とぜんそう2001年5月分

前月分背番号次月分
01/05/05

『零戦最後の証言 II』(神立尚紀著、光人社刊)読了。

数年前まで写真週刊誌のカメラマンをしていた著者が、オリジナルエンジンで唯一飛行可能な零戦五二型がアメリカから里帰りして竜ヶ崎で P51ムスタングとともに飛んだショーを見に行って元零戦パイロットと出会ったことから、彼ら零戦パイロットたちの戦中・戦後・現在をまとめようとしてできた本の第二弾。

日本人初の敵機撃墜を達成した人、零戦最初の戦闘を指揮した人、戦後幼児教育に身を捧げた人、22機撃墜を記録しながら自身にもその機体にも一度も被弾したことがなく、教官時代予備学生から「零戦の神様ゼロファイターゴッド」と呼ばれた人などなど、さまざまな人生が豊富な写真とともに紹介されています。

ひとくちに零戦パイロットといっても、戦争を繰り返さないために自分の体験を世に広めようとする人、戦争や戦闘について語りたがらない人、自分が撃墜したりされたりした相手のパイロットとの再会を果たした人、と各人各様の考え方を持っていて、そのあたりの心情を読むのもまた本書の味わいのひとつです。

戦争と人間、戦争と日本人について考えるきっかけを与えてくれる本。


【零戦日記】
ミッドウェー島への爆撃を護衛する任務で出撃。

まずは敵飛行場へ機銃掃射して対空砲を牽制、続いて現れた迎撃部隊と交戦してこれを殲滅。作戦は大成功で自身も1機撃墜、帰投後には表彰を受けて海軍刀まで拝受した。

が、なんとしたことか突然内地で飛行教官になるようにとの命令を受けた。どうやら任務の達成率が悪いために左遷ということらしい。

ということで戦地や戦友に心を残しながらも前線を撤退することに。同時に冷泉はやとの「零戦日記」もこれにて一巻の終わり。皆様ごきげんよう。

01/05/06

近所の書店に講談社漫画文庫版の『紫電改のタカ』(ちばてつや著、全4冊)があったので購入。

読んでみると、零戦初戦闘にも参加した白根少佐やら紫電改部隊である三四三空の指令・源田大佐や隊長・菅野大尉、列機を一度も失わなかったことでも有名な零戦の撃墜王・坂井三郎などの名前が。

ちなみにこれらの名前は『零戦最後の証言 II』(神立尚紀著、光人社刊)にも登場しておりました。ちばてつやって凝り性なのかそれとも案外マニアだったのか。

ただ、『零戦最後の証言 II』にこういうくだりがあります。

 人々の記憶が遠くなるにつれ、たかだか五十数年前の歴史が、実にいいかげんに一人歩きを始めているようだ。実在の人物を作者の想像で、史実を曲げて勝手に活躍させる架空戦記などは論外だが(しかし、こういう小説に実名を出された人たちは皆、困惑の色をかくさない)、一見、まっとうな戦記の形をとっている本でも、他人の著作の明らかなパクリ、古い不正確な記事の使いまわしなど、著者が実際にきちんと取材していないことが見え見えのものが多い。


まあ昭和三十年代の少年漫画にこういったものを求めるのはヤボの極みではありますが、坂井三郎が日本アルプスの山奥の隠遁生活者に主人公を預けて修行させるあたりはちょっとね。『ちかいの魔球』でも使った実在の有名人を登場させることで箔をつける手法かもしれません。

もっとも、解説によれば「源田実(ママ)、坂井三郎といった実在のヒーローが登場し、同じ六三年に封切られた東宝映画『太平洋の翼』の舞台にもなった松山三四三航空隊の活躍が描かれたりするあたりに、戦記まんがとしてのリアリティーがあった」そうですから、零戦ではなく紫電改をとりあげたりしたことも含めて当時としても異色戦記漫画ではあったのでしょう。


【くろがね日記】
冷泉はやと少尉の突然の前線撤退のため、代わって前線に送られた飛行隊「くろがねの城」の摩陣河 絶人少尉だ。冷泉少尉の左遷という結果を糧として今度こそ鬼畜米英に目にもの見せてくれる。なに、敵機襲来? まわせー、摩陣ゴー(意味不明)。

とはいうものの緒戦は山間部での低空格闘戦に手こずったうえ対空砲でかなりやられてしまったのでやむなく敵迎撃機1機の撃墜のみで撤収。いきなりミッション達成率50%である。これはまずい。

