異世界審査員48.未来の歴史その1

17.12.25

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。

異世界審査員物語とは
物語は1914年である。
幸子はほぼ一日おきに東京の事務所と砲兵工廠内にある政策研究所に交互に行く。
幸子
伊丹の家内の幸子です
彼女が政策研究所で関わっている仕事はそうないのだが、他の人たちから相談を受けたり声をかけられることが多く、それが楽しみで会議がなくても顔を出している。実を言えば東京の事務所の仕事はもうルーティン化してスタッフだけで処理できるので、幸子が自らなにかすることはない。
今日も幸子は政策研究所に来たものの、特段なにもなくロビーで本を読んでいると中野中佐と辻中佐がやって来た。

中野中佐
「伊丹さん、これは良いところでお会いました。少し話をさせてください」
幸子
「はい、どんなお話でしょうか?」
中野中佐
「少し前のことですが、新しい歩兵銃で問題があったのをご存じでしょう」
幸子
「そんな話ですね。新聞報道はありませんでしたが、ここに来る途中砲兵工廠を通るとき何度か噂話を耳にしました。機密ならもっと管理をしっかりしないといけませんね」
中野中佐
「アハハハ、まったくです。伊丹さんの旦那さんも対策に関わっていたとか・・・」
幸子
「我が家は情報管理が徹底していますから、お互い仕事の話はしません」
辻中佐
「なるほど、とはいえ噂話を聞いたということですから、なにごとかはご存じでしょう」
幸子
「小銃を作る工場で図面通り作らなかったために、部隊に配備されたら動作しないものが多発したそうです」
中野中佐
「そうらしいですね。その原因としては管理監督していた技師たちが、図面をないがしろにしたためだそうです。
それで伊丹さんに相談です。そういうのを是正というか、再発させないためにはどうしたらいいものでしょうか?」
幸子
「状況を良く知りませんから何とも言えませんが、噂のように原因が図面通りでないと知っていて黙認したならば教育でしょうね」
辻中佐
「修身ですか?」
幸子
「修身と実務における意識づけの教育はちょっと違います」
中野中佐
「どのように?」
幸子
「死んでもラッパを口から離さなかった木口小平や第六潜水艇の佐久間艇長の勇気を教えることも大切ですが、日々の仕事で何をしなければならないか、何をしてはいけないかということを具体的に知らしめることが必要です。この仕事はいかに重大であるか、もし指定された通りにしない場合、いかなる問題が起き、どのような結果をもたらすかというようなことを認識させることです」
辻中佐
「なるほど、とはいえ今回の事例を修身の教科書に載せるわけにはいきませんな。良い話ではありませんので、関係者がつらいでしょう」
幸子
「別に教科書に載せるわけではなく、仕事をさせる時、その仕事で大事なことを教えることだと思いますよ。
話が逸れていいかしら?」
中野中佐
「どうぞどうぞ、私はいつも伊丹さんのなにげないお話から、たくさんの教訓を頂いております」
幸子
「なにをおっしゃる、どのように生きるかを教える修身も大切ですが、科学する心を教えることも必要だと思います(注1)
中野中佐
「科学する心と言いますと?」
幸子
「ジュール・ベルヌとかウェルズなんていうお名前を聞いたことありませんか?」
辻中佐
「うーん、聞いたことがあるような、ないような・・・英語の本でしたか」
幸子
ロケット
「いずれも翻訳されています(注2)。内容は月世界に行くとか長期間潜水できる潜水艦のお話とか、荒唐無稽と言ってしまえばそれまでですけど。でも月に行くための方法とか長期間潜っていられる船の原理はけっこう科学的に考えています。
そうそう翻訳されていませんがロシアのツィオルコフスキーという人の『第二の地球』(注3)という本は少年向けですが、真面目にロケットの構造や原理について書いています。ロケットの入門書として読んでも参考になります」
辻中佐
「つまりなんですか?」
幸子
「日本でも冒険談とか怪奇物語というものはありますが、科学に基づいた物語、それもしっかりと理論に基づいた教育的な本が必要だということです。
10代の少年少女がそういう本を日頃読んでいれば科学的に考えるようになるでしょうし、ゆくゆく新しい理論を考えたり発明したりする原動力になるでしょう」
中野中佐
「この国にはそういう本はないのですか?」
幸子
「知る限りありませんね。もっとも私の日本にもこの時代にはありませんでした。でも荒唐無稽な冒険談を読んでいる人と、科学的な根拠を基にしたお話を読んでいる人には大きくなってから違いがあると思います」
中野中佐
「なるほどと言いたいですが、具体的にどのようなものなのでしょうか?」
幸子
「現物を読まなければ分かりませんよね。今はお見せできるものがありません。探してみますわ」
辻中佐
