*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。
私と伊丹の付き合いは、兄の職場の飲み会で酔った伊丹を家に連れてきたことから始まった。そのあと介抱した私へのお詫びとかで誘われて、いつしか付き合うようになりいつの間にか結婚していた。 洋司は昔から気が弱く、なにかあるとすぐにしょげてしまう。まあ、そんなところが好きで結婚したわけだけど。結婚してからずっと私が喝を入れたり励ましたりしてきたが人の性格は変わらない。
そのとき洋司は本当にしょげてしまった。帰宅するとコタツに突っ伏して、涙と鼻水を流して動かなかったのを覚えている。今まで一生懸命働いてきたし、それなりに成果を出してきたつもりなのにと愚痴っていた。そのときは息子が大学受験真っただ中で辞められては困る。なんとか説得して出向してもらった。 実は以前、洋司の上司だった兄から、当時の職場では先行き暗くそのうちリストラがあるから、兄が出向したISO認証機関に出向した方がいいと聞かされていたのだ。それでなんとかそのように誘導した。 ![]() 認証機関に出向してから真面目に働いていたが、兄の話では認証ビジネスも赤信号がともったそうでこちらも見通しが暗いという。そして新規ビジネスに進出するので洋司にそちらに行ってもらうようになるかもという話を聞かされていた。 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その後、新規ビジネスの責任者だった吉本取締役が横領して大騒ぎになり、新規ビジネスは破綻寸前になった。兄は新規ビジネス計画を放棄し洋司を元の仕事に戻す気でいたが、なぜか洋司が異世界で頑張ると言い出した。 私は洋司と酒を飲みながら随分長い時間話しあったが、洋司は向こうの世界で自分の存在意義を見出したらしい。そしてこちらに戻らず向こうで頑張りたいという。 兄に相談すると、会社としては支援できないという。とはいえ洋司の意志をむげにできず、私も一緒に異世界に行く覚悟を決めた。なにせ洋司のこと、いつなんどき弱気を出してやめたい戻りたいなんて泣き言を言いだすかもしれない。あいつには叱咤激励する人間が必要だ。 それに実をいうと私も一度、王侯貴族のような暮らしがしたかった。私の友人には夫の海外赴任に帯同してタイとかフィリピンとかに住んでいる、あるいは住んでいた人が何人もいる。彼女たちの話を聞くと、30階建てでプールやジムがある一戸の広さが200平米もあるマンションとか、 ![]() ![]() 異世界の暮らしは日本の100年前くらいにあたる。今住んでいる家はものすごく大きい。純和風木造平屋で部屋数は両手の指より多い。更に離れがあり、そこに二人の女中が住んでいる。家事はすべてお任せ、献立を言えば作ってくれる。まあ、今風の料理は知らないので教えないと作れないのは仕方がない。言い換えると洗濯機、掃除機、炊飯器その他文明の利器がないのだから、私一人で家事ができるわけがない。 私が一緒に来たことに洋司はうれしかったようだ。奴も後がないという覚悟で頑張っているのがわかる。とはいえ審査員のときは週末しか帰宅できなかったのが、今は毎日夕方には帰宅できるので精神的ゆとりが持てたようだ。洋司があまりカリカリしなくなったので私はうれしい。 ところがこのところまた洋司は悩みがあるようで表情がきつくなっている。いささか心配だ。 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ある夜、洋司が布団に入ってから声をかけてきた。 「ちょっとトラブルが起きた。少しの間、元の世界に行っててくれないか」 仕事のトラブルなら私が帰ることはない。となると警察から目を付けられたのか。洋司が犯罪ということはないだろうから、こちらの正体がバレたのか・・・ 洋司の言い方がいかにも何でもない大したことでないという言い方なので、これは深刻なのだと感じた。 「分かりました、兄のところにいるわ。洋司は大丈夫なの?」 「心配ない、俺から連絡するまで向こうにいてほしい」 「分かりました」 翌朝、昨夜の話などなかったように、いつも通り洋司は出勤した。洋司は細かくは言わなかったが、私が向こうに行くのは早い方がいいだろう。手遅れにならないうちに。 ひょっとしたら、いや間違いなく私は見張られているだろう。荷物を持って出かけたらまずいだろう。渋谷駅の出入り口までさりげなく行かなくては。まっすぐ行くより、どこかに行った帰りの方が良さそうな気がした。 朝の家事が一段落した頃、二人の女中を呼ぶ。 「テツさん、スイさん(注1)、今日はお天気もいいしみんなで銀ブラしよう。お昼を食べてからデパートを歩いてきましょう」 「奥様、いいですねえ〜」 「どうせならお揃いの着物で行きましょう。姉妹のように見えるわ」 「お揃いの着物なんてありませんよ」 「色柄が似ていれば十分よ」 というわけで三人は出かけた。 元々、幸子は家族のように対応していたし二人の女中も何も違和感がない。 4時過ぎに渋谷駅に戻ってきた。改札を出る時、今まで三人の中央にいた私は右端になった。そして例の向こうの世界につながっているドアの前に来たとき、壁側を歩いていた私はさりげなくドアを通った。二人は気にせずそのまま家に帰る。 尾行が気づいたかどうか自信はないけど、もう追ってはこれまい。工藤さんの話では、出入り口のドアはそこを通れる人にしか見えないそうだ。もし私を監視している人がいたら私が突然壁に入り込んだように見えるらしい。 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
こちら側の渋谷駅から義姉に電話する。とりあえず今夜は泊めてもらわなければならない。 兄夫婦は娘と息子がいるが既にふたりとも結婚して独立しており、今は二人暮らしだ。 兄の家は元々両親の家で、義姉は結婚してからずっと同居していた。でも両親二人の末期は幸子も看病したし長患いでもなかったこと、幸子は相続放棄したことなど、義姉に負い目は感じない。こんなときくらい泊めてもらってよいだろう。
「お義姉さん、ちょっと事情があって数日泊めてほしいの」 「まあ、さっちゃん、どうしたの? 泊めるのは良いけど、洋司さんとなにかあったのかしら?」 「うーん、そういうわけではないんだけど」 「分かった。夕ご飯、頑張っちゃうから、今晩はみんなで飲みましょう」 ということで宿は確保した。なにも持たずに家を出たので着たきり雀だ。明日は着替えを調達しなければならない。 義姉が兄に連絡したらしく、宵のうちに帰宅した。 「幸子、なにがあったんだ?」 「兄さんとお義姉さんには正直に言うわね、向こうの世界で危なくなったようなの」 「危なくなった? 異世界人であることがばれたとか?」 「洋司は細かいこと言わないのよ。私にしばらく姿を隠せというだけ」 「伊丹は大丈夫なのか?」 「わからない、本人は大丈夫って言ってたけど」 「なぜあいつを連れてこなかったんだ」 「教えてくれなかったんだけど、姿をくらませば、これから向こうで仕事をしていくのは難しくなると考えたのでしょうね」 「さっちゃんは洋司さんとは以心伝心だものね」 「それでどうするのだ?」 「洋司から連絡するまでこちらにいろというの」 「わかった。吉本(元)取締役の行方は知らないが、一族の連絡先は知っている。もし1週間くらい連絡がなければ誰かに向こうに行って調べてもらうことにしよう」 幸子は翌日、義姉と一緒に身の回りの品々を買いに行く。100年前の世界と比べてすべてが色鮮やかで品数も豊富だ。 洋司のことは一大事であるが、四六時中ウジウジと悲憤慷慨してもしょうがない。最悪の場合は兄から吉本一族に救出を依頼してもらおう。 「さっちゃん、どちらの世界がお気に入り?」 「向こうの世界では王侯貴族まではともかくお大尽の暮らしだけど、やはり楽で便利というのはこちらよね。向こうは暖房はプアだし、冷房はないしね。それとトイレはきついわ、アハハハ でも広い庭、それも石灯籠があったり植木が素晴らしいとかに価値を見出す人なら向こうがいいと思うわ。 私は家事をしなくていいのが素敵、毎日することはウィンドウショッピングと観劇と習い事だけよ。さすが現代じゃないからテニスとゴルフはないけどね」 「車がなくても、人力車の乗るのはタクシーよりすごいことなのでしょうね」 「今回のトラブルがどう収まるかわからないけど、できるなら向こうに住みたいわ」 とりあえず要るもの、アウター、インナー、履物、化粧品などを買いそろえると軽く10万は突破した。向こうの世界に戻れたらこれらは無駄になる。二つの世界で衣類も生活用品も違うのが問題だわ。 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
二日目以降は義姉も付き合い切れないし幸子も自由になりたいので、一人で出歩くことにした。
![]() しかし心配するのも二晩で終わった。三日目の夜、兄はISO審査で泊り出張なので、義姉と幸子の二人で夕食を取っていると、幸子のスマホが鳴った。画面を見ると洋司の写真が出ている。すぐに応答する。 「洋司!大丈夫だったの?」 「あぁ、全く問題ない。この電話も脅迫されてかけているわけじゃない。 それは良いのだが、大きな仕事が入ったんだ。すこし頼まれてくれないか」 「もちろんよ。でも一度洋司に会って話を聞きたいな」 「そりゃそうだ。幸子に俺の安全を確認してもらいたいしね。 それと依頼事はちと込み入っているんだ。明日午前中にでも渋谷駅で会おう。もちろんそちらの世界の渋谷駅だ」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
