とぜんそう2001年6月分

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01/06/03

映画「パール・ハーバー」のアメリカ本国での公開にあわせたのか、Combat Flight Simulator 2の追加ソフト真珠湾攻撃Twilight Expressから発売されたそうです(ネタ元剣酢漿草旬記6月1日分)。

ミッション一覧を見るとなんと「第ニ次攻撃隊制空隊 進藤三郎大尉」が。先日書いた零戦初空戦を指揮したというあの人です(名字が間違ってました。すみません)。

何度か読んだり紹介したりしてるうちにすっかり知人のような気分になってしまってるので、さっそく追加ソフト「真珠湾攻撃」を手に入れて進藤三郎さんのミッションをちょっと試してみたのですが、とってもいけません。

ミッションの目的は「生還」と「迎撃機1機撃墜」なんですけど、第一次攻撃隊の1時間後ということで米軍はすっかり臨戦態勢、迎撃機は旧式の P-36A 戦闘機でたいしたことはないはずなのに、対空砲がものすごい。迎撃機を撃墜する前にあっさり自分が墜とされてしまうこと二度、あきらめて「鹿児島湾 浅海面雷撃訓練」だけ成功させてから「キャンペーン」の続きに逃避してしまいましたとさ。

もう少し腕を磨いてから挑戦することにします。

で、映画「パール・ハーバー」ですが、功罪はいろいろあるでしょうけどたったひとつ間違いなく「功」になるであろう点は、日本が過去にアメリカと戦争したと知らない人がいくたりかは減りそうなことでしょうか。


【くろがね日記】
「ガスマタでのミッチェル砲撃」作戦に挑戦し続けること約3週間、本日ついに B25ミッチェル爆撃機3機を撃墜してミッション完遂。

途中気分を変えるために弟の摩陣河 具礼人に出撃してもらって「零戦で驚かせ」作戦をやってみたが、どう考えても「ガスマタでのミッチェル砲撃」作戦のミッチェルと同じ性能とは思えない。『零戦最後の証言』(神立尚紀、光人社)でも宮崎勇さんがこんなエピソードを紹介している。

ドーリットル陸軍中佐が初めて日本本土に飛来、B25で東京、横浜、名古屋、神戸を急襲して飛び去ったときにたまたまでっくわしたものの、味方陸軍の双発機が試験飛行してるから気をつけるように言われたばかりに見逃してしまい、「あれはくやしかった。味方の双発機が飛行中、なんて聞かされてなかったら、あのまま追っかけて必ず墜とせたのに。B25っていうのは、その後マーシャルで毎日のように来てましたが、必ず墜とせる飛行機なんです。残念でたまらんかったですよ」。

愚痴はさておき、その後ふたつばかりのミッションをこなしたところでようやく中尉に昇進。付属の『パイロット マニュアル』によればだいたいミッション5つぐらいで昇進するものだそうだが、今回の昇進はちょうど10ミッション完遂後。時間の節約のために着陸をワープ機能で省略しているせいだろうか。

ちなみに山本長官は自宅では少佐まで進んだところで「教官として内地に転勤」命令をくらってしまったそうである。

01/06/12

NHK 総合テレビ『プロジェクトX』は大ネタ「H-2ロケット」の後編。

なるほど、夏に打ち上げの H-2A ロケットの前宣伝だったのね。にしてもやっぱり最初の打ち上げ成功には感動。

来週は「広辞苑」か。かならず見なくちゃ。


『市販本 新しい歴史教科書』(西尾幹二ほか13名、扶桑社)捕獲。

今年の検定教科書が一般の人の目に触れない状態なのに、中身を知ることのできる新聞などが一方的に批判を繰り返すのは不公正だから、広く国民一般にも内容を読んでもらったうえで判断を仰ごうという趣旨の本らしい。朝日新聞あたりが折に触れ機会を見つけ時にはぜんぜん関係ない話にまで結びつけて批判を繰り広げるものだからか宣伝効果抜群、近所の書店でも平積みでした。

朝日新聞ではさっそく「扶桑社版歴史教科書の市販はルール違反だとする人たちの集会」を記事にしておりましたが、こういう展開を見ると「ルール違反」はどっちだろうと思っちゃいますね。国民は新聞記事やテレビ・ラジオニュースだけで判断せよと言いたいわけでしょうか。たとえば外務官僚側のリークを裏もとらずにそのまま流すだけの報道機関のみが判断材料というのはちょっとご勘弁。

細かい取り決めは知りませんけど、「問題がある」とだけいわれても現物を見ないではいいとも悪いともいえないので、少なくともこの出版については私は賛成です。読んだ結果、再修正の要ありと考えることになろうとも。


【本日の疑問】
朝3時に起きて車で往復7時間・現地作業8時間などという出張をこなしつつ、現場でふとグリスの罐を見ると“2.5 Kilograms”の文字。

重さの単位に複数形があることをこのとき初めて知ったのですけど(普段は“kg”だし、日本語は単数形・複数形にそれほど頓着しないし)、ここでわからないのが“Kilogram”と“Kilograms”の使い分け。

1kg は問題なく単数形だろうし2.5kg ならまあなんとなく複数形でいいんだろうなあとは思いますが、じゃあ0.5kg や0.1kg はどっちなんだろう? 小数点以下が1以外で終わってるとき複数形であるのなら、1.1kg は?

そもそも重さを単数や複数で分けるのにどういう意味が?(そういう問題ではない)ひょっとして長さもそうなのでしょうか? そういえば1ft は“1foot”で2ft は“2feet”だっけ。じゃあ1/2ft やら1 1/4ft は?

考えてみたってどうなるものでもないので寝よう。

01/06/15

『日本海軍に捧ぐ』(阿川弘之、PHP文庫)読了。

適性国語を口にするなと国是の如く言われていた時代、海軍予備学生に採用が決まったときの教育隊長の訓辞第一声が「ネイビーはスマートネスを以てモットーとする」であったことを驚き、また救いと感じた著者の、海軍への愛着および愛着ゆえの批判などを込めた文章をまとめた本。傑作。

奇跡といわれたキスカ島撤退作戦を第五艦隊側の視点や気象面から描いた「私記キスカ撤退」や真珠湾攻撃を飛行機撮影で再現した「二十八年目の真珠湾」もすばらしいが、特に気に入ったのは、軍艦の写真集にこと寄せて海軍時代の上司や戦友などを想起する「水蟲軍艦」、書簡の中の謎の書名について書かれた「山本聯合艦隊司令長官閣下」、特攻隊員の文章を集めた本への感想文「『あゝ同期の桜』に寄せる」など。ほろりとしたり笑ったり手に汗握ったりと、品揃えも豊富で飽きさせません。

多くの人に読んでもらいたい本。


『零戦最後の証言』(神立尚紀、光人社)読了。これもおもしろい。


きょうの朝日新聞「天声人語」によると、「情けは人のためならず」を「情けをかけるのは相手のためにならない」の意味だと答える人が「人に情けをかければそれが回り回って自分のところへ帰ってくる」と答える人を上回ったとか。

言葉は多数に従うの法則でいくと、もはや「情けをかけるのは相手のためにならない」の方が正しい意味のような気がしますが、まーそういう人はたぶん「情けは人のためならず」なんて表現はつかわないでしょうからまだしばらくは安心。問題はつかう人がいなくなったあとでしょう。脚注に堂堂と書かれたりしてね。

01/06/17

図書館で朝日新聞夕刊を眺めていたら、毎週火曜日にプロ野球のこぼれ話を紹介するコラムが連載されてました。その名も「閑話題」。いうまでもなく、あのタイトルの付け方も含めて評判の悪かったコラム「閑話休題」と同じ意味合いで「ここらでちょっと無駄話」のつもりなのでしょう。

おとといの「天声人語」で正しい意味がどうこう言いながら裏ではこんなことをやって誤解を広めてるんですね。


扶桑社の『新しい歴史教科書』を批判した本があったので、読む上での参考になるかと思って中をのぞいてみたのですが、目次だけで放棄。

江戸時代の「徳川家斉は40人の妾を持ち、55人の子どもがいた」の記述に対して「女性を男性のおもちゃだと中学生に教えるつもりか」みたいに批判しておいて、そのあとで「従軍慰安婦の記述がない」と文句をつけてるんですけど、従軍慰安婦がどういうものかを教えるってことは以下略。

どっちも書くな、あるいは、人権問題として江戸時代の女性はこんな扱いを受けていたと書けって話だったらわかるんですが、なぜこのふたつについて片方は載せるなこっちは載せろと見解が分かれている(ように目次からは読める)のか理解できない私でした。


あーそうでしたっけ>『日本海軍に捧ぐ』解説の人>剣酢漿草さん

その番組は見てましたけど、解説者は全然覚えてません。


がむばれー>CFS2>イノケンさん

たとい購入動機は不純であろうとも(これ)。

01/06/22

今世紀初の皆既日蝕とかいうことで、朝日新聞もこれを第1面で取り上げていましたが、見出しが『今世紀初「見えた」』。

皆既日蝕なんだから「見えなくなった」が正しいのではなかろーか。


同じくきょうの朝日新聞の投書欄。先日「天声人語」で取り上げていた「情けは人のためならず」に関して50歳の主婦のご意見が紹介されておりました。

このご婦人、「情けは人のためならず」は最初から本来の意味で用いられていたのかどうかに疑問を呈し、歴史の流れの中で意識や価値観が変化して意味が変わっていったとは考えられないだろうか、と論を展開していきます。

そして、過半数の人が「助けてやることはその人のためにならない」と理解しているのは、単に意味を取り違えているというよりそう理解する方が自然と感じる人が増えたということではないか、として以下のように結論づけています。

「人への情けは自分のため」というなれ合いの社会から、ドライだけどお互いを尊重する社会へと変わりつつあるのかも知れない。


たんに文語の読めない人が増えただけのことからここまで誤解を深めることが可能だなんて、人間の想像力というのはすばらしいものですね。

想像には想像で対抗を試みると、おそらくはこのご婦人も本来と違っている方の意味だと思っていたので、そのように思ったのは自分のせいではなく社会に原因がある、と考えたかったのかも。

念のためにメモしておくと、「情けは人のためならず」の「〜ならず」は「悪法もまた法なり」「時は金なり」「事実は小説より奇なり」などの「〜なり(〜である)」の否定形、つまり「〜ではない」の意味。

したがって「情けは人のためならず」はまんま「情けは人のためではない」であり、時代や社会情勢で意味が変わることはありえません。戦後になって文語が否定され、廃れてしまったために誤読されやすい時代や社会情勢になったというのはあるかもしれませんが。


あらー、腰痛ですか。おだいじに>朋輩

01/06/27

【遙かなりブロードバンド】
ようやく当地でも NTT のフレッツ ADSL の予約受付が始まりました。もっとも、フレッツ ISDN 開始から半年足らずで、かなり急な方針転換であることがうかがえます。

噂では6月ぐらいにはケーブルテレビのインターネット接続サービスが始まるということだったのにその気配もなく、ほかに選択肢はありません。サービス開始まで時間がかかると断ってはあるもののとりあえず NTT 西日本のサイトから申し込み。

ほんとに時間がかかるらしく、フレッツ ISDN のときみたいに「開始希望日」を記入する欄がない。そのわりに、必要事項を記入して「送信」すると「開始希望日にサービスを開始することはできないかもしれません」などと表示される不思議。それはそれとしてそれ以外に、いつ始められるかわからないために予約受付とさせていただきます、とか書いてあるのだから事態はかなり深刻なようです。

雑誌などによると ADSL モデムのためのチップが不足しているのが原因のようで、平均3ヶ月待ちという情報もあります。まもなくそれも解消する見込みという期待のもてそうな記事も。

とりあえずは NTT からの連絡を待つしかありません。とほほ。


ニュースを見ていたら「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソン死去の一報。

私はテレビアニメしか知らないのですけど、トーベ・ヤンソン自身はアニメ版について「あれはバリエーションにすぎない」みたいなことを言っていたようです。

なんにしてもご冥福をお祈りします。


『ガンダムエース』(角川書店)、
『コミック伝説マガジン』(実業之日本社)など。

『コミック伝説マガジン』の「プロレスヒーロー列伝・力道山」(原田久仁信/原康史)は『プロレススーパースター列伝』(梶原一騎/原田久仁信)の再来となれるのか、期待したいと思います。


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp