*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。
兼安は最近、内務省や商工省などを訪問することが多く、そんなとき ![]() 久しぶりだから飲もうとなり、そのまま赤ちょうちんに入った。 お互い機密でない範囲で近況報告をする。兼安は今担当している太陽熱発電水道のことを米山に話した。米山は格闘術や射撃の訓練を受けていて大変だと苦笑する。 その口ぶりから米山も新しい仕事を楽しんでいるようで、兼安は安心した。 ●
その翌日、ここは帝太子執務室である。帝太子のお庭番である岩屋機関から、月1回2時間ほど定期報告を行う。多忙な帝太子にしては報告の時間が長すぎると思われるかもしれないが、帝太子も岩屋からの報告を聞くのは楽しみであり息抜きでもある。出席者は機関長● ● ![]() | |||
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「報告は以上です。現時点、特段問題となるような気配はありません」
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「そう願いたいものだ。向こうの世界の年表からみると、次なる難関は2年後の世界恐慌だな。これはいくらなんでも岩屋の手に負えないだろう。 ところで最近何か面白い話はないか?」 | ||
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「私は・・・・米山君なにかニュースはあるか?」
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「殿下は島村先生をご存じでしょうか?」
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「ああ、震災のとき皇居外苑の救護所で会った。それから彼が南洋に行ってからのこと、孤島で怪我人が出たので南洋庁の飛行機の使用許可を中野経由で受けたことがある。なんでも南洋庁長官が救急活動に飛行機を使わせないので、途方に暮れて俺に直訴したらしい。熱血漢だね。 それが君たちがコロールに行くきっかけだ」 | ||
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「ああ、そんなことがありましたな」
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「その島村先生は半年前、その怪我人の妹と結婚しました。ご存じのように官僚は他国籍の人と結婚すると任官資格を失うため、病院を退職して孤島で医院を開業しました」
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「南の島で新婚生活か、うらやましい限りだ」
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「南洋の住民には胃腸の病気が多いのです。それを島村先生は水が悪いからだと、太陽熱で海水を蒸留する水道設備を考えました」
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「ホウ、それはすごい! それでどうなった?」
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「今現在その設備で100戸ほどの集落に真水を供給するだけでなく、発電して集落に電気を送っているそうです。もっとも南洋ではまだラジオ放送がありませんから用途は照明だけです | ||
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「ほう、水も電気もか、大したもんだ。それで?」
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「島村先生のところは実験機なので南洋庁の予算で設置しまして、所有者も管理者も南洋庁直轄です。それを見た業者が模造品を他の島に売り込みました。ところが粗悪品だったため事故が起き、その悪徳業者は本土に逃げてしまったのです。 今、政策研究所では安全基準などを決めて、これから製造する業者にはその基準を守らせるとのことです」 | ||
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「ということは水道の設置を住民任せにしているわけか」
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「聞くところでは南洋には本土のように県とか市町村という行政機関がなく、住民たちに設置させるそうです」
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「岩屋よ、水道は行政の仕事じゃないのか?」
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「はあ、どうなのでしょう?」
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「公共サービスと仰いますと?」
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「税金は何のために取るんだ?」
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「国防や警察とか消防の原資であります」
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「それが公共サービスだ。本土であろうと統治領であろうと、税金を取っておいて公共サービスを提供しないのはおかしいだろう 消防もゴミ処理も、行政の責任だ。水道がないため病気になるなら、それは南洋庁が動かなければならないだろう」 | ||
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「委任統治領での水道設置は、国際連盟から統治を委任されている我が国の義務なのでしょうか? ましてや本土でさえ水道は十分普及しておりません。どうして南洋の島に・・」 | ||
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「まだ我が国でも水道が普及していないのは分かる。だけど委任統治領というのはある意味我が国のショウウインドウで、諸外国から注視されているわけだ。我々は旧宗主国であるドイツよりも良い経営をしなければならないことを理解してほしい。 ええと米山君が耳にしたその・・・事故を防ぐ措置だが」」 | ||
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「安全基準ですか?」
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「そうだ、それは水道設置の責任をはっきりさせた暁に、その当事者が考えることじゃないのかね。考案した島村先生とか試作した政策研究所が考えることじゃない。もちろんその実現を支援するのは政策研究所の仕事だ」
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「了解しました。中野さんとこの問題を話し合い、完了までフォローします」 | ||
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翌日、岩屋は政策研究所の中野を訪ねた。● ● ![]() | |||
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「というわけです。中野さんは水道設置を南洋庁の仕事だとは思っていなかったのですか?」
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「言われてみれば確かに筋はそうですね。とはいえお金は無尽蔵なわけじゃない。もし島村先生が考えなかったら、水道という発想はなかっただろうなあ〜」
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「まあ、そうなんでしょうけど、南洋は水が悪いため病気が多いなら、なんとかせねばなりませんね。正直言いまして私も殿下から指摘されるまで考えが回らず・・」
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「とりあえず殿下は南洋庁が主体となれと仰ったと・・担当の熊田を呼ぼう」
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「熊田君、南洋群島の水道の件だが、南洋庁の事業の一環として設置することはできないか?」
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「うーん、言われてみれば公共サービスですよね。前任者の開発計画にもなく、当然予算もありませんから考えつきませんでした」
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「前任者は石原君だったね。彼は水道を計画してなかったのか?」
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「河川があれば当然水道という発想があったと思いますが、そもそも河川がなく元々 雨水を飲料にしていたので思いつかなかったのだと思います」
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「ともかく水道を設置する方策を考えてほしいのだ」
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「問題はいくつもあります。まず先立つものがありません。それから600島もありますから、一挙に推進というのは難しい。順序を付けて進めるしかありませんね」
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「そこを考えるのが仕事だろう」
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「一番簡単なのは債権です。南洋群島債というのを売り出して、それを島民に買わせるのです。あの規模なら150両(1800万円)でできるとの吉沢さんの話でした。100戸で割れば1両半、うーん、本土ならともかく南洋の住民には負担できそうないですね」
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「債権を買わせるというのは、結局住民に負担させるのと同じだろう?」
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「いえいえ、何年か後には利子付けて償還するわけで、長い目で見れば負担どころか貯蓄と同じです。 中野さん、なんとか予算を付けて足りない分だけ起債というのではいかがですかね」 | ||
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「貨幣経済に移りつつあるところで手持ちの現金なんてないだろう。先だって言った新規事業との抱き合わせでアイデアはないか?」
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「考えてみます。 それから一挙に設置ってわけにはいきません。最低でも10年くらいかけて順次設置していくしかないですね。あまり水道設備の製造能力を上げても一巡すれば仕事がなくなります」 | ||
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「岩屋さん、これは内部で検討させてくれ」
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同日同時刻、ここは丸の内の新世界技術事務所である。珍しい客が伊丹を訪ねてきた。● ● ![]() | |||
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「ご無沙汰しております。丸の内に移ったとは商売繁盛ですね」
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「おかげさまで、米山さんは岩屋さんのところにいると聞きました。お仕事はスパイ活動ですか?」
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「ご冗談を、帝太子殿下の手足をしています。いや目と耳でしょうか」
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「今日はどんなご依頼でしょう?」
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「依頼というわけじゃなくて質問というか」
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「心当たりと言えば、2週間ばかり前に吉沢さんと兼安さんが来ましてね。南洋に水道を設置するので、その製品認証の仕組みを作りたいとか」
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「まさにそれです。実を言いまして先日、兼安さんと飲んだのですよ。そのとき兼安さんがその製品認証の仕事をしていると聞きました。 そんなことを殿下に雑談で話したところ、殿下はいたくお怒りになられました」 | ||
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「想像ですが、きれいな水は水道という短絡的発想をご指摘されたのですか?」
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「違います。きれいな水が使えるようにするのは行政の仕事なのに、住民に任せるのはおかしいと仰せでした。 それで今日、岩屋さんが政策研究所の中野さんのところに、いきさつを聞き取りに行っています。そして私はここに来たわけです」 | ||
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「なるほど水は必須だから公共サービスとして提供すべきと・・・さすが為政者の鑑です。おっと殿下は為政者ではなく君臨する者ですね」
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「私には公共サービスという概念がよく分かりません」
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「公共サービスとは・・・昔、仇討という制度がありました。現代では仇討という自力救済 国家や府や県は、税金を取る代わりに様々な行政サービスを提供します。警察、裁判、消防、道路、橋、そして水道。近代国家とはそういうものです」 | ||