翌朝、通勤客が一段落した頃、渋谷駅前で待ち合わせた。 幸子は伊丹の姿を見てほっとした。思わず駆け寄って抱きついてしまいお互いに顔を赤くした。 近くにあったコーヒーショップに入る。 洋司はつい先日までの緊張感というかイライラした様子がない。幸子もその様子を見て安心する。 ![]() 「ひどい目にあったの?」 「いや、肉体的にも精神的にもそんなことはなかった。でも落着するまで胃がキリキリしたよ」 「医者に行く?」 「いや、もう大丈夫だ。それよりも手伝いをお願いしたい」 「なんでしょう?」 「向こうの参謀本部(注2)とやらから、こちらの情報収集を頼まれたんだ」 「まさか防衛省とか自衛隊基地に入り込んでとかじゃないでしょう。私は峰子とか猫目じゃないんだから」 「そんなアブナイことではないよ。書籍とか各種データとか一般公開されているものの収集だ」 「分かったと言いたいけど、以前、洋司はあまりこちらの情報を渡すことは向こうの世界に影響を与えると言ってなかった」 「うーん、それはそうなのだが、向こうの人間が情報を得たいと言っているのだから割り切ることにした。まず、こちらが向こうに攻め込むとかその逆もありえない。だったら向こうの世界の歴史がどう変わろうと、それが向こうの人の意志だと思えばそれまでのことだ」 「私は割り切れないけど・・・・まあそうかもね」 伊丹は向こうで打ち合わせた収集品の一覧表を出し説明する。 「歴史関係がほとんどのようだけど、向こうの歴史はこちらと違うよね」 「彼らはそれを承知している。今までのこちらと向こうの違いを考慮して、これからを推測するんじゃないかな。まあ彼らのお手並み拝見だ」 「わかりました。このリストなら本屋とアマゾンと図書館で1週間あればなんとかなるわ。図書館から借りた本をコピーするのは手間だわね。数が多くないことを祈るわ」 「あと説明資料を作らないとならないのだよ。もちろん詳細は向こうの人たちに書籍を読んでもらうのだが、ここにリストアップした項目ごとに、まあ1日程度で概要を解説する講義の資料を作ってほしいんだ」 「おお、そういうの大好きよ。任せといて、 向こうだって100Vの商用電源はあるよね。だったらプロジェクターが使用できる。パワーポイントにまとめるわ」 「頼む。ウェブからも落とすだろうし、大量にコピーをすることになるから、ビジネス用のコピー機を買うかレンタルしてほしい。細かいことは任せるよ」 「うん、なんとかする。家庭用のレーザーでも買うとかする。いずれにしても完了を1週間後目標に進めます。毎日進捗報告するわ」 「頼む」 お昼を洋司と一緒にとって渋谷駅で別れた。もう二度と会えないと心配することはない。 伊丹の書いたメモによると本は3冊ずつ購入するとある。とりあえずは伊丹のカードで払うという。伊丹の預金残高は向こうに行ってからだけで優に1000万円増えていた。事務機器を揃え、書籍や論文をいくら大人買いしても100万もあれば間に合うだろう。 幸子は兄宅に戻ってから義姉のパソコンを借り、ネットで関係書籍、関係論文などを抽出した。アマゾンで見つかった書籍は即発注する。論文は国会図書館では大変なのでCINIIで調べて購入する。 そうだレーザープリンターも買わねば。プロジェクターも買わなければ。プロジェクターにつなぐパソコンと、ケーブル類も必要だし、プリンター用紙だって1万枚くらいは・・・それに見合ったトナーも手配して・・ 幸子もてんやわんやである。 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
丸四日かけて書籍の発注と論文の手配はなんとかなった。次はカテゴリーごとに一日講義の資料作りだ。実は幸子は理系大学院を修めたマスターなのだ。論文の斜め読みとかサマリーなどはお手のものである。幸子は戦車と機動戦闘車の違いは分からないが、戦車の歴史など書籍・論文・ウェブサイトなどからサッサと資料を作り上げる能力はある。写真や仕様を切り貼りしてパワーポイントにまとめるなどお茶の子さいさいだ。 1週間後、伊丹からとりあえず集まったものを持ってきてほしいという連絡があったので幸子は資料をもって向こう側に行く。 ![]() 伊丹に連絡を取ると会社までもってきてほしいという。それで異世界の渋谷駅に出てから自宅に電話する。まずは女中二人に突然の失踪()を詫びる。二人とも工藤一族なのでそのあたりは承知している。それから二人に駅まで来てもらい、三人で山手線で新橋まで行き非舗装の道路を苦労してスーツケースを転がして新世界技術事務所にたどり着く。こんなことを10回もする気にはならない。10往復する前に、スーツケースのキャスターが壊れるのは間違いない。残りを運ぶのはなんとかしなければならない。 建物に入り会議室に案内されると、伊丹のほかに工藤と階級が高そうな軍服を着た人がいる。 そこで女中二人に礼を言って帰ってもらう。 「こちらが家内です。向こうで資料集めとか複写とかしております」 「辻と申します。お世話になっております」 「伊丹の方から依頼されましたのがこの一覧表で、集めたものがこちらになります。もちろんこれは一部でして、まだ向こうにはこの10倍はあります」 「運ぶのも大変ですな。二回目以降の運搬はいかがいたしましょうか」 「向こうの駅まではタクシーなどで運べますからいいとして、渋谷駅からここまでが大変ですね。こちらの渋谷駅まで受け取りに来ていただけるとありがたいです」 工藤があわてて言う。 「いやいや奥さん、今いるお宅とこの会社を繋ぐ道を作りましょう」 「そうしていただけるとありがたいですわ」 伊丹と辻中佐が幸子の持ってきたスーツケースを開けて中の資料を大きな机の上に広げる。 二人は資料を眺めて過不足を論じ追加すべきものを黒板に書着加える。 ![]()
![]() 伊丹が幸子を振り返える。 「幸子、追加なんだがこれに見合ったものを手配してもらえるか」 「あなた、また? とても私一人の手には負えませんよ」 工藤が口をはさむ。 「伊丹さん、これはもう一人二人の仕事じゃないですよ。うちが調達を請け負うにしても手がありません。参謀本部から気が利いた人を向こうに送ったらどうですかね」 「工藤さん、それも困ります。向こうだって場所がありません。今私は兄の家に泊まっているのですが、数日ならともかく、もう1週間も経ったし義姉もいい顔をしませんよ」 「工藤さん、素人考えだがあなたの一族の能力で参謀本部の一室を向こうの部屋とつないでしまうということは可能ですか?」 「ちょっとちょっと、辻中佐さん、今の家はだめよ、兄の家でこんなことをしていたら追い出されてしまうわ」 「ではどうしたら?」 「向こうに私たちが自由に使える事務所が必要よ、そこと参謀本部をつなぐならいいけど」 「辻中佐殿、利便性を考えると向こうの世界の市街地に事務所を借りましょう。金はかかりますが自由に使えないと困るでしょう」 「うーん、それには予算化が必要だな。しばし考えさせてください」 伊丹は話を変えた。 「幸子、概要まとめはパワーポイントにしているんだろう。もちろん全部はできてないだろうけど、できたものがあれば見せてもらえるかな?」 「今日はパソコンもプロジェクターも持ってきてないのよ。プレゼンできるのは次回というか、工藤さんが道を作ってくれてからになりますけど。 とりあえずいくつかプリントアウトはあるけど、これよ、」 辻中佐がそれを受け取り読み始めた。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「この資料は力作ですな」 「アハハハ、ご満足いただいてうれしいですわ。私もそれなりに一生懸命やりましたのよ」 「一度奥様の講義をお聞かせいただければと思います」 「辻中佐殿、講演を家内に依頼してもらえればありがたいですね。私も手が回りかねます」 「伊丹さん、気になっていたのですが、軍人を呼ぶときに殿をつけるのは下位の者からのときです。伊丹さんは佐官相当に見なされていますから将官以外は殿を付けない方がよろしいでしょう。同格以下に付けると、むしろ嫌味に聞こえますよ 「分かりました。では自今以降は姓と階級で呼ばせていただきます」 「それと奥様はどうしましょうかねえ〜」 「なんでございましょう?」 「奥様に講義していただくとなると、もちろん講師を委嘱することになりますが、待遇はやはり佐官級としないといけないでしょうね」 「はあ?」 唖然とする伊丹夫婦である。 |
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注1 | 明治の女性の名前が思い当たらないものですから、私の両方の祖母の名前を拝借しました。 ![]() 太平洋戦争前に亡くなったテツさんには会ったことがありません。 | |
注2 |
参謀本部とは元々陸軍の最高機関であったが、その後海軍が設立されてから幾多の変遷があった。海軍の最高機関の呼称もいろいろ変わった。この物語は陸海軍を統括する最高機関として参謀本部が存在するものとしている。日本でも現実に1886年から3年間そういう組織だった。 国家に一大事あるとき、総合的運用を図らねばならないことは当たり前であり、日露戦争で国家存亡の危機にあったこの国であるからそのような運用であるとしておかしくないだろう。いえ話を書くのに面倒くさいことを避けたいのが本音であります。 | |
注3 |
下士官以下を下位の者が呼ぶ場合は「軍曹殿」、職名があるときは「班長殿」とかになるらしい。 尉官・佐官の場合、補職名で「中隊長殿」「連隊長殿」となり、将官の場合は「将軍閣下」「提督閣下」と呼ばれるそうだ。 私の知り合いに自衛官は何人もいるが、残念ながら将軍とか提督と呼ばれる方はいない。囲碁クラブで私をいじめていた人が最高位で退役一等陸佐であった。 |