「いっそのこと、伊丹さんがお書きになったらいかがですか。そうそう、先ほど話に出た仕事を手抜きしたために犯罪者になってしまうというお話を加味したらどうでしょう。架空の物語ならくだんの身内の方にも悪影響はありませんし」
幸子
「何をご冗談をおっしゃる、私に文才はありませんよ」
辻中佐
「いやいや、期待しておりますよ。いつまでとは言いませんから」
幸子
「そう言えば、『銀河帝国の興亡』(注4)という小説もあります」
中野中佐
「どんな物語でしょうか?」
幸子
偉大なるアジモフ
アイザック・アジモフ
私が書いたのじゃ
「これは向こうの世界で今から40年後くらいに書かれた本です。舞台設定は人類が宇宙に進出し、いたるところに植民した何千年も未来のお話です。
そういう世界であっても国々は争い、弱小国は辛い運命なのはこの世界と同じです。とある国の天才科学者が自分の国が将来にわたって生き残るための計画を立て、いろいろと仕掛けをするのです」
中野中佐
「仕掛けといいますと?」
幸子
「その小国が幾多の国難にあい子孫たちがその難題を創意工夫で乗り越えていき、だんだんと力をつけてより大きな困難や敵に出会っても勝ち続けるように歴史を計画したのです」
中野中佐
「そんなことがどうすれば可能なのかちょっと想像がつきません。そこはお話だとして、その小説がどのように関わるのでしょう?」
幸子
「まもなく始まる世界大戦への対応は今まさに私たちが考えているわけで、対策案を政府や皇帝に上申することができます。大恐慌が起きる15年後はまだ私たちは生きているでしょう。しかし第二次大戦が始まる25年後は生きているかどうか、そして第二次大戦後となれば間違いなく生きていないでしょう。私たち亡き後いくたびも起きるだろう戦争や外交問題あるいは内政問題は、子孫が処理しなければなりません。
そのとき私たちは生きてはいないからこそ、子孫のために今いろいろ策を練っておかなければなりません」
中野中佐
「この政策研究所はそのためだと思いますが」
幸子
「もちろんそうです。しかし今考えられている政策研究所の仕事は、目標とする国とか社会の形とそれを実現する施策を考えることかと思います。
それだけでなく、子孫にどういう方向を目指すべきかという考えを伝えることが必要と思います」
中野中佐
「次代を担う人を育成するということですか?」
幸子
「そうです。しかし漠然とではなく具体的に明確に、国民すべてにビジョンを持たせそれを実現する意識付けをする。そのための考え方を教える。具体的施策ではなく考え方です」
中野中佐
「考え方と言いますと?」
幸子
「具体的施策はその問題とこの国を取り巻く環境によって異なるでしょう。ですから具体的施策を今から準備しておくことはできません。そうではなくこの国が目指す社会とか価値観を共有させ、それに向かわせるのです。
将来起こるであろう国際情勢とか国難に際して、戸惑ったり分裂したりせずに国民一体となって対応し、単に生き残るのではなく、勝ち残れるようにしたいのです」
辻中佐
「まるで未来の歴史を書いているようなお話ですな」
幸子
「そう、未来の歴史を書きたいの。私たちの世界で日本が敗北して立ち直れないようになってしまったのを反面教師として、この扶桑国をそうならないようにしたいのです(注5)
辻中佐
「なるほどとは思いますが、具体的には?」
幸子
「何十年も先のあるべき社会は定かではありません。だけど科学を尊重すること、論理的な考え方をすること、そういうことは絶対に変わらないと思います。だから国民全部がそういう考え方をするようになってほしい。そういう能力があれば、リテラシーというのかしら、新聞やラジオなどが偏向報道しても、あるいは急進政党がデマゴーグを流しても国民は騙されません。そういう国になってほしいの、
というのは私たちの日本では報道の自由を悪用して、偏向報道、捏造報道がまかり通り、マスコミが嫌う政治家に冤罪を負わせ失脚させるということが日常茶飯事なのです。
国民のリテラシーが高ければ、国民はまっとうに考えあるべき社会の実現するでしょう。私の願いは子々孫々そういう考え方を伝えていくということになりますか」
辻中佐
「ひどい話だ。報道の自由ではなく、偏向する自由とか捏造する自由ですか」
中野中佐
「それには今の学校教育では足らんというのですか?」
幸子
健康な身体に健全な精神が宿る 「そう思います。例にあげた『銀河帝国の興亡』は小説ですから具体的にどうすれば未来を動かせるかは書いてありません。
私が考えているのは、例えばこの国は欧米に比べて科学技術が遅れているから、若い人や子供に興味を持たせなければならない。そのためには科学技術の小説を流行らせるとか、欧米人に比べて体位が劣っているので、食糧事情の改善やスポーツ振興をしていくという感じでしょうか。そういうことを行っていけば、健全な体と精神が培われると思うの」
中野中佐
「なるほど、おっしゃる意味は分かりました。そういうことを多角的に進めていけば国民の常識レベル、教養レベルが向上していくということですか」

