花吹雪 2008.04.06

先日家内と新宿御苑と靖国神社に花見に行った。天候も良く花も満開で満足でしたが、一つ物足りない。それはまだひらひらと花びらが舞っていないからである。
../harub.gifやはり、花は散るから美しく、花見は花吹雪がなければ完結しない。
というわけで、花吹雪を楽しもうと近くの桜の名所を探しました。
インターネットで千葉県西部の桜の名所を探すといろいろあります。予備知識なく、インターネットから地図をプリントして行くだけという、家内も私も出たとこ勝負のいい加減な人間です。
昨日は市川の里見公園という所に行ってきました。なかなか風情があってよろしい。
若い頃と違って、酒とか食べ物に執着しなくなりました。もうお茶とだんご程度あれば十分です。年をとったせいでしょうか?
本日はやはりネットで見つけた、中山競馬場に出撃です。桜は年に一度ですからはしごしてでもたくさん見たいのです。
中山競馬場は、だいぶ前に書いた、ニイタカヤマノボレを発信した昔の海軍の無線局のすぐそばにあります。船橋法典という駅を降りると、そこからずっと競馬場まで地下道が通じており便利なものです。

実を言いまして、私たち夫婦は本日、中山競馬場で競馬が開催されていたとは知らなかったのです。駅の周りにも競馬場までの道々にも警備員がずらっといて、交通整理をしています。そしてすごい人です。
まあ、来てしまったのだからしょうがない、と競馬場に入ります。競馬場に入るのに入場料を取られることを知りました。これもしかたがない。
私はギャンブル・賭博ということにはトンと縁がなく、競馬・競輪・ボート・オートレースいっさいせず、パチンコもしません。唯一かじっているのは年に数回のジャンボ宝くじだけです。
Yosh師匠に宝くじなどおやめなさいと言われたことがある。
でもね、年に数回夢を見るくらいお許しください。
というわけで、競馬場の桜を見に来たつもりが、こころならずも予定外の競馬を観戦することになってしまいました。
折角来たのだからと、スタンドに行きまして周りを眺めます。
競馬場ってこれはきれいです。芝の緑と地面の茶色、周りの桜と青空、いやあ、春の一日を過ごすのにはよいところです。
私は競馬場にはヤーサンポイ人たちが耳に赤鉛筆をはさんでたばこをスパスパという光景を想像していたのですが、そのような人はおらず、家族づれ、若い男女、若い女性同士となかなかアットホームな雰囲気であります。プロでもないのに大きなカメラを持ってきてお馬さんの写真を撮っている人もいます。賭けごとというよりは行楽というイメージが強いですね。そしてスモーカーは喫煙ルームに押し込まれています。想像と違いなかなかいい感じです。
ちょうどレースが始まりました。ダートというらしいのですが、地面の上をおんまさんが走っていきます。周りでは「イケイケ」とか「8!8!」などと絶叫調の声が飛び交います。
このへんはやはりギャンブルだなあと感じますね。
レースが終わるとスタンドの人はさあっと波が引くようにいなくなってしまいます。家内も私も競馬場なんて初めてですから、あっもうおしまいかなと思ってしまいました。
パンフレットを広げると次のレースまで30分以上あるのです。レースが終わるごとに地面をならしたり芝を直したりするので、そのくらい時間がかかるのでしょう。
人々の様子を見ると、その間食べ物を調達したり馬券を買ったり、配当をもらったりしているようです。
しかし馬が疾走するのはすごいですね。都会に出てきて初めて神宮でプロ野球を観たとき、バットの折れる音を聞いて、ああ野球場で観る野球はテレビとは違うと感じました。あれと同じです。
土埃が舞い馬の臭いがして、やはり現場・現物は感動です。
そして意外なのはよく馬が走るのをパカパカという擬音が使われますが、そんな音はしません。目の前を何頭もものすごいスピードで走っていくのに、音は静かなのです。

日差しは暖かく、春の風は気持ちよく、我が愚かな夫婦はアイスクリームやポップコーンなどをほおばり午後いっぱい花見を楽しんだのです。残念ながら花吹雪を楽しめるほど桜の近くにはいけません。それでも帰りは競馬場の外側の花びらの散る桜並木を歩いてきました。

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本日の願い

来年も無事息災であるならば、花見酒に花びらがというような風情を楽しみたいものです。

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