従うと基づく

17.06.08
前回は「規格に従って」というのはおかしい、誤訳じゃないのかと噛みついた。正直いいまして英検2級、TOEIC600点台半ばの私の能力ではほんとのところはわからない。でも元々の和文が変だなと思ったことは事実だ。
しかし待てよ、「従って」という言葉はここ以外にも使われている。そして「従って」があるなら「基づく」だってあるだろう。それはどうなのかと気がついた。
調べてみよう、他の箇所の意味はおかしくないのだろうか? もしかして原文の意味と異なることはないのだろうか?


では「基づく」の番です。

こう見てくると、「従う」と訳された箇所も、裁量の余地がなく本来の日本語の「従う」もあり、裁量の余地があって「基づく」とすべきものもある。
それだけでなく、文章の前段によってという「従って」もあり、「(なにものかに)応じて」とか「(なにものかに)合わせて」とすべきものなのいろいろである。
結論として「従って」とあっても、「手順に従って」ばかりではないと心しなければならない。
同じく、「基づく」とあっても、「従って」と対応するものばかりではない。これも要注意である。

うそ800 本日のまとめ
私の英語力はプアであることは間違いない。だからここに書いたことが怪しいことを100%保証する。
だけどISO規格の日本語訳は変だなということは拭いきれない。だから、本当なのか? ニュアンスはどうなのか? ということを考えなければならない。
審査で「従ってとありますが、これは法律での従っての意味ではなく以下に続くことに対応しろという意味ですよ」とか説明してくれる審査員がいたら素晴らしい。

うそ800 本日の印象
しかし日本語のJIS規格を読んで考えたり審査するなど愚の骨頂だ。英語のISO規格を読んで判断するのが最良である。わからなければ英語の得意な人、ネイティブの人に聞くのが一番である。もっともネイティブといっても法律とか契約書などに疎い人はちょっと不適かもしれない。
うーん、JIS訳の存在意義はなんだろう。英文を読めと言っても困る。いっそのことJIS規格は対訳にしてしまったらどうだろう。そして疑問な場合は英文を正とするとすべきだろう。
もっとも翻訳に問題があると言っているのであって、英語原文に価値があるとも思ってはいないんだけどね、


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