異世界審査員43.幸子活躍するその3

17.12.07

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。

異世界審査員物語とは


阿久津中尉と堀川中尉が幸子の事務所に研修(?)に来て二月が過ぎた。今では二人ともパソコンでブラウザは使えるようになり、ウェブでの調べものとアマゾンの発注くらいはできる。ワードやエクセルも一本指打法だが、なんとか仕事ができるといえるようになった。
幸子は定期的に中野中佐と辻中佐会い、二人の報告をしている。今日は二人を一旦返したいこと、そして別の人の派遣をしたらと提案した。

辻中佐
「いろいろお世話になりました。当初の狙いは伊丹先生の偉大さを認識させようとしたわけですが、それは十分目的を果たしたようです」
幸子
「なにをおっしゃいますの、ともかくパソコンの初歩と仕事のやり方は理解されたようです。次なることは、お宅にパソコンを置いて私たちを介さないで直接調査や手配をすべきでしょう」
辻中佐
「そうできれば良いのですが、実際にはインターネットへの接続やお金の支払いなど、我々は存在していないわけですから難しいでしょう」
幸子
「確かに、矛盾がないようにいろいろと整合を取らないとこの世界の存在がばれてしまうし、そうなればすべてが破綻してしまいますね」
辻中佐
「そんなわけですから多少費用と手間が掛かっても現状しかなさそうです」
幸子
「ところでパソコンがあれば各種技術計算、例えば弾道計算や設計の各種技術計算そのほかビッグデータの保存や検索、あるいは暗号解読・暗号化など活用方法は多々あるわけで、そのためには一人でも多くパソコンを使える人を養成すべきです。インターネットにつなげなくても、パソコンを計算機として使うだけでもすごいことですからね。エクセルでマクロを組めば、電気回路でも構造計算でも変数をいろいろ変えるとどうなるか模擬実験シミュレーションができます」
辻中佐
「そうそう、それですそれです。来年度予算が確保できたらパソコンを100台単位で調達するつもりです。但し秘密保持のために各所に分散配置するのではなく、一か所基地を作り、そこで集中管理しようと考えています。
もし外国に我々が高度な計算機械を持っているという情報が洩れたらえらいことです」
幸子
「もし秘密保持を完璧にしたいなら、日本に計算機を置いて厳選された人だけがそこに通う方が良いでしょうね」
辻中佐
「それはアイデアですね。多少手間ですが、秘密保持のためにはしかたないでしょう。
パソコンが使えるようになれば、今のソロバンと計算尺の作業に比べれば歴然の差です」
幸子

「計算尺と聞いて、ちょっと気になるのですが」
計算尺
辻中佐
「ハイ、なんでしょう?」
幸子
「夫がこちらで計算尺の製造を研究している辺見さんという方を支援していたそうです。パソコンを使うようになって、そういう元からあった研究開発を無用にしてしまうのが良いことなのかどうかと。向こうの日本では計算尺は電子式の計算機の普及によって1970年代に終焉を迎えましたが、それまでの50年間は技術者の必需品でした。その計算尺時代をリープ(注1)してしまって良いのだろうかと?
辺見さんは今まで何年も計算尺が湿度で狂うことの対策を考えてきたわけです。しかし計算尺が活躍する場がなくなってしまうと彼の事業そのものが崩壊してしまうだけでなく、生きがいもなくしてしまいます。同じようなことがいろいろと発生するでしょう」
辻中佐
「なるほど、飛躍した技術を持ち込むことは、本来あった研究開発をひっくり返してしまうのですね。ひとっ飛びにパソコンまで行かずに計算尺とか四則演算だけの計算機という段階を踏まないと混乱を招きますね」
幸子
「そればかりでなく本来たどるべき技術レベルの段階をおろぬくと、あとでそのツケが回るのではないかと心配します。技術というものは試行錯誤によって進歩していきます。私の世界では電子式計算機になる前に、機械式計算機の時代がこれまた30年くらいありました。その結果、小型の精密歯車などの技術が進歩したのです。だからそういう過程は無駄ではありません。もし失敗に終わっても単なる無駄ではなく、先に進んだ時に過去の間違いを参考にできるし、そもそも同じ間違えを繰り返すはずがありません。
仮にあらかじめ正解を与えられると失敗の蓄積がありませんから、問題が起きたとき改めてその対応を検討することになります(注2)
辻中佐
「なるほど、ご主人はそういうことを考慮して基礎からたどらせようとしていたのですな。
ところが我々が伊丹さんの正体に気づいて、大々的な技術移管を要請したものだから歪みが出ると・・それなら進化の速さを本来よりも少しだけスピードアップすればよいのでしょうか」
幸子
「とはいえ、欧米に追いつき追い越すためには急速に技術を発展させる必要があり、段階を踏んでいく時間がありません。そのためには跳躍が必要で、歪みはやむを得ないのかもしれません。それをうまく処理していくのは皆さんの仕事です」
辻中佐
「中野さん、いまさらという気もしますが、この問題については我々内部で意見の統一をしておかないとなりませんね。伊丹さんは今計算尺を例にあげましたが、今後先進の自動車とか工作機械などが入ってくると、今の研究が無駄になるだけでなく先進技術を見せつけられると技術者や研究者に独創性とか開発意欲をなくしてしまうかもしれませんね」
幸子
「さて、前向きの話をしましょう。頂いている定例の講演ですが、もう1年近く経ち主たるテーマは一巡したと思います。それに調査してまとめるという仕事なら、阿久津中尉達もできるようになりました。
それで今後は、今までに得た情報をいかに使うかということを議論する段階になったと思います。そして国際的に優位になるべく行動しなければなりません」

ずっと黙って二人の会話を聞いていた中野が口を開いた。

中野中佐
「半月ほど前に、ここ数か月の異世界との交流について経過を取りまとめ、軍事大臣経由、かつら総理大臣に報告を行った。その結果、総理大臣から異世界交流について厳重な秘密保持を継続するということ、そして具体的なご指示が三つあった。
  • 短期的なこととして、皇帝陛下崩御に際して国民の動揺を防ぐこと、外国からの侵攻対応など
  • 中期的なこととして、欧州で世界大戦が起きたときの軍事、外交、産業、国民生活などの対策
  • 長期的視点としては、震災、飢饉、大戦後の恐慌への対応検討
以上の施策を考えること、そのための機関として枢密院の下に政策研究所というものを設置することを指示された。」
辻中佐
「中野さん、それは私も初めて伺いました。短期的な件ですが、時期的には日本の歴史とは異なるかもしれませんが、早急な対策が必要ですね」
中野中佐
「とはいえこればかりは絶対に公にはできない。日本と同じく歴史が進むならあと三か月か」
辻中佐
「中長期的なことになりますと、葛総理以降となりますからそのご指示に従ってもどうなのでしょう?」
中野中佐
「いや未来を予測してその対応を考えておくことは総理が誰であろうと意義あることだ」
幸子
「政策研究所とは具体的にどういうものなのでしょうか?」
中野中佐
「参謀本部は主体じゃなく何人かメンバーを送り込むだけの立場ですが、今までのいきさつがありますから、建物や人員それに運営については我々が主導することになるでしょう。
メンバーですが、私も辻君も入る。そして奥様にも参加を要請するつもりです。ご主人には声をかけない。あの方には政策ではなく、技術指導に専念してほしいというのが参謀本部の意向だ」
幸子
「皆さんよくご存じで。うちの人は折衝とか政治的なことは苦手で、職人的な仕事をコツコツやるのが似合っていますからね。
しかし長期的なことですが、恐慌を防ぐなんて実際できないのではないですか。この国だけでなく世界的なことですから」
中野中佐
「いや奥様から入手した情報からいろいろなことが分かりました。基本的には覇権国がイギリスからアメリカに移ったことによる世界経済の再調整ということかと思います。ですから発生させないということは不可能でしょう。
しかしそれを穏やかにすること、そして我が国もよりうまく対応することは考えられるでしょう。例えば金本位制をどうするのか、恐慌前に発生した飢饉を起こさないための農業振興、そして我が国の国力増強を図り内需を拡大する。
関東大震災についても発生させないことは不可能ですが、その後景気が低迷してしまった貴国のようにせずに、震災からの復興によって景気浮揚させることはできるのではないかと考えています。
まあいろいろ頑張って国力を付け、世界の二極とはいかずとも1.5極くらいの地位にあれば、我が国はもちろん世界があれほどひどい状況にはならないのではないか。いやそうしたいというのが政策研究所に求めることです」
幸子
「そうできれば願ったりですが、1.5極と言えるには英国は無理として伊仏独を超えるほど国力アップできるものでしょうか?」
中野中佐
「先進技術を得て20年の猶予がもらえれば、それくらいできないといかんでしょう」


明治天皇より日付的に2週間早く、7月中旬に皇帝は崩御された。
政府は事前情報により対応策を取り決めていたので、崩御後の対応は素早かった。官公庁は一定期間の半旗掲揚とお祝いごとの行事の延期などを実施した。元号は大勝から改元された。恩赦は行わないことを決定した。
過去の日本では明治天皇崩御に際して国民が喪章(黒布)を胸や腕に付けることを定めたが、この国では一般国民にはそれほど形式的なことは言わなかった。華美・享楽の自粛を求め、武道やスポーツの大会は先帝を追悼し捧げるものとみなされ実施された。
伊丹は喪の期間中に砲兵工廠の講座の予定があるので、どうしようかと藤田中尉を訪ねた。

伊丹
「国民には喪に服すことは推奨でしたが官公庁は義務のようです。軍の方も喪に服すのでしょう。
次回の講義はいかがいたしましょうか?」
藤田中尉
「通常通り行います」
伊丹
「皇帝陛下がお亡くなりになっても通常通りですか?」
藤田中尉
「軍に対しては通常通りの勤務に勤めることと、むしろ扶桑国の混乱に乗じて外国の威力偵察などが予想されるので、油断せずに国際法に基づき対応するよう訓令されました。
実際、中国やロシアは隙あらばと考えていまして、かの国の軍艦は常日頃領海近辺を遊弋していますので、軍が通常より警戒レベルを下げることなどありえません。
我々砲兵工廠について言えば、平常と変わらず製造・整備作業を行うことが最高のご奉公と思います」
伊丹
「なるほど、それでは来週の講座はいつも通りお邪魔いたします」
藤田中尉
「ところで伊丹さん、聞きましたよ」
伊丹
「は? なんでございましょう?」
藤田中尉
「伊丹さんの奥様が参謀本部で新兵器などの講演を行っているそうですね」

伊丹はギョッとした。藤田中尉がどこまで知っているのか探ったが、異世界の存在とか異世界から種々情報を送り込んでいるということは知らないようだ。ただ幸子が新兵器や将来の社会について特に選ばれた人たちに講演を行っていることを、また聞きしただけのようだ。

藤田中尉
「伊丹さんの奥様の講演を聞くには、本当のエリートでないとだめらしいのです。この工廠から聴講に行っているのは南武少佐を含めた数名の技術士官だけです。木越少佐も選から漏れたそうです」
伊丹
「そうですか、実を言いまして私も家内がなにをしているのかよく知りません。藤田中尉だってご家族に仕事の話はされないでしょう。それと同じです。
私は技術一筋ですが、家内は政治とか経済とか勉強してましたからねえ」
藤田中尉
「ほう、奥様は大学に行かれたのですか? そうでなくちゃ高級軍人や大学の先生に講演なんてできませんよね」

伊丹はこの時代は女性が大学にいったのは何パーセントだったのだろうと考えた。(注3)
伊丹
「家内の頭がいいのは間違いないようですね」
藤田中尉がそれ以上突っ込んでこなかったので伊丹はホットした。
話がおかしくなる前においとまして門を出ると息を吐きだした。


半年後、二つの進展があった。
ひとつは栃木県某所にある遊休工場を買収したのだ。工場建設の予算は次年度なのだが、いつ第一次大戦が始まるか分からないことから、辻中佐が現代の吉本一族に頭を下げて先行手配してもらったのだ。その金額およそ10億円。吉本一族も金があるものだと、それを聞いた幸子はたまげた。
3万平米の敷地と2階建て総面積5千平米の建屋が二棟と付属する建物がいくつかある。周囲は高さ4mほどのフェンスで囲まれている。
土地も建物も広く立派なのだが、バブル崩壊後の長期にわたる不況で閉鎖されていたので、外観はかなりくたびれた様相である。とはいえ、この方が目立たなくて良いだろう。

一棟は異世界の技術者・技能者への教育施設にする。
1階には工作機械を置く。いずれもNCや自動機ではなく、手動の中古機械を揃える予定だ。そして2階は教育施設である。まず大きな部屋にパソコンやワークステーションを100台ほど設置して研修設備にする。このほか図書室、いくつかの教室、ドラフターを備えた製図室も作る。 ドラフター いくらなんでもこの時代にCADまで持ち込んではやりすぎだろうと中野中佐と伊丹たちが協議して決めた。

その他別棟に300人ほどの宿泊施設と食堂、これは向こうの世界から来た人が泊まるためのものだ。実はこの工場は海軍工廠と砲兵工廠とつながる出入り口を備えていて、通勤できる研修者には毎日通ってもらう。しかし遠隔地から研修に来ている者や、残業や夜間も研究などをする人は寮に寝泊まりすることになる。
なお工廠の一般職員・工員には地下工場を建設したという説明をしている。毎朝工廠に出勤してきた人たちがドアを出入りし、材料を運び込んで完成品が出てくるのだから、工廠の敷地内に工場が存在していなければ話が合わない。

もう一棟にはこちらは一般の中小企業が持てない高額な3Dプリンタ、レーザー加工機、タレパン、マシニングセンター、NC旋盤や測定器を揃える。基本的に日本の一般企業に貸し出すための設備である。
機械ごとに仕切りを設け、隣の機械で誰が何をしているか見えないようにできる。もちろん駐車場も出入り口も分けている。客に貸したとき隣の人に情報が漏れないようにしなければならないし、それに異世界の人が使うこともあるだろうし、そのときは当たり前だが見せるわけにはいかない。
はっきり言ってこちらに客は来なくても良いのだが、証拠作りのために吉本一族がそこそこの数の客が来るように手配している。現代の人たちと異世界の人たちが絶対に交わらないように、建物も食堂も庭も別である。そして外部から中が見えないように植栽を配する予定だ。

もう一つの進展は政策研究所の設立である。
研究所の存在そのものを秘密にすると差しさわりがあるということで、人口動向、経済統計など公開しても構わないことについての将来予測とか地方自治拡大の研究などもすることになった。この仕事の建物は新橋駅から歩いて10分ほどのところに石造り3階建ての建物を建設中である。
本来の目的である国家的長期予測と計画策定をする研究所は、砲兵工廠内に鉄筋コンクリート造り3階建てを建設中だ。ここには例外を認めてワークステーション・パソコンなどを設置する予定だ。その他オフィス合理化のためにコピー機、プロジェクタ、LANの設置などをする。そのシステムのお守役とセキュリティ管理要員の派遣を工藤が吉本一族に依頼し、新世界技術研究所で雇用してシステム管理兼セキュリティ管理者として駐在させた。
参謀本部以上の重要な機密であるから、すべての出入り口には憲兵の警備が付いていて入退場者の確認を行う。

