2013.02.17
お断り |
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、別に推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからこの本の内容について知りたいという方には不向きだ。
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著 者 | 出版社 | ISBN | 初版 | 定価 | 巻数 |
西 修 | 文芸春秋 | 4-16-660035-4 | 1999/3/20 | 出版時 690 | 全1巻 |
最近小室直樹に凝っている。図書館で小室直樹の憲法に関する本を探していたら、この本を見かけた。読んだことがあったかなあと思いつつ、手に取りパラパラとめくった。読んだにしても忘れていることは間違いないから借りた。
さてコタツに入り、家内がテレビを観ているわきで読んだ。たいそうな本ではなく新書で200ページくらいしかない。しかしその内容は重く深く、読む価値はある。
さて読むにつれてもう何年も前に読んだことを思い出したが、もちろん細かいことは忘れていた。ともあれ内容はおおむね覚えていて、改めて気が付いたというか、まったく忘れていたということはなかった。
現憲法の成立過程や、内容の問題点、条項の記述がいいかげんなところなど、数多くの現行憲法の問題点を包括的に書いてある。一読ならず、何度も読む価値はある本だ。いや、憲法を考えたり議論するときは、常に手元に置いておくべき本だろう。
憲法を議論するには、一般庶民であろうとこの本に書いてあることくらいは理解していることが最低条件であろう。大田光が2006年に
「憲法9条を世界遺産に」なんて本を書き、ベストセラーになり、今でも信者がいるが、大田光はこの本を読んでいないことは間違いない。いや読んでいるなら理解できなかったのだろう。
なにせ、この本では憲法9条は日本特有のものでもないし、その条文には矛盾があると書いてあるのだから。
しかし大新聞・・・朝日や毎日が大新聞と言えるとしてだが・・・であろうと、この本に書いてある程度のことも理解せずに憲法を語っていることは間違いない。そしてテレビに出てくる司会者やコメンテーターと称する怪しげな人たちもこの本を読んでいないこと、この程度のことを理解していないことは間違いない。
読売は少なくても改憲案を過去2回提示しているので、その改憲案の内容はともかく朝日や毎日よりも進んでいるというか勉強していることは間違いない。
日本は、いや日本人というべきか、自分が新しいものを創造していくことは苦手なようだ。すべて外から思想やアイデアをもらって、それを開花させるという歴史であった。仏教、文字、武器、朱子学、民主主義、そして憲法
だが思想やアイデアのレベルならいいが、現実の危機を前にしてはそのような外力を待つ他力本願の生き方は行き詰まってしまう。
今、尖閣が掠め取られようとしている。竹島はどうか? 北朝鮮の拉致問題はどうなのか? 北方領土は? アルジェリアのテロに対してどうするのか?
そんな難問が山積している現在、もうバーチャルな憲法論は卒業して、実用的な憲法論に入らなければならない。
中国に占拠されたのちに、平和憲法論を論じていても意味はない。
そう思った。
しかしこの本が出てから既に15年、日本の社会は進歩がないなあ・・・・
この本が難しいと思われた方は、こちらのほうがわかりやすいだろう。
「日本国憲法7つの欠陥の7倍の欠陥」(2003)高久泰文
「ここがヘンだよ!日本国憲法」(2001)西 修
「日本国憲法の問題点」(2002)小室直樹
本日ちょっとうれしかったこと
この駄文を書くにあたり、「憲法9条を世界遺産に」で検索したら、なんと
グーグルで私の
憲法9条を世界遺産にが1位で、大田光ご本人の著作のアマゾンが第二位だった。
百度ではアマゾンなど本販売が載っておらず、私がぶっちぎりの第一位、
YAHOOではアマゾンが一位でこちらが二位でした。
正義は勝つと信じたい。
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