さらに次の護衛なしの爆撃機襲撃では、すれ違いざまに被害を与えることができずに画面に「作戦失敗」の表示。すこぶるまずい。

そこで、遠ざかる爆撃機を執拗に追って敵機銃で被弾しながらも1機を撃墜。僚機も合計3機を墜としてから帰投したところ、「敵の攻撃を遅らせることに成功した」として達成率100%。

そして3回目の出撃は敵12機編隊との格闘戦。エアラコブラ1機を撃とすあいだに味方機が残りのほとんどを片づけてしまった。目的は2機撃墜なのにとてもまずい。

しかたなく先頭空域から脱出した敵機1機を追いに追い、ようやく敵飛行場上空でこれを撃墜、達成率100%をもぎとった。そこまでする馬鹿がいるとは思っていなかったのか、対空砲の攻撃もなし。

惜しむらくは俺を追ってきた僚機がエアラコブラの餌食になってしまったことだ。しかし戦争に犠牲はつきもの、冥福を祈りつつも明日も戦いは続く。

01/05/07

海軍迎撃隊」(エアロシム)を探しに行ったついでに調子に乗ってCombat Flight Simulatorまで購入。ますます深みにはまっているようです。

で、このCombat Flight Simulatorに附属している『パイロット マニュアル』の「飛行の前に」にはいみじくもこんなことが書かれています。

(略)しかし、未熟な操縦技術では、滑走路から飛び立つ前に戦死者の数字を1つ増やすことになるかもしれません。


じつは以前にも書いたとおりジョイスティック・サイドワインダー フォース フィードバック 2を使うと離陸時に操縦桿が激しく振動するのですが、このとき機体の方向も変わってしまうことがあるのですね、結果、離陸のための加速中に兵舎や塹壕などにぶつかってあえなく戦死。

フォースフィードバック式のジョイスティックを使えば当時の滑走路の未整備状況を振動で再現できる、などとも書かれているのですが、ここまで忠実にやらなくても。


【くろがね日記】
珊瑚海に敵空母2隻を確認、これを爆撃せんとする味方機の護衛のために出撃。

自身敵機2機を撃墜、僚機も1機、残り数機を味方のほかの編隊が片づけ、敵空母への爆撃も成功裏に終わる。作戦大成功である。

さらに空母に帰還してみると、戦功を称える金鵄勲章まで拝受。自分の戦いが評価されていると思うとやりがいがあるものだ。これからも精一杯やるぞ。

01/05/08

Combat Flight Simulator 2の『パイロット マニュアル』を読んでいたら、「栄誉の殿堂:アメリカ軍のエース」の中に「エドワード“ブッチ”オヘア」という名前が出てきました。米空母レキシントンが9機の一式陸攻から攻撃を受けているときワイルドキャット1機で立ち向かい、そのうち5機を撃墜したのだそうです。

戦功はともかくもなんだか聞き覚えのある名前だなと思ったら、最後にこうありました。

シカゴのオヘア国際空港は、彼の名にちなんでつけられたものです。


シカゴの摩天楼群聞いたことがあるのも道理、帰国直後の水害でどたばたしていて書けなかったのですが、じつは去年の9月にシカゴに行ってきたばかり。乗った飛行機が着陸したのがまさにオヘア国際空港なのでした。

ちなみにシカゴ航空局のサイトにあるエドワード“ブッチ”オヘアの紹介ページでは件の一式陸攻との交戦の様子の一部を動画で見ることができます。

SUE の全身骨格(重すぎるため頭部のみ模型)いちおう研修旅行だったのですが、自由時間を作ってガイドブックを頼りに同僚たちとフィールド自然史博物館に行ってみると、ティラノサウルス・レックスの“SUE”が出迎えてくれました。せっかく発掘したのに私有地だったので土地所有者に没収された曰く付きの化石です。競売にかけられてアメリカの博物館が落札したのは知っていたのですが、まさかここだったとは、と思わぬ出会いに感激。

この博物館にはほかにも哺乳類型爬虫類のエダフォサウルスやディメトロドン、おなじみの恐竜トリケラトプスや翼竜プテラノドンなどの化石も展示されていて、その充実ぶりにも驚きました。

