緊急事態のコマーシャル 2011.03.13

東日本に日本で過去最大規模の地震が発生した。そしてそれによって原発が事故を起こした。まさに非常時である。 地震が起きた魔の金曜日に私は勤務先のビルにいたが、ビルは大きく揺れて正直恐怖を感じた。いつもと違うことは地震がとまらないことだ。断続してゆれが何時間も続いたのである。
これはもう帰れないなと思い無理に帰宅しないことに決めて自販機でお茶などを買い準備をした。以前帰宅困難者訓練に参加していて、日中の気候のいい時でないと家まで帰るのはいかに大変かを身を持って知っていたからだ。帰宅難民というより自ら安全をみて帰宅しなかった。
真夜中までインターネットでニュースを見ていて、真夜中過ぎに会議室の床に横になった。翌日朝から動いた電車で無事に帰宅した。もっとも支線が動かず40分以上歩いた。

家内は地震発生時に街に買い物に行こうとしていた時で、ゆれて驚き一番ガタガタいっていた本棚を押さえていたという。幸い我が家では食器棚の中身が動いて食器棚の戸のキャッチが壊れただけであった。
もし街に行っていたら、電車が動かなくなり、帰宅することができなかったかもしれない。良かったと言っていた。

私が帰宅すると、家内は私に風呂に入ったらという。そうする気はなかった。なにしろまだいつもなら外に飛び出すくらいの地震が断続している。安心ではない。とりあえず眠るといって横になった。会社で寝たといっても、横になっていたというようなもので眠かった。

午後に目が覚めた。
家内とお茶を飲みながら、「また揺れているね」なんて会話をする。
家内は、地震発生からずっとテレビをつけてみていたそうだ。家内がいうには、地震発生から1日近く経っているがテレビコマーシャルは一度もみていないという。テレビ局はコマーシャルをいれずに、ひたすら地震情報を報道している。
ホウ、感心なことだ。というより、こんなときにコマーシャルを入れると逆効果だろう。あの食品会社は人が亡くなったニュースの時の広告よ、Aテレビは広告を入れてなかったけど、Bテレビはコマーシャルをバンバン入れていたのよ・・なんてことになれば、日本人の国民感情を逆なですることは間違いない。

ところで国民感情を逆なでしてコマーシャルをバンバン流しているのがある。
新聞各社のインターネットのウェブサイトである。まさにビジネス・金儲けの鑑である。
国民感情を逆なでするだけではない。インターネットで情報を得ようとするときに、くだらない画像のダウンロードに時間ばかりかかる。 asahilogo.gif アサヒコムはどういう仕組みなのか、まっさきにアサヒコムのロゴを表示する。悪い冗談だ。そんなもんを表示するよりも前に大ニュースをテキストで表示するようにするくらいテクがあるだろうに、
見ている人がテキストのみを見ように設定すればいいという理屈もあるかもしれない。しかしそうすれば地震の写真も見られないし、原発の説明図も見られないのだ。

以下に新聞各社のウェブサイトを掲載する。すべて2011年3月13日朝8時のものだ。
著作権に問題があれば、上記全文を添えて裁判に訴えてください。

アサヒコム

アサヒコムのロゴが真っ先に表示される。のどかなものだ。
「PR情報」なんてのもある。
* ◆グッと広がる作業領域!マルチモニター標準対応PC\3万円台から/◆
* 【深夜23時 帰宅⇒朝8時 出社】ぐったり、もう無理かも… 味の素KK
* 【富士通】便利で快適な「まちづくり」を支えるICTをご存じですか?
* 春のビッグチャンス!OCNで商品券10万円分やノートPCなど豪華賞品が当たる

読売新聞

地震保険にでも入れという意味なのだろうか?
こちらにも「PR情報」はある。
* OCNで新生活にぴったりのサービスを
 見つけて豪華賞品をゲット!
 商品券10万円分が当たるCMサイト公開中
* NECのビジネス情報サイトWisdom。
 Androidタブレットなど豪華賞品が当たる入会キャンペーン実施中!

