異世界審査員105.復興その1

18.08.02

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。

異世界審査員物語とは

「地球外知的生命体探査」という研究というか活動がある。私が子供の頃の「オズマ計画」がはしりだと思う。 電波望遠鏡 私は「オズマ計画」から「オズの魔法使い」のお話を知った。
「地球外知的生命体探査」とはなにかと言えば、要するに地球以外にも高度な知性を持った生き物がいるはずだ。そういう生物はきっと平和的だろう、ぜひともお友達になりたいなという思い(思い込み?)から始まったのだろう。
幸いというか残念というか、ご存じの通り、いまだにコンタクトに成功していない。だが明日にも成功するかも知らず、その成功が人類にとって幸運か不運かは定かではない。
つまり、会ってみたら友人ではなく泥棒かもしれないし、平和的な隣人ではなく殺戮者かもしれない。
宇宙広しと言えど、いつかは地球外の高等生物と出会う日があるだろう。そのとき地球人の最後にならないように祈っておく。

時は1923年12月末、大震災からもう4カ月が過ぎた。この間いろいろなことがあった。
  • 後藤大臣に変なことを考える暇があったら、ちゃんとした報道をしろと脅かされた新聞記者は、地震の際の英雄的活動や美談を集めて連日報道した。
    まとい 隊長が倒れた部隊を元纏持ちだった老人が率いて多くの命を救った血沸き肉躍るお話、モンペを着た主婦や少女が外苑の救急診療所に来て看護の手伝いを申し出た話、巡査が避難者と一緒に泣きながら隅田川に仏壇を投棄して避難所が火の海になるのを防いだという聞くも涙語るも涙のお話など、一般市民は新聞に勇気ある人々のお話を読んでは感動した。なにごとでも納得し割り切り諦めるにはカタルシスが必要なのだ。

    だが中野をはじめ本丸の司令部の活躍は誰にも知られることはなかった。
    なお、いっとき近衛師団長が指揮権を簒奪されたと騒いだ。しかし司令部にいた全員が、師団長は地震が起きてすぐ受傷して意識不明であったと証言して振り上げたこぶしも降ろせず、いつしか師団長は退役していた(注1)

  • 大森博士
    オーストラリアの学会に出張していた地震学の大森博士は、帝都に大地震が起きたというニュースを聞いて急遽帰国した。
    しかし元からあった脳腫瘍が悪化していたことと、自分が否定していた大地震が起きたことによる精神的ショックで、10月に帰国すると同時に東大病院に入院して11月初めに亡くなった。

  • 川西の作った飛行艇は、その航続距離から南洋諸島との定期便に採用され、また滞空時間が20時間もあることから、海軍と陸軍が哨戒・管制機として制式化された。それにより生産予定数は300機にもなり、川西は大型飛行艇専用の製造ラインを作ることになった。 川西飛行艇
    おかげで今後10年間は仕事の心配はない(注2)

    一方、中島が作った消防飛行機は特殊用途に特化しすぎていて転用がきかず、若干を実験機として残すほかは解体されることになった。中島は依頼された仕様通り作り、ちゃんとお金ももらったわけで、仕事が失敗したわけではないと自分に言い聞かせた。
    とりあえず今回の災害支援活動を見た結果、実用になる急降下爆撃機が必要だ。それと地上の兵隊や戦車とお互いに協力して行動する直協機が必要だということが分かった。エンジンは頂いたものを使うとして、そういうものを自主開発して陸軍と海軍に売り込むことにしよう。
    なにせ今回の仕事で損したわけではなく、それどころか大きな黒字だったことだし。

  • 防火帯作成と火災跡の整地作業に大活躍したブルドーザーは、その活動から一般人の目を見張らせた。そして砲兵工廠から技術移管を受けて製造を開始する民間企業も現れた。その会社はブレードの代わりにローラーを付けたりバケットを付けたり、クレーンを付けたり、多様な重機を生産するのである。
    そして建設重機は建設会社や工兵隊の必要不可欠なものとなる。もう土木工事はシャベルとモッコの時代ではない。

    もっこ

    シャベル

    シャベル

    矢印ブルドーザー

    今の人は土木工事現場でモッコかつぎしている姿なんて見たことないでしょうね。私が子供だった頃はブルもユンボもないから、上半身裸で腹巻だけしたオッサンたちが、シャベルで地面を掘り、モッコを担いで土や石を運んでました。
    ドカベン 土方は大変な重労働でしたから、昼飯もしっかり食べないと力がでません。彼らが使っていた大きなアルマイトの弁当箱を「土方弁当」、略して「ドカベン」といいました。
    野球漫画「ドカベン」のタイトルは「ドカッと大きな弁当箱」に由来しているとありますが、元々は「土方弁当」のことだったのではないでしょうか?
    土方が差別語と言われるようになり、由来を変えたのでしょうか?

  • 俺は車屋鉄三郎だ。若いときはまとい持ちだったが今は隠居の身だ。数年前の防災演習を見物に行って、戦車隊の人たちに昔、火消しだったときの話を語った。
    それからときどき問い合わせがあった。初めのうちは暇つぶしのつもりだったのだが、だんだん消火作業の手伝いをするようになった。地震がきて、いざ実戦となったとき、隊長が屋根から落ちてきた瓦に当たり大怪我をしてしまった。
    車屋鉄三郎
    車屋鉄三郎
    そんなわけで急遽、俺が隊長に代わって采配を振ることになった。延焼を止める防火帯を作ったり、取り残され火に囲まれた人を助けたりした。ヒャッとしたことは何度もあったが、俺が率いた戦車隊や工兵隊で、死人が出なかったのは幸運だ。

    大災害の中で人の役にたてて大満足だったが、その話が新聞に載って一躍時の人になってしまった。それだけでなく一段落したら、なんと勲章をくれるというんだ。一時的でも軍属であったことと、その武功抜群だからという。
    いろいろ考えたが俺一人のためではなく、地震で働いた民間人、特に年寄りの代表としての受勲だと思う。ありがたくいただいたよ。俺の人生を思い返すと、鳶になり纏持ちになったが、大したことはしなかった。俺が建てた建物なんてみんな朽ちて建て直され、俺の人生はなんだったのだろうと思うこともあった。それが引退してから勲章を頂くとは思いもよらなかった。
    勲章は我が家の家宝にするよ。

  • 後藤新平は、パラオのコロールに総合病院を作り南洋諸島の医療水準の向上を図ると聞いて、忙しい中、南洋庁の横田長官を呼んだ。そして医学博士でものすごい外科医がいるから、 南洋 それなりの職に付けてくれと頼んだ(注3)
    横田長官から見れば後藤大臣は雲の上の人。すぐさまどんな人物か調べると、地震のとき外苑の救急診療所で八面六臂の活躍をして、彼が救った命は100人を下らないという。これは掘り出し物とコロール総合病院院長の辞令を出した。
    後藤は島田医師を呼んで、望みは叶えたぞという。島田は口では後藤に感謝したものの、ヤシの葉陰でのんびりすごすどころか、南洋諸島の医療行政の中心として仕事するなんて、希望したことと大違い、遊ぶ暇などないだろうと逃げたくなったのが本音だ。
    後藤は島田の気持ちも知らずに、君の前途は洋々だと笑った。
    腕のいい医者は、行政でもソツはないだろう。横田長官から感謝されても恨まれることはあるまい。


帝都及び横浜・川崎復興事業はもはや政策研究所とは関わりなく、純粋に立法と行政のマターとなって進んでいく。
ここは政策研究所である。集まったのは吉田部長のメンバー、米山、兼安、幸子、松葉杖からやっと解放された吉沢、熊田、そして工藤社長と伊丹、更にさくらがいる。

中野部長
「関東大震災対応もなんとかというところか。我々の成果は予想よりも良かったか悪かったか、皆どう思っただろうか。
私はどう頑張っても人間の力は自然には勝てないという思いだ。自然に逆らわずに生きていくしかない。江東区、江戸川区など、やはり人が住むにはリスクが大きすぎる。都市計画以前に、どういう土地なのかと考えて土地利用を決めなくてはならない。個人的には住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定める法規制を作り、効率的で環境の良い都市を作るべきだろう。
後藤大臣もそう考えているようで、聞くところによると江東区、江戸川区は今後は住宅や工場の建設を規制するという」
米山教授
「部長、そうしますとあの広い土地をなにに利用するのでしょう」
中野部長
「まだ構想段階だが、緑地、農地、飛行場、競技場、イベント会場などにするつもりのようだ」
兼安教授
「都心近くでもったいない気がしますね」
中野部長
「住宅地は山の手より西と、市川より東にするという。あの広い土地が緑地になれば気候も安定するだろうし災害にも強くなる。なによりもあまりにも連続した街並みより、森林や田園によって間隔を取ればより災害に強い帝都になるだろう。
それに江戸川から都心に通勤するのと、市川や船橋からでも大して時間は変わらない。
さて、これからも我々の課題は終わりはないが、当面の課題は大きく二つあると思う。
ひとつは欧州大戦終結からのブームが終わり、経済不況に入ること(注4)経済不況から始まって、だんだん世界中が不安定になり、10年後には戦争になるかもしれない。
まず我が国の経済をどう底支えするかということが課題だな。それから扶桑国が戦争に巻き込まれないためにはどうするか、
もうひとつの課題は、新しくつながった秋津洲国とどう付き合うかということだ」
吉沢教授
「部長のおっしゃることはわかりますが、最初の課題はひとつとは言えませんね。経済問題、軍事的施策、外交政策など多面的な検討と対策立案が必要です」
中野部長
「いずれにしても、それを考えるのは我々だ」
工藤社長
「第二の課題につきましては、向こうに我々のような一族がいるか調査中です。今までのところまだ接触しておりません」
中野部長
「技術とか社会的な技術情報の入手の価値はどうなのですか?」
工藤社長
「伊丹さんのお話では技術的にはほぼ日本の世界と同じということです」
中野部長
「向こうの世界の調査を新世界技術事務所に委託することは可能ですね?」
工藤社長
「おかげさまで震災復興のお仕事は多々頂いております。それで向こうの世界の調査丸ごととなりますと負荷オーバーです。
できればお宅の研究員の現地案内とか書籍の入手という仕事に限定していただきたい」
中野部長
「分かった。それじゃ異世界の担当として・・・岩屋さん担当してくれませんか」
岩屋
「かしこまりました」
伊丹
「さくらはどういう仕事をするのですか?」
中野部長
「研究所で採用したわけじゃない。来年からアメリカ留学の予定です。それまで行儀見習いでもしょうがないので、ここでお手伝いをしてもらうつもりだ」


内務省と農商務省が主宰する震災復興計画 工業部会の会議である。今日は伊丹が参考人として招致され意見を述べるのである。

伊丹
「私の提案は大きく三つになります。それは近代化、体系化、標準化です。
まず近代化としては多くのものが破壊されたこのたびを、千載一遇の機会として活用しなければなりません。震災で被害を受けた工場は古い機械が多かった。 プレゼンテーション 再建するにあたり過去と同じものではなく、最新式の高精度、高効率のものを導入すること、これが基本です。天井のラインシャフトからベルトで個々の機械を駆動するような機械は過去のものです。また工作機械だけでなく計測器や計算機なども最新化します。それにより欧米の製造工業に追いつくだけでなく、逆に差をつけ競争力を強化します。

次に体系化です。体系化といっても多岐にわたりますが、まず職工や技術者の育成方法を見直します。勘と度胸と経験とか、先輩はゲンコツと書くなんて封建時代では人が育ちません。一定の能力がある人ならだれでも一人前の職工や技術者にするという教育の仕組みを確立し、育成します。
また工場の管理、それは日程も、品質も、人の管理、原価管理もあります。そういったことを科学的というか論理的というか、理屈に基づいてやり方を決め、そのやり方に従って管理します。それにより品質、納期、コストが改善していきます。

非常口
クマ出没注意
最後は標準化ですが、まず度量衡はメートルに統一します。尺貫法やインチは使用しません。そしていろいろな項目について標準化を進めます。例えばねじ山の形状も家庭の電気の電圧も周波数もひとつにする、道路標識も、屋内の表示も全国的に統一する。
どの大学を出た人でも同等の仕事ができる力量を持つ、どこでも同じ機械部品や電気部品が買え、どこでも同じ電気製品が使える、そういう社会ができれば無駄が省け、効率向上を生み出し、国力を増加させます。
そしてすべてを支えるものとして、学校教育における論理的な考え方と算数・数学が大事です」
後藤新平
「そういう仕組みを作ることに伊丹さんは協力してくれるのか?」
伊丹
「協力はします。でも私がすべてはできません。教育制度から送電網や商用電源の共通化、はては道路標識の法制化など多岐にわたり膨大です。私にできることは、個々の案件の方向性を示すとか問題点があればアドバイスする程度だと思います」
お役人
「標準化をしなかったら不具合があるのかね。というのは特段メリットがないなら余計なことをすることはないからね」
伊丹
弾丸

弾丸

弾丸

弾丸
「扶桑陸軍の小銃弾は今3種類あったと思います。戦場で小銃も弾丸もあるけど、手持ちの小銃にあう弾丸がなければ困るでしょう。あるいはあなたが東京から大阪に引っ越すとき、周波数が違うから家庭用電気製品を買いなおす必要がある現在は問題ではありませんか。
標準化とは小銃は何種類あっても、その弾丸は1種類にするとか、扶桑国全国の電気の電圧も周波数も同じにするということです。そうすれば小銃と弾があわないとか、電気製品が使えないということはなくなります」
お役人
「なるほど、そう言われるとよく分かりました」
結果として新世界技術事務所は震災復興計画工業部会からコンサル契約をするにとどまり、傍聴していた工藤社長はホッとしたのである。いや工藤社長の本意は時間当たり売上が減ると困るというだけだ。審議会とかのメンバーになればお車代で終わりということもある。それでは経営が成り立たない


新世界技術事務所である。工藤社長と伊丹、ゆき、岩屋が議論している。
新しくつながった世界の調査方法についての議論である。

岩屋
「やはり情報収集となると、向こうに事務所を構えて、書籍や論文などを収集しないとならないでしょう。まして今回は伊丹の奥さんのような人がいないから」
工藤社長
「向こうの一族に事務所設立を頼もうと思います」
岩屋
「まだ向こうの工藤さんと同じような一族と連絡が付かないのでしょう。いや、それ以前にそういう一族がいるかどうか分からない」
伊丹
「仮に向こうにそういう一族がいたとして信頼できるものでしょうか。もしかしてこちらから行った者を向こうの官憲に売るとか?」
工藤社長
「こういう特技というか能力がある者同士ですから、相手を裏切ることはないとは思うのですが・・・ご心配でしたら当面調査には私の一族だけ向こうに行くことにしましょうか」
伊丹
「いやそういうことではなく、大きな問題があると思います。
前回の日本の世界との関係と、今回は大きな違いがあります。向こうの世界でこちらの世界を知ってたのは吉本一族だけです。そして吉本一族はこちらの世界で新しい商売を始めようとはしたが、こちらを侵略する気はまったくなかった。
しかし今回は向こうに異世界へのドアを作る一族がいたとき、我々が向こうを調査するのと同じく、向こうもこちらを調査するだろうが、交易だけでなくこちらを侵略し支配しようと考えるかもしれない」
工藤社長
「確かに・・・そういうことは思いつかなかった」
伊丹
「もし侵略の意図があれば、100年もの差がある軍事力でこちらを占領・支配することは簡単だろう。南米に攻め込んだスペインや原住民を虐殺したオーストラリアのように。それこそ赤子の手をひねるようなものでしょう」
ゆき
「向こうが侵略する可能性がありますかね? こちらには特段価値ある作物や技術はありません」
伊丹
「種々の資源を掘り出して向こうの世界に送るとか、いやいや向こうの連中がこちらに住み着いて支配階級になる可能性もある」
工藤社長
「ありえるでしょうね。我々は向こうで我々に似た一族を見つけていないが・・・もしかしたら向こうは既にこちらに侵入しているかもしれない。我々が気付いていないだけということもある」
伊丹
「向こうの一族が日本や扶桑国にあたる国の住民でないということもありますね。私は扶桑国と実質同じ国の人間だから、この国に協力することは当たり前に思いましたが、もし向こうの一族が中国とか朝鮮とかロシアの国民ということもある」
工藤社長
「うわー、そうは最悪だ。ゆき、向こうの人間がこちらに侵入しているかどうかは感知できないか?」
ゆき
「まだ感じていません。しかし出現するところは東京だけでないですし、あるいは外国かもしれません」
岩屋
「既にこちらに来ていて、アメリカとかイギリスと交渉しているかもしれませんね。そんなこと思うと恐怖しかないな」
伊丹
「最悪はそれですね。といって最悪を見ないことにするわけにもいかない。
まずは、ゆきさんの同類を感じる能力を強化して侵入を監視することがひとつ、あるいは全国に監視体制を作り上げるということも必要かもしれない」
工藤社長
「ゆきのように同族を感知できる能力がある者は10人くらいしかいない。それほどの捜索網を作ることはできません。ましてや外国までなんて不可能だ」
岩屋
「これは中野さんに相談する必要がありますね。我々では結論が出せません」


宮内省の帝太子執務室である。
帝太子は中野からの定期報告を読んでいる。政策研究所はもう地震対策からも復興計画からも手を引き、これから起こるであろう世界的不況と第二次大戦に備える研究を進めるという。いつになっても心配事はなくならないものだ。
ともかく差し当たっては大事件はなさそうだ。
報告書を机の上に放り投げると、その後ろにひっついていた1枚ものに気が付いた。1枚ものの報告書なんて重要じゃないと思いつつそれを手に取る。
なになに・・・・小沢さくらを私の養女として引き取ることにしました。戸籍上は養女ではなく私の実子扱いになります。ご了承願います。
なんだと、俺が養子にしたいといっていたのに、まあ、中野のところにいるなら慌てることもないか、ゆくゆく中野から召し上げて俺の養子にして数年は可愛がって、それからは有力な財閥オーナーにでも降嫁させて・・・
なになに、ちょっと待てよ、アメリカ留学させるだと。まあ箔をつけるにはそれもありか。だが向こうで結婚相手を見つけて帰国しないなんてこともありそうだ。となると、留学前に俺の養子にしておいた方がいい。プリンセスなら行きずりの男と簡単に結婚できるわけはない。
帝太子

「オーイ、中野を呼べ、」

お忘れになった方へ、
帝太子とは現皇帝の嫡男で次期皇帝、中野は現皇帝の妹の息子で帝太子とは従兄弟になる。とはいえ上下関係は明確で主従の関係である。

うそ800 本日の懸念
「73光年の妖怪」「盗まれた街」「20億の針」なんていうSF小説、あるいは「V」「宇宙戦争」とか「Mars Attacks!」というSF映画をご存じでしょうか? いずれも地球征服を企てる宇宙人が侵入してというお話です。
異世界から先進技術を手に入れてウハウハということもあるでしょうけど、敵対国が異世界から先進技術を手に入れることもアリでしょうし、異世界から侵略してくることもありですし、どうなるんですかね?

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注1
当時関東地方には近衛師団と第一師団のふたつがあった。史実では関東大震災の当日は、近衛師団は習志野演習場で演習中、第一師団は富士山麓で演習中だった。近衛師団長の盛岡守成は地震があっても演習を継続した。このために地震対応が遅れ被災者の混乱や虐殺が起きたという。
ちなみにそのときの近衛師団長 森岡は長州出身で陸軍大学校を優等で出たという。震災のときの判断ミスや稚拙な采配は汚点にならず、最後は大将になっている。あかんなあ〜

内閣府「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 第2章第2節 軍隊の対応」
「軍隊の対内的機能と関東大震災」吉田律人、日本経済評論社、2016

注2
このお話よりも10年以上遅くであるが、川西航空機が開発した97式飛行艇は民間、軍用合わせて200機以上作られた。民間用は旅客機として日本と南洋諸島のサイパンやパラオとの航空路を飛んだ。

注3
21世紀の現在、医者の6割は博士号をもっているが、この物語の1923年頃は医師は46,023人医学博士は1割程度だった。

注4
ここでの「ブーム」とは一般語ではなく、第一次大戦後の1920年代のアメリカの高度成長のことをいう。


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