いつの間にかというか、そのように取り計らったのだろうが、政策研究所の担当は中野中佐、異世界の事務所と工場は辻中佐が担当となっていた。

うそ800 本日の予告
まあ、基本的な舞台はそろったようです。次回からこの舞台の上で生産技術を発展させていく芝居を演じるようにしたいです。

<<前の話 次の話>>目次


注1
注というよりもどうでもいい話
リープは飛躍とか跳ねるという意味で、リープイヤーといえばうるう年、なんでリープイヤーがうるう年なのかというと、諸説あるらしいけど毎年の元旦の曜日は順々にずつずれていく。ところがうるう年の次の年は曜日をひとつ飛び越えるからリープなのだそうだ。
ちなみに閏年の漢字の「閏」の意味は「本来はないもの」、「正統でないもの」なんだそうです。中国・日本では余計なものがあるのがうるう年、英語ではひとつおろぬいて飛び越すのがうるう年、考え方には二通りあるようだ。
注2
昔、火を起こす技術は生きていくのに必須技術だった。今はマッチもライターもあり、最近では炊事も暖房もタバコさえも電気に変わりつつあり、火そのものを使うことが少なくなった。しかし停電や無人島では火を起こせないと文字通り死んでしまう。
似たようなことで20世紀中ほどまでは、船や飛行機が位置を知るために六分儀を使った。ところがGPSが実用化されると、六分儀は無用となりアメリカ海軍では教育をやめた。ところが今や宇宙戦争が現実のものとなり、GPS衛星が攻撃されて使えなくなった時のために再び六分儀が必須になったという。
船は六分儀をつかえばなんとかなるかもしれないが、巡航ミサイルはどうするんだ? 慣性航法に戻るのか? 慣性航法だけでは着弾誤差は数百m、GPSを利用するトマホークの着弾誤差は半径10mといわれる。核爆弾でもないと着弾誤差が50mもあれば目的は果たせないだろう。
注3
この物語の1912年頃(明治末)の大学進学率は約2%である。大学生はまさにエリートである。
大学・短期大学等の入学者数及び進学率の推移
女子の高等師範学校ができたのは1900年、女子大学ができたのは1901年である。この物語の頃の女性の大学進学率はほぼゼロであった。
中等教育機関の男女別在学者数の推移
明治維新後の女子教育


外資社員様からお便りを頂きました(2017.12.07)
おばQさま
お話しが具体的でよいですね。
女子教育の歴史は資料も多いのですが、製図の歴史は調査が大変だったのではありませんか?
ドラフターは武藤工業が戦後に作ったものですが、戦前の製図の実態は、調べられたのですよね。
想像するに、製図台、T定規、三角定規、コンパス(烏口)などと思うのですが、如何でしょうか? 『風立ちぬ』では三菱飛行機の製図室の風景が出ていましたがあんな感じだったのでしょうね。

私の世代は、T定規、製図版も体験があり、烏口の使い方も習いました。
ですから、ドラフターやロットリングを使った時にはなんと便利なんだと感激しました。
CADができて、消したり修正が容易で、途中も含めて保存可能で、以前のデータが使えることが革新的に思いました。
製図でさえ、このような段階があるのですから、他の技術では飛躍があれば取りこぼしがあるというのは、とても堅実な考えだと感心しました。

最後に突っ込みです。
異世界と現世の間の決済は、どのようにしているのでしょうか?
現世で工場を買いましたが、異世界から払ってもらうのですよね。
すでにお書きなのに、読み落としていたらご容赦を。

外資社員様、毎度厳しいお便りをありがとうございます。
ドラフターは武藤工業が開発したそうですね。すごい!日本製世界一!
私が工業高校のときはT定規でした。卒業まで一度だけドラフターを使わせてもらったことがあります。会社に入ると全員がドラフターを使っていて(当たり前か)すごいなと思いました。
でも私は烏口は使ったことがありません。あれは太陽光で感光させるから使うのであって、ジアゾコピーの時代には必要ありません。
戦前どころかYS-11開発の記録映画を見たことがありますが、図面を製図板でT定規で引いていました。1960年代初期です。ドラフターがあれば図面作成能率は3倍にはなったでしょうね(本人比)
異世界とこちらの世界の決済方法ですが、最初の頃のお話で述べたことがあります。具体的には書いている本人もわかりませんが、共通な商品貨幣で決済するしかなさそうです。
とはいえ会計士が実際のお金の動きをみたら、存在しない会社との取引(もどき)があるわけで、いったいどうなりますかね? ここはカリブのタックスヘイブンにご参加いただかないとならないかもしれません。

異世界審査員物語にもどる
うそ800の目次にもどる