デジャブ

11.12.23
12月も半分が過ぎた頃のこと、一二度お会いしたことがある方から電話があった。会って話をしたいという。
私は年末はヒマだ。というと、驚かれたり、うらやましがられるかもしれないが、事実である。私の仕事は監査であり、だいたい普通の人なら忙しい年末に、監査が歓迎されるわけがない。いや一年中歓迎されないのだが、特に年末とか年始は、喜ばれない。江戸の町奉行配下の同心は、不浄役人と嫌われたそうだが、私も似たようなものである。
そんなわけで、監査のシーズンというのがある。年度初めは役員交代とか株主総会、その他諸事情があるので行わない。
環境に限っても、年度首には前年度の定例の届出が数多くあるし、もし役員や工場長の異動があれば、公害防止関係、高圧ガス、水道その他のたくさんの変更届けが発生する。そんな繁忙なところに監査に行けば、喜ばれないことは当たり前だ。

というわけで、7月はじめくらいからペナントレースがはじまり、11月末までが繁忙期である。プロ野球より3ヶ月くらい後ろにずれている。そして、年が明けてからは、どこも決算で目の色を変えているので、お邪魔虫は塩どころか殺虫剤をまかれてしまう。
とまあ、12月はひまな時期だから会社にいる。会社にいれば溜まっている仕事とか、周りから頼まれる雑用などをしている。お客さんの雑談につきあうのも、退屈しのぎ、ひまつぶしにちょうどいい・・かどうか
「いつでもいいよ、いらっしゃい」と日時を決めた。

その方とは、何で知りあったかといえば、何かの会合で名刺交換したような記憶がある。どんなきっかけで始まったお付き合いが、どんな進展をするのかわからないというのが面白い。
「こちらは○○さんで、今後いろいろとご指導いただいたらどうですか」なんて有名な方をご紹介いただいても、あまりどうともないこともある。他方、記憶にないようなきっかけで知り合った方と、長年お付き合いいただいているということもある。
ともあれ、その方は企業の環境部門にいるというが、具体的にどの様なお仕事をしているかも知らない。こちらも詮索する気もないし、お会いしたときそれほど興味を持たなかったのだろう。
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当日になり、その方がお見えになりました。はたしてどんな話題なのか予想もつきません。金を貸してくれと言われると、困るなと思いましたが・・
挨拶の後、ISO14001とかISO9001のことを教えてほしいといいます。お金のかからないことなら大歓迎です。もっとも世の中にはそういう懇談をするだけで、お金をとるコンサルタントという人種もいるようですが。
私が子供の頃、恐ろしかったのは人食い人種です。
とはいってもISOといっても幅広い、どんなことですか?とお聞きすると、
「ISO9000も14000も認証しているが、あまり会社に貢献しないので見直したいと考えている。今回はISO14001について考えている。具体的には、会社本来の規則体系と別にISO用の文書を作って、それで認証していた。また会社の経営ともリンクしていない環境目的、目標を掲げていたのだが、それを見直したい。それにあたってあなたのところの会社ではどうしているのか知りたい」
ということである。
先方は既に具体的に、質問事項を決めてきており、リストした紙を見せた。
どれどれ・・・
たくさん質問が並んでいるが、私は一瞥しただけで、考えるまでもなく回答できることが分かった。
「分かりました。私が、順々にご質問に答えていきましょう」
と私の一人語りで終始したのであるが・・・

質問はもっとたくさんあったが、ここで語るまでもないので以下省略

本日のデジャブ
ひとつは過去に似たようなタイトルで書いたこと
ひとつは過去に似たような内容を書いたこと



名古屋鶏様からお便りを頂きました(2011.12.23)
組織の活動の軸足を「ISOに適合する」方に置くのか、「パフォーマンス管理」に置くのかの違いでしょうね。軸足が2つもあれば乖離を起こしてバラバラになるか、その場から一歩も動けなくなるかの二択でしょうから。
もっとも、某弁当屋さんのように「ISOに適合(審査員の奴隷となる)」方に軸足を移す、という末期症状の組織もあるようですが・・

名古屋鶏様 毎度ありがとうございます。
おっしゃるとおり、軸足をどこに置くかで、出発点が同じでも方向が異なるでしょうね、
ISOのために行えば、これすなわち地獄にいたり、会社のために行えばこれすなわち天国に至る・・かな?


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