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「なるほど・・ちょっと戻りますが、先ほど伊丹さんはきれいな水は水道という発想は短絡的と仰った。水道以外にきれいな水を得る方法があるのですか? あるなら伊丹さんはなぜ兼安さんに教えなかったのでしょう?」
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「私どもはビジネスです。問題を相談されると解決策を提案してお金をいただきます。お金も頂いてないのに、聞かれもしないことを話すことはありません。それこそコンサルタントは行政サービスじゃありませんからね」
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「それはちょっと冷たいのではありませんか。兼安さんも私も長い付き合いでしょう。正直 伊丹さんの良心を疑います」
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「兼安さんがいらしたときの雰囲気ですが、私からアドバイスをもらったら、サヨウナラというのがミエミエだったので余計なことを言わなかったのです。私は嘘を言ったわけではありません。問われたことには真実を述べてます。 考えてごらんなさい。私は知恵を売っているのです。タダで売り物を持っていくのは商道徳に反しませんか?」 | ||
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「納得できません。 おおっと、私もお金を払わないとご相談いただけないのですか?」 | ||
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「兼安さんの問い合わせは、型式認証制度をどう作るかでした。私は型式認証の前に、目的を果たすにはいろいろ方法があるから、まずそれを考えるべきだと伝えたつもりです。それをご理解されなかったようです」
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「露骨なことを言えば、伊丹さんの本音はゼニカネではなく、忠告を聞かなかったから問題の本質を教えなかったということですか?」
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「それはまた露骨な表現ですな・・・まあ、当たらずとも遠からずです。 遡れば島村先生のアイデアからどんなメッセージを読み取るかです。病気が多い、水が悪いからだ、では水道を作ろう、設備の設計ができた、粗悪品を防ごうという流れはおかしいでしょう」 | ||
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「はあ?」
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「目的は、病人をなくすためきれいな水が入手できることでしょう。水道は一手段です。目的に手段が見合っていないと思いませんか」
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「そうかもしれませんが、方法はあるのですか?」
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「きれいな水を得る方法をいろいろ考えなければならない。お金などの事情で水道がすぐできなければ、ろ過装置とか | ||
![]() | ![]() 「なるほど、教育啓蒙、そしてろ過、凝集、殺菌ですか・・」 ![]() 米山はメモをする。 ![]() | ||
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「今申したことは単なる思い付きです。要は目的をはっきりさせて方法を考えること」
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「分かりました。伊丹さんは昔から目的を考えろと言ってましたものね」
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「案外、目的を果たすには手間暇かけずに済むかもしれませんよ。それを考えるのは政策研究所でしょう」
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「でも、なぜそのとき兼安さんを説得しなかったのですか?」
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「聖人君子ではないからでしょう。それと彼は製品認証しか頭になかったようでした」
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中野は岩屋の話を聞いて、帝太子が岩屋に自分を諫めて来いと指示したのだろうと察した。ましてそのすぐ後に米山がたまたまなんて言いながら、
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しばし腕組みして考えたが、グジグジしてもしょうがない。初めに戻って考え直さなければならない。まずは伊丹のアドバイスをもらおうと決心した。 ![]() ということで伊丹は政策研究所に呼び出された。 ![]() | |||
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「伊丹さん、本日は問題解決のご指導をいただきたくお願いいたしました。まずこのところいろいろご迷惑をおかけして申し訳ありません。本来なら初めに状況を説明して、解決策をご教示いただくという流れでいくべきでした。 実際には島村先生考案の水道設備があったため、それを作るという前提で、水道設備の品質保証という相談をしたのが不味かった。それで本日は最初に戻ってからの説明をし、その対策案について議論したいのです」 | ||
![]() | ![]() 「私から説明いたします」 ![]() 熊田の説明が終わると、伊丹は説明を聞きながらとったメモを見て話す。 ![]() | ||
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「ご説明を聞いた結果、考えたことを話したい。議論した方がよろしいかと思いますので、私が話中でも遮って意見をおっしゃってください。 まず島村先生は南洋の胃腸の病気、食中毒が多いということに気づいた。そして水の問題だろうと検討を付けた。医師の判断ですからそれに私は論評できません。きれいな水が必要ということを真理としましょう。 そこから目的はきれいな水が入手できることとなります」 | ||
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「私は水道が完成した段階からの参加で、受けた指示は「太陽熱発電水道設備の品質確保」です。ということでこの議論の範疇外です」
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「そうだったかもしれん。それは申し訳ない。リセットして考え直してほしい」
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「ところできれいな水を入手するにも、水道を作れば良いわけではなく、考えることはいろいろあります。し尿処理も考えないとならない。ゴミや燃えカスの処理をどうするのか、水を汚さないためにはそういうことは重要です。 島村先生は私が懸念したことは既に考慮して、その場においては水道が最善と考えたのだと思います」 | ||