注:
「常識」とは元からある漢語ではない。明治の御代に英語の「common sense」が翻訳されたものである。「sense」とは感覚・感性・知恵・理性であって「knowledge(知識)」ではない。
英英辞典を引けば「common sense」とは「the ability to behave in a sensible way and make practical decisions」、つまり「賢明に行動し、現実的な決定ができる能力」である。
だが日本語の辞書を見ると「社会人が持つべき知識や分別」となっていて、「知識」が追加されて、むしろ知識が主であるかのごとく書いてある。そして一般的に「常識がない」とは物を知らないとか、流行やニュースを知らない意味で使われている。
だがそれは本来の意味ではない。流行に詳しく知識豊富な人が、常識ある人ではない。流行を知らず知識がなくても、論理的に考え判断する人が常識ある人なのだ。
試金石をあげるなら、常識ある人は振込詐欺とかネズミ講に騙されることはない。
ところでテレビに出てくる知識人が馬鹿ばかりなのは、知識はあっても常識がないからだろう。

幸子
「そうですね、それには科学する心が必要で、そのためにはそういう本を読ませることかなと考えたわけです。科学といってもいわゆる自然科学ということではなく、客観的・論理的に考えるということです」
辻中佐
「なるほど、千里の道も一歩よりという遠大なビジョンですな」
中野中佐
「伊丹さんのご主人は工業のレベルアップを実現するためには底辺を広げて行かなければならないといつも語っていますが、奥様も同じようですね。先を急ぐのではなく、地に足が付いているというか」
幸子
「私はこれから起きるだろう第一次世界大戦は欧州の列強が支配する世界からアメリカが支配する世界への変革だと思います。現状ではそこに扶桑国が入り込む余地がありません」
中野中佐
「覇権国が欧州からアメリカに移るだけでなく、共産主義国家の興り、東西対立の萌芽ということもありますね」
幸子
「おっしゃる通りです。弱肉強食のこの世界でこの国がより良い地位を得るために、これから始まる第一次世界大戦において、上手く立ち回わらなければなりません。そしてそれが第二次大戦で貧乏くじを引かないことになるのです」
中野中佐
「それこそ今日、伊丹さんとお話をしようと考えていたことです。でも今日のお話を伺い非常にためになりました」
幸子
「また話が変わりますが、アメリカという国はまだ建国してから140年も経っていません。
しかし既に世界一二を争う工業力を持っています。これからの第一次世界大戦で欧州が大きな被害を受けた後に、工業力と農業生産で覇権国になります」
辻中佐
「それを止めるわけですか、代わりに我々が・・」
幸子
「いくらなんでもそれは無理です。しかしなぜアメリカが急速に国力を伸ばしてきたかとなるわけですが、もちろん先住民族から土地を取り上げ我が物にするなどやりたい放題、広い国土もあり資源もあったからではあります。でもその条件は、カナダでもオーストラリアでも南アフリカでもインドその他の植民地でも同じことです。
アメリカにできて他の国にできなかったこと、それを私たちがやれれば良いのです」
中野中佐
「その違いは?」
幸子
「基本的に工業が発達したからです。でも需要がなければ工業生産が伸びるはずがありません。19世紀は西部開拓で銃器の需要があり、それを作るため工業が発展しGDPが伸びた(注6)20世紀の今は自動車でGDPが伸びている。今年1914年の自動車生産台数は日本は1000台、アメリカは30万台です(注7)300倍の差ですよ。そういう国と戦えますか」
辻中佐
「うーん」
幸子
「自動車は軍隊でも使うでしょう。けれどもそれだけではありません。一旦事あればそれらの工場では、飛行機でも軍艦でも武器でも作ることができます」
中野中佐
「つまり我々も工業力を大きくしなければならないというわけですね」
幸子
「でも需要がなければ供給力が伸びるわけがありません。とはいえ市場を外国に求めると、貿易摩擦の原因となりますし、外国の景気に左右される。反面、内需が大きければ貿易摩擦も起きないし、第一次世界大戦後の世界恐慌にも大きく影響されないでしょう
ただそのためには国の経済規模が大きくなければなりません。アメリカは経済規模が大きいから覇権国になります。カナダやオーストラリアは国が広くても経済規模は小さいのです」
中野中佐
「江戸時代と同じというかブロック経済ですな。それが成立するためには、域内で食料や資源を自給自足できなければならない」
辻中佐
「しかし今は江戸時代ではありません。自動車にしろ船にしろエンジンで動きます。エンジンを動かすのは石油です。家庭で電球がともるのも電気が必要です。いくら自動車を作っても、国民が買う金がなく動かすガソリンがなければどうにもなりません。
要するにエネルギーを確保しなければならないということになります」
油井やぐら
幸子
「ズバリそれです。私たちの日本は資源小国だからこそ中国に出ていったわけで、それで戦争になった。戦後も資源を手に入れるために四苦八苦しています。
この国の未来は石油を確保しなければありえないということです。第一次世界大戦でうまく動いて油田を確保するのです」
中野中佐
「一部の人たちは中国の北にある満州を確保しようと考えています。満州には石油があるというのです。残念ながらお宅の世界と違い、我々は中国大陸に足掛かりを持っていない」
幸子
「いえいえ中国大陸に出るのは悪手です。北はロシア、南は中国、日本との間には朝鮮と、関わると碌なことがない国ばかりです。別の方向を見るべきです」
中野中佐
「別の方向とは?」
幸子
「南洋もありますし、海底とか」
中野中佐
「そういうところから石油や石炭がでる可能性があるのですか?」
幸子
「向こうの世界とこちらの世界の地質が同じなら可能性ではなく実在します。ただそれを手に入れられるかは私たちのこれからの決断と実行にかかっています」
辻中佐
「じゃあ我々はアジア地域で第一次世界大戦に便乗して資源確保の戦争をするわけですか」
中野中佐
「そんな乱暴はできないだろう」
幸子
「中野中佐のおっしゃる通りです。私たちが注意しなければならないことは、西欧の列強は横暴を働いても先進国同士では批判されないけど、東洋の後進国が同じことをすると西欧諸国から批判されるということです。帝国主義、植民地、人種差別、宗教差別、このダブルスタンダードを忘れてはいけません」
中野中佐
「最近、不平等条約をやっと解消したところだ。それは重々承知している」
幸子
「ですから誰からも恨まれないように、これから石油が出るであろう場所を確保する、第一次世界大戦を利用してそれを達成するのです」
辻中佐
「そんなうまい手がありますかね?」
幸子
「欲しい土地はありますが、まだ具体的方法のアイデアはありません。でも将来が見えている私たちならできるはずです。
ところでもう日が傾きました。続きはまたにしましょう。考えていることはいろいろあります。正直言って私の方からご相談したかったのです」
中野中佐
「続きは日を改めてまたお話をしましょう」

三人は政策研究所を出て砲兵工廠を通り抜け表にでた。
まだ工場は終業時間になっておらず人の出入りは少ない。
門を出ると通りの向こう側に一人の陸軍士官が立っている。その軍人は幸子の姿をみると駆け寄ってくる。途中で軍刀を抜いた。

そして大声で叫ぶ
の〜ぉ、女スパイめ、天誅を下してやる」

興奮と緊張のためか、その声は裏返っていていた。
砲兵工廠の左右には警備兵がいるが、双方とも突然のことで動けない。
軍刀を上段に振り上げて幸子にあと数メートルまで迫る。
軍刀の刃が光を反射した。

うそ800 本日の疑問
これからどうなるのでしょうか? お正月に考えることにします。
この回のお話が総スカン食うかどうか、どうでしょう? 反応をちょっと気にします。
おっと、語句やフレーズの出典ばかり書いてますが、自分自身の勉強のためです。

うそ800 本日知ったこと
いつもグーグルクロムとIEでウェブの表示と動作を確認しているのですが、たまたまファイヤーフォックスでチェックをしていたらページ内リンクが働きません。ネットで調べたら「アルファベットで始まり、アルファベット、数字[0-9] 、ハイフン( - )、アンダースコア( _ )、コロン( : )、ピリオド( . )を組み合わせた名前でなければならない」と書いてあるのを見つけました。現在のHTMLではリンク先のアンカーに漢字もカナも使えないことを知りました。いつまでも20年前の知識だけでは生きていけません。

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注1
「科学する」という動詞は本来なかった。橋田邦彦(1882〜1945)が嚆矢と言われるが、私が子供の頃は聞いたことがない。1960年代、某科学技術庁長官が使い、今では普通の日本語になってしまった。

注2
ベルヌは1880年代、ウェルズは1912年に翻訳されている。このお話のときは翻訳本が出ていた。

注3
ツィオルコフスキーが「第二の地球」などを書いたのは1890年代であるが、翻訳されたのは1960年代である。

注4
「銀河帝国の興亡」アイザック・アジモフが1951〜1993の40年にわたって書いた超長編である。アジモフ亡き後も数人が続編を書き続けている。

注5
「反面教師」とは毛沢東が1957年に「悪い人を見てそうならないようにする」という意味で使った。当然この時代に存在しない言葉である。

注6
GNPという概念は1934年アメリカ議会報告書においてサイモン・クズネッツによって考えられた。多分に大恐慌以降のアメリカ経済規模の指標としたからだろう。
おっと、ということは1914年にGDPを語るのはおかしいよね、

注7


外資社員様からお便りを頂きました(2017.12.05)
幸子さんの危機、護身のために拳銃くらいもっていて欲しいですね。
戦前は、米国と同じで、普通に販売されていて、将校の武器は自弁ですので、九段の軍人会館でかったそうです。 一般人でも買えたからピストル強盗がいたのですね。
まあ、日本刀というのは、意外に使えないものです。
中国戦線に従軍した刀匠に成瀬関次という人がおりますが、陸軍の将校でも、まともに刀で切れる人は少なかったみたいです。
実際、拳銃があるのに、日本刀を使うほうがおかしいですね。
不意をつけば、スタンガンで反撃できるかもしれません。
幸子さんの無事を祈りつつ、どうぞ良いお年を

外資社員様 毎度ありがとうございます。
私が子供の頃、オヤジを含めて戦争に行った人たちの話をよく聞きました。それによると士官は必ず軍刀を自前で買わなければならなかったそうです。
拳銃は小銃を持たない兵科の士官は必需で、小銃を持つ兵科では持つか持たないかは自由だったと聞きました。いずれも自前だったそうです。
兵学校とかで成績優秀者には副賞として拳銃が授与されたと読んだこともあります。
ということで軍刀は士官なら皆持っていて、拳銃は金持ちか成績優秀者しか持っていないと設定しました。
幸子さんは拳銃を持っていても使えないでしょうから、次回から護衛を付けましょう。

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