もっとも、恐竜関連商品を集めたコーナーのビデオで流れていたのが「ゴジラ対メガロ」だったのはご愛敬ですが。

これが噂のテレタイプことのついでに空港で見かけたテレタイプもご紹介。通信規格やら文字コードやらで名前はよく知っているものの実物を見たのはこれが初めて。

左の受話器をあげて相手先に電話をかけたあとキーボードの上の音響カプラーに受話器を置き、キーをタイプすると相手先のプリンタに文字が打ち出されるものと思われます。

01/05/09

ご入院だとか。お大事に>下忍さん

ご病状がご病状なので退院後にはきっときっとイメチェンしたお姿を拝見できると楽しみにしております(ぉぃ)。

病室でジョイスティックを使っての CFS2は難しいかもしれませんが、ノートパソコンでもテンキーパッドをつければ操縦可能ですし、CFS ならマウスでもいけるそうですから、ぜひお試しください。激しい空中戦で思い切り体を動かせば減量にもよい方向に働くかもしれず。

元気にお戻りになるのをお待ちしてます。ではでは。


【くろがね日記】
我が飛行基地を毎日米爆撃機が空襲しているらしい。しかもたいした手向かいもできないと高をくくって護衛機も引き連れずに、である。ここは一番、我が軍に零戦ありと思い知らせるためにも痛い目にあってもらおう。

飛行場を発進したときにはすでに彼方に敵機影が見えていたので、すぐさま高度を上げるも上がりきらず、ハイサイドアタックならぬローサイドアタックで斜め下から撃ち上げたところ、爆撃機1機があっという間に炎上。猛煙の中、もう1機にも機銃を浴びせると、これもたちまち墜落した。今回の目的は爆撃機2機撃墜と生還なので、すでに目的の半分以上を達成したわけだ。

それでも手をゆるめずに敵機を追い散らしていると、好事魔多しとはこういうことを言うのか、編隊僚機が3機も落とされてしまった。頼りになる奴らばかりだっただけに残念である。

戦闘はますます激しくなる一方。今後を思うと暗澹たる気持ちになってくる。

01/05/11

【零戦日記】でおなじみの山本長官がついにCombat Flight Simulator 2を購入。病膏肓にいるというやつで、まずはめでたし。

さっそくインストールしようとして動作環境を確かめると必要メモリが128MB、マシンは96MB なのでちと足りない。以前、動作メモリを無視してソフトを動かしたところ HDD を破損したとかで、昨夜はおあずけ状態だったらしい。

きょう帰りにメモリを買いに行くといってたからいまごろは南の空の上か。健闘を祈る。


【くろがね日記】
ポート・モレスビーの敵基地爆撃を護衛。

山地越えの途中に現れる敵機を追い払ったものの、いつもなら出るはずのワープサイン(「次に進むには X キーを押す」)が出ない。どうやらワープゾーンを外れたらしい。やむなくウェイポイントへの航路と味方爆撃機の進路を頼りにニューギニア南東部を横断。

ポート・モレスビーでは自身で迎撃機2機を撃墜、二番機も同じく2機撃墜、爆撃は成功して護衛任務も全うできた。次はミッドウェー島を攻撃だ。

山本長官の方は山間部の敵基地爆撃を護衛。飛び上がってきたエアラコブラと空戦状態になったところに電話(飛行機無線のことではない)。やむなく摩陣河 絶人の背後霊が「代撃ち」、2機を撃墜した。

この作戦終了時点で山本長官の撃墜数は13だが、そのうち2機は別の背後霊によるものであることを忘れてはならない。

01/05/13

【「『篠』原」問題再燃】
本人が「竹」+「条」のほうの字を柔道着に書いていたことでいったんは解決したかに見えた柔道の篠原選手の表記ですが、先日見た柔道の試合では「竹」+「條」のほうの「篠原」と書かれた柔道着を着ておりました。

で、きょう図書館で古新聞をチェックしていたら、なんと朝日新聞もいつのまにやら「竹」+「條」の「篠」を使っているではありませんか。

本人が表記を変更したのに合わせたのでしょうか。謎は深まるばかり。


【くろがね日記】
ミッドウェー島を襲撃。

目的は飛行場を爆撃して使用不能にすること。戦闘機も機銃掃射で滑走路をずたずたに。高射砲に何発か当てられたものの、迎撃機を撃墜して任務完了。

続いてソロモン方面の哨戒任務。

基地を飛び立ってしばらくすると3隻の敵哨戒艇を発見したのでこれを撃沈せよとの命令。さっそく機銃と機関砲で攻撃してみたものの、これがなかなか当たらない。海面すれすれまで降下し、銃弾の上げる水しぶきが艇に近づいていってあと少し修正すればという頃にはもう上昇しないといけないのだ。