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「実は水だけでなく、島村先生の奥さんは電気が使える暮らしがしたかったそうで、それを合わせて叶えるものとして太陽熱発電を考えたと聞きました」
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「なるほどそういう条件もあったのですか。しかし群島の施政を行う立場では、そのまま太陽熱発電水道システムを作ろうとしたのは検討不足でしたね」
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「いや検討不足というより、私が考えなしに吉沢さんにそのままの仕様で検討依頼をしたのです。その前に、島村先生と意見交換しなければなりませんでした」
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「素人がいくら議論しても本質にたどり着かなかったんじゃないかな。伊丹さんのような考え方の専門家に入ってもらわないと、根本のところで間違えてしまうおそれがある。 先ほど兼安君から言われたことは私のミスだ。それは申し訳ない、反省する。ともかく今日は出発点に戻って考え直したい」 | ||
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「実は島村先生からの最初の手紙には水が悪いと結論した前提として、住民に下痢が多いこと、集落で糞尿の臭いがする、捨てたゴミが腐っているという問題が書かれていました。この時点で問題の棚卸をして、その因果関係のまとめと対策の優先を付けるなどの段階を置くべきでした」
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「ということは水道を作っても、糞尿、ゴミなどは未解決のままか」
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「すると下水処理もしなければならないことになるのか?」
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「いや、そうではないでしょう。江戸時代の長屋でも便所と井戸は離して設置するとか、いろいろ工夫していました。し尿から病気が感染する危険を教えることは、きれいな水を供給することと等しく重要です」
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「なるほど、し尿の扱いとか手洗いを教えることは、水道と違いすぐできる」
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「そう思います。なにごとも費用対効果ですから」
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「ええと、では健康向上のためにどんな施策をするかということだが?」
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「今までは考え方のことで、ここからは具体策になります。正直言ってここでは結論は出ません。改善は机上ではなく現場でしかできません。 まずは熊田さんが向こうに行って、南洋庁の担当官と島村先生と現地調査をして問題抽出をする、次にその対策をブレインストーミングなどでアイデアを出し、その後に具体的な費用や効果を試算する、最後に政治的に判断するという流れになるでしょう」 | ||
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「ブレインストーミングとはなんですか? | ||
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「問題を見つけるとかアイデアを出す手法です。それはそのときお教えしましょう。仮定の話ではなかなか分かりにくいです。 島村先生ならそういう手法はご存じのはず」 | ||
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「よし、じゃあここでの結論はこうしよう。 熊田君はもう一度南洋に行って島村先生と向こうの担当官と健康改善の問題点を抽出する。そして問題点の重み付けや対策などを検討する段階になったときに、伊丹さんを南洋に招聘して検討を行うこと。そのときには研究所から、吉沢さん、兼安君、そして私も参加しよう。 兼安君はそれまでこの仕事から放免する。 よいかな? では解散だ」 |
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注1 |
機関長といっても船の機関長ではない。諜報機関のトップのことで、007のMのような地位である。 ![]() | |
注2 |
日本のラジオ放送は1925年3月22日開始で、まさにこの物語のときである。 ![]() | |
日本の水道を民営化しようと法改正が検討されている。2018年7月にとりあえずは延期されたようだ。 現行の水道法第6条第2項では「水道事業は、原則として市町村が経営するものとし、市町村以外の者は、給水しようとする区域をその区域に含む市町村の同意を得た場合に限り、水道事業を経営することができるものとする」となっている。 改正案「地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」 これについてはネットでも政党間でも、ものすごい議論の応酬でメリット・デメリットが叫ばれている。本当のところ私には分からない。 ![]() | ||
注4 |
「公共サービス基本法」(平成二十一年法律第四十号)では「公共サービス」を次のように定義している。
ちなみに「国防は最大の社会福祉」と言われている。教育も消防も国がなければありえないから。 ![]() | |
公共サービスの対象範囲と民業との境目は大いに議論の余地がある。電気がなぜ民営なのか、官業はコスト意識がないなど、 ![]() しかし国防や警察は国営でなければならないというのは納得できるだろう。もし警察が民営化され、お金を払わないと捜査しないでは社会正義は失われる。水道が生死に関わるなら運営は民営であっても、責任は行政にあるはずだ。 ちなみにアメリカでは、19世紀には都市部で水道は当たり前になっていたが、民営のためにコスト優先で水質の問題もあり多くは公営となった。 21世紀現在では水道は世界的に民営化の動きにある。その本質はグローバル資本の利益追求が根本だと三橋貴明は言う。水道は国家安全保障上、コストだけで判断できないことではある。 ![]() | ||
注6 |
自力救済(刑事の場合は自救行為)とは、権利を侵害された者が実力行使により権利回復をはたすことをいう。
![]() しかし自力救済を禁じるには公権力が正義を成す保証がなければならない。それが成されないときはいつでも自力救済の権利を持つだろう。法は人が作ったにすぎず、生命財産を守るのは自然の理、自然権である。 そう考えると国防は自然権だよね ![]() ![]() | |
注7 |
水に浮遊しているゴミや不純物が小さいと沈殿せず水が澄まない。そういうときミョウバンなど凝集剤を加えて不純物同士をくっつけ大きくして沈降させる。水道は安全でなければならないから凝集剤もそれを考慮して選ぶ。 ![]() | |
注8 |
ブレインストーミングは1953年発祥らしい。まあ、どうでもいい ![]() |