はたして、大地震のさなかに豪華賞品をゲットしようとする人とか、入会を申し込もうとする人がいるものだろうか?
反語である。

毎日新聞

報道に近道はないだと!
近道をしても人々が知りたいことを報道してもらいたいものだ。

産経新聞

以下同文



私は普段はテレビをみない。
しかし昨日から大地震の報道をみている。
しかし、テレビを見ていると、非常に不愉快になる。

アナウンサーとコメンテーターが偉そうな口を利く。
現場で働いている人たち、警官、自衛隊、消防団、そして原発の作業者を目下扱いしている。

ちょっと待て!
ヘルメットかぶって事件の現場気分で偉そうなことを言ってるな
お前たちは国民の代表でもなんでもない
単なる放送局の従業員だろう

もっと現場で働いている人々に敬意を表して話をせよ
もちろん心の中からそうでなくてはいけないよ

2011/3/14 追加
首相会見中に放送事故? 不謹慎な会話流れる

フジテレビが2011年3月12日に放送した地震特番で、同日20時半過ぎに行われた菅直人首相の記者会見を生中継した映像の中に、放送事故ともとれる音声が入っていたことがわかった。

首相会見映像の冒頭、男性とみられる声で、まずは「ふざけんなよ。また原発の話なんだろ、どうせ」という言葉が聞こえ、次いで女性とみられる声で「だから、ここからあげられる情報がないっつってんだろ」「あはは。(前後の文脈は不明)笑えてきた」といった会話が流れた。
インターネット上では「さすがに会見現場ではないでしょ」「信じられないようなセリフ」「発言が不謹慎」といった書き込みが寄せられた。この会話自体は、どこで誰がしたものかはわかっていない。

http://www.j-cast.com/2011/03/13090357.html

2011/3/21 追加
東日本巨大地震に関連し、フジテレビは12日夜の菅首相の記者会見を中継する際、取材スタッフの音声が誤って数秒間放送されてしまったとして、21日、謝罪した。
音声は「ふざけんなよ、また原発の話なんだろ」「あ、笑えてきた」などと、聞き取れる内容だった。同社広報部によると、12日午後8時32分頃、音声機器のトラブルが発生し、それを解消しようとした際の操作ミスだといい、「中継がつながらない状況についての内容だったが、誤解を招くような発言が外に出たのは反省している」とした。また「今後、このような事態が発生しないよう、取材、放送を続ける」とコメントした。
(2011年3月21日17時14分 読売新聞)



ふっくん様からお便りを頂きました(11.03.13)
最近のコマーシャルは・・・確かにひどい!
最近は、インターネットとかでもひどいと思います。YouTubeの動画面の下にも再生したらさりげなく出ますし、右上にも出るようになった・・・間違いなく昔は無かったものです。鬱陶しい・・・。
なんというか、そこまでして商売したいか?!って言いたいくらいですよ。ひどいのはサイトを開くといきなり別のウインドウがデカデカと開いて何かと思えばコマーシャルになるやつ。たいていこういうのはヤバイやつだけど。
人が死んだら、墓石、葬式、めちゃくちゃ電話がかかってノイローゼになる人もいたということを聞いたことがあります。
馬鹿な話です。今度の史上最悪の震災も同じようなことをしたら、間違いなく軽蔑されそうです。電気不足が予想されることから政府は節電を国民に呼びかけ、宣伝等のネオン等を自粛するところも多くなるそうです。
この不幸を超えて、日本人としての心を取り戻したいものです。

ふっくん様 毎度ありがとうございます。
大地震が起きた時、思いやりのコマーシャルは良いとしても、その他のコマーシャルは止めてほしいですよね
個人的感情だけでなく、逆効果だということに気がつかないのでしょうか?
世も末というよりもビジネス上まずいんじゃないですかね?
プロ野球のセリーグもナイターで開幕なんてもうアホか、バカかと・・まあ思い直したから許してやります。
本当にお金儲けに徹すれば、発想が違い、周りから批判されないと思うのですが・・

Taihoh様からお便りを頂きました(11.03.13)
プロメテウス・クライシス
際物ですが、この本を思い出しました。近所の本屋の棚に売れ残っていたペーパーバックを読んだことがあって、本棚を探したけれど見当たりません。
「叩けば治る」よりもパークス所長の「原子炉の中で何が起こっているかは本当のところは誰も判っていない」の言葉は知ったかぶりの諸氏共に聞かせたいものです。夜遊びした女の子へのペナルティは下の毛剃りの教訓。
Taihoh様 お便りありがとうございます。
プロメテウス・クライシスは1976年の小説、あの頃はまだ原発の事故は仮定の話、スリーマイルもチェルノブイリも起こってません。あの頃に戻りたいといったら子供っぽいですかね?
今は、福島第一原発がこのまま収まり、住民が再び住めるようになることを祈るばかりです。
チェルノブイリと同じく、30キロ以内は立ち入り禁止なんてなればどうなるのか想像もつきません。
今現在危険な中で戦っている多くの人々の無事と成功を祈りましょう。