30分以上かけてようやく僚機2人が1隻づつ、自身が1隻片づけたと思ったら、今度は3機の偵察機出現。軽く1機を撃墜して安心したところを後ろから撃たれて被弾。操縦系をやられて旋回や上昇下降が思うに任せない。やむなく僚機に救援を頼み、残り2機を撃ち墜としてもらった。

ほっとしたのも束の間、敵哨戒艇が1隻逃げようとしている。これを撃ち漏らしたら敵はますます嵩にかかって偵察機や紹介艇を繰り出してくるだろう。かといって思うように機を操れない状態では如何ともしがたく、位置を示して僚機に撃沈を指示。

幸い高度は維持できるので待つことしばし、何度目かの水面への機銃掃射でこれを屠って任務完了。傷ついた愛機を騙し騙し帰投したが、今回ほど僚機が頼もしく思えたこともない。いい部下に恵まれたものだ。

01/05/21

朋輩の薦めで『大空のサムライ』(坂井三郎著、講談社+α文庫、上下巻)購入。

じつは大きな文字では書けないのですが、『大空のサムライ』は光人社から出ている「豪華愛蔵本・著者直筆サイン入り」を積んでありまして(ぉぃ)、今読んでいる『零戦 最後の証言』(神立尚紀著、光人社刊)が終わったら取りかかろうと思っていたものの、朋輩から愛蔵本は保存版にすれば、との意見をいただいて廉価版を入手したものであります。

で、書店で探してみると、廉価版は最近出た講談社+α文庫版のほかに光人社 NF 文庫からも出ておりました。講談社版が『大空のサムライ』を上下分冊にしているのに対して光人社版は1冊にまとまっているうえ、『続・大空のサムライ』などの続編も同じシリーズでそろっています。値段的にも講談社版の上下巻+αで光人社版の正・続が買える。

ただ、後出しの有利で講談社版には「坂井三郎出撃記録」やら写真・用語解説なども追加されているし、活字が光人社のものより若干大きい。さいきん目が疲れているのでこれはなかなか魅力的。

さんざん悩んだあげく(およそ10秒)、講談社版にしてしまいましたが、情報量対価格を考えると光人社にしとけばよかったかなあ。


【くろがね日記】
今日で1週間以上「ガスマタでのミッチェル砲撃」作戦で足止めを食っている。

8機の B25ミッチェル爆撃機を迎撃するのだが、ミッチェルがちょこまか進路を変えるので狙いがつけにくいうえ反撃が激しく、下手をするとすれ違いざまに操縦不能に陥ってしまうし、一旦逃すと追いつけないどころかどんどん引き離されてしまう。

ちょっと前の「零戦で驚かせ」作戦ではミッチェル2機同時撃墜をやってのけたものだが、今度は単独で3機撃墜が目的なのでなかなか厳しい。

一度など、1機目を墜としたあと2機目が炎上を始めるまで攻撃したところを僚機に横取りされ、しかたなく爆撃目標地点までミッチェルを追い続けてやっともう1機墜としたものの残りには逃げ切られてしまった。

あのとき僚機が手出しさえしていなければとっくに終わっていたとは思うものの、とっとと仕留めていればそんなことも起こらなかったわけだからおのれの未熟さを反省すべきなのだろう。

どこまで続く泥濘ぞ。

01/05/22

ZAKZAKによると、ディズニー映画「パール・ハーバー」の日本公開版のせりふが興業への影響をおそれて一部削除されるそうです。以下その記事より。

 22日付の英大衆紙サンは、米ウォルト・ディズニー社製作の真珠湾攻撃を題材にした大作映画「パール・ハーバー」の日本公開版で、日本人の感情に配慮し終幕近くのせりふの一部が削除されると報じた。

 「米国が真珠湾の米艦隊への日本の卑劣な奇襲からどう反撃し戦争に勝利したか」をヒロイン役の英女優ケイト・ベッキンセールさんが語る部分という。
(略)
 「パール・ハーバー」は第2次世界大戦下のハワイ島を舞台に、若者たちの愛と友情を描いた作品。日本では7月から公開予定。


