マネジメントシステム物語56 認証の効果

14.06.02
マネジメントシステム物語とは
佐田と佐々木は、打ち合わせ場でコーヒーを飲みながら話をしている。
佐々木
「ISO認証の効果として、まずは遵法状況の差があるかどうかを調べたいところだが・・・そう考えても漠としていてどうもアイデアがないねえ」
佐田
「ものごとは簡単です・・・というか難しく考えてもしょうがありません。
例えばですね、遵法の指標として考えられるのは、まさか懲役刑はともかくとして、まず罰金金額とか行政から命令を受けた件数なんてのが初めに思い浮かぶでしょう。現実にそんな指標を公開している会社もあります。IBMでは毎年の環境報告書に罰金金額を記載していますね」
佐々木
「オイオイ、うちが法に違反して罰金を払ったことなんかあったかい?」
佐田
「幸いなことに罰金刑を受けたことは知るかぎりありません」
佐々木
「行政命令を受けたことはあるのかい?」
佐田
「行政から命令を受けたといってもいろいろなレベルがあります。立ち入りの際に担当官から口頭で注意を受けたものとか、事業所長に文書がきたもの、あるいは法に基づき改善命令を受けたものなどあります」
佐々木
「そういうものは記録が残っているのかい?」
佐田
「当社の規則では行政から文書で指示を受けた場合、すべて本社報告事項になっています。ウソをついていなければ、つまり工場で隠していなければ本社に報告されているはずでその記録があります」
佐々木
「なるほど、それがISO認証前と認証後で違いがあるかを見ればいいわけか。
そのほかに、どういう指標が考えられるのだろう?」
佐田
「簡単には我々の環境監査の時に見つかった不適合で、法に関わるものを抽出してみるというのがあります」
佐々木
「ほう! それはいい」
佐田
「とはいえ私が環境監査を担当したのは3年ほど前のことなんです。それまでは環境監査といっても現在と違いISO審査の真似事というか亜流のようなもので、文書や仕組みを見るだけの監査でした。
遵法を徹底して点検するものじゃなかったのですよ」
佐々木
「思い出したよ、私が佐田さんの教えを受けて見習いをしていた頃だね」
佐田
「そうです。で、現在の方法で監査を始めたときには、既に社内の工場はISO14001の認証を終えていました」
佐々木
「そうか、そうすると認証前と認証後の比較ができないか・・・」
佐田
「もちろん社内の工場だけでなく、関連会社があります。現時点でも関連会社でISO14001認証していない会社も多いですから、認証していない会社と認証済みの会社の比較ができます」
佐々木
「そうか、それはデータベースから拾い上げればすぐにもできるね」
佐田
「もちろんできます。その他に遵法の指標としてどんなものがあるかとなりますが・・」
そのとき塩川がコーヒーを持って二人の脇に座った。