Taihoh様からお便りを頂きました(11.03.20)
一昨年の秋に久慈から三陸海岸を45号線沿いに仙台まで車でまわったこともあって、そのとき通過した街のほとんどが壊滅的な被害を受けたことには心が痛みます。
景勝地にあった折れ岩は明治初期の三陸津波によるものですが、それが100年を経て再現とは。

ジョークを言うのは不謹慎ですが、書棚にあった「Murphyの法則」を探して娘婿に渡しました。

なお、蛇足ですが、ギアの回転方向での遊びは「バックラッシュ」です。
通信機用の高級なダイアルにはこれを減らすための二重ギアが用いられておりました。

Taihoh様 毎度ありがとうございます。
もし私が福島に住んでいれば間違いなく今は避難所にいたわけで、ひとごとではありません。
今は千葉に移り住みましたが、千葉県内でも外房は津波の被害にあい、埋立地の浦安は液状化で被害を受けています。
犠牲になるのと助かるのは紙一重と生存者が語っていましたが、引っ越したのも、住んだところがたまたま良かったか悪かったかも紙一重、運しだいという気がいたします。
運が良かったなら、そのぶん人のために尽くさねばと思うしだいです。
ところで、バックラッシュとはギヤの空隙ですが、その結果として発生する行きと戻りの時の差を「戻り誤差」(JISB7503:2008)といいます。これは二重ギアにしても皆無にはなりません。
私は以前、計器管理のマネージャーをしていましたが、この戻り誤差を通常ヒステリシスと呼んでおりました。正式用語かどうかは存じませんが、この業界では広く使われております。


あらま様からお便りを頂きました(2011.12.31)
がんばろう、日本
今年は凄い年でしたね。
静岡に住んでいる小生は、今回の震災で直接的な被害はありませんでした。
しかし、間接的な影響はありました。
どの産業に携わる人も、少なからず影響があったと思います。
いえ、これから深刻な影響が出て来るのかもしれません。
こうなってしまった日本を再興させるには、たがいの「協力」なくしてはできないと思います。

当地では、ことしは、結婚する人も増え、子供の数も増え、離婚は減ったそうです。
どうやら、今回の震災を目の当たりにして、感じるところがあったようですね。
小生も、たいへんな壁に当って独りでは乗り越えられそうもないと思っても、家族や友人との支え、協力があればなんとか乗り越えることができそうな気がします。
そして、日本人は必ずこの国難を乗り越えていくと思います。
そういうことで、来年も頑張って行きたいと思います。
よろしくお願いします。

あらま様、昨年はお会いできて本当に良かったです。
ネットでメールのやりとりでは、やはりぬくもりといいますか、相手の心情が分かりません。
今年は良い年にしましょう。
老骨に鞭打って、日本のためにがんばります。

木下様からお便りを頂きました(2012.01.01)
恭賀新年
旧年中はたいへんお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。

木下様 あけましておめでとうございます。
もう木下様がはじめてここに書き込んでから7・8年経ったのではないでしょうか?
お互いに歳をとりましたが、日本を良くするためにがんばりましょう。


がんばろう 日本 

11.12.30
最近はこのウェブサイトもうそ800がメインとなって、愛国心はかけらもなくなってしまったようだ。せめて年末に今年のまとめを残しておこうと思う。

今年はいろいろと大事件があった。
東日本大震災は、日本の歴史に残る大事件であった。いや、へたをすると日本の歴史を終わらせることになるところだった。
関西に住んでいる人なら、体で感じる揺れもなく、その後、夏冬の省エネを言われた程度という方もいるかもしれない。そういう意味では日本は広いのだろう。
私の場合、今は千葉に住んでいるとはいえ、福島県出身であり、ひと事ではない。
地震の当日は会社にいたが、揺れはおさまらず、これは大変なことだと、そのときすぐに感じた。窓の外、遠くには黒煙が上がりただ事ではないことは明白だった。
正直、遠くのビルが揺れて普段ならそのビルの陰になっている別のビルが見えたり隠れたりするのを見ると、この世の終わりかと思った。
私のオフィスは6階だが、ビルは30階建てで、上になるほど揺れは大きいので、10階以上では女性は恐怖で泣いている人も多かったと後で聞いた。
地震の夜は電車も動かない。当日は会社に泊まり、翌日の朝、満員電車で帰宅した。おかげさまで家族全員無事であった。自宅のマンションも、本棚の本が崩れ落ちたくらいで被害はなかった。