削除されたのはきっと歴史を歪曲している部分に違いない(ぉぃ)。

01/05/25


朝日ソノラマから文庫で出ている「水木しげる貸本漫画傑作選」の第3巻『墓場鬼太郎(3)霧の中のジョニー ないしょの話』を購入。

どちらものちに『週刊少年マガジン』で連載された「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの下敷きになったエピソードで、「霧の中のジョニー」が「吸血鬼エリート」、「ないしょの話」が「大海獣」に改作されています。

とはいっても「霧の中のジョニー」→「吸血鬼エリート」は時代背景を『少年マガジン』掲載時の時代背景に変更し(池田総理が佐藤総理に変更されていたと思う)、あとは吸血鬼の名前が「ジョニー」から「エリート」になっているぐらいで大筋は同じ。

いっぽう「ないしょの話」→「大海獣」のほうは、たとえば「ないしょの話」ではほとんど出番のない鬼太郎が「大海獣」では鯨神に変身するなど登場人物の役どころが大きく変わっています。おまけに怪獣ブームに乗っかったような感じの「大海獣」と違って「ないしょの話」はほとんどメルヘンの世界というか、なんかほのぼのといい話になっています。

『ゲゲゲの鬼太郎』の「大海獣」を覚えている人は必読。


【ニイタカヤマノボレ】
なるほど、削除されるのはそういったせりふでしたか>朋輩

なんというか、住宅密集地をねらった東京空襲やら非戦闘員を巻き込むことを織り込み済みの都市への原爆投下を実行した国とも思えない「配慮」だなあ。というか、それらの行為の正当化だったり。

いま『日本海軍に捧ぐ』(阿川弘之、PHP文庫)を読んでいるのですが、その中に「二十八年目の真珠湾」という一文が収録されています。昭和44年にハワイを訪れた著者が、米軍の許可を得て日本軍の真珠湾攻撃と同じコースを飛んで写真を撮ろうという企画。

米軍のほうは、撮影されると困る場所があるのでそこを指示する監督官を同乗させるなら許可する、と至って寛容。もし日本軍があの戦争に勝っていたとして、自分たちが緒戦で大打撃を被った場所を撮影させてくれと言われてはたして許しただろうか、なんてことも書いてあったりして。

ちなみに飛行機を操縦したのは映画「トラ、トラ、トラ!」に出演し、零戦の再製機を操縦して真珠湾の上を何度も飛び回った経験者。飛行中には映画で使った飛行帽やマフラーなどの小道具も見せてくれたそうです。

その中にこんな部分が。

 以前アメリカ人は、「リメンバー・パール・ハーバー」だの「真珠湾のだまし討ち」だのという言葉をよく口にしたが、現在米海軍発行の「真珠湾案内」を読んでみると、「日本の奇襲攻撃」(The Japanese surprise attack)とは書いてあるけれども、sneak attack(卑劣な攻撃)とか treacherous attack(裏切り攻撃、だまし討ち)とか言う言葉は一つも使っていない。そこには彼我両国の国民感情に対する慎重な配慮がうかがえる。(略)


公式文書とは比ぶべくもありませんが、アメリカで見た空軍基地での航空ショー「航空機の歴史」では零戦だけは数機飛ばしたうえ急降下にあわせてドラム缶を爆破したりの演出を加えて「日本は卑怯な方法でアメリカの領土を攻撃した。アメリカは正義のために立ち上がった」などとアナウンスしてたりしましたので、根底にはそういう意識があるんでしょうね。

「戦後」未だ終わらず。

01/05/26

で、その映画「パール・ハーバー」ですが、昨夜のチャットで零戦の色がおかしいとの情報をいただいたのでさっそく予告編を確認。

なるほど、たしかに機体が深緑色。ほかにも、あれはもっとあとに作られた52型だという情報もあり。

01/05/28

その後の情報によると、映画「パール・ハーバー」の零戦は現存している実機を飛ばしたとのこと。それなら塗装や型式が真珠湾攻撃当時と違ってても納得がいきますね。御教授感謝>丸ちゃん

ついでに遅まきながらご結婚おめでとうございます。

英語版予告編は当方の通信環境拙劣のため、画面はモザイク状態、音声は雑音状態で内容がつかめませんでした>朋輩

まーまともに聞こえたとしても字幕なしの英語では以下略。


先日喫茶店でコーヒーをすすっていたら、近くの席から以下のような会話が聞こえてきました。メンバーは五十前後の男性ひとりと四十代ぐらいの女性ふたり。なにかの会合帰りみたいです。

「うち、犬を飼っててね」
「へえ、どんな犬ですか?」
「ザッシ」
「ザッシュ?」
「ザッシ。ザッシュかな。いや、ザッシュとも違うな」
「変わった犬なんですか?」
「えーと、ザッシュってどういう犬だっけ?」
「ザッシュはふつうの犬のことでしょ」
「じゃあザッシュとはちょっと違うな」

なぜだか急にめまいを覚えてそのあとの会話を聞き漏らしましたが、言葉って私が考えているほど窮屈なものではないのかもしれません。


きょう部署内の回覧を見ていると、ある商品のワープロ打ちの説明書にこういう注意書きがありました。


危険ですので赤ちゃんや小さいお子さまの手の届かないところに置かないでください。


去年空港で時間待ちをしているときに目の前を通り過ぎた若い女性が携帯電話に向かって「も〜頭にきちゃう。問い合わせてみても『当方ではわかりかねません』なんていうのよ」としゃべっているのを聞いたときの感覚を思い出したりして。

否定表現は使わないに越したことはありませんね。

01/05/29

はいはい、映画「パール・ハーバー」に出てくる日本軍は屋外に陣幕を引いて軍議を催しているという噂はどこかで読んだか聞いたかしております>朋輩

で、このまえ読んだ朝日新聞には、米軍の空母上で試写会を開催したことについて尋ねられた米軍の担当者が「あの映画は史実に忠実に軍隊を描いていたから協力した」みたいな内容のコメントをしたと書かれておりました。真珠湾攻撃って屋外の軍議で決めたという史実があるわけね。

どうせなら山本五十六総司令官に軍配を振るわせればなおよかったかも。「かかれー」とか。あるいは、東京空襲に行く米爆撃機の発進シーンの BGM を山鹿流陣太鼓にしたり。

封切り日に見に行くってのはいいですね。予約いるかな?


エアロダンシングi の Windows 版が出るようです。ネット対戦ではドリキャス版との対戦も可能だとか。うーん、悩ましい。


Windows98SE のノートパソコンで謎の現象。

ふと気がつくとタイトルバーの右側の最小化・最大化・ヘルプ・閉じるなどなどのボタンが文字化け、ダイアログボックスでもラジオボタンなどが化けてます。関係あるのかないのか、フォントも MS ゴシックしか認識しません。

同僚の知り合いも同様の症状がでているとか。おかしな病気でもはやっているのでしょうか(どきどき)。フォントをインストールし直せば直るのかなあ?

01/05/30

【謎の現象】
試してみたところ、あっさりと直りました。ありがとうございました>ちきんさん

おまけにあっちにはさらに幸せになれる方法まで。これも実施してみます。

お礼に一首。

    なにごとの起こりましたは知らねども
         かたじけなさに涙こぼるる
              (ほぼ全部盗作)


【予約】
うーん、痩せても枯れても(いないけど)ディズニー関係の新作映画ですしねー。どーなんでしょう>混み具合

ちなみに真珠湾奇襲攻撃について、零戦初の空戦を指揮した進藤三郎さんはこんなふうに語っています(『零戦最後の証言 II』(神立尚紀、光人社)より)。

「あれは『だまし討ち』ではなく『奇襲』です。最後通牒が間に合わなかったのは事実ですが、アメリカも米西戦争では宣戦布告なしに戦争をした前歴があります。
 ハルノートを日本に突きつけた時点で開戦を覚悟し、戦争準備をしていたはず。現に真珠湾でも、砲側に炸裂弾を用意して臨戦態勢になっていて、第一次の雷撃隊からも被害が出ています。
 それを『だまし討ち』などというのは、日本側の実力を過小評価していたため、予想外の被害を出してしまった、責任のがれの言い訳にすぎないと思います。そもそも、戦争に『だまし討ち』などない。本当にだまされたと言うのなら、だまされた方が間抜けなんです」


そのせいかあらずか、真珠湾への第二次攻撃から戻ったあと、当然もう一度行くんだろうと思っていたらもう行かないと聞いてほっとしたそうです。「詰めが甘いな」と思いつつ。

さて、映画ではその「臨戦態勢」はどう描かれているのでしょうか。

新聞などにあるように、国対国ではなくて「個人に突然訪れた戦争」になっているとしたら、国際的緊張は無視されていることになるのですが。


前月分背番号次月分
「やまいもの雑記」へ戻る最初の画面に戻る
庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp