今朝出社したら、会社の前の桜が蕾をほころばせて花びらを見せておりました。絵に描いたような花冷え。

気候のことはお天道さんの気分だからまああれですが、「ひがんのちゅうにち」を「悲願のドラゴンズ」と聞いてはなりませぬぞ(特定極小数向け)。


おお、週刊プレイボーイとは思わぬところで>インターネット事情に詳しいジャーナリスト様

あれぐらいの内容だと、電話インタビューか何かでしょうか。


日本サン・マイクロシステムズが4月1日からサン・マイクロシステムズに社名変更するそうな。世界共通の社名に統一することで同グループの持つグローバルな経営資源を有効に活用するということらしい。

で、英文名が Sun Microsystems K.K. だそうだから略称は SMKK かな。やりますねえ。


マッカー撲滅宣言を楽しく読んでおります。

内容もおもしろいけど、CSSの使い方がこれまたとっても美しい。MS-IE が好きではないかたも、一度このサイトを NetscapeCommunicator4.5 と MS-IE4 または MS-IE5 とで見くらべてみてくださいませ。ウェブの世界観が変わること請け合いです。

ところで、このサイトの以前の分に「本来、『百姓』というのは、『百種の作物を作ることのできる人』という敬称であったのですから。」と書いてあって、おや、と首をひねりました。「百姓」というのは「さまざまな名字」、すなわち「庶民」のことと読みかじっていたからです。

なんでこういう解釈が出てくるのだろうと不思議に思っていたら、図らずも出典と思われる文章に出っくわしてしまいました。現在中巻の半ば過ぎまで読み進んだ『吉里吉里人』(井上ひさし、新潮文庫)に、「ショーほどすてきな商売はない」の替え歌としてこんなのが。

百姓は百の作物ば作る、それだからこそ、
んだ、百ショーほど素敵な商売は無い。


99/03/24

そんなわけで、InternetExplorer5.0 日本語版を落として使ってます。早朝時間帯でダウンロードに30分強。

うーん、確かに表示が早い。こりゃいいや。

それから、表示されているサイトをファイルに保存すると同名のサブフォルダに画像ファイルが保存されるので、あとからオフラインで表示しても壁紙や画像がそのまま再現可能。気をつけないと HDD 容量が危険かも。

特筆すべきはインターネット・ラジオ。ウェブサイトを眺めながら好みの BG サウンドが聴けるってのは思ったより快適。そばにラジオを置けばいいじゃないかという声も聞こえそうだけど、それだと海外の局は聞けません。これで落語の局でもあれば一日中聞いてしまうかも(海外じゃやらないってば)。

ところが好事魔多しというやつで、なぜだかいろいろな局を選んでるのにつながるところが半分もない。以前起こった特定サイトへの接続不可能症状だろうか? それとも相手のサーバとの相性? あるいはインターネット事情に詳しいジャーナリスト氏(あ、やはり電話コメントでしたか)のたまうところのマシンの氏素性の問題?

いずれにしても、テクノロジーの最先端で起こる現象の最も納得のいく説明が「相性」「環境」果ては封建時代でもあるまいし「氏素性」ってのは、なんともほほえましいことではあります。おかげで当方話のネタに困りません(とほほ)。

かくなる上は我ら百姓(「庶民」の意味よ)、力を合わせて団結し、一部特権階級の支配を打破してプロレタリアート革命を断行すべし。友よ、夜明けは近い。

夢物語はこっちへおいといて、某インターネットラジオの放送局にあったボタンでラジオステーションガイドに行ってみると、ありましたありました。


Q2.インターネット接続事業者(ISP)経由でインターネットに接続しているのに、「"http://xxx.xxx.co.jp/radio/xxx.asx"が開けません。」等のエラーが発生して放送を聴くことができない。
(略)


ということで、無事いろいろなインターネットラジオを楽しむことができるようになり、一件落着。百石の思し召しは不要となりました(意味不明)。


桂枝雀さんが自殺を図って重体に陥っているそうな。

好きな噺家の一人なのでなんとか助かってくれることを祈っております。


雑誌『スコラ』が出版元の事業停止で廃刊だとか。

『スコラ』はどうでもいいけど、同じ出版社が出している『コミックBIRZ』にはともに夢枕獏原作の『餓狼伝』(板垣恵介作画)『陰陽師』(岡野玲子作画)が掲載されてまして、そっちの行く末が気になります。お願い、完結まで続けてちょうだい。

99/03/28

おととしぐらいに完結(実質的には誌面刷新にともなう打ち切り)したはずの『風雲児たち』(みなもと太郎、潮出版社)の新刊がでました。第30巻「外伝 宝暦治水伝」。

薩摩藩の弱体化を目論む徳川幕府により木曽三川の治水工事を自費で遂行することを命じられた薩摩藩士たちの苦難を描く物語で、薩摩側に記録が残っていないために詳細が最近までわからなかったのだとか。それでも薩摩藩士たちの業績は工事で恩恵を受けた地元住民によって語り継がれたのだそうです。

作者のみなもと太郎によれば、早く幕末へ話を進めるために切り捨てたエピソードの一つということで、ほかにも描きたいと思いつつ涙を飲んだ話がいくらでもあるそうな。機会があればそれらもどしどし発表してもらいたいものです。

主要登場人物300人の登場場面を網羅した巻末の「風雲児ダス」も労作。しかし、主要人物だけでこの数字‥‥。改めてこの漫画の偉大さに思いを致す次第であります。


最近ちょっと気になるのが「フェロモン」。生物学用語で、動物の体内から分泌されて、その化学的刺戟によってほかの固体に影響を与える物質のことですね。蟻や蝶が行列を作ったり、雌が雄を引き寄せたり、働き蜂が雌なのに卵を生まないのもフェロモンの影響だそうです。

これがどう気になるかというと、たとえば先日もある週刊誌が「SRS」最後の収録で涙ぐむ藤原紀香の写真を載せて、「こんな顔しててもフェロモン発散」とかタイトルをつけてる。

いくらグラビアとはいえ上半身全体がおさまった写真ではフェロモンなんて確認できるはずないのだから、この場合はどうも男をひきつける「色気」とか「媚態」、「雰囲気」といったものをさしているらしい。

確かにフェロモンは主ににおいによる刺戟でほかの固体に影響を与えるわけで、その中には雄を引きつける「性フェロモン」もあるのだから、その点から考えれば実際に匂いがするわけでもないのに「女の色香」なんて言い方をするのと同じ感覚なのかもしれません。あるいは「フェミニン」あたりと混同してるとか。

ただ、まあ実に個人的な話なのですが、「フェロモン」という言葉を覚えたのは小学生のころで、それも、一度使ったゴキブリ獲りを洗ってしまうと次からゴキブリが獲りにくくなるという雑誌記事。つまり、ゴキブリは通り道にフェロモンをまくから、それをつけたままにしておけば安心して通るというのです。蟻が行列を作る道標フェロモンのたぐいですね。

そんなわけで、私の頭には「フェロモン」→「ゴキブリ」という刷り込みがなされちゃっておりまして、件の記事にしましても「おのれ、藤原紀香をゴキブリ扱いしやがって」ということになってしまうのであります。

ですから、藤原紀香の記事やタイトルに「フェロモン」なんて言葉を使うのはできればやめていただきたい。

あるいは、例のゴキブリ記事で出てきたフェロモンと違うことがよくわかるように、「藤原紀香、こんな顔しててもフェロモン発散」とするとか。

99/03/30

朝日新聞がこのコーナーだけはいつもの無駄話をやめて本題を語っているコラム「閑話休題」の3月28日付の分でも「々」が文頭に来ていました。以前にもこういうことがあったところみると、朝日新聞ではこの文字を行頭禁則にしていないようです。


これも朝日関連で、asahi.com の3月30日付「天声人語」より。

(略)赤石沢寿(あかいしざわとし)彦(ひこ)・人事担当取締役(58)の話。


なんとも面妖な括弧書きですね。「あかいしざわとし」という名字に「ひこ」という名前なのでしょうか。ちなみに、朝日新聞紙面では「赤石沢寿彦」という部分に「あかいしざわとしひこ」というルビがふってあります。

で、同じコラムの後ろの方にこういう部分も。

16日、評論家瀬戸川猛資(せとがわたけし)さん(50)が死去。


単純に四文字だけを姓名としているわけでもないみたいです。もっとも、「瀬戸川猛(せとがわたけ)資(し)さん」ではあんまりですが。

いったいどういう基準なんでしょう。謎。(続き


Yさんの情報により『月刊コミックアフタヌーン』をチェック。たしかに「宇宙家族カールビンソン」(あさりよしとお作)復活のようです。ただし今度のタイトルは「宇宙家族ロビンソン」の原題「LOST IN SPACE」のもじりになってます。

以前、SF大会スタッフの会合だったかで、「宇宙家族カールビンソン」を連載していた『月刊少年キャプテン』が休刊してから「ワッハマン」(あさりよしとお、講談社)のストーリーが暴走を始めた、と指摘する人がいました。きっと「カールビンソン」があんな形で打ち切りになったからやけくそになっているんだという推測でした。

しかしこうなってみるとあの暴走は「カールビンソン」再開のためにまだ続ける予定だった「ワッハマン」を早めに切り上げた、とも深読みできます。まあ単に「ワッハマン」に集中できるようになったからだらだらペースが改善されただけとも解釈できますが。

なにはともあれ、コロナやおとうさん、おかあさんと再会できるのは喜ばしい。この上は風来坊のケンが何本もの鞭を振り回す姿を早い機会に見たいものです。

そういえば、『少年キャプテン』連載分の「ガメラ2」のオマージュがそっくり単行本未収録だったっけ。「ロスト・イン・ユニバース」単行本化の際には併せて収録希望。


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp
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