しかし、私の田舎は大変だった。私の実家の近くでは、大きなため池が崩壊して死者がでた。家内の実家は地震の被害はなかったが、放射能汚染がひどい。避難地域までほんの少しというところにある。避難させられた人は大変だというが、あまりそこから遠くない人たちも困っているのだ。いっそのこと強制避難のほうがよいのかもしれない。
そして家内の姪二人の家が破損して、姪の二家族が実家に避難してきたというありさまである。いくら田舎の農家と言えど、一軒に11人も一緒に住んだら大変だろう。ご飯を炊くにも1回ではすまないのでは、洗濯はどうするのだろうか、洗濯物を干す場所があるのだろうかと心配してしまう。
私自身は既に田舎の家は売っており、千葉にマンションを買っていたので、経済的な被害はなかった。しかし親戚が大変なめにあったので、我が家に避難させようとか、いろいろと対策はした。
私が住んでいるところは無傷だったというわけでもない。浦安はそう遠くはない。液状化の被害はひどく、復旧するまで大変だった。来年以降、土地の価格に大変動があるだろう。今後は海沿いの高級地は価格下落で、海から遠い高台の価格が上昇するだろう。

もし私が田舎にいれば、どうなっていただろうか。
以前住んでいた持ち家のあった地域はそれほど地震の被害はなかったそうだが、それでも家の中はひっくり返したような状況という。もし夜中で就寝中であれば、家具の下敷きになって死んだり怪我をした人は相当出たに違いない。今回の地震が日中だったのは幸いだった。
そしてさかんに報道された校庭が放射能汚染された小学校は遠くないところである。結婚したときはそのすぐそばに住んでいた。郡山市では高級住宅地といえるようなところだ。元近所にいた人に電話で聞くところでは、換気扇は回さない、洗濯物は室内に干す、水はペットボトルという生活を長くしていたという。大人はいいとしても、小さな子供は大変だったろう。田舎の義母はその小学校から10キロは離れているが、彦の遊ぶところを放射能を測る機械で少しでも低いところを探して、その周囲に縄を張り、その中でだけ遊ばせていたという。

いっそのこと売り払って遠くに移ろうとしても、今では土地に値がつくかどうか定かではない。私も田舎に家を持っていれば、売るに売れずどうしようもなかったろう。
多くの仲間、知り合い、同級生などからみると、千葉に引っ越した私は運がいいどころか、裏切り者に見えるのではないかと自分自身思う。みなに申し訳ない。
田舎町で市会議員をしている中学の同級生も、過去最大の危機であったろう。地震の際はがんばったことと思う。 地震の影響は今後半世紀、あるいはそれ以上納まりそうがない。どうなるのだろうか。

その他、親戚には病人も何人も出たし、お亡くなりになった叔父や叔母もいる。直接地震で亡くなったわけではないが、家屋が崩壊して避難したり、後片付けなど高齢の身には大変だったのだろう。そういう意味では地震の犠牲者である。
家内の知り合いのほうにもお亡くなりになった方が多い。そんなわけで喪中につき年賀状辞退のはがきが多かった。地震の死者・不明者が2万人弱というが、そういう間接的な犠牲者を含めると大変な数になるだろう。

私自身も体のあちこちに支障が出てきた。これは単に歳のせいであろう。まず老眼が進み、パソコンモニターを見るのに近眼のめがねでは辛くなった。といっても裸眼でもモニターは見えず、今は弱い近眼のめがねを作ってかけている。
そのほか、足の膝が痛むようになった。デモに参加しすぎたわけでもないだろう。
デモと言えば、フジテレビのデモにも、TPP反対のデモにも何度も参加した。野田アホ首相がTPPというアホらしいものに、乗り気になっている。これは来年も心配事である。
親戚にも病気になった方が何人もいる。ちょっとご無沙汰していて、電話などすると入院しているなんて聞くことが何度もあり、驚かされた。人間は歳をとると故障が多くなるのはやむをえない。

暗い話ばかりになってしまったが、いつの時代もこんなものだと思えばそんなものだろう。
私がこの世に生を受けてから62年、私の時代だって平坦ではなかった。公害の時代もあったし、貿易自由化、オイルショック、ドルショック、貿易摩擦、円高、バブル崩壊、阪神淡路大震災、デフレ、失われた20年、そんなことばかりであった。しかし日本人はけっこうがんばっている。世の中、人生でも同じだが、災難が起きないことを祈るよりも、災難に負けないことを祈るべきだし、災難にめげずにがんばるほうが建設的だろう。
そう思って今年を終わろう。

来年も、またがんばろう。
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