コーヒー
塩川課長
「遵法とはちょっと違うが、近隣からの苦情というのもあるぞ」
佐田
「おっしゃるとおりです。まあ苦情の9割方は騒音です。その他は落ち葉とか臭いですかね。
近隣や行政から苦情があったときも本社報告事項ですからデータはこちらで把握しています」
塩川課長
「遵法というとそんなものか?」
佐田
「遵法と汚染の予防の区別は厳密ではありません。汚染の予防というか言い換えると環境事故の件数というのもあります」
佐々木
「環境事故というと?」
佐田
「一番多いのは流体流出事故です。石油や薬品が公共水域、まあ工場外に流れ出たというのが本当の事故でしょうけど、正規な流路から漏れれば事故と言ってもよいでしょう」
塩川課長
「そういえば以前、硫酸の漏えい事故もあったなあ」
流出事故
佐々木
「環境事故というと漏洩だけですか?」
塩川課長
「廃棄物業者が不適切な処理をしたというのもある」
佐田
「その場合は現行法では罪にはなりません。排出者に瑕疵がなければ措置命令もないわけですが」
塩川課長
「現実には処理費用がない自治体では、行政から協力を要請されたところもある。金を出せというわけだな」
佐々木
「市民感情からすれば、排出者が負担すべきだと思うのはわかりますね」
佐田
「まあそんなものが環境事故の指標でしょうね」
佐々木
「そうするとデータベースから今話題になったようなものを抽出し、その発生時点でISO14001認証していたか、認証していないかでグループ分けして、グループ間の発生状況の差の検定をすればいいということかな?」
佐田
「簡単に言えばそうです。実際に仕事を始めるには、判断基準など細かいことを決めていかないとならないでしょう」
佐々木
「なるほど、なるほど」
塩川課長
「改善活動、たとえば省エネとか廃棄物削減などはどういう評価をするんだ?」
佐田
「それは評価対象外ではないでしょうか」
塩川課長
「ほう! それはまたどうして?」
佐田
素戔嗚すさのおグループでは、本社つまり我々がグループ全体の環境計画を策定して各事業所に割り振っています。私は工場にいましたが、その達成にははっきり言ってアゴが出るくらいハードです。
そしてISO認証するときの環境目的目標には、そのグループ環境計画達成のための計画をそのまま見せていました。ほとんどの工場や関連会社はそうでしょう。省エネにいくつもの計画があったらそもそもおかしいです」
佐々木
「だけどさ、私が陪席したISO審査では、審査員が環境目的・目標の未達成は不適合になるから、達成が確実な数値にしろという指導をしていたなあ。アハハハ、
でもあれっておかしいよなあ〜」
塩川課長
「ちょっとちょっと、佐々木さん。それっておかしいじゃないですか。省エネ法で原単位当たりエネルギー削減は努力義務でしょうけど法規制ですよ。達成を確実にするために下方修正したら、へたをすると省エネ法の目標を下回るかもしれません」
佐々木
「塩川課長、そんなのざらにありますよ。グループの環境計画の省エネ目標は年1.8%くらいでしたか?
それに対して省エネ法の努力目標が1%、しかしISO14001の環境目標は年0.8%に設定している工場は当社でもいくつもあります」
塩川は絶句した。塩川課長
佐々木
「ISO審査員も工場担当者も、ISOの環境目的目標は何の意味もなくお遊びということを知っているからです。
塩川課長、ISO認証が信頼されるためには、そんなバカバカしいことを止めることが必要ですね」
佐田
「ともかく現実を見れば社内の工場も関連会社もISO認証のレベル以上のグループの環境計画を達成しようと四苦八苦しているわけで、環境パフォーマンス向上と認証との関連はあまりないでしょうね」
塩川課長
「ということはISO規格の計画とか改善なんてことはあまり意味がないということか?」
佐田
「そういうことではなく、当社グループの環境計画は元々がISO14001規格要求を超えるものであったということでしょうかね。あるいはISO14001が言うところのものは常識レベルだったのかもしれません」
佐々木
「ともかく当社グループにおいては、ISO認証の効果があるか否か以前に、ISO認証による環境パフォーマンス改善について期待していなかったということです」
塩川課長
「うーん?」
佐々木
「課長ねえ〜、もしISO認証による改善効果があるというか、認証によって改善が進むと期待していたなら認証企業にはそうでないところに比べて高い目標を与えるべきですよ。実態は認証の有無に関わらず同じ目標値ですし、どの企業もそれを達成しようとして青息吐息です」
塩川課長
「なるほど、そう言われると元々認証によるパフォーマンス効果を期待していなかったということか」
佐田
「パフォーマンスといっても改善効果は狭義のパフォーマンスでしょう。広義のパフォーマンスにはルールを守るとか、運用のバラツキなどもあるでしょうし」
塩川課長
「なるほど、パフォーマンスといっても意味するところは広いんだな。だけどそういう躾レベルまでを考えてもISO認証効果は把握しきれない・・・というかそんなことのためにISO認証するということがあるものだろうか?」
佐田
「そもそもがですよ、ISO認証とは何かという根本的なことが問題です。
私はISO認証とは会社を良くするなんてものじゃなくて、会社が良いかどうかを外部の人に見てもらい判断してもらうことかなと思います」
塩川課長
「ISO認証は会社を良くするものではないと・・・」
佐々木
「現時点存在するISO審査員のレベルでは、企業を改善していく力はないでしょうね」
佐田
「いや審査そのものは改善指導ではありませんから、審査を受けることが企業の改善になるかどうかです。審査の実態を見れば審査員の力に関わらず改善にはならないでしょう」
佐々木
「審査による教育効果を語っている審査員も多いね」
佐田は笑った。
塩川は突然立ち上がった。
塩川課長
「二人の仕事を邪魔して悪かった。おれが余計な口をはさむまでもなく二人がいろいろと考えていることが分かった。あのさ、以前部長が佐田に認証の効果を出せと言っただろう
佐田は塩川がなにを言いたいのかわからず、あいまいな返事をした。
塩川課長
「あのとき納期はひと月って言ったんだよな。おっと、もちろん青森岩手騒動があったのはわかっている。とはいえ、あれからもう三月近く経っている。そろそろ結論を出さにゃならない。実を言って、部長が環境担当役員から早いところ報告せいと催促されたらしい」
佐田
「わかりました。とはいえ明日とか明後日にというのは無理でしょう」
塩川課長
「じゃあ明々後日までに頼むわ」
佐田と佐々木は顔を見合わせて笑った。
塩川は自席に座ると、面倒な仕事はなんでもかんでも佐田に丸投げして悪いなあと心の中で思った。


佐田と佐々木はそれからすぐに担当を決めた。そして二人ともパソコンに向い、過去のデータの処理に取り掛かった。
監査での不適合ははっきりと記録にあるので数えるのは簡単だ。とはいえISO14001認証しているのは製造業に多く、製造業で認証していない事業所はほとんどない。他方非製造業ではISO14001を認証しているのは少ない。ところが環境法規制の多くは製造業に関わるものだから監査の不適合は当然ながら製造業に多く認証効果を純粋に評価するとは言えない。認証の有無と業種で縦横に分ければ良いわけだが、サンプル数が少ないからどうだろうかとか、考えてしまうことは多い。
環境事故にしても、液体のタンク類を持たない非製造業では流体流出事故が起きるはずがない。非製造業で石油タンクを持っているところなど、北海道や東北で暖房用くらいだ。
またこの頃は含有化学物質などの規制も顧客要求もない。だからそういう不適合はありえない。
そんな中で一番役に立ったデータは、青森岩手対応としてグループ企業全体に一様に行った廃棄物点検結果であった。認証の有無、すべての業種を網羅していて、かつデータの数も十分だ。

翌日の夕方、佐田と佐々木はそれぞれの分担をもって打ち合わせ場に座った。
佐田
「佐々木さん、どうでしたか?」
佐々木はまず監査結果の集計を佐田に配った。
佐々木
「認証の有無と製造業・非製造業のマトリックスにしてみた」
一見して製造業と非製造業の差はあるが、認証の有無の違いはなさそうだ。

(本社の環境監査で不具合のあった事業所/対象事業所)
 ISO認証済みISO未認証
製造業56/65(86%)22/25(88%)
非製造業17/35(49%)36/73(49%)

佐田
「サンプル数から差の検定をする意味はなさそうですし、見た目では差はなさそうですね」
佐々木
「そうだねえ〜、ただ年度ごとに見てみると、認証の有無にも業種にも関わらず継続的に良くなってきている。わずかだがね」
佐田
「そう願いたいですね。そうでなければ監査をする方も受ける方も悲しいじゃないですか」
佐々木は次に行政からの通知や指導をカウントしたものを示した。

(行政から指導を受けた事業所/対象事業所)
 ISO認証済みISO未認証
製造業7/65(11%)3/25(12%)
非製造業0/35(0%)0/73(0%)

佐々木
「たまたま結果が同じになったのではなく、認証の有無による違いがないという気がするね」
佐田
「行政からの指導ってどんなものなんでしょう?」
佐々木
「ええと、具体的にはこれは特管産廃の帳簿に通常の産廃も記載していたので分けるように指導を受けているね。それからこちらは消防法の危険物保管庫に危険物以外を置いているので改善するようにと消防組合からレターを頂いている」
その他、苦情などについても認証、未認証の違いはなさそうだ。
今回の青森岩手の調査結果をまとめたのは佐田だ。佐田がまとめたものを示す。

(問題のあった事業所/対象事業所)
 種類ISO認証済みISO未認証
製造業廃棄物契約書7/57(12%)5/39(13%)
マニフェスト8/57(14%)5/39(13%)
非製造業廃棄物契約書3/36(8%)23/450(6%)
マニフェスト4/36(11%)36/450(8%)

佐々木
「私が調べたものと違って、とてつもない数だね」
佐田
「会社の数ではなく、事業拠点で数えているからです。
我々は関連会社に対する環境監査を関連会社の本社に対して行っており、その工場、支社、営業所などには行っていません。ですから本社の遵法状況を、本社が支社や工場をどのように環境管理しているかを見ているだけです。全部見ればいいのはわかりますが、工場や営業拠点を含めれば星の数ですからねえ〜」
佐々木
「なるほど」
二人はじっと表をながめた。
佐々木
「非製造業は未認証の方が成績はよさそうだね」
佐田
「いえ、未認証の営業拠点は規模が小さくて廃棄物契約書が1件とかマニフェスト発行枚数が一桁とかがほとんどで分母に比べて分子が小さいのです。事業拠点数でなく、契約書の数とかマニフェスト件数を分母にすれば非製造業の方が製造業とどっこいになると思います。私は認証の有無は業種によらずほとんどが無関係ではないかと思います」
佐々木
「なるほど・・・」
その他の指標についても認証の有無による差は見られなかった。
結局二人が1日半かけて集計した結果は、ISO認証、未認証の遵法上も事故発生も差が見られないという結論になった。
二人はコーヒーを飲みながら議論する。
佐々木
「認証してもしなくても差がないということはだ・・・
ひとつ、遵法もリスク管理も元々しっかりしていたという可能性
ひとつ、ISO認証する効果がないという可能性
ひとつ、認証してまだ時間が経っておらず、効果が出ていないという可能性」
佐田
「遡ればISO審査が有効でないという可能性もありますし、あるいはそもそもISO規格が遵法や汚染の予防に有効でないという可能性もあります。ISO規格の序文に『遵法と汚染の予防が意図である』と書いてあっても、その目的に役に立つと証明されたわけではないですからね。だからこそ今我々はこんな仕事をしているわけですよ」
佐々木
「我々が考えるようなことは、既に大学の先生とか学位論文なんかに研究結果があるんじゃないだろうか?」
佐田
「研究論文を調べることができますか?」
佐々木
「インターネットで調べられるだけでもいろいろあるんじゃないかなあ〜、よしこれからそれをちょっと当たってみよう」
佐田
「そういえば論文検索サイトがありましたね。私も一緒に調べましょう。
それから今まで佐々木さんと議論したことをまとめておきますよ。明日一杯でなんとかまとめないと・・」
論文検索はそれほど時間はかからなかった。ISO14001で検索すると多数の論文や雑誌が見つかったが、その認証効果を調べたものはほとんどなかった。わずかに環境意識の向上とか紙削減を改善効果としてとらえているものがあっただけだ。
ISO14001に関する論文がどれくらいあるのかについては以前書いたことがある。


翌日の午後遅く、佐田と佐々木は塩川課長に調査結果を報告したいと声をかけた。
塩川は役員に報告するまでの時間がないから部長も一緒に聞くという。
打ち合わせ場に熊田部長、塩川課長、佐々木と佐田が集まった。
佐田
「部長からISO14001認証の効果について調査しろというご指示を頂きました。青森岩手の問題などありましてだいぶ遅くなりましてすみません。
さて結果報告ですが、結論として投資対効果はまったくありません。大抵のものは長期間で回収できることが多いですが、ISO認証は認証機関が長くなっても投下費用の回収はできないでしょう。
但し入札条件とか世間の評判など数値化できないこと、あるいは将来の動向が分らないこともあります。
しかしいずれにしても費用対効果はでないでしょうね」
熊田部長
「まあ、ISO認証すると環境改善になるとか、費用削減ができるなんて言っているISO関係者が多いが、認証しても金額的に回収できるとは誰でも思っていないだろう。
ただ費用対効果まではなくても、遵法や事故防止の効果はどうなんだ?」
佐田は報告書のサマリーを配った。
佐田
「まず当社グループにおいて認証した結果、遵法や事故防止あるいは環境パフォーマンスが向上した様子はありません。遵法の問題、事故発生率については認証の有無とは無関係です」
熊田部長と塩川課長は熱心にサマリーをながめる。
熊田部長
「認証したグループと認証していないグループの遵守と事故の差がないことは分かった。
しかしそれだけからは一般論として認証の効果がないとは言えないな」
佐田
「そうです。しかしそもそもISO規格を満たせば環境マネジメントシステムは最適化されるのか、いやそこまで言わないとしても良好な状況になるのかということは証明も説明もされていません。ISO規格を満たしても良くならないかもしれないのです。
次に、ISO規格に基づいた審査及び認証制度が真にISO規格適合を確認しているのかどうかも定かではありません」
熊田部長
「ウン? それはどういうことだ?」
佐田
「例えば現行の審査工数が適切とまではいかなくても、妥当だという根拠も説明も聞いたことがありません。1000人規模の事業所にあまり知識経験のない審査員が一日二日来て調査したところで、その環境側面を理解できるとは思えず、多々ある要求事項を満たしているかどうか調査できるとは思えません」
熊田部長
「手厳しいな」
塩川課長
「いや部長、常識から考えれば当たり前のことでしょう」
佐田
「仮に認証した企業が遵法や事故が認証していない企業よりも良い成果を出したとすると、それは審査とそれに続く認証の効果ではなく、ISO適合にしようというISO規格要求事項以外の手当てというか活動によってなされたものだろうと思います」
熊田部長
「佐田はISO認証に懐疑的だな」
佐田
「別の角度から考えてみましょう。企業を良くするには何が必要でしょうか?」
熊田部長
「それは、いろいろな切り口があるだろう。佐田が言いたいのはなんだ?」
佐田
「まず固有技術がなければなりません。次に組織は複数の人、複数の部門からなりますから、それらを有機的に効果的効率的に動かすためのシステムが必要です。そして所属する人たちが積極的にルールを守り改善する意欲がなければなりません。つまり企業を良くするには固有技術、システム、士気が必要です。
ISO規格はその中のシステムだけですから、組織を改善しパフォーマンスを向上させていくための必要条件ではありますが十分条件ではありません」

成  果
固有技術管理技術士 気

熊田部長
「とはいえ、ISO14001のシステムがないよりもあったほうが良いということにはならないのか?」
佐田
「もう一つ考えなければならないことがあります。よく『EMS構築』なんて語る人がいますが、あれは間違いです。どんな組織にもシステムはその付随的な性質として必ず存在します。どんな企業にも環境マネジメントシステム、昔風に言えば環境管理は行われているのです」
熊田部長
「だけど先日青森岩手の問題でグループ企業を徹底的に調べたら悪いところがザクザクあったんじゃないか」
佐田
「確かにそうです。しかしISO認証企業と未認証企業の有意な差はありませんでした。どんな組織でも環境管理という機能は持っているけれど不十分なこともあるかもしれない。そしてそれはISO14001を満たしても十分じゃないかもしれないのです」
熊田部長は少し黙って目を泳がせた。
熊田部長
「つまり佐田の意見をまとめると、ひとつはISO14001は環境をよくする三要素の一つにすぎないからそれだけでは不十分であるということ、もうひとつはシステム要求事項に限定してもISO規格が不完全、不十分かもしれないということか?」
佐田
「そうですね。正確に言えばISO14001が立派なものであると説明されたものはありません。みな、ISO規格を満たせば良くなると信じているだけです。
更にもうひとつ、ISO認証は費用対効果を考えると回収はできないということです。まあ効果そのものが疑問なのですから費用対効果を考える以前です」
熊田部長
「うーん・・・・ええと、環境担当役員に認証の効果について回答しなければならないんだ。この資料をもう少し読ませてもらう。また話をさせてもらう。
ええと、佐田よ、ISO規格要求が不十分だというなら、お前が考える環境管理モデルというものをひとつ提案してみろ」

うそ800 本日の数字について
文中にあげた数字は架空のものであるが、決して根拠がないわけではない。私の15年の経験では、普通の会社ならだいたいこの程度のレベルだろうと思う。そしてこのくらいなら恥ではなく、むしろ立派と言えるだろう。
もしそういったことに関してデータのお持ちの方いらっしゃいましたら教えてください。
またご意見ある方がいらっしゃいましたらぜひとも議